今回は『アニライブ!』などを書かれている名前はまだ無い♪さんです!『♪』が重要!世の中の名無しのみなさん、これが本物の名無しやぞ!!byシベリア
どうも初めまして、と言っていいのやら分かりませんが初めまして。名前はまだ無い♪と言います。
以前ウチの若葉君が友情出演させて頂いた作品のアンソロジー企画を書けるとは思いませんでした。
前書きで長々と話しても仕方ないので、早速本篇どうぞ!
【音ノ木坂学院七不思議】
一.真夜中、裏山の古井戸に水が張る時刻がある。そこに顔を映すと焼け爛れたあなたの顔が―――
二.校庭脇の大木に住む黒い烏は天狗で人語が喋れる。うっかり話すと死ぬ。
三.夕暮れの音楽室からクラシックが流れてくる。
四.人によって段数が変わる階段。
五.理科室の合わせ鏡で悪魔が出る。
六.天神様と明神様の深夜の飲み会in講堂。通りすがってくじを引き当てると一生運に恵まれるが、外れると貧乏神をよこされる。
七.八月の金曜の夜八時、一年一組の教室に空襲警報が鳴ると、勉強したいのにできずに死んだ女子生徒の幽霊が出て乗り移られる―――
「なぁ、絵里、希。これなんだか知ってるか?」
夏休みの真っただ中。ナオキは絵里と希とともに生徒会室で資料整理をしていると、棚を整理していたナオキがとあるプリントを見つけ、二人に見せる。
「あぁ、それは音ノ木に伝わる七不思議やね」
「七不思議ってあれか? 七つ全部知ると災いが訪れるってやつ?」
「って全部知っちゃったじゃない! どうするのよ!」
ナオキの言葉に絵里は七不思議の書かれたプリントを恐ろしそうに見る。そんな絵里に構わず、ナオキは馬鹿らしそうに、希は面白いものを見る様にそれぞれ紙を見る。
「でも火のない所に煙は立たないって言うし、何が原因か突き止める必要があるんやない?」
「まぁだろうな。にしてもこんなもん信じる奴はいるんかね」
「ふ~ん。なら調べてみる? 今夜」
希は口元に手を当て笑みを浮かべ、提案する。
「おれは別に構わないが、絵里は大丈夫なのか?」
「え!? わ、私は別に大丈夫よ!」
「て、えりちも言うてるし、今夜集合ね」
希が手を叩いて言うとその場では解散となり、一度各々自宅に帰り必要な物を持ち寄って夜に再び校門前に集合した。
「で、希はどうしたの?」
「なんでも急用で来れなくなったらしい」
ナオキが携帯を開いて希からのメールを見せる。そこには急用で来れなくなった旨のメールが表示されていた。メールを読み終えた絵里は溜め息を吐くと、頭をおさえる。
「どうする? 今日は止めにするか?」
「…………いえ、せっかく来たんだから……やりましょう」
「ハァ、無理になったら言うんだぞ」
ナオキは頭を掻き絵里の手を引いて校門を通る。絵里も手を引かれ中に入る。
校内の照明はすべて消えており、明かりはナオキと絵里が持ってきた懐中電灯と窓から入ってくる月明りだけ。
普段多くの生徒で賑わう廊下も、今は静かで聞こえるのは二人の足音と、時折風が吹いて窓がカタカタとなる音、そしてその音に驚いた絵里があげる短い悲鳴だけ。
絵里はナオキの袖を掴み、体を震わせる。
「あー絵里。なんだったら手、繋ぐか?」
「え!? わ、私は別に全然平気だけど、ナオキがそう言うなら繋いであげても良いわよ!」
「なんで真姫みたいになってんだよ。ほら」
ナオキは空いている手を差し出すと、絵里はすぐにその手を掴む。その様子にナオキは溜め息を吐きつつ、絵里の手を引いて歩き出す。
「そ、それで最初はどこに行くの?」
「ん? あぁ最初に行くのは一年生の教室だ」
「なんでそこからなのよ!」
