マルはただ善子ちゃんのことが好きで、ただそれだけで・・・・・・
女の子同士なんておかしいから、諦めなければならないはずだったのに―――
G'sの方まで追ってないのでヨハネは一体どういうキャラなのかいまいちつかみ切れていないため、アニメ5話までの善子を参考にしながら口調やらなにやらよくわからないまま書いています・・・・・・。
ただのSSなので軽い気持ちで読んでいただけたら幸いです(・8・)
これはマルと善子ちゃんのお話。
マルは幼稚園の頃から善子ちゃんとお友達で、いつもその姿を目で追ってきました。
善子ちゃんはいつも天使になりたがっていて、マルはちょっぴりそんな善子ちゃんのことが羨ましいと思っていました。マルにはずっと本の世界しかなくて、善子ちゃんのように自分で羽を見つけて、力いっぱい世界に羽ばたこうとすることが出来なかったからです。
でも、そんな善子ちゃんも浦の星に入学してからは少しだけ変わったみたいです。
昔は、いつも自分のことを堕天使ヨハネと言っていた善子ちゃん――――――。
高校でもそうした変わらない姿を見せてくれると思っていましたが、
(これは後で本人から聞いた話なのですが)入学式の日に高校デビューに失敗してしまい、
一時的に学校をお休みしていました。
それでもなんとか学校に来るようになり、今では千歌さんの勧誘でマルと同じAqoursに入りました。
ですが、やはり以前とは少しだけ違い、不思議なことになぜかそんな風に変わった善子ちゃんを見ているとマルはなんだか胸の奥がきゅっと締め付けられるのです。
善子「最近なんだかずら丸が私に対して辛辣というか、ちょっとだけ冷たい気がする・・・・・・」
善子「もしかしてヨハネ、まだ中2病の抜けきれてないお馬鹿な子とか思われている・・・・・・?」
善子「あぁーん!別に他の誰にどう思われてもいいけど、ずら丸にだけはそう思われたくない!!」
―――――だって・・・・・・。
善子「とにかく、一度ずら丸に直接聞いてみるしかないわ!」
*
善子「ずら丸、ちょうどいい所に」
花丸「あっ善子ちゃん。図書室まで来てどうしたの?」
善子「ちょっ、ちょっとだけ図書室に用があったの!(なっ、何緊張してるのよヨハネ!)」
花丸「何か探し物?本のことならマルにお任せずら!」
善子「(とにかく、何とかしてずら丸がヨハネのことどう思ってるか探らなきゃ!
・・・・・えーっとどうしよう。ここにきて何にも浮かんでこない!!!)」
花丸「善子ちゃん、どうしたずら?」
善子「(あ~んもう、えーいもうどうにでもなれ!)」
善子「今日ここで、堕天結界が構築されたことを感知してね、同じ堕天使として調査しに来たのよ」
善子「(って、何言ってるのよ私ー!)」
花丸「堕天結界・・・・・・?」
善子「(くっ、こうなればもう堕天使に任せるしかない!)そう、堕天使だけが構築を許された固有結界。
堕天の力の一つよ。この結界の中ではいかなる存在も”拒絶”され、真実の姿をさらさざるをえないの」
花丸「それで、善子ちゃんが探している本って何?」
善子「(まさかのスルー!?こうなれば一度体制を立て直すしかないわ・・・・・・)」
善子「悪いわねずら丸、今ちょうどリトルデーモンからの救援要請が入ったわ。堕天使としてこれを見過ごすわけにはいかない・・・・・・さらばっ!」
花丸「あっ、善子ちゃんまってー!」
花丸「行っちゃったずら・・・・・・せっかくお話しできるって思ったのに・・・・・・」
*
善子「はあはあ、ずら丸・・・・・・なんて手ごわいの!まさか堕天使を召喚せざるをえなくなるなんて・・・・・・」
善子「(まあいいや、今度はちゃんと考えてから行こう・・・・・・)」
善子「(でもどうやって聞こう。いきなり面と向かって『私のことどう思ってる?』なんて聞くのはちょっと違うような・・・・・・。でもうまく会話の流れから聞き出すなんてことヨハネには出来そうにないし・・・・・・)」
