北山雫は魔法科高校の劣等生   作:ひきがやもとまち

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更新です。本当は別の作品を優先するつもりでいたんですけど、どうしても気分的にのらずにこちらを優先した次第です。バカっぽい話の方が今は書きたい気分みたいですな。

*今作は雫主人公のため『劣等生』と『優等生』の話が混じりあってるせいで時おり時間軸が矛盾することがあるのはお許しください。自分でも頭がこんがらがる時がありますので徹しきれなくて…。


27話「準決勝は原作通りのCADで勝負で、す・・・(ふんす)」

 九校戦四日目におこなわれている新人戦スピード・シューティングの予選会場は今、歓声と驚愕の声に包まれていた。

 

『何だアレは!? 次々にクレーが粉砕されていくぞ!?』

『空中に機雷でも仕掛けてるのか!?』

 

 最強世代を有して常勝を謳われた第一高校、その一年生までもがいきなり見せてくれた派手な魔法に会場中の人々は驚き慌てて響めいているのだ。

 

 ――でも、それは無理もないことだと思う。理屈がわからなければ摩訶不思議な超常現象としか思えない広範囲に展開された未知の魔法。

 もしかしたらインデックスに登録されることさえあり得る新種の魔法を前に、私たち第三校の選手達でさえ驚きを露わにしているのだから、魔法について予備知識すら持たされてない一般人が混じっている観客達が驚き慌てて狼狽えざまをさらすのは仕方のないことなのだから、それを笑うのは正しい魔法師の在り方とは言えない。

 

 だけど、それでも私は『自分は彼らとは違う』と言い切れる。

 

「栞、今の一高選手が使った戦法がどういうものかわかる?」

「ええ」

 

 私は恩人であり友人でもあり、掛け替えのない人でもある愛梨からの予期していた質問に対して、スラスラと正答を並べ立てていく。

 

「おそらくクドウ選手はフィールドをいくつかに区分して、クレーが飛来したエリアに対して振動魔法を発動させているわね。

 そしてクレーの色を超簡易魔法式による識別魔法を併走して使うことにより、区分するエリアを細分化する必要性さえなくしてしまっている。

 機雷のように見えるのは、そのプロセスの速さ故。それを可能ならしめた超簡易魔法式の計算力の速さ故によるものね」

「さすが栞、いい目をしているわ」

 

 驚くでもなく、愛梨は私の分析結果を賞賛してくれた。

 その様子から彼女も私と同じ結論に達しており、私を試す意味も込めて今の質問を発していたことが確認することが出来、彼女からの試練に自分が合格したことを素直に喜べる自分が嬉しい。

 

「でも、あなたと対戦したらどうなるかしら? 彼女は先ほどと同じくらい容易に勝つことが出来るかしらね?」

 

 挑発するように言ってくる、愛梨からの発破掛け。

 私はそんな彼女からの期待に全力で応えてみせるだけ。

 

「そうね。おそらくこの戦法の便利すぎる性能からいって、使えるのは一度きり・・・。

 クドウ選手は次の試合から、ややグレードを落としたCADで今の戦法を下位互換したものを用いてくるはず。

 スピードシューティングは予選と決勝トーナメントで試合形式が変わるわ。二種のクレーが飛び交う対戦形式の決勝トーナメントでは、より高い命中精度が要求される。

 知っての通り、そこは私のテリトリーよ。

 機械にも勝る私の演算能力を駆使すれば彼女の魔法は無力化できる。たとえ超簡易魔法式を使ってきたとしても・・・ね」

 

 

 

 

「う~ん・・・いくら考えても、この戦法がどういうものなのかわからないわ・・・」

 

 リーナ、が、キューコーセンの試合映像を映し出してるモニター見なが、ら何か言ってるのが見え、た。

 

「《ツイン・ラブ・ハリケーン》・・・男の子兄弟なのにLOVE? しかもハリケーン? 《二つの愛の竜巻》って、どういう状況のことを表現しているのかしらね・・・なぜだかスゴく乙女心の好奇心が刺激されて止まない戦法だわ・・・」

 

 あ。私が貸し、た『キャプテン翼』読んでくれてるみた、い。友達と同じ漫画、を楽しいと思えるの、はひねくれ者で、もちょっとだけ嬉しくなくは・・・ない(ぽわぽわ)

 

「・・・お前たちは自分の出場する試合の合間に、何をやっているんだ・・・」

「あ・・・達也さ、ん(トテテ)」

「ハイ、タツヤ。さっきぶり、元気してた? 相変わらず『人生楽しい事なんて何もありません』みたいな顔してるわね。いつも通りで何よりだわ」

「・・・・・・お前ら・・・」

 

 ・・・え。お前“ら”って・・・私なにも言ってない、よ・・・?(うるうる)

 

