文月一日 酉の刻
??? 「······ま·····大···夫···?」
(誰かの声が聞こえる)
??? 「····さま···大丈夫で···か?」
(そう、懐かしいような声が)
??? 「文さま大丈夫ですか?」
(ああ、そうかこの声は)
文 「なんとか、大丈夫ですよ椛」
椛 「文さまー!!!!(涙目)」
(凄い勢いで抱きついてきた少し苦しい)
文 「も、椛落ち着いて下さい、す、少し苦しいです」
椛「だって妖怪の山の麓の近くで倒れていたんですよ それで、天狗組織の救護室に運んできたのに中々目を覚まさなくて(涙目)」
(私が?妖怪の山の麓で倒れていた?思い出そうとしても何かノイズが走り思い出せない)
文 「そうだったのですか、それは椛にも心配をかけてしまいましたね」
椛「文さまがいないと!わたしっわたしっ!」
文 「わ、わかりましたって。とりあえず尻尾を撫で回したいので1回抱きついてるのをなんとかしてもらえませんかね?」
椛「まだ、嫌です、、、、、とりあえず どうして倒れてたんですか?誰かにやられたんですか?やられたなら私っ!」
(相当頬が引きつっている、そこまで私の事を考えてくれていると流石に照れますね)
文 「それが意識を失った前後の記憶がどうも思い出せないのよね 」
椛 「思い出せない?何故ですか?ま、まさか頭を強く打ってしまったんじゃ…」
文 「確に頭は少し痛いですが それはないでしょう。私にも何故思い出せないかはわからないのですよ。ノイズが走るような感じになってしまって」
コンコン
天魔「失礼するぞ」
(あ、離してくれた)
文 「天魔様申し訳ございません。鴉天狗である私がこのような事になってしまい」
天魔 「そんなに気を落とすな、それと気になる事がいくつかあってな」
椛 「気になる事でしょうか?」
天魔 「そうだ。椛 貴女もよく聞いていて欲しい」
天魔 「まず、文。貴女と同じように何人かの天狗が意識を失い倒れてしまった」
文 「!?」
(おかしい。私達がそんな簡単にやられるはずがない。という事は、他の倒れた天狗も私と同じ状況なのでは?)
天魔 「なんとなく、勘づいているようだな。他の天狗も特に大きな外傷は無いのだが、意識を失う前後の記憶が不鮮明だ」
椛 「つまり、それは何者かによって狙って行われているということでしょうか?」
天魔 「そう考えて問題はないだろうな。後は誰がそのような事をどのような目的でやったかだが、文 貴女はなにか思い出せることはないか?」
(……やはり思い出そうとするとノイズが走る)
文 「申し訳ございません。思い出せそうになさそうです」
天魔 「そうか…そういえば文は霊力は失ってないのか?羽が出せなくなったりとかは?」
(うーん、特にそんな感じはない 何か違和感があるような気はするが)
文 「いえ、そのような事はございません」
天魔 (……………)
(何か天魔様には何かご考えが?それとも)
椛 「あ、あの!」
天魔 「どうした 椛?」
椛 「文さまもまだ意識が戻ったばかりなので、文さまをそろそろ休ませては貰えないでしょうか?」
文 「椛っ!いいのよ。 あの私は大丈夫です」
天魔 「いや、椛の言う通りだ。そろそろ私は戻ろうとしよう 気になることもある」
文 「申し訳ございません」
天魔 「大丈夫だ、仕事は他の天狗にでも頼んでおけ 」
(そういって天魔様はお戻りになられていった。しかし何故だろう。立ち去り際に何か笑っているような感じがしたのは)
(そしてこちらの椛はというと嬉しそうに微笑んでいる)
椛 「さあ、まだ安静にしないとですから。抱きついておきますね!」
文 「理屈はわかりませんけどありがとうございます。程々にしてくださいよ? 」
(尻尾を触りながら、そういうと)
椛 「ひゃうっ!?わかりましたっ」
(ほんと可愛いなぁ椛は)
(そんな平穏な会話をしながらも、これから良からぬことが起こりそうな感覚を覚え、焦燥感に駆られていくのであった…)
登場人物(現在)
射命丸文 女性 鴉天狗
犬走椛 女性 白狼天狗
天魔 女性 天魔