...サンシャイン、終わっちゃいましたね...。これによって僕はTOEIC、TOEFL、iELTSと真剣に向き合わなくてはいけなくなりました。
...サンシャイン、戻ってきて。
春本番、といったような日射しが部屋へ注ぎ込まれている中...
「...ん...ふぁーっ...」
私、高海 千歌は少しの肌寒さを感じつつも、重い瞼が開かれた。
やはりこの季節に窓を開けて風を通し、その上浴衣姿で眠りにつくと、ほんの少し寒い...。
気怠げな身体に鞭を打ち、縛り付けられていた様な感覚の上体を無理やり起こした...のはいいものの...。
「...眠いぃ...」
眠い。ただひたすらに眠い。...瞼がバーベルなのかと疑うほどには重い。
だがいつまでもこうしてはいられない...。
何か行動を起こさないと...。
...そう思った矢先、起こした上体は布団へと吸い込まれる。...これも行動だ、別にいいや。...なんて考え、背中が布団とキスをする直前に...。
「...あれ?なんかアホ毛が...?」
...トレードマーク...なのかどうかは判断不能だが、彼女はアホ毛に少し違和感を覚える。言葉で説明するならば...そう、アホ毛が1人でに動いている様な...。
「まあ...そんなわけないよね!!」
こういう事は気にしない!こんな事、人生で500回くらいある!
...ということにして、今度こそ背中を布団へぴったりと。
...合わせようとした時、それは起こった。
「ゴシュジン、オハヨウゴゼエマス!」
「...!?」
...どこからともなく声が聞こえた。心なしか、上の方から聞こえた様な気が。...そんなわけはない。ここにはカラオケボックスのような音響設備は勿論、放送器具だって無いのだ。
上から聞こえる訳が「ゴシュジン、ワタクシデスヨ!」...あった。
「きゃあああああああ!?」
「キョウモゲンキデスネ!!」
...なんと。
アホ毛が喋った。
「...う〜ん...相棒なんかじゃない...」
...なんていうのは夢の中。夢の中での戯言は全て、現実世界でも聞こえている。...ちなみに今の言葉から察すると、あのアホ毛から "相棒" とでも言われたのだろう。どんな悪夢か。
「...トンネル...?...掘らされてる気持ちってぇ...?」
如何わしくも何ともない。きっと勇海の胸を貫いたあの事件だろう。
そう、言わずと知れた "勇海胸部掘削事件" である。
アホ毛に説教される少女。なんと滑稽な事か。
「...う〜ん...レーダー...機能...?」
...流石にもう分からない。"アレ" にレーダーとは...。
その後もずっとうなされ続けること、約3分。
「...ごめんなさいっ!!!...あれ?」
高海 千歌、斬新な寝言と共にやっとこさ起床。
アホ毛に謝罪させられるとは...プライド...。
あれ程の夢を見たにも関わらず、まだ僅かに重い瞼の隙間から見えたのは、ぐっすりと眠る勇海。...そして。
「...くー...くー...えへへ...」
曜の姿だった。
...何故か2人は抱き合っている。嫌な予想が千歌の頭を駆け抜ける。
「まさか...!」
...それは...。
「まさか...!!」
2人が...
「まさか...!!!」
夜の...
「幼稚園の時以来だ!!勇海くんと曜ちゃんが一緒に寝てるの!!」
...じゃなかった。ただ単に一緒に寝てるだけである。
だが、仮にも。千歌も勇海の幼馴染なのだ。
...それなりに彼の良い所だって何回も見てきた。それこそ恋愛感情までは到達していないが。
...そんな姿を見ていると彼女にも当然、欲求というものが湧き上がってくる。...やがて彼女は立ち上がり、勇海の寝ている布団へ歩みを進める。
「...」
...こんなの。
「...曜ちゃんだけズルい〜!!私も!!!」
...半ば乱暴に、曜の反対側へと身体を布団へ沈め込んだ。
今の状況、勇海が2人に挟まれている、というもの。
「...じゃあおやすみ!!」
そんな状況で高らかと宣言する彼女。...勇海が起きた頃に、一体どうなってしまうのか...。誰にも予想は付けられなかった...。
「...なにこの状況」
目を覚ました勇海は冷静に、今の状況を分析する。
...曜ちゃんはまだ分かる...が千歌ちゃん。
...なんで??
2人に挟まれているおかげで勇海は必然的に、彼女たちの柔らかい双丘が当たるわけだ。
...それも前から後ろから。
「...助けて...」
...そんな勇海の呟きも、空気へと溶けていった...。
...だが。
「...ん...いさみ...くん...?」
「あっ!曜ちゃん!!助けて!!」
曜ちゃんが目を覚ました。ここからは勇海のターン、一気に攻め立てる。...とりあえず、曜ちゃんへと救済を求め、この
「...まだ...夢...だよね...?」
「...え?」
...まだ完全に夢から抜け出せていないまま、曜ちゃんは目が覚めてしまったよう。...ダジャレじゃないぞ?
まだ夢に囚われたままの彼女は。
「...じゃあ、続き...してもいいよね...?」
「え?...えっ?」
...その夢から抜け出そうとしない。...それどころか、夢へと身を委ねている。...夢に囚われる。これが意味するのは、歯止めが効かなくなってしまう...ということだ。
「...勇海...くん...」
「あっ、えっ、ちょっ」
...一旦歯止めが効かなくなって仕舞えば最後。
「...大好き...」
「んむっ!?」
...彼女は、 "夢" に突き動かされるがままに、勇海の唇を彼女の唇で塞ぎ込んだ。
その "夢" は、はたして明晰夢なのか、それとも...。
「...ずっと一緒に...いて...ね...?」
「...え...」
いきなり過ぎて言葉を一つ一つ、繋ぎ止めることが出来ない。
そんな彼には、どもってしまうしか道はなかった。
...だが、 "夢" はいつか、「醒める」もの。
「...え...勇海くん...え...?」
「...曜ちゃん...」
「...きゃああああああああああっ!?」
...しっかりと意識を意のものにした彼女は、手を振り上げた。そしてその手は勇海の頬に、紅葉を咲かせたのだった...。
...悪夢はこれだけではないのだが。
「...え...?...今なら本当に...トンネルが...?...そうなの?...それじゃあ...」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」
...こうして新たな1日は、 "勇海背部掘削事件" と。彼の頬に咲いた立派な紅葉と共に幕を開けたのだった。
少し短いですが...。
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