「まぁ、それはいい。いや、良くはないが一先ずはいい。とりあえず伝えておきたいことがあるから改めて顔を出したんだ。

 リーナがさっき使っていた魔法『アクティブ・エアー・マイン』が、国立魔法大学からインデックスに正式採用するかもしれないとの打診が会長の方に来ているらしい。

 俺は、自分の名前が開発者として登録された魔法を自分では使えないなどという恥を晒したくないから、最初の使用者であるお前の名前を回答しておいてもらうつもりでいるから、了承してもらえるかどうか確認しに来たんだが・・・」

「ふ~ん? ・・・魔法大学のインデックスねぇ・・・」

 

 リーナが達也さんの言葉、に興味なさそうな態度、で答えてるけ、ど・・・インデックス? 禁書目録?

 魔法が実在してる世界なの、に魔術まであるなんてスゴい、ねー。

 

「ま、いいんじゃないの別に? 使いたいならご自由にどーぞ」

「・・・俺が言うのも何だが、ずいぶん適当な反応をする奴だな・・・」

「いや、だって。ワタシの名前も本名じゃないんだし、似ているだけの赤の他人の名前が載るだけならどうでもよくない?」

「・・・まぁ、そうかもしれんがな・・・」

 

 なんだ、か複雑そうにしてる達也さ、ん。いつもこめかみの辺り、にシワが寄っていて固そうだか、らたまにマッサージしてあげたくなるんだけど怒られないか、な・・・?(ドキドキ、ハラハラ)

 

「まぁ、なんでもいいわ。とりあえず、そろそろ行きましょうか雫? 次の試合準備を始めなきゃいけない頃合いだし」

「う、ん・・・。わかっ、た・・・」

「そうだな。次の準々決勝では最初に使った物より性能を落としたCADを使うから、俺がいなくても雫一人でなんとかなるだろう。俺は深雪たちの待つ観客席へ移動させてもらう。健闘をな」

「オーライ。勝って帰ってくるから、シャンパンでも冷やしておいてちょうだいな」

「学生相手に用意してやっても無駄に終わるだけだろう? せめて水を冷やして待っていてやるよ」

「・・・小粋なアメリカンジョークが通じない日本人ねぇ、相変わらず・・・」

 

 肩をすくめるカッコいいポーズ、で達也さんを見送っ、たリーナが会場に向かうのを私は後ろからついて行、く。

 

 そした、ら廊下を歩いている途中、で。

 

 

「第一高校のクドウさん?」

 

 って、声をかけられ、た。リーナ、が。

 

「・・・誰?」

「――っ。失礼、自己紹介を先にすべきでしたね。第三高校の十七夜です」

 

 リーナが聞い、て相手の綺麗な女の人が答え、た。

 後ろに付いてきて、る綺麗な人、がちょっとだけ怖い顔になったけ、ど・・・なん、で?

 

(でも、無表情な人だ、なぁ・・・お友達とか少なそ、う)

 

 私、はリーナに話しかけてき、たボブカットの人が隣の綺麗な人と違って無表情だったか、らちょっとだけ優越感に浸り、ます。

 前世で、は色々誤解されてたけ、ど今の私は女の子だから表情豊、か。友達も、いっぱい。

 ひねくれ者、は友達百人もいらない生きも、の。百人も友達いそうにない人、を心の中で見下すの、がひねくれ者、です。・・・えっへん。

 

「予選を拝見しました。大変良い腕をされていますね。

 あなたと準決勝で対戦するのが楽しみです」

「ふーん。次の試合は当然勝つって自信あるって宣言ね。

 まぁ、ワタシとの戦いを望むならそれくらい出来なきゃお話にならないから、当然のことだけど」

「・・・・・・っ。貴女こそ大した自信をお持ちのようですね。

 ですが、偉大なスポーツ選手は皆、謙虚さを美徳とするものですよ?」

「出来るために努力して、出来たことを誇りに思って自慢する。それのどこかに問題がありまして? 日本人の謙虚さは美徳だとワタシも思ってはいるけれど、謙虚じゃない人間にまで押しつけるのは傲慢と呼ばれるものではなかったかしらね? カノウさん」

「・・・・・・」

 

 ・・・一触即発の雰囲、き? 相手の人が無表情だか、らよく判らな、い・・・。

 

「でも、そうね。正々堂々試合前に名乗りを上げてきた相手に対して礼を失するのは、スポーツ選手のやることでは絶対にないのは確かだわ。だから貴女には特別に教えておいてあげる。