善子「(そうだ、ならいきなりずら丸に愛の告白をしてみて、それで反応をうかがうのがいいんじゃない?流石のずら丸でも不意を突かれれば本音の一つや二つくらい漏れるはず!それでうまくいったら・・・・・・)」
善子「(とにかく、他に考え付かないしやってみよう!)」
*
善子「ずら丸、私ずら丸のことが好きなの・・・・・・」
花丸「うん、おらも善子ちゃんのこと好きずら」
善子「って、滅茶苦茶冷静!?」
善子「(ああ、もしかして単なる冗談とか思われてる?友情の延長線―――みたいな?)」
善子「(なら)」
善子「ずら丸・・・・・・真剣に聞いて。私はずら丸のこと・・・・・・ううん“花丸”のことを恋愛的な意味で好きなの・・・・・・恋、してるの」
花丸「・・・・・・っ!?」
――――――えっ!?今の反応・・・・・・。
善子「(少なくとも、私の言わんとするところは理解したようね・・・・・・。さあどうするの?どうするの、ずら丸!)」
花丸「そっ、そんないきなり照れるずら・・・・・・///」
善子「ずっ、ずら丸はどうなの?私はこんなにもずら丸のこと愛しているのに・・・・・・」
善子「(何よその反応・・・・・・!こっ、これは演技、演技なんだからね!)」
善子「(とはいっても、すっごく恥ずかしい!・・・・・・でも、ここで引く訳にはいかないわ!今日はとことんまで言ってやるんだからっ!)」
花丸「善子ちゃん、ありがとう。実はね、マルも・・・・・・よしこちゃんのこと好きだよ?)」
善子「ふぇっ!?」
善子「(な、なによ!ずら丸のくせにいきなり塩らしくなって・・・・・・ちょっとだけドキッとしちゃったじゃない!)」
花丸「ずっとマルだけだと思ってた・・・・・・よしこちゃんがマルのことそんな風に思ってくれてるなんて知らなかったずら・・・・・・///」
善子「(何これ何これ、すっごい恥ずかしい・・・・・・!顔から火が出そう!)」
善子「(それにしても、なんだかずら丸がいつもより可愛く見える・・・・・・)」
善子「(あれ・・・・・・?)」
善子「わっ、わたし幼稚園の頃から、ずら丸のこと一秒も忘れたことなんてなかったよ!」
善子「(ちょっと!何言ってるのよ私!)」
花丸「えへへ・・・・・・ありがとうよしこちゃん、とっても嬉しいずら・・・・・・///」
花丸「それで・・・・・・お願いがあるんだけど、近くに寄ってもいいずら?」
善子「(えっ?ええっ?どうなってるの?一体何が起きてるの?)」
善子「う、うん」
善子「(って、何また勝手に返事してるのよヨハネー!)」
善子「(あっ・・・・・・ずら丸が近づいてきただけで、すごくいい匂いがする。それに近くによったからかな・・・・・・いつもより凄く小さいのがわかって、なんだか抱きしめちゃいたくなる・・・・・・って何でこんなことになってるのよ!)」
花丸「善子ちゃん、マルのこと本当に好きずら?」
善子「(ずら丸・・・・・・なんだか目が潤んで・・・・・・悔しいけど滅茶苦茶可愛いじゃないっ!)」
善子「好き、よ・・・・・・」
花丸「えへへ、マルも善子ちゃんのこと大好きずら!」
善子「(って!えっー!?なんで?なんでいきなり抱きついてくるの?ヤバイヤバイヤバイ・・・・・・すっごく柔らかくて、すっごくいい匂い・・・・・・なんだか頭が上手く回らない・・・・・・!!)」
花丸「もう、離さないずら・・・・・・」
善子「(・・・・・・まずい、非常にまずいわよ津島善子!まさかずら丸が私の事こんなに好きだなんて・・・・・・!でも、じゃあ今までのは何なの?なんであんなに私に冷たかったの?)」
善子「ず、ずら丸・・・・・・ひとつだけ聞いてもいいかしら」
花丸「何ずら?」
善子「ほ、ほらその・・・・・・今まで私が中2―――堕天してた時、すごい、なんというか扱いが雑だったじゃない・・・・・・?私の事好きならあれは何だったのかなーって」
善子「(そうよ!突然のことで動揺しちゃったけど、もともとはそれを調べるためにこんな恥ずかしいことしてるんだから!さあ、一体私のことどう思ってるの?
