転生者「転生したんでヒーロー目指します」   作:セイントス

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25:ホームルーム

ーーーオールマイトの授業はどんな感じです?

 

「…そうですね。私は昨日初めてオールマイト先生の授業を受けました。やはり、教鞭を取るのはあの方にとっても未体験の領域だったようです。しかし、そこは『No.1ヒーロー』堂々たる立ち振る舞いでした」

 

 

ーーー授業内容は?

 

「細かい内容は一生徒である私が答えられる範囲ではありませんので明言する事は出来ませんが…。オールマイト先生が受け持つ教科は『ヒーロー基礎学』です。ヒーロー科の生徒が一番接点の多い授業ですね…」

 

 

ーーーと言うことは貴方もヒーロー科?

 

「…はい、これでもヒーロー科1年です。まだ、駆けだしたばかりの未熟者ですが…。そこは、立派なヒーローとなれるように日夜努力していきたいと思います」

 

 

ーーー教師オールマイトについてどう思いますか?

 

「…一言で表すならば『身が引き締まる』と言った感じでしょうか?私たちヒーローを志す皆が、ヒーローの頂点であるオールマイト先生を意識する事で、常にヒーローの在り方を考えさせられる…非常に良い機会ではないかと思います」

 

 

「あの、申し訳ありません。私もそろそろ教室に行かないと…。授業の前に少し予習したい科目がありますので、失礼してもよろしいですか?」

 

ーーー失礼しました。お時間を取らせて頂き、ありがとうございました。

 

 

「あっ、映像を使用する際なのですが、お手数ですがプライバシー保護の為に顔出しをNGにする事は出来ますか?私はまだヒーロー見習いの身ですので…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…疲れた」

「お疲れ様っ!福朗!」

「一佳よ…。何で俺を置き去りにしたんだ…」

「それはあれだ、囮作戦だ」

「うへぇ、ヒドす」

 

 

未来のヒーローを養成する教育の最先端。国立雄英高校はマスメディアからの注目度も非常に高い。

そんな場所に、「『オールマイト』が教師として就任した」と言うニュースは大衆を大変賑わせた。

入学当初から大量の取材班が雄英高校に押し寄せ、「更なる情報」を求めているのだ。

 

……いやね?社会人なら正式な手続きを踏んでアポイントメント取りなよ。そんなんだからマスゴミなんて呼ばれるんだよ…。あんな圧倒的大多数で来られたら威力業務妨害だよ。…ん?学校でも適用範囲なのか?

 

普段から早い時間に登校する様にしていたが、本日は昨日以上に取材班が来ていて運悪く捕まってしまった。

一佳は俺を囮にしてさっさと逃走。一方で俺はそつの無い範囲で立ち回る羽目になった。ああ言うのって、下手な事すると後でやりたい放題されてしまうからな…。やんわりと軌道修正して逃げるに限る、これ俺の処世術ね。

 

 

「よっ!おはようさん!」

「あっ、泡瀬君おはよう!」

「おはようっ」

「しかし、凄いなあの人集りっ!抜けてくるのも一苦労だったぞ」

「そうだよな…しかも、あれ生徒に教員片っ端から声掛けてるしな。いい迷惑だよ」

「その辺は学校側が何とかするでしょ。私たちは触れないようにしよう」

「…」

 

 

はぁ、それにしても憂鬱だ…。記憶が正しければ「今日はアレの日」だしな。

 

 

_______________

 

 

「今日のHRは学級委員を決めて貰う」

 

「「「「学校っぽいの来たーー!!」」」」

 

 

朝のHR。内容は学級委員決めになった。

入学初日から早三日。いきなり授業やら戦闘やら中々にエキセントリックなカリキュラムが続いたが、突然やってきた如何にも学校らしいイベントに皆は既に盛り上がっている。

そんな喧騒を余所にブラドキング先生は黒板に雄英高校の各委員を箇条書きで書き出していく。…以外と多いな、基本は各委員2名づつか。

 

 

「…しっかりと話し合って決めるようにな。議長は…そうだな、暫定的に泡瀬やってくれるか?」

「はい!分かりました。…さて、じゃあサクッと学級委員長と副委員長を選出して進行を譲るか!」

 

 

…あっ。

 

 

