渡辺 曜とイチャイチャする話。   作:頭文字F

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初めましての方は初めまして。またお前かという方はまたお会いしましたね。あ、ブラウザバックしないでください。

どうも、頭文字Fと申します。
これでも読みはイニシャルエフなんです。まんまじゃねーか。

そしてこの僕をよく知っている方は、どうせシリアスだろ?
お前の心がシリアスだよ!と仰るかもしれませんがご安心ください。イチャイチャです。シリアスはありませんよ。(ないとは言っていない)

何故シリアス?という方は僕の小説「過去と今」を是非お読みください。醜い宣伝でごめんなさい。

それではどうぞ!


第1話 ファーストイチャイチャ

 

 

 

...とある、春の日。

俺、夏野 勇海(なつの いさみ)は海の向こう側まで見ることができるバスに揺られていた。

なんっ、でっ、このっ、バスっ...揺れすぎだろ。アスレチックコースかよ。

 

...んんっ、気を取り直して...。

 

何故このバスに乗っているのか。それは...。

 

 

———————————————————————

 

 

「勇海、母さん!内浦へ帰れることになったぞ!!」

 

そう言ってドアをバタン、と開けて入ってきたのは俺の父である。

父の顔は喜色に溢れ、母さんも同様。俺はピクッと反応しながらもスルーし、ゲームをし続けた。

 

...ピクッと動いたのには理由がある。...まぁ、理由は明らかになるだろう。...多分!

 

もちろん、母さんと父さんがオーバーなほど喜んでいるのにも理由がある。

2人曰く、海が見たい...と。皆、口を揃えて言うであろう "東京湾行けよ" ...とは言えず。

何故なら。

 

「...うわぁ...!」

 

内浦の澄んだ海を...。

 

「綺麗だ...!」

 

この目に、焼き付けてしまったのだから。

内浦の海を一度見てしまっては、他の海を見ることは出来ないとさえ俺は思っている。

...いや、まあ沖縄の海とかあるんだけど...。

 

...と、とにかく!それほどに綺麗なのだ。

 

俺にとっては、2人がそう言う理由も頷けるってワケだ。

あと、理由はもう一つあるそう。

 

"空気が...空気がぁ..." ...東京にも酸素はあるんだが、何故死にそうになっているのか。

 

そう、東京は都心。故に内浦と比べると空気が汚い。

俺は気にならなかったのだが、両親の鼻にはダイレクトにダメージが来たようだ。

 

 

...さて、両親が喜んだ理由を述べた後に、ずっと気になってたことを聞く。

 

「...学校は?それと、なんでいきなり帰れるようになったんだよ?」

 

...シーン...

 

場が凍りつく。なんで急に寒くなったんだ。

 

そんな空気の中、父は静かに口を開いた。

 

「...支社に飛ばされるんだよ...」

 

「...そうなんだ。なんで悲しそうなの?」

 

...リストラされたワケでもない。しかもさっきまで狂うほどに喜んでいたはずだ。

 

「...なんとなくだ。それで、お前の学校は、っと。」

 

なんとなくで済まされた。解せぬ。

それは置いといて、というような空気の中、父はバッグから入学届なる物を机の上に置く。

 

「...お納め下さい。」

 

...何言ってんだコイツ。入学届納めてもな...

だが、このまま放置も可哀想な気がしないでもない。

...ノッてやるか...。

 

「ああ、苦しゅうない。」

 

フフフ、このシュールなやり取り...。

俺でなきゃ出来ないね。さぁ親父、感謝しろ。

無理やり面白いネタに変えてやったんだから...。

 

「何様だお前は」

 

「何なんだアンタ!?」

 

恩を仇で返された。しかも何様とまで言われた。

ムキー、と口で言いながらコントローラを置き、机の上にポツンと置かれている入学届を手に取る。

 

さてさて、学校の名前は...と。

 

「...浦の星...女学院...?」

 

「ああそうだ!!父さんいい学校見つけたからな!」

 

...俺、あんたの "息子" なんだが。

わざわざ口を聞くのも面倒になってきたが為に、目を細め、眼力だけで不満を訴える。

 

「...?なんだ、どうした?」

 

「さぁ、学校名読み上げるか...。浦の星! "女!!!!!" 学院!!」

 

「...あっ...」

 

...流石にプチっときた。もう許せないザマス。

本気で怒った時は「むかつくザマス!」なんて言ってればイライラは治るぞ。...多分。

 

「ふざけんなあああああああ!!!!」

 

入学届をありったけの力を振り絞り、机へと叩きつける。

...治らなかったな。皆はこの手法を信用しないでくれ。

 

 

 

 

「...んで、どうすんの?」

 

「...理事長に電話しよう。」

 

「えぇ...」

 

父はいかにも良い提案だ、というような顔をしているが...。

理事長も "息子" を入学させたいのですが、と言われるとたまったものではないだろう。

どれだけ温厚な人でも助走をつけて殴るレベルのはずだ。

 

だからこそ、父を必死で止める。

...まあ、これ以上情けない姿を見たくないからなのだが。

 

「なぁ...他の学校のやつ貰ってきてくれ...」

 

「えっ!?本当ですか!?」

 

「って、電話かけてる!?」

 

止める以前に電話をかけている父。情けないは俺だな、ホントに。

なんだか、すごく嬉しそうな顔で勢いよく首を上下に振っている。

犬かアンタは。

 

「はいッ!!失礼しますッ!!」

 

