六話、今回は蔦さん目線で行ってみよう。
アカくんとの取引が終わったところ。
それではどうぞ。
「ッ…はは……」
薄暗い、俺の住家とも言えるであろうこの実験施設。
そこに戻りながら俺は一人。その環境で笑っていた。
____ アカくん。彼奴は最高の実験道具だ。
クロくん、その言葉を云っただけで物凄く驚いていた。
死んだ、なんて云った時にはもう完全に自分の感情を失っているようだったしね。
ましてや敵討ちをするなんて決意してたんじゃないかな。
クロくんの為に生きろ。そんな可笑しい事を云っただけなのにねぇ。
「……面白いなあ」
俺は思わず口角を上げてしまう。そういった所で、
「蔦にい」
茎が嫌そうな、小さな声で俺を呼ぶ。
「なに。」
折角楽しかったのに……邪魔すんなよ。
「あっちの子……、目ェ覚めたみたいよ」
なんだ、その件か。
此奴は知っているだろうが弟の、茎。弱い自分を変えようと、まあ……所謂オネエという部類だ。そんな茎に俺だって最初は戸惑ったけれど、今じゃあおなじみの光景過ぎて全く気にならない。
そんな茎に
「ああ……。こっちも何とかやったよ。」
そう云って俺は軽く微笑んだ。
「ねえ、蔦にい。……アカくんに嘘までついていいの?」
はぁ……。今更そんな事。
「いいんだよ。その方がアカくんも狂いに狂ってくれるだろうしね。
そうなった事をあっちに伝えれば…………。ッはは、」
考えただけでゾクゾクしてしまう。こんなに楽しい事はきっともう、この上ない。
こんな実験を考えてしまった自分を存分に褒めてやりたいよ。
「……。」
俺は茎を見る。嫌そうな顔をしているのが解った。
「なんだよ、嫌そうな顔して。」
俺は一応、そう聞いてみる。どうせその答えは反抗的な答えなんだろうけどな。
「やっぱりこんな事……可笑しいわよ…………。」
ほら、また云ってる。
この実験は何一つ可笑しくない。実に狂おしい、楽しい実験だろう?茎。
「…………ふん。」
俺の思いは声に出さずに留め、そう云ってそっぽを向く。
そして薄暗い実験施設に現れる光、パソコンの光だ。其奴を覗いて、俺は笑みが止まらなかった。
…………アカくんもクロくんも何て最高なんだ……。
早く壊したい。アカくんの理性を。精神をズタズタにしてやりたい。
まだだ、まだ物足りない。アカくんが落ち込んでいるだけだなんて、実験とは言えない。
実験を成功させるには…………もう一人の実験道具を有効に使わなくちゃな。
どう狂わせようか。
取り敢えず、アカくんを仮想空間に転送させて……。
そうだ、力を授かったアカくんは一体、どうなっちゃうんだろうねぇ?
仮想空間をめちゃくちゃにしてくれるんじゃないかな。それともまだ逃げ腰のままなのかな?
ああ、、本当に面白い。早く、早く殺してやりたいよ。
「………………」
ずっと無言の茎はといえば、決して俺の事を否定せず、かと言ってこの部屋を出ることもなく、している事といえば自分の髪を弄っている事だった。
____________
どうだったでしょうか。
蔦さんホントいい性格してますよ。好みドストライク(
それではまた会いましょう。