月が見ていた物語 〜History of KOUMAKAN〜   作:春の嵐

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皆様、初めまして。春の嵐と言います。
この度は私の処女作『月が見ていた物語 〜History of KOUMAKAN〜』を読もうとして下さり、ありがとうございます!
まだまだ稚拙な文章ですが楽しんで頂ければ幸いです。
今回はちょっと短いですが…よろしくお願いします。


プロローグ:とある吸血鬼の想い

皆さんは『幻想郷』をご存知だろうか?

忘れ去られた者達が最後に辿り着く小さな箱庭ーーそれが幻想郷である。

ーー例えば怪力で日本の多くの昔話に悪役として出てくる『鬼』。

ーー 例えば西洋の有名な悪役で箒に乗った姿が有名な『魔女』。

『フランケンシュタイン』『ゾンビ』『狼男』『唐傘お化け』『化け猫』『九尾狐』『天狗』『因幡兎』『天使』『悪魔』『フェアリー』などなど…。そして神様なども皆々虚構の存在として忘れ去られている。幼い頃であればまだしも年を経るにつれて忘れ去っていく。そうして『恐れ』や『信仰心』を失った妖怪や神様達は、存在が消えて…或いは消える前に幻想郷に誘われていくのだ。

 

そしてそれは怪異の王ーー吸血鬼であっても同じ。彼等は今、幻想郷へと向かおうとしていたーー侵略者と言う形で。

その中心で一人の少女が玉座に座っていた。まだ幼な子のような見た目だがその身からでる覇気は大きな力と邪悪さを感じさせられた。

青みを帯びた銀髪。血のような赤い瞳。ピンクの可愛らしい服に身を包んだ手足は陶器よりも白かった。ーーだが普段の彼女を知っている者は分かるだろう。その全てがどこかくすみ、まるで別人のようになっている事に。その服の下が傷の治りかけで酷い状態になっている事に。真の彼女が内側に閉じ込められている事に。

 

(この大群に一人で立ち向かうのは無謀だったわね。分かっていた事だけれど。)

内側ーー閉じ込められた精神世界でレミリア・スカーレットは思う。そう、今の彼女は体を操られていた。おまけに禍々しい力を流しこまれ、身体的にキツイ状態だった。今はまだ大丈夫だが、この力を保持し続ける事が限界になるのも時間の問題だろう。レミリアは他人事のように思う。実際の所、彼女は彼女自身の事はどうでも良かった。彼女が考えていたのは別の事。

 

(あの子達は逃げられたかしら?予想より早く倒されちゃったし、無事だと良いのだけれど…)

もうちょっと持ち堪えるべきだったわね。そう独りごちる彼女の脳裏には、愛する家族達の姿があった。

家族を守る事ーーそれは彼女にとって最も大切な事だった。過去に起きた様々な事件…それによって幸せだった家族は絶望へと叩き落とされた。その時何も出来なかった自らを彼女は忘れはしない。

 

特に愛する妹ーーフランドール・スカーレットは今も尚その所為で苦しんでいる。

 

今度こそ守り切るのだ。もう二度と愛する家族達を傷付けさせはしない!その為ならば自らの苦しみなどどうという事はない。

そんな決意を胸に彼女は今も逆襲の機会を窺っていた。出来るだけ彼等の進行の邪魔をして自らに注意を惹き付けなければ。だが残念ながらこの術は中々解けない。レミリアは魔法のスペシャリストではない。だから手探りで解いていくしかなかった。手探りしながら彼女は妹に想いを馳せる。

 

(フラン。貴女もこんな風に苦しんでいたのね…。頼りない姉でごめんなさい。大丈夫。生きて帰るわ。ーーだから貴女達も無事でいて…。馬鹿な姉に今までの事を謝らさせて…。)

彼女の脳裏に思い出が浮かび上がる。

それは幸せと絶望の記憶…だが決して失いたくない記憶だった…

 




いかがでしたか?
勉強もあるので慣れない内は不定期更新となりますが、楽しみにして頂けると幸いです。
感想は受け付けております。褒めて頂けると泣いて喜びます。何か気付いた事が有れば注意して頂けるとありがたいです。
それでは、次回もお楽しみに‼︎
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