「なんでもなにも、この七不思議と音楽室日時が決まってるからな。一年生の教室はこの機会を逃すとまた来週やらないといけなくなるだろ?」
教室の前に着き、ナオキが聞き耳を立てながら言うと、絵里も確かにと嫌々頷く。
「特に何も聞こえないな……絵里、今何時だ?」
「えっと、7時58分よ」
「あと2分か。ここで待つとするか」
ナオキはそう言うと教室の反対側の壁に寄り掛かる。絵里もナオキの隣に立ち教室の壁を見る。そして2分が経った頃……
「何も聞こえないな」
「そうね。確か8時よね?」
絵里は携帯の時計を確認して隣にいるナオキに聞く。時刻は8時を少し過ぎていた。もちろん教室の中からはなにも聞こえない。二人は恐る恐る扉を開けるも、中の様子は昼の時と何も変わらない。
「やっぱりか。所詮七不思議といっても怖いもの見たさってやつか」
「で、でも偶々これがそうだっただけとかは?」
「……一応全部回ってみるか」
ナオキは教室の扉を閉めると絵里の手を引いて歩き出す。手を引かれた絵里は首を振りながらも、引かれるままに連れて行かれる。
次に二人が訪れたのは天神と明神が飲み会をしていると噂の講堂。
「通りすがるとくじを引けるんだっけか?」
「え、えぇ。それで外れると貧乏神を渡されるって」
「貧乏神ねぇ。そんなもんほんとにいるんかね」
ナオキは頭の後ろに手を回し講堂に入って行く。絵里もそれに続いて入るも、特に何も聞こえず暗闇が広がっていた。絵里は懐中電灯の明かりを元に歩み寄る。
「ねぇ、ここも何もないみたいだし、早く次の場所に行きましょ」
「もう少し調べたいが、そうだな。時間も限られてるしな」
絵里に手を引かれナオキは渋々講堂を後にする。そして二人は理科室の合わせ鏡、校庭脇の大木、裏山の井戸を確認し、そのどれも何も起こらず二人は裏山から再び校舎に戻って来ていた。
「結局それらしいものはなかったな」
「そうね」
最初は怖がっていた絵里も、何事もなく七不思議の調査が進んでいる事に安心した様子でナオキの隣を歩く。二人が次に向かっているのは「上り下りで段数の違う階段」と噂のある階段だった。
二人が音楽室より先に階段を選んだ理由は単純で、音楽室に行く途中にその階段があるからである。
「じゃあ数えるぞ」
「えぇ」
ナオキと絵里は一段、また一段と会談を上りながら段数を数える。そして踊り場まで来たところで二人は足を止め、段数の確認をする。
「絵里、何段だった?」
「私は13段だったわ……ナオキは?」
「……おれは12段だった」
ナオキの数字を聞いた絵里は口元に手を当てると、目を見開いて驚き階段を振り返る。階段の先の廊下は暗く、絵里は自身の体を抱きしめる。
「絵里、怖いのか?」
「だ、だって話の通り、階段の段数が違うのよ? ナオキは怖くないの?」
「こういった物には必ず何かある。火のない所に煙は立たないって今日希が言ってたろ?」
ナオキは絵里の肩に手を置き、落ち着かせる為にゆっくりと頭を撫でる。絵里は撫でられて少し落ち着いたのか、ナオキに向き直る。
「それじゃあ、どうして段数が違うのよ」
「説明の前に絵里、一つ聞きたい」
絵里の質問にナオキは指を一本立て、絵里に問い返す。
「絵里は段数を数えたとき、この踊り場をカウントしただろ」
ナオキは踊り場の床をトントンと軽く踏みながら絵里に聞く。ナオキに聞かれた絵里はそれに対して頷いて返す。
「おれは踊り場をカウントに入れてないんだ。だから一段の差はそれが原因だ。それがおれがこの話を怖がらなかった理由だ」
「た、確かに踊り場を入れるかどうかで変わるわね」
「ま、おれはこの話を聞いた時から何となく予想はついてたしな」
ナオキはそう言うと、絵里の手を掴んだまま音楽室へと向かう。