「学級委員長っ!アタシやりた~い!」「俺だっ!俺にやらせてくれっ!!」「僕もやりたいかな?」「Hey!ワタシがイイデース!!」「ん!」「俺だってやりてーぞ!」「俺も立候補させて貰おうか」「…私もやりたい…かな?」「カッカッカ!俺もだ!」『やりたい!』

 

 

…まあ、そうなるな。

普通の学校の学級委員長ならば、ただ面倒なばかりの役である。しかし、それも雄英高校ヒーロー科ともなれば話は違う。

集団を引っ張っていくトップヒーローとしての機微を鍛える絶好の機会なのだ。

それだけではない、元々ヒーロー科の生徒は日本全国の中学でそれぞれがトップクラスの実力を持っていた強者達だ、当然我も強い。基本的には自信家の集まりなのだ。

 

 

「あれ?福朗はやりたくないの?」

 

 

そんな賑やかな光景を眺めていると隣の挙手したままの一佳が疑問を投げかける。

 

 

「俺はいいや。リーダーシップ発揮するよりも下っ端の方で馬車馬のように働くのが性に合ってる」

「そうか?中学も生徒会の仕事の手際良いって噂だったし、そういうの慣れてるのかと思ったよ」

「リーダーを選ぶなら『コイツの話なら乗ってやろう』って思えるような奴じゃないと駄目だ。お生憎様、俺じゃ人は着いてこないよ」

「なんでだ?」

「…そうだな、対人訓練中もだったけど、自分で好き勝手やっちゃうしな。俺の独断専行癖は直したいとは思っているけど…中々どうして。そんな我が儘な奴に着いてくる人は居ないだろう」

 

 

そうなのだ。本来なら昨日の戦闘訓練では物間君が鎌切君の足止め、その間に俺が泡瀬君・取蔭さんを各個撃破。後は俺が物間君と合流して鎌切君を二人がかりで捕まえる予定だった。最も、想像以上に「皆が強すぎて」計画が頓挫したために、全部俺のワンマンショーで何とかする羽目になった。

戦闘記録を見たブラドキング先生から言われた事だが「当初の作戦とやらもそうだが…お前はなんでもかんでも自分でやろうとするな、もっと仲間を頼れ」と注意された。

…思考が反れた。要はクラスのリーダーには「一人で突っ走る奴」より「人を上手く動かせる奴」がなるべきだと考えただけなんだよな。

というか一佳がなるべきだっ!原作的に器量的に!取り敢えず投票になったら俺は一佳に投票するっ!

 

 

「ちょっと皆、落ち着きなよ」

 

 

頭の中で一佳を推しメンに決定した所で、物間君が一同を制する。

 

 

「ハッキリ言ってこのままじゃ、決まる物も決まらないよ。立候補形式じゃ、やりたい人ばかりだ…。だからさ、記名投票形式を提案するよ」

「記名投票だぁあっ!?」

「そう、元々学級委員長は集団のリーダーだ。「やりたい人」だからってやれる物じゃないだろう?だから、信頼出来る人に任せるのが一番だと思うよ?」

「…けどな物間?それだと全員自分に投票するだけじゃ無いか?」

「そうだぜ!こんなに日が浅いんじゃ信頼関係なんてあって無いようなもんだぜっ!」

「大丈夫、そのあたりは考えてる。投票用紙には『投票者名』『記入者名』『投票理由』の三項目を設けるんだ。加えて投票者・記入者が同一人物なら『無効票』。「成り済まし」があっても『無効票』にするんだ。そうすることで『不正』はなくなるだろ?」

「物間君、中々面白い事考えるな!」

「加えて言うなら「日が浅いから互いの信頼関係も弱い」。反対に言えば「僅かな期間で信頼関係を構築する」ことが出来ていれば、それはリーダーとしての素質があることの証明になるんじゃない?」

 

「…先生?委員決めを帰りのHRに持ち越してもいいですか?」

「ああ、問題ないぞ。納得行くまでやるといい」

 

「分かりました。…それじゃあ議長として物間の案を採用したいと思う。反論有る奴いるか?

…無いならこの後は投票会。俺一人…だと不正対策にならないな、言い出しっぺの物間と…女子からが良いな、取蔭?集計を手伝ってくれないか?」

「いいよ~!」「まぁ、仕方ないか…」

 

「じゃ、早速投票会だ。投票結果の発表は帰りのHRでする。委員長が決まり次第、進行役は交代だな」

 

 

 

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