頭文字Fです。
2小説連続投稿!!!です!
ぴょこっ、と飛び出たアホ毛をゆらゆらさせながら俺を見つめる千歌ちゃん。...5秒...10秒、と見つめる度に段々と喜色が加わっていくのが目に見える...。かわ...っ!?...危ない危ない...。俺は曜ちゃん以外、結婚は認めてないんだ。ごめんな。
「い...さ...」
「?」
い...さ?...インサート??いや、千歌ちゃんがこんな単語を知ってる筈がない。...馬鹿にしてないよ?ただ、知らないだろうなーって。
...あ、同じか。
...なーんて思ってると...。
「勇海くーーーーん!!!!!」
「インサ-トッ!?」
フロントの台を軽々飛び越え...俺の胸へとダイブ。
俺の驚き方なんだこれ。インサートってなんだよ(哲学)
嬉しさの余り、俺の胸へ飛び込んできた千歌ちゃんはそのまま頭を擦りつけている。...顔じゃない。ということは、千歌ちゃん特有のアホ毛が俺の胸を貫いている状況である。
...昔言ってたな... "普通怪獣ちかちー" って...それも自分で。
...だがこの、胸へアホ毛を擦り付けられている状況。なにかデジャヴを感じてしょうがない...。
確か...小さい頃...?
「...ッ!!!」
...思い出した。あの "悪夢" を...。
この "普通怪獣ちかちー" には必殺技がある。
その必殺技をもろに食らってしまった小さい頃の俺...。デジャヴの正体である。
「ちょっ!?待っ...!!」
その "ちかちー" の必殺技がこれ。
「アホ毛ドリルっ!!」
「先端が痛いっ!!!」
アホ毛ドリルである。ちなみに先ほどの胸へのアホ毛擦りつけは、ドリルで例えると、起動の部分にあたる。その後、だんだんとエンジンが温まり...。
「どうだーー!!」
...本領を発揮するのだ。
「いやほんとに痛い!!!」
その痛みに悶絶すること数秒...。曜ちゃんが何か言っている...。
「おぉ!千歌ちゃんのアホ毛が勇海くんの胸にヨーソローしてるね!!」
「何言ってんの!?」
ほんと何言ってんのこの子。...かわいい。あ、末期症状だなこれ。
鋭くツッコミを入れたのち、千歌ちゃんの頭に手を添え、剥がそうと試みると千歌ちゃんがこちらを見上げる。
「...千歌といるの...いや...?」
「...うっ...」
...それも涙目、涙声で。それに曜ちゃんの視線が痛い...。
...どうしても嫌とは言えず...。
「...嫌じゃない。」
「やったぁ!!ぎゅーーーっ!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
...また必殺技、もとい "アホ毛ドリル"の餌食になってしまうのだった。
————————————————————————
「...いてて...」
あれから数分後、醜いかつ汚い断末魔を上げ続け、満足したのか千歌ちゃんが諦めてくれた。
トンネルを掘り終わった彼女の顔が、とても笑顔だったのが印象的だな...。
「えへへ...ほんとに勇海くんだー!」
精巧なロボットが本人認証をするかのようにペタペタと俺の顔を触りまくる彼女。
なんて最新鋭の技術なんだ全く。
「...逆に俺じゃなければ別人の胸を貫いてたことになるぞ?」
「それは千歌と会ってしまったのが運の尽きなんだよ!」
「鬼かよ」
なんて鬼畜な事を言うんだこの子は。
通り魔の素質があるぞ。
貫かれた胸をさすりつつ...。あっ、穴は空いてないからな?
何故ここへ来たのか曜ちゃんへと尋ねてみる。
「あ、曜ちゃん。」
「ん?どうしたの?」
「千歌ちゃんと会えて嬉しかったんだけど、何で急いでここに連れてきたんだろうなーって...」
「あれ?言ってなかったっけ?」
キョトン、とした様子でこちらに問い返す彼女。
ちなみに聞いてない。うん、聞いてないったら聞いてない。
「聞いてないなぁ...」
「あちゃ〜...そりゃごめんね?」
申し訳なさそうな顔を見せつつこちらへと謝罪する曜ちゃん。
確かに急に連れてこられて驚きはしたのだが、そのおかげで千歌ちゃんに会えた。...まず怒る要素もないし、いいよいいよと手を顔の前で横に振る。
それを見て安心したのか曜ちゃんに笑顔が戻り、原因を話してくれた。
「勇海くんってまだこっちに引っ越してないでしょ?」
「そうだな...多分1、2週間後にここへ来るから...」
「だよね!しかも、もう日も暮れちゃった!」
そう言ってビシッと窓を指差す曜ちゃん。
あ、確かに。もう夕日が見えない。寂しい。戻ってきて。
...と思っていたのもつかの間...。
「千歌ちゃんの家は旅館だし、泊めてもらったらどうかな〜って!」
「おぉ!いいね!!」
なんとナイスアイデアなのか。流石曜ちゃんだ。いや、曜さまか。
そう思っていたのだが...。
「あ、金ない」
「どうやってここまで来たのぉ!?」
「いや!!!流石に交通費はあるよ!?」
とても現実的な問題に引き戻されてしまった...。そう、お金である。
しかも曜ちゃんは俺が交通費さえ無いと思ったらしい。
...それでどうやって帰んの??