 ワタシが準決勝で使う予定のCADは特化型じゃなくて、照準付きの汎用型CADよ」

「なっ!? う、嘘よそんなの! だって、あり得ないじゃないの!? 小銃携帯の汎用型ホウキなんて聞いたことないわよ!?」

「お生憎様。うちの学校のエンジニアはちょっと反則級なものですからハンドメイドで自作したそうですの。

 もちろん証拠として現物を見せるぐらいなら今でも構いませんわよ? シズク、さっきタツヤから渡された奴を彼女に見せてあげなさい」

「さっき、の・・・? セントールって書いてあるって言われたしーえーでぃーのこ、と?」

「そう、その『セントール』シリーズのことよ。見せるだけで構わないわ。さぁ、早く」

「う、うん・・・わかっ、た・・・」

 

 えっ、と・・・セントール、セントー、ル・・・。

 

「そんなのあり得ないわ! 照準補助装置は特化型に合わせて作られたサブシステムで、汎用型CADと特化型CADとではハードもOSもアーキテクスチャからして別のものなのに!」

「その情報、古いわね。もう既にドイツで一年も前に汎用型CADに照準補助をつなげるシステムは実験されて、不可能でないことが発表されてるわ」

 

 セントー、ル。セントール・・・。銭湯る?

 

「そんな・・・一年前なんて、ほとんど最新技術じゃないの!」

「技術進歩が急激に加速する時代には、よくある事よ。あなたも魔法師として魔法技術の第一線に携わりたいならリアルタイムで情報更新するよう心得ておきなさい。おほほほ♪」

「く、くぅ~~~~・・・・・・っ」

 

 せんとーる。セントール。せんとー・・・る・・・・・・ぐすん。

 

「リー、ナぁ・・・・・・(えぐえぐ)」

「ど、どうしたのよシズク? なんかさっきから持ってきたバッグ漁って何やってるのかなと思ってはいたけれど・・・何かあったの?」

「う、ん・・・。達也さんから渡され、たしーえーでぃー・・・間違えちゃったみた、いな、の・・・(ぐしぐし・・・)」

「ええっ!? ちょっ、それ、大変じゃないの!? どこで!? なにがどうなって間違えてたのがわかったの!?」

「あの、ね・・・あの・・・ね・・・セントールって書いてあるって言われてたしーえーでぃーが、ね・・・どこにも見つからなく、て・・・。

 『せ』から始まるカタカナなのに、最初の英語がCのしか持ってきてなかった、の・・・Sのがどこにも見つからない、の・・・(えぐえぐ、しくしく、オロオロ・・・)」

 

 

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

 

 

「・・・シズク、ワタシ日本人じゃないから日本製の商品名だと確実な自信はないのだけれど、セントールの綴りは多分Centaurだと思うから、頭文字はSじゃなくてCで合ってると思うわよ?」

「・・・??? そうな、の?」

「ええ、たぶん絶対に。ほぼ百二十パーセントぐらいの確率で」

「そうなん、だ・・・リーナがそう言うんだったら大丈夫だ、ね(ほにゃり)

 じゃあ、コレ。最初に書かれてる英語がCのしーえーでぃーだ、よ」

「・・・・・・ありがと、シズク。貴女のおかげで無駄に疲れたわ。後でお尻ペンペンのお仕置きよ」

「なん、で・・・!?」

 

 私、何も悪いことしてないよ、ね・・・!? 今回、は・・・!?

 

「えーと・・・、なんかこっちの不手際で色々あったけど、コレが証拠よ。どう? 間違いなく照準補助が付いた汎用型でしょ? なんなら触ってみる?」

「・・・いいえ、私も色々な分野の技術をかじっていた時期があるから見ればわかるわ・・・。それは間違いなく汎用型CAD・・・でも、どうして・・・」

「さぁね。答えを知りたければワタシと戦うために準決勝の舞台まで来てみなさい。ワタシはただ、自分だけが貴女の手の内を知って試合に臨むのはフェアじゃないと思っただけなのだから。それじゃ失礼」

「あ、待ってリー、ナ・・・(トテトテトテ)」

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

「・・・どう思う? 栞。彼女の今の発言は信じるに値するかしら?」

「・・・・・・わからないわ。どんなに考えてみても先ほどの会話で彼女が得をする合理的理由が説明できそうにない・・・一体何がしたかったの彼女は? ――いいえ、一体なにを狙って今のような会話と、私たち敵に対して情報を流すような真似を・・・」

 

 

「話は聞かせてもらったよ十七夜さん、一色さん」

『吉祥寺君!』

「すまないが、廊下の隅で通りかかってそのまま盗み聞きさせてもらった。だから、一高のクドウさんが使ってきた手も僕には読めている」

「・・・本当ですの? それはどういう手で・・・?」

「簡単だよ一色さん。彼女は十七夜さんの手の内を知っていると言っていた。

 つまり、アリスマティック・チェインの仕組みを向こうでも解析し終えていて、その対抗策に必要となる布石を打ってきたということだよ」

「アリスマティック・チェインの対抗策ですって!? そんなものが存在しましたの!?」

「可能だよ、一色さん。確かにアリスマティック・チェインは十七夜さんだけが使える固有能力をとことんまで突き詰めることで可能となる、謂わば異能と呼ぶべき魔法だ。普通の魔法で対処できるはずがない。