ずら丸!)」
花丸「善子ちゃんのこと、好きだからだよ。好きだからなんだかいろんな表情が見たくなって、それでちょっぴり意地悪しちゃったずら」
善子「ずら丸・・・・・・」
善子「(知らなかった・・・・・・。ずっと内心馬鹿にされてるんじゃないかって不安だった・・・・・・。それがまさかこんなにも私のことを好きでいてくれたなんて・・・・・・)」
――――いけない・・・・・・。
善子「(これはただの演技・・・・・・演技なの。そう、堕天使と同じ―――――ただのフリ。リアルじゃない・・・・・・。だから・・・・・・!)」
善子「(だから、ずら丸から離れなきゃいけない・・・・・・。いけないのに・・・・・・)」
花丸「善子ちゃんどうしたの?」
善子「えっ!?」
善子「(ちょっ!ちょっと顔近いわよ!ずら丸ーっ!)」
花丸「善子ちゃん、前からずっと思ってたけどやっぱり綺麗な鼻筋ずら・・・・・・。それにとっても柔らかそうな唇・・・・・・」
善子「(ま、まずいわ・・・・・・!これを超えたら冗談じゃなくなる・・・・・・!もうずら丸と友達に戻れなくなっちゃう・・・・・・!)」
花丸「善子ちゃん……」
善子「(花丸が目を閉じた・・・・・・ここここれって、キキキキスしろってこと?)」
善子「(駄目よ!もうおしまい!これは全部演技、冗談。だから早く白状して、全部終わりにするの・・・・・・終わりに・・・・・・!)」
善子「花丸・・・・・・」
善子「(花丸、本当に可愛い・・・・・・ああ、もうどうにでもなっちゃえ・・・・・・)」
花丸「なーんて、冗談ずら!」
善子「へっ!?」
花丸「今日の善子ちゃん、なんだか変だったからからかっただけずら!」
善子「なっ・・・・・・なんだあ〜よかったぁ・・・・・・」
花丸「冗談に決まってるよ。女の子同士なんて・・・・・・やっぱり変ずら」
善子「そう・・・・・・だよね・・・・・・」
善子「(でもなんでかな、女の子同士は変だと話す時の花丸の表情が少しだけ悲しそうに見えた・・・・・・)」
花丸「そうだよ!さあ、善子ちゃんそろそろ練習も始まる頃だし、早く部室に向かうずら!」
善子「ああもうそんな時間・・・・・・じゃあ一緒に行く?」
花丸「んーと、マルは少しだけ片付けがあるからここに残るずら。だからよしこちゃん、先に行って」
善子「わかった。それじゃあまたあとで・・・・・・」
*
”なっ・・・・・・なんだぁ~よかったぁ・・・・・・”
そう話す善子ちゃんは本当に安心しているようでした。
花丸「(マルがどんな気持ちかも知らないで・・・・・・)」
花丸「(でもちょっとだけ善子ちゃんに近づけて嬉しかった)」
花丸「(――――――けど、もうおしまいにしなきゃだめずら)」
花丸「(本当は好きって言われたとき、嬉しすぎてどうにかなりそうだった)」
花丸「(でも、話しているうちに善子ちゃんが冗談で言ってるんだってなんとなくわかったんだ)」
花丸「(やっぱり善子ちゃんはマルのことなんて見てくれてないんだって、そう理解させられた)」
花丸「(でも、)」
花丸「(最後キスを求めたとき、善子ちゃんの気持ちはわかってたから、無理だってことはわかってた――――――それでも“もしかしたら”を期待せずにはいられなかった)」
花丸「(でも、もうこれでマルの恋はおしまい・・・・・・。仕方ないよ、もともと叶うはずのない恋だったずら・・・・・・)」
花丸「やっぱり女の子同士なんて変ずら・・・・・・」
花丸「あっ・・・・・・」
花丸「(気づいたら口に出てた・・・・・・でもいいか、どうせ誰にも聞かれてないし)」
花丸「(次に善子ちゃんに会う時はいつも通りにしなくちゃ・・・・・・)」
