今回は、前回アカsideだったものをクロsideにしてみました。
お互いの心情を、読んで楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
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「ッはぁ、はあっ……ま、て……っ」
俺は、軽い足取りで駆ける子猫を懸命に追い掛ける。
くそっ、此奴……結構速いな……
そんな事を思いながらも後を追う。
が、俺は止まった。
子猫は既にチカチカと点滅を始めている信号が有る横断歩道を渡って逃げたのだ。
「っあー…………怪我すんなよー」
俺は仕方なく諦めてその場で脱力した。
…………あ。そういや、アカ……置いてきちゃったんだっけ。
アカ、大丈夫かな。
そう思ったのもつかの間。
「クロ、クロ、クロ!……っま、まって……クロ……!!」
どんどんこっちに走り寄るアカはそう云い乍、俺の前を通り過ぎる。
____もしかして、此奴また……
云っちゃ悪いけど、アカは前から足が遅い。小さい頃は俺も遅かったけど今ではその差は歴然だ。
そしてもう一つ。
アカは自身が走っている時、周囲が見えていない。
幼馴染みだからこそ、とは言い難いけど、ずっと此奴のことを見てきたから解る。何時も運動会の短距離走なんかは、ゴールしたと思ったのか、ゴール前で止まって疲れきっていたり、ゴールした後もひたすら走り続けていた事もあった。
今回も俺の後を追っていたクセに、俺の前を通り過ぎた。
まずい。そう思った俺は咄嗟に
「アカ!?」
そう云って、アカを呼び止めた。
アカは俺の声が届いたのか、ピタリ、と止まって呼吸を整えている様だった。
アカが今いる場所は先程まで点滅していた横断歩道。その点滅は既に終わっており、赤のライトが眩しく照らされていた。
俺はアカの所まで走って、抱き締めた。大型のトラックが迫っていることに気付いていたから。
アカと離れたくない。
その一心で抱き着いてしまった。
アカは抱き着かれたことを理解したのか、
「クロ」
そう云おうとした。俺でも解った。けど、大きなクラクションの音と共に俺達は凄まじい痛みによって地面に倒れ込んだ。
地面に倒れ込んだ直後、俺が気付いたこと。それは、
周りの音が、周りの声が何一つ聴こえなくなったこと、だ。
大型のトラックと衝突した瞬間、俺の耳が働かなくなった。その後に全身に痛みが走った。
そうだ、アカは……
そう思ってアカを見ると、左手で心臓を抑えて苦しそうに目を細めている様だった。
「ぁ…………か……」
俺は必死に掠れた声だがアカの名前を呼ぶ。
いや、呼んだだろうか?
自身も声を出せたかどうか解らない。聴こえない。くらいに脳が静止される。息が止まる。目が細まる。
けれど一瞬だけ。
ほんの一瞬だけ。
____俺に微笑みかける人間がいた
のは、気の所為だろうか。
それすらもはっきり解らない程にしか開いていなかった眼も、完全に閉鎖された。
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どうでしたか……。
なんだか同じシーンを書いているとどうしても同じ様な描写だったり表現だったりで難しいです。
もっと頑張ります。
ではまたお会いしましょう。