「残るは「夕暮れの音楽室からクラシックが流れてくる」か」
「でもナオキ、今の時間夕暮れじゃなくて真夜中だけど、大丈夫なの?」
「あぁ、そこらへんは心配しなくて大丈夫だろ。今までのが全部ガセネタだったことを考えると、きっと音楽室に何か仕掛けがあるんだろ」
ナオキは初めと同じように聞き耳を立てた後、そっと小窓から中を覗き込む。中には誰もおらず、ナオキは扉を開けて中に入り懐中電灯で室内を照らす。
「ど、どう? 何か分かった?」
「う~む。ちょっと待っててくれ」
絵里が入り口付近でナオキの様子を見ていると、ふと視線を感じ暗い廊下を見る。その先から現れたのは理科室に飾られていた人体模型だった。その人体模型は絵里と目が合うや否や、絵里に向かって駆け出す。
「ひぃっ!」
絵里は一歩後退るとその場で体を反転、人体模型の反対方向に走り始める。
「絵里? ……どこに行ったんだ?」
ナオキは騒動が気になり音楽室から廊下に出るも、そこには既に絵里と人体模型はなく、静かで暗い廊下が広がっていた。
「ったく、暗い所ダメなのにどこ行ったんだ?」
ナオキが手に持った懐中電灯で左右を見渡していると、何かが光に当たるのが分かった。ハッキリとそれを見ようと明かりを上にずらすと、光に照らされたのは人体模型だった。
「……は?」
人体模型を見たナオキは一瞬固まるも、人体模型がナオキに向かって走り出した途端、ナオキは人体模型に向かって掌打を放った。それは予想外の相手と、その相手の奇行への反射行動と言っても良かった。しかし人体模型はそれを軽やかにかわす。
「なっ!」
掌打をかわされた事による驚きで一瞬動きが止まってしまう。その隙を突かれてナオキは人体模型に接敵されてしまった。人体模型はそのままナオキの服を掴もうとするも、寸でのところでナオキは伸ばされた手を振り払い、逆に掴み巴投げの要領で人体模型を投げる。
投げられた人体模型は受け身を取る事が出来ずに壁に叩きつけられ、各関節ごとにバラバラに分かれる。
「ふぅ……突然襲われたから投げちったけど、これ下手したら器物破損じゃね?」
バラバラになった人体模型を見て呟くも、絵里を探す事を優先しその場を離れる。
故にナオキは気付かなかった。バラバラになった破片がモゾモゾと動いていた事に。
「な、なんで着いてくるのよ~!」
絵里は後ろを振り返り、追いかけてくる人体模型を見て足に力を入れて走り続ける。
絵里は音楽室の前から今までずっと人体模型に追われていたのだ。手に持っていた懐中電灯は逃げている最中に誤って落としてしまい、人体模型に踏み潰され校舎のどこかに転がっている。
「ナ、ナオキ~!!」
絵里は月明りを元に暗い廊下を走り、先ほどまで一緒にいて音楽室に置いてきたナオキの名前を呼ぶも、当の本人はその場にはいない。
逃げ始めてから何度か物陰に隠れたものの、その度に悉く時間稼ぎになる暇もなくあっさり見付かり、逃走劇が再開されるのだった。
一方、ナオキは音楽室から離れ、一人校内を歩き回っていた。
「にしても絵里はどこに行ったんだか……ん?」
ナオキが各教室を見て回っていると遠くの方で青白い光がポゥッと灯っているのが見えた。ナオキはその光に向かって歩き出す。
「なんだ絵里。ここにいた……のか……?」
ナオキはそれが絵里だと思い笑いながら話しかけるも、光の元に人影はなく、その青白い光は上下にゆらゆらと揺れていた。ナオキは光の周りを万遍なく照らし、それが完全に宙に浮いている事を確認すると少しの間その場に棒立ちになる。
「あーこれはあれやな? 俗に言う火の玉とかそんなんやろ? はっはーさては希の仕業か? 明日会ったら懲らしめな」
