買い物している。今日もまた試作品の買い出しだ。
最近物騒なことばかりで嫌になる。なにか世界の裏で命運賭けた戦いでもしてるのだろうか?
あと砕けた月が近づいている気がする。夜空の月見てて気づいたけど、自分で気づくのだから、国が気づかないのは変な話だ。
そう考えていると、近くの工事現場から大きな音が鳴り響く。
なんだと思いかけ付けると、
「君は・・・」
「・・・・・・デス・・・」
たまたまケガはないツインテールの子を背負って、店に戻る。
母さんの許可を得て、客室に休ませる。外傷は無いが、母さんが見ている。
そして金髪の、例の子だ。先ほどから落ち込んでる。
こういうときどうすればいいか、わからない。それでも、近くにいてあげなきゃ気がするので、側にいて上げる。
「ごめんなさいデス・・・色々としてもらって」
「気にしなくていいよ、困ってるときくらいね」
「・・・デス」
カフェオレを淹れてあげて、そっと出す。
それに躊躇するものの、いただくデスと呟いて飲む。
「おいしいデス・・・」
少し微笑み、それにほっとする。
少しだけ頬を赤くして、そっぽ向けられた。
そんな様子を見ながら、少しだけ伝えておく。
「えっと・・・常連さん」
「デス?」
「なにがあったか聞けないですけど、その・・・カフェオレとパンくらいは出せますから、また来てください」
「・・・」
それしか言えず、常連さんは黙り込む。
その後、ツインテールの子が起きて、彼女たちのにお土産を持たせる母親。止めたかったけど、殴られたため、止められなかった。
こうして彼女たちと別れる際、金髪の子が、
「あの」
「?」
「・・・またデス」
そう寂しそうに呟いた。
私はフィーネデス。いずれ、調達のことを忘れて、違う自分になるんデス。
もう会えない、私が私でなくなる前に、手紙を書くデス。
その時、あのパン屋の人を思いだしたデス。
またデスって、嘘言っちゃいました。なんでそんなこと言ったデス・・・
わからないデスけど、さよならの手紙を書いておきたいデス。
手紙を書こうとすると、手が止まる。どうしてデスか?
そう考えてて、わかったデス。私は・・・
「・・・ん」
朝、小麦の焼けるパンの香りの中で、店の準備を手伝う。いつもの日課だ。
そしてその時、ドアに手紙があるのに気づく。
それに手を取り、手紙の封を開けて、読んだ。
その後は、学校とか忘れて、辺りを探しまくった。なんだよあの手紙、っていうか読んでこの行動って自分・・・
そう思いながら、さよならの手紙を持って、終わりを告げた。
「デッデッデーーーースーーーーーーーー」
「ど、どうしたの切歌!?」
「やっちまったデス!! もう外に出たくないデスッ、ずっと監獄暮らしでいいデス!!」
護送前の叫びに、装者達全員が驚いている。
「なに言ってるんだテメェはよ」
「切ちゃん、どうしたの!?」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいますぐ死にたいデスぅぅぅぅ」
「ダメだよそんなこと言っちゃ、生きること諦めないで!!」
「そうは言われても、言われてもデーースーーーー」
切歌のなぜの悶絶理由はわからないまま、彼女たちは罪を償うために、時間が過ぎる。
(もう読まれてるデスよね!? どうして、あ、あんなこと書いたデス!? 全部フィーネが悪いです!! もうダメデス、終わりデス。もう外に、あの人に会いたく・・・)
そう思う中、一瞬止まる。
会いたい。
「・・・ううっ」
顔を真っ赤に、だがすぐに青ざめる切歌に、護送されているマリアと調はしんぱいそうに見守っていた。
「ん?」
弦十郎はコーヒーを飲み、いつもと違う味に、首を傾げた。
うまいにはうまいが、いつもの深みなどが足りない気がする。
「気づきましたか」
ここのオーナーである旦那の亭主が苦笑しながら、カウンターから話しかけてきた。
「どうしましたか? 豆を換えた・・・いや違うか」
「息子が少し、おかげで常連さんが心配してて、困ってます」
そんな会話に、いつもバリスタ志願の息子さんがいないのに気づく弦十郎。
その様子に、どうしましたか?と聞くと、
「年頃なんですよ、あの子も」
「・・・青春ですか」
「ええ、そのようです」
苦笑して仕方ないかと、コーヒーを飲む。
今頃息子は、辺りをぶらぶらしている。
(・・・見つからないよな)
名前も知らない子を探す、ばかばかしい。
手紙にはもう会えないことが書かれていたのに、なに考えてるのかわからない。
あれ以来、コーヒーの味がかわるなど、不調が続くため、店にあがるなと親に言われたため、暇などだ。
だからといって、あの金髪の子を探すのもどうかと思う。
「・・・はあ」
昼間の風を受けながら、海を見つめていると、ふとっ、そちらを見た。
「あっ・・・」
「!?」
隠れていたあの子を見つけ、目が合うと走り出そうとしたため、走った。
「ま、待って」
「ま、待てないデス!!」
「いや、あんな手紙もらって答えないのも」
「き、聞きたくない、聞きたくないデス!!」
そんな会話しながら走るが、すぐに追いつき、その手を掴む。
切歌は顔を真っ赤にしながら、顔を見ようとするが、見たくても見えない。
「は、早とちり!! 早とちりして、あんな手紙出したんデス・・・そのあとは、色々あって、その・・・ごめんなさいデス・・・」
「は、早とちり?」
それに驚きながら、気まずい空気か流れる。
だけど、その中で、静かに、
「そ、それじゃ、その・・・俺に対してもその、違う、の?」
「・・・・・・・・それは・・・」
それから、かなり時間が過ぎる。
真っ赤な顔の切歌達。だけど、
「・・・好きデス・・・」
そう短く呟くと、
「・・・俺でいい?」
切歌はこくこくと頷く。
それに真っ赤になる二人。いつの間にか手を繋いでいるのも恥ずかしいが、放したくないため、放さない。
「と、とりあえず・・・お店来る? カフェオレ、淹れるから」
「・・・デス♪」
そうして今日から常連さんこと、暁切歌は、恋人になった・・・
調「ジーーーーーー」
その様子を物陰から見ていて、カメラで一部始終撮影していた。
調「切ちゃん・・・」
虚ろな瞳でその様子を見つめる調。静かに、撮影したものを操作していた。
続く?
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