 ――でも、それは同時に使用者である十七夜さん自身に揺さぶりをかけて集中を乱せば、彼女の能力に依存しているアリスマティック・チェインの効果も無力化できてしまう・・・そういうことにならないかな?」

「!!! な、なるほど。そういう考え方もありでしたのね・・・。

 でもその場合、どのように対処すればいいのかしら・・・・・・」

 

 

「・・・なるほどね。そこまで解れば簡単だよ愛梨」

「栞?」

「彼女が仕掛けてきた心理戦は、自分が試合のときに特化型と汎用型のどちらを使ってくるのか判断に迷わせることで私の演算能力に狂いを生じさせると言うもの。

 相手が特化型を使ってくることを想定した今の作戦だと完全なオーバーワークになって、スタミナ切れで自滅するしかない。

 けれども、汎用型を想定した作戦だと特化型を用いてきた場合には逆に数が足りなくなる。どちらに専念すれば良いのか判断を付きづらくさせて、結局はどっちつかずの心理状態のまま試合に臨ませてしまいさえすればアリスマティック・チェインは無効化できてしまう。

 ――フッ。でもそれは私を甘く見すぎた作戦だわ。想定が甘すぎたのよ。私なら事前にその状況を想定さえ出来ていたら完全な計算式を構築しておいて、相手がどちらを選んできても完全に自分のペースを維持して試合に挑むことが出来るわ。

 私はただ、いつも通り戦えばいい・・・それだけのことよ」

 

「さすがだね、十七夜さん。正解だ。彼女の策は、彼女自身が仕掛けてきた時点で破綻している。策士、策に溺れるだよ。

 彼女の汎用型CADが持つ性能とペースは、君との試合までに僕が完全な形で数値化して渡す。それを見た上で君自身が考えてくれ。

 美しい数式の旋律を奏でる君だけの楽譜・・・アリスマティック・チェインの新作をね」

 

 

 

 

 

 ――こうして、準決勝まで勝ち上がった二人の試合が開始され・・・・・・

 

 

「・・・どうしてだ!? なんで十七夜さんのペースがここまで乱されているんだ!? 彼女が演算を間違えるはずないから僕の計算が間違っていたのか!?」

「いや、違う! まずいぞジョージ! 俺たちは敵の策に嵌められた!!」

「将輝!? どういうことだい!?」

「考えてもみろ! 今まで計算だけでなく練習も積んできた対特化型用の作戦と、即席で作り上げたばかりで、ぶっつけ本番の作戦とでは精度に違いが出すぎるのは当然のことでしかない! 相手選手が十七夜と同格の実力を持っているなら尚のことだ!」

「あ!」

「迂闊だった・・・まさかここまで読んでくるとはな・・・。ただ単にスポーツ選手として礼儀を守っただけで俺たちに選択と決断を強要してきてただなんて軍隊みたいなやり方を・・・!

 今年の一高の作戦参謀には悪魔が付いてでもいるというのか!」

「くそ・・・っ。僕としたことが完全に乗せられてしまっていた・・・!

 あんなアホそうな子が最新技術をものに出来るはずないから、ダミーであることは最初からわかっていたのに、まさか背後に控える本命が手段を選ばない悪魔であることを隠す意味も込められていただなんて!」

「・・・どうやらこの戦い・・・俺たち三高にとっても厳しい大会になりそうじゃないか! ジョージ・・・っ!!」

 

 

 

 

 

 そして、試合に勝って優勝した後のリーナさんは。

 

 

「うーん、しっかし本当に使いやすいわよねシズクの調整したCADって。全然ストレス感じないまま使えるから、練習の時と全く同じ感覚で緊張とも気負いとも無縁でいられるから楽すぎるわ。

 相手が試合のために必死になってくれるだけで気持ち的には余裕が生まれて、相手の調子に関係なくペースを保てるぶん優位に立てる。――これって正々堂々なの? 卑怯なの? どっちなの?」

 

 

「ま、何はともあれ。――運が悪かったわね、シオリ。

 貴女はいいスポーツ選手だったけど、ワタシが元軍人だったのがいけなかったのよ・・・。スポーツは正々堂々とやるものだけど、戦争は勝って終わらなくちゃ意味がない。

 悲しいことだけど、ワタシの仕事ってもともとスポーツじゃなくて戦争だったのよね・・・」

 

 

「??? リーナ、なに格好つけてる、の?(きょとん?)」

 

つづく




謝罪:
あらためて読み返すと今回の話はイロイロな部分が駄目でしたね。ごめんなさい。
頭がふやけた状態の時間に書いたからでしょうか? 次からは執筆時間にも気を付けたいです。

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