────那須邸
那「いらっしゃい熊ちゃん♪希君久しぶりね!」
物凄く笑顔だが目が笑って無い気がする・・・
そりゃそうだな・・・
玲がチームを組むってなった時に、何度も声をかけて貰った
だが俺は志岐ちゃんが男が苦手なのを言い訳に
それを拒み続けた・・・人を言い訳に使った、最低な事はをした。
それ以来、玲とは距離を置いた
玲にバイパーを教えた立場でありながら。
玲「熊ちゃん?どうして希君を連れてきたの?」
熊「なんか玲に話しがあるんだって!しかも、声をかけられたのがランク戦ブースの所でさ、普段ランク戦なんか全然しないのにあんな所に居たから理由を聞いたら玲に話す内容と被るから一緒に聞いて欲しいって感じで連れて来たってわけ!」
熊ちゃんは玲のベッドの空いてるスペースに腰を下ろしながら
玲に説明する
玲はため息をつきながらも話してと言い、
耳を傾けてくれた
希「・・・その・・・悪かった!」
今、自分に出来る精一杯の謝罪をした。
玲も熊ちゃんも目を見開いてあっけにとられている、
驚くのも無理は無いよな、
人生でこんなにまともに謝った事なんか
無い気がする・・・
みんなもそういう認識だろう。
何かあっても笑って誤魔化したり、
飄々とかわしてきた
でも、この問題だけはそうは行かない。
俺は玲の師である事を途中で投げ出した
本来なら顔を見た瞬間に帰れと言われてもおかしくない
そんな俺の話しに玲は耳を傾けてくれている
ならまず俺がすべき事は
謝罪し、全てを話す事だろう・・・
玲「頭を上げて希君・・・どうしたの・・・?」
希「済まなかった!今まで俺は逃げて来たんや・・・色んな事から・・・いつかちゃんと話さんといけんとは、思ってた・・・でも、いつかなんか来なかった・・・1回目を背け、逃げた俺はいつしか逃げる事に慣れてしまってた俺にいつかは来ない・・・でも、どうしても話さなきゃいけない事があるから聞いて欲しい」
玲「分かった・・・話して」
熊「私、席外そうか?」
熊ちゃんがおもむろに立ち上がろうとする
希「いや、熊ちゃんにも聞いて欲しい・・・」
俺は玲のベッドの横へ行き玲と熊ちゃん両方が見える位置に座った
希「4年前の大規模進行の時に俺は母をネイバーに殺された、多分それは知ってると思う。
その時、俺はもうボーダーに居てそれなりに実践経験もあったし来たるべき時に備えていたつもりだった・・・・・・
でも、実際に俺は母を守れ無かった・・・
目の前でモールモッド如きに母を殺された、
あと数秒、あと数メートル
駆けつけるのが早ければ母を殺され無かった・・・
1番大事な人を俺は守れ無かった・・・
だから俺は大事な人を作る事を避けて来たんだ、
おかしいよな大事な者を、街を守るボーダーなのにこんなの
でも怖かったんだ、また目の前で守れなかったらどうしようっていう思いが頭から離れんやった
でも、逃げるのはもう止めた!
逃げられない理由を迅さんがくれた!
言い訳出来ない理由を加古さんがくれた!」
那「理由って?」
希「チームを組む事にしたんだ!霧島隊!これで俺はもう逃げられない」
那「そう・・・分かった許してあげる!でも話しはこれで終わりでは無いのでしょう?」
希「あぁ!玲に俺のチームメイトの師匠になって貰いたい!決めるのは本人の力量を見て貰ってからで構わない」
那「いいわ!私が教えてあげる♪でも体調のいい日だけよ、それ以外の日は暇そうな出水君にでも頼んで♪」
希「ありがとう・・・玲!恩に着る・・・!」
今まで溜め込んで来た玲に対する罪悪感と
玲の暖かい優しさに触れて
色んな物がこと切れた・・・
那「あれ?希君泣いてるの?」
喋るのは無理っぽいから首を振る
那「そんなに悩んでたのね・・・私の方こそごめんなさい!私達が隊に誘わ無ければこんなに悩んだりしなかったわよね・・・」
不意に頭を抱き締められ涙が一瞬止まった気がした
が気のせいだった
むしろ、いっそう涙が溢れた。
その後、熊ちゃんに志岐さんにPCで連絡を取ってもらい
志岐さんにもPC越しではあるが謝罪し、那須邸を後にした。
だが、俺はもう一人きちんと
謝らなければならない人がいる。
もうすぐ午後か・・・
今日のうちにきちんと謝りたいな・・・
─────那須邸
那「大事な人か・・・」
熊「ん?どうした玲?」
那「私、希君の1番大事な人になりたい」
飲んでたお茶を吹き出す熊谷
でも、どこか察してたように微笑む
熊「やっと口に出したって事は覚悟充分って事なの?」
玲「うん!私希君にもっと近づきたい、一緒に居たいって思ってて、でも・・・そう思えば思うほど避けられて、そういうのが煩わしい人なんだって勝手に思ってた・・・
でも、希君は違うって言うかもしれないけど、私の事ちゃんと考えてくれてた、だから私頑張ろうと思う希君の1番大事な人になりたい、私が1番希君を大事にしてあげたい」
熊「そっか!でもライバル多そうだぞ〜!」
那「そうね・・・特に桐絵ちゃんとかね・・・」