情けないことに、金銭面について曜ちゃんと言い争っていると...
「勇海くん!志満ねえがお金大丈夫だってー!」
「ファッ!?」
千歌ちゃんが凄いことを言い出した。...結構歴史がありそうな旅館にて宿泊するのに、タダなんてわけには...。
「いや、泊まれないって!!」
「いいのー!!志満ねえ呼んじゃうよ!?」
「なんで!?」
何故か千歌ちゃんの姉、志満さんを脅しとして使う千歌ちゃん。
ほら!そんなことしたら曜ちゃんが「おっ!呼んじゃえ千歌ちゃん!」やっぱり悪ノリしたじゃないか!!!
...ちなみに俺は、志満さんに対して恐怖感などを抱いてるわけではない。別に怖くないんだけど...。...なんで脅しに使ってんの?
「志満ねえー!!勇海くんが会いたいってー!!!」
「言ってないでーす!!迷惑かけてごめんなさーい!!!」
平気で嘘をつく千歌ちゃん。これはいかん。おじさんがお仕置きしなくちゃ...ぐへっ...
...とか考えていると曜ちゃんが何か言いたそうな顔をしている。
「勇海くんのエッチ」
「なんで!?」
何故バレたし。その上いつものジト目である。...よい。
チラッと千歌ちゃんの方を見やると頭に?を浮かべている。こちらもかわいいな。
すると奥からひょこっと誰かが出てくる。
「久しぶりね〜勇海くん!大きくなったわね〜!」
「あ、志満さん!お久しぶりです!」
その正体はおっとりした女性、志満さんである。
おっとり属性は珍しいため、俺にとっては癒し枠...のはず。
ちなみに志満さんはお姉さん属性も付与されているので...。
「そうそう!こんな手触りだったわね〜!」
「ちょっ!?頭撫でないでくださいよ!?」
こんな風に甘やかしてきたのだ。小さい頃はこれに何度世話になったことか...。
だが、2人の幼馴染がいる前でこれをされると...
「あっ!志満ねぇいいなぁ〜!私も!!」
「おっ!千歌ちゃんもするなら私も!!」
「君らは何なの!?」
やっぱり便乗してきましたね、ハイ。
志満さんはいいんだけど2人に頭撫でられるのは屈辱...じゃない。
良い。あっ、そんな目で見ないで曜ちゃん。
——————————————————————
「...聞いてくれ。結局泊まることになった。」
端から見れば俺が独り言を言っているように見えるがちゃんと語りかけている。そこの君だそこの君ィ!読んでくれてる君だ!!
...コホン。
まあ気をとりなおして...。志満さんによると、もう父さんに連絡済みだそう。そこで泊まりの許可は出たという。あとで請求書送っとくか。
...ちなみに何故連絡先を知っているのかはわからない。
だが千歌によると...
「何でも知ってるから千歌にとっては怖いのっ!!!」
...だそう。これが先ほどの脅しの材料というか...根拠だったわけだ。
気分を入れ替え、部屋をぐるっと見渡してみる。
「...それにしてもすげぇ広いな...俺1人なんだけど...」
...すごく広い。ちなみに部屋名は "大部屋" だそう。まんまかよ。
1人に大部屋は孤独感が際立つからヤバい。何というかもう...ヤバいのだ。
「まぁ...満喫してるんだけどね?」
ちなみに先ほど風呂に入り、今は浴衣姿でゆっくりしている。
部屋の端までゴロゴロ転がっては、また戻ってくる...。
これの繰り返しをしている。
そろそろ目が回ってきたな...と思ったその時...。
「勇海くんやっほー!」
「ヨーソロー!!」
「え?」
...そこには浴衣姿の幼馴染2人が...。
次回はすごくイチャイチャになりそう(予想)
もしかしたらラッキースケベあるかも...?
今回は千歌ちゃんも出してみました。あのアホ毛がレーダーになってるって思ったら夢が広がりませんか??
それでは!