ナオキが一人そう言っていると、突然青白い光、火の玉がナオキに向かって近付いてくる。ナオキと火の玉が接触するまであと僅かといった所で、ナオキは叫び声を耳にする。
「この声は……絵里か!」
ナオキは振り返って声の聞こえた方へと駆け出す。そんなナオキの後ろを火の玉はゆらゆらと揺れながらついて行く。
ナオキが声の元へと駆けつけると、そこでは絵里が背を壁に着け二体の人体模型に追い詰められていた。
「てめぇら、おれの絵里になにしとん……じゃぁぁぁぁああ!!!」
「ナ、ナオキ!?」
ナオキは絵里に迫っていた人体模型達に飛び蹴りを喰らわす。
絵里は迫って来ていた人体模型達が、先ほど助けを求めた人物により真横に吹き飛ぶのを見て驚きの声を上げる。ナオキに蹴飛ばされた二つの人体模型は壁に叩き付けられバラバラになる。
「絵里、大丈夫だった、か?」
「……った」
ナオキは着地と同時に絵里に駆け寄る。絵里は駆け寄ってきたナオキの胸に飛び付き、小さく言葉を発する。ナオキは上手く聞き取れず、首を傾げる。
「怖かった! もうちょっと早く助けに来なさいよ!」
「いやいや勝手にどっか行ったの絵里だし」
「それでもよ!」
ナオキは体を震わせて言う絵里をどうしたものか、と頭を掻きそっと絵里を抱き締める。それから暫く、ナオキは絵里が落ち着くまで抱き締め続けた。
「……もう、大丈夫」
「本当か?」
「…………もう少し、このま……」
絵里はナオキに抱かれたまま続けようとするも、ナオキの後ろに浮かんでいるものを見て言葉を止めてしまう。ナオキも絵里が言葉を切った事を不思議に思い、後ろを振り返る。そこには絵里の悲鳴を聞く前に見た火の玉がゆらゆらと揺れていた。
「ね、ねぇナオキ。これってもしかして」
「あぁ、さっきここに来る前に遇ったんだが、特に何もしない……はずだ」
ナオキの言葉に反応するかのように火の玉は纏っている青白い光を点滅させる。二人はジッと火の玉と見つめ合う。ふと火の玉はゆぅらゆぅらと揺れ始め、フッと消え去る。
「な、なんだったのかしら?」
「さぁ? まぁ消えたって事はおれらに危害を加えるつもりはないみたいだな」
「でもこれで七不思議の原因が解けたのよね?」
「だな。結局これに書かれている七不思議よりもあれらの方が……」
ナオキが七不思議の書かれたプリントから目を離し、蹴り飛ばしバラバラになった人体模型に目を向ける。視線の先では人体模型がモゾモゾと動き、元の形に組み直っていく。
その様子を見た絵里とナオキはどちらともなく顔を見合わせ、夜の校舎を昇降口に向かって走る。そんな二人の後ろから、二体の人体模型がカタカタと音を立てながら追いかける。
翌日。希が生徒会室に行くと、図書館から学院の歴史関連の本を大量に借りて読み漁る二人の姿があったとか。
いかがでしたでしょうか?
これは今回以外にも当てはまるのですが、自分が他作家さんのキャラを執筆するとキャラ崩壊を起こすので、そこが不安です。
七不思議については一部を除いてSIDより抜粋しています。変更した部分はその方が話の展開がさせやすいからです。
人体模型'sと火の玉、音楽室でのトリックなどは読者の皆さんのご想像にお任せします。その方が物語としても面白いでしょう?
まだまだ企画も始まったばかり。きっとこの後に控えている作家さんは自分よりも面白おかしい、イチャラブな話を投稿すると思います。
自分も次話からは一読者として楽しみにさせて頂きます。
さて、慣れない後書きを書くとどうも文字数が分からない上に話が纏まりませんね(苦笑)。なのでこの辺りで筆を置かせて頂きます。
ではまた何かの機会があればお会いしましょう!