デート・ア・ライブ 琥零愛イレーズ 作:新米マンゴー(イチゴ味)
駄文ですがよろしくお願いします。
2017.7.28
修正しました。
五河士道は、不安と後悔の渦の中にいた。
なぜなら、右腕にありえないものがいたからだ。
士道は恐る恐ると言った様子で自分の右腕をもう一度見た。
そこには、美しい琥珀色の髪の少女が、士道の右腕に抱き着くようにして寝ていた。
しかも裸で、である。
士道がこのことに気が付いたのは、今から十分前のことだ。
珍しく自分一人で朝目覚めると、右腕に妙な違和感を感じた。
だから何だろうと思い見てみると、見たこともない美しい少女が裸で自分の腕に抱き着いて寝ていたのだ。
腕を抜こうと何回か試してみたが、少女の力が思いのほか強く、片腕だけでは抜くことができない。
だからと言ってもう片方の腕をつかもうにも、少女が全裸なため、その柔肌に触れなければならなくなる。
それに今この状態で起きられて悲鳴を上げられでもしようものなら、士道は琴里から問答無用でお巡りさんを呼ばれることだろう。
それだけは絶対にダメだ。
かといってほかの要請を読んでこの女性に嫉妬されても、好感度や士道のいろいろと大切なものが崩れて行ってしまうので却下だ。
そのため、今士道はこのような絶対に知り合いには見せられないような状況に居座っているのである。
「とはいえ、どうするかなぁ、この状況…」
そう呟いた瞬間だった。
「何がどうするかなぁ、なの?」
「いや実は今俺のベッドの中で知らない女の子が寝ててさぁ…って、え?」
突然話しかけられたので思わずいつも道理に返事を返してしまったが、今この部屋には士道と謎の少女だけである。
誰かが入ってきたかと思い慌てて扉の方へと向くが、そこには誰もいない。
じゃあどこだろうと士道がきょときょとと首を振っていると、右腕をくいくいと引っ張られた。
「ここよ、ここ」
そこかと思い士道が振り向くと、そこにはさっきまで寝ていたはずの少女がこちらを見つめていた。
髪と同じ透き通るような琥珀色をした瞳は、士道をとらえて離さない。
思わず引き込まれそうになっていた士道は、何とか彼女の瞳から逃げ出そうとするがうまくいかない。
「き、君は…」
士道は必死に声を振り絞り、少女へと声をかけた。
「ん?私?」
「君は、だれだ?なんで俺のベッドの中に…」
「え?覚えてないの?ひっど~い。昨日はあんなに激しく求めあったっていうのに」
拗ねたかのようにほほを膨らませている少女の話を聞いて、士道は絶望した。
やはり彼女が裸でいたのは、そう言う事だったのか。
ここは男として責任を取るべきだよな…。
この瞬間、士道は覚悟を決めた。
いつヤッたのか、いやそれどころか本当にヤッたのかさえ覚えていないが、彼女がされたという事ならば本当なのだろう。
記憶がないせいで初対面の彼女の言う事を丸ごと信じる形になってしまうが、それもしょうがない。
男として、責任を取って彼女の一生の面倒を見るべきである。
「なーんてね。冗談じょうだ―」
「結婚しよう」
「―んって、え?ええぇぇええええ!?」
「俺が君のことを抱いたのならば、君の責任を俺がとるのは当たり前のはずだ。不束者ですが末永く―」
「だからそれは冗談だって!冗談!ウソ! it’s joke!」
顔を赤らめて自分が言ったことが冗談だといった少女は突然結婚しようだなんて言われたことに対して恥ずかしがっているようだった。
「何だ、冗談か…。よかった…」
士道はそのことにほっとして胸をなでおろす。
「ところで、改めて君は誰なんだ?」
士道が再び問いかけると、少女は一瞬何かに怖がるかのような顔をすると、すぐに元のどこかつかみどころの無い飄々とした表情に戻った。
「私はね、
士道は琥零愛が言ったことが理解できずに、数回瞬きを繰り返した。
今、自分のことを精霊と言った?
普通の人ならば中二病をこじらせた人として生暖かい視線を送るのだが、士道の場合は少し事情が違った。
士道は、この世界でただ一人、精霊の力を封印し、扱うことができる人間である。
彼に霊力を封じられた精霊は、精霊としての能力と霊装を奪われ、普通の人間としてこの人間社会で生活することができる。
しかし今士道の目の前にいる精霊―琥零愛は霊力を封じられていない。
つまり彼女は、存在するだけで災厄と謳われる最悪の存在、精霊なのである。
しかし士道には、そのことで疑問を持った。
「なあ、琥零愛。なんでお前、霊装を着ていないんだ?そしてなぜここに臨界しているのに空間震が起きていないんだ?」
そう、今琥零愛は裸で士道の腕に抱き着いている。
琴里のおかげで警備が厳しくなっているこの家に誰にも見つからずに忍び込むのは不可能に近いはずなのだが、この世界に臨界したとなると霊装を纏っているはずなのである。そして何よりも、空間震によって士道はぐしゃぐしゃに押し潰されていなければおかしいのだ。
そのことを指摘した指導に対して、琥零愛はクスリとほほ笑んだ。
「簡単よ。霊装は私が脱いだから。空間震が起きていないわけは、私が
「え?じゃあどうやってここへ…」
「しりたい?」
琥零愛の言葉に頷くと、クレアは士道に抱き着き、そのまま士道のお腹のあたりを細い指先で撫で始めた。
「ここから~」
そう言いながら琥零愛は、今度は自分がさっきまでいた場所を指さした。
「ここに、しーくんの体から出てきたのよ」
「え…?」
士道は彼女の言葉が信じられなかった。
しかし彼女が精霊であるならば、そんなことも可能なのだろう。
士道は無意識のうちに、自分の腹を抑えていた。
そんな様子の士道を見て、琥零愛はクスクスと笑った。
「大丈夫よ。実際にしーくんのお腹を食い破って出てきたわけじゃないから」
「何だ、そうか…。ほっとしたよ」
士道は息をつくと、そろそろ起きないとまずい時間という事に気が付いた。
「悪い。今日のところはひとまず帰ってくれないか?ちょっと今日は学校があるんだ」
「ええ、別にいいわよ。それじゃしーくん、ちょっとごめんね」
そう言うと琥零愛は、ためらうことなく士道の唇に自身の唇を重ねた。
「うわっ!いきなり何を!」
慌てて士道が離れようと琥零愛の肩をつかんだ瞬間、その手が宙をつかんだ。
「え…?」
琥零愛の顔を見ると、その輪郭はぶれ、瞳は静かに物憂げさを示していた。
「一体…どういうことだ…?」
「ごめんね、まだ教えることはできない。でも、安心して。また近いうちに会えるから」
そう言い残すと、琥零愛は静かに空気中に溶けるようにして消えていった。
いや、空気中と言うよりも、まるで士道の中に溶け込むようにも見えた。
突然起きた様々なことに士道の理解が追い付かずに混乱していると、一階から琴里の声が聞こえた。
「おにーちゃーん!朝ごはんまだー!?」
「ああ、悪い。すぐ行くー!」
とりあえず今朝起きたことは飯の後にでも琴里に相談するか。
士道はそう考え、琴里や十香たち、そして最近よく家に遊びに来る真那のために、朝ごはんを作ろうと一階に降りたのだった。
いかがでしょうか。
キャラの口調が違う!と言う人は、どんな口調かまで教えてくださると助かります。
では、また次回で。