花丸「あれ・・・・・・?」
花丸「(おかしいな、なんでこんなに前が見えにくいんだろう・・・・・・)」
花丸「(なんで、マルは泣いてるんだろう・・・・・・)」
花丸「ぅっ・・・・・・ぁぁ・・・・・・」
少しだけ変わった善子ちゃん。そんな彼女を見ているとマルは少しだけ胸がきゅっとしました。
今なら何となく、その理由がわかります。
善子ちゃんはマルにはじめて本以外の世界を見せてくれた女の子でした。彼女には本当に羽があり、世界のどこまででも飛んでいけました。それは小さな小さな世界だったのかもしれません。それでも、本に閉じこもるしかできなかったマルにいつも自分の羽を貸してくれて、まるでマル自身が飛んでいるように錯覚させてくれる存在でした。
マルはいつまでもそんな風な関係が続いていくと思っていたのです。ですが、高校へ入学し、様々な出会いがあり、マル自身も、そして善子ちゃんも少しづつ変わり始めました。そうして、善子ちゃんが少しづつ周りに受け入れられ始めていく姿を見ていることで、マルはもう昔に帰れないのだと悟りました。
どうしてマルの胸が痛くなったのか。それはもうマルに羽をくれた善子ちゃんはどこにもいないのだと分かってしまったからです。本当はただマルは善子ちゃんを独占したかったのです。
花丸「(そんな最低なこと考えてたらこうなるのは当然ずら・・・・・・)」
善子「・・・・・・じゃない」
花丸「えっ!?」
花丸「(なんで善子ちゃんが・・・・・・)」
善子「・・・・・・んじゃないわよ」
花丸「よ、善子ちゃん、どうしたずら?オラてっきりもう部室に行ったものかと・・・・・・」
善子「ずら丸は変じゃない!」
花丸「えっ?よしこちゃん・・・・・・?」
”やっぱり女の子同士なんて変ずら・・・・・・”
花丸「もしかして・・・・・・聞いてたずら?」
善子「私も、本当は自分の気持ちに気づいてたの・・・・・・」
『善子「あぁーん!別に他の誰にどう思われてもいいけど、ずら丸にだけはそう思われたくない!!」』
『―――――だって・・・・・・”ずら丸だけは私にとって特別だから”』
『善子「ずら丸・・・・・・真剣に聞いて。私はずら丸のこと・・・・・・ううん“花丸”のことを恋愛的な意味で好きなの・・・・・・恋、してるの」』
『花丸「・・・・・・っ!?」』
『――――――えっ!?今の反応・・・・・・ ”もしかして、ずら丸も私のこと好きなのかな?”』
善子「でもずっと怖くて自分だけおかしいんじゃないかって不安で・・・・・・誤魔化して、理由を適当につけて冗談で近づいた・・・・・・本当はただ、ただ花丸の気持ちを知りたかっただけだったの・・・・・・」
花丸「何、言ってるずら・・・・・・」
善子「ごめんね花丸・・・・・・本当は、ううん。本当に私は・・・・・・花丸のことが好きなの!」
花丸「っ・・・・・・!!」
善子「ずっと言いたかった。私のことを一番わかってくれる大切な女の子に、ちゃんと自分の気持ちを伝えたかった・・・・・・」
善子「でも私はおくびょうで、結局花丸の気持ちを確かめてからじゃなきゃ言い出せなかった・・・・・・」
善子「こんな、こんな臆病な私でも花丸は私の事好きでいてくれる?」
花丸「・・・・・・きだよ」
善子「・・・・・・え?」
花丸「マルは善子ちゃんのこと大好きだよ!」
善子ちゃんに抱き着くと、とってもあったかくてすごくいい匂いがしました。善子ちゃんは恥ずかしそうにあんまりくっつかないで!と顔を真っ赤にして言います。マルはそんな善子ちゃんのことが愛おしくて、ますます離れたくなくなりました。
これでマルと善子ちゃんのお話はおしまいです。
ダイまるでも書きたい・・・・・・