そう言って勢いよく電話を切る父。

そんな父を見て、ため息を一つ宙に浮かべる。

そして、呆れと冗談を交えて父へと言葉をぶつける。

 

「...それで、大丈夫だったのか?」

 

「おう!!!」

 

「へぇ、大丈夫...ってえぇっ!!??」

 

再開していたゲームのコントローラを落とす。

カメラが動き、主人公の顔がどアップに。こいつも驚いてんじゃねぇか。

お...この主人公、何か喋ってるな...。

 

「嘘だろ、オイ!?」

 

フルシンクロしてんじゃねぇかコイツ。不気味だ、消そう...。

ピッ、という電子音と共にゲーム機の電源が切れる。

 

消した理由は、不気味...というのもあるが、何故先ほど大丈夫と言ったのか。

というのが気になるからである。こうなればトコトン追求してやろう。そう考えたのだ。

 

ソファーへと倒れ込んでいた身体を起こし、父の方へと向きなおる。

 

「...それで、なんで入学が大丈夫なんだよ?」

 

単刀直入に聞いてみる。

 

「...なんか、生徒数が減ってるらしく...共学にするみたいだぞ?」

 

父も中々疑問に思っているのか、目線を上に向け、数多く瞬きをしている。

 

「でも、入学先が決まったんだ。良かったじゃないか。」

 

確かに安心なのは安心なのだが...本当に大丈夫なのだろうか...?

失礼だとは思うが、父の言うことは中々...いや、かなり信用できない。

 

「信用出来ないって顔だな...。...まぁ、行ってみろ。理事長本人と直接会ってみれば、深く話が出来るだろう。」

 

 

 

 

———————————————————————

 

 

 

 

...という事で、このバスに乗っている。

窓枠に肘を置いて頬を支えつつ、窓越しに陽の光を浴びる。

...懐かしい。そんな思いばかりが頭に浮かび上がる。

それと同時に、脳裏に浮かぶあの...懐かしい顔。

 

 

———勇海くん、いつか一緒に...海へ行こうねっ♪

 

———勇海くん...私が...大人になったら...私と...

 

 

「...曜...ちゃん...」

 

 

ホント、何年ぶりだか...。

確か、小学校に入学する前に東京へ行った。

数えるのも億劫になるほどだな。...短いけども。

 

そんな事を考えながら、相も変わらず砂浜を見つめる。

...だが、一瞬。

 

「...!」

 

視界が、変わった。まるで古いフィルムで映し出されたかのような。

古い...黄色いセピア調のような景色に変わったように見えた。

 

...理由は、簡単。

 

「...あれ...!!もしかして!!」

 

手を開き、力いっぱいに壁を叩くと同時に、ピンポーンと音がなる。

 

「ここで降ります!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海は広いなぁ〜...。」

 

...海を見つめるのが、私の日課。この海を渡っていけば、どんな所にも行けるんだよね。内浦とは真反対に思える北海道にだって。

それこそ、夢のようなところにだって。

夢が一杯に膨らんだそんな時、すごく叫びたくなるんだ。

船長をしてるお父さんの、号令を借りて。

 

「...すぅっ〜...!よしっ!」

 

「ヨーーーーソローーーー!!!」

 

よしっ、決まった!

やっぱり海に叫ぶと気持ちいいな...。

でもいつか、こんな台詞じゃなくて。...あの人に。

 

 

 

 

「...いい海、だよね。本当に。」

 

「えっ...?」

 

後ろから不意に声がし、振り返ると。

こちらにはにかむ1人の少年。

 

でも何故か、その顔に懐かしさを感じる。

 

その懐かしさの原因は、すぐに判明した。

 

 

 

 

「久しぶり、曜ちゃん。」

 

「...勇海...くん...?」

 

だって、この人こそが。

 

「...!!」

 

「えっ!?ちょっ!?急に抱きつかないでくれよ!?」

 

私の...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お...落ち着いたか?」

 

「う...うん...ごめんね...?」

 

曜ちゃんが落ち着いたのを確認し、少し彼女を見つめてみる。

 

「な...なに...?///」

 

やっぱり、そうだ。

 

「...すげぇ可愛くなってる...」

 

「!?///」

 

「あっ...」

 

そう、見違えるほどに可愛くなっているのだ。

そんな彼女にずっと見惚れてしまう。

...間違いない。

 

「...何か...言ってよぉ...///」

 

「...えっ?あっ!可愛い!」

 

「もういいってば!!」バシッ

 

「痛ぁっ!?」

 

...俺の忘れかけていた初恋が、また熱を帯びた。

 

「えっと...じゃあ、これ!!」

 

「へっ...?あっ...」

 

「頭撫でられるの...好きだった...よな、たしか?」

 

「...うん♪...えへへ...」

 

俺たちは、運命の再会を果たしたんだ。

もう、この運命を手離したくない。もう、曜ちゃんを手離したくない。

 

...決めた。あの時感じていた、 "ずっとそばにいたい" という気持ちが再燃した今だから。

 

絶対に、何があっても。 "曜ちゃんのそばにい続ける" 。

 

運命の再会を果たし、そして。

これからを担う、壮大な決意をした運命の日。

 

それが、今日だった。

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか。「過去と今」との並列更新となりますので、投稿スピードは遅いと思いますが...。
それでも呼んでいただけたら幸いです!

あと、ツバサちゃん可愛い!という人は是非、過去と今へどうぞ。
しつこいですね、すいません。

感想や評価、お気に入り!お待ちしております!

ではでは!
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