七公館大学、キャンパス内カフェテリア。
己のマスターが去った後、キャスターは我慢できずに森の中に突入していった“獣”のことを思う。
「番人を担っていた兄と違い、堪え性のない奴よ。だがよい。それもまた愛おしいものだ。我が子ならな」
言いながら、手元の手鏡を見る。手のひらサイズのそこには、今眼前の森の中で行われている二つの戦いを映し出していた。
鏡を媒介にした遠見の魔術。手のひらサイズなので当然小さいはずだが、拡大縮小、さらに
鏡の向こうの戦いを俯瞰して、キャスターはリアルタイムで見え続けている情報を考察した。
アサシンの、
さらに彼らのマスター。
セイバーのマスターは、祠堂家の人間のようだ。確かあの家には当主と、次期当主のほかにあと一人、次男がいるとマスターが言っていた。祠堂家の人間は当主も次期当主も街から去ったので、あれは次男だろう。
次男を聖杯戦争の生贄にするか、と、キャスターは口元を微かに吊り上げた笑みを浮かべた。己の子を好んで生贄に捧げるのはキャスターの嫌悪することだが、だからこそ人間らしいとも思う。
子を愛することもあれば、子を憎むこともある。我が身を挺して守ることもあれば、このように平気で切り捨てることも。
個々人ではなく、総体としての群で多くの矛盾を抱える怪生物。それこそが人間だ。
「おっと。いらぬことに思いを馳せている時間ではないな」
苦笑して、キャスターは考察を続ける。
アサシンのマスターはその容姿から言って、人間ではない。
「ホムンクルスのマスターか。そういえば、今はもう滅びているが、アインツベルンがホムンクルスをマスター用に調整して、聖杯戦争に参加させていたな」
だがそのアインツベルンも、もういない。だとすればあのホムンクルスはアインツベルンのホムンクルス鋳造技術を模倣するか盗用するかして作られたホムンクルスだろうか? それとも、アインツベルンに所属していながら、
実際は失敗作として廃棄されながらも生き延びただけだったが、全能の神ならぬキャスターはそこまでは知らない。
「さて、サーヴァント二騎。ここで屠れるならば、マスターも喜ぶかな」
いざとなれば自分が介入しようと決めて、キャスターは事の成り行きを見守ることにした。
◆◆◆◆◆◆
七公館大学キャンパス内、森の中。
決着だ、と司は思った。
彼の思惑通り、アサシンのマスターの誘導に成功したし、令呪を一画切ってまで下したセイバーへの命令は滞りなく実行された。背後からの剣はアサシンのマスターの背中から侵入。その胸板を貫通し、突き抜けた。
胸の中ほどを貫く鉄の剣。心臓は外してしまったが、ほぼ間違いなく致命傷だ。
と、様子を観察する司の眼前で、剣がひとりでに動き出し、アサシンのマスタ――――ニヒトの身体から抜けていった。
ズズ、ズズと、何に引っかかったような阻害の動きを伴って、剣が引き抜かれていく。その度にニヒトの喉から苦悶の呻きが零れた。
やがて、剣が完全に引き抜かれた。途端、栓を失った傷口から大量の血液が噴出した。
赤い血が流れ、地面を濡らす。命が消えていく、その瞬間はもう近い。
だがその瞬間、ニヒトの喉から叫びが迸った。
「――――――――――――――――――!」
長い長い咆哮。それは口内の血のせいで濁ったものだったが、そこにただならぬものを感じた司は、バックステップでニヒトから距離を取った。
ニヒトの左手が動く。
瀕死のどこにそんな力が、と思われる速度。だがそれは攻撃のためではない。
ニヒトの左手の指先が、己の傷口に差し込まれた。
血がさらに噴き出す。それにも構わず、ニヒトは指を手繰った。
糸が走り、傷口を縫合していく。医師のような精密な動作。その早業に司が気付いた時には縫合は完了していた。
「ッ!」
敵が復活する。が、ニヒトの左手は傷口に当てられていた。縫合しても抜糸することはできず、したがって左手は傷とつながっている。故に動かすことができない。ミリ単位でも動かせば、傷が開いて再び大出血だ。
故に右手の糸だけを操るが、手数が半減すれば見切り安い。
おまけに重傷なのは変わらないので、動きが鈍い。やはり今のうちに仕留めるべきだと思い、司は一歩前に踏み出そうとし――――
黒い影が、現れた。
全身が総毛だった。
影からにじみ出てきたような黒衣の女。その右半面だけ、白い髑髏の仮面。
脳裏で警鐘が鳴るよりも早く、反射神経さえも凌駕しかねない勢いで、司の身体が反応した。
それは明確に目の前に現れた死の気配に対する恐怖からだった。
この場から逃げなければならない。この場にいたら死ぬ。だから司の脳は思考するよりも早く体を動かした。
「
詠唱は一小節。即座に効果が発揮。司の靴裏から爆発が起こり、それに合わせて跳躍することで、爆発の力を推進力へと変える。
同時に両手で首と心臓部、二つの急所を防御する。間に合うかどうかわからぬ刹那の行動。だが今回は間に合った。
ガードに入れたと思った時にはまさに動かした両腕に激痛が走っていた。
心臓と首を、正確に狙った
黒い影――――アサシンの出現の始まりと同時に動けたのが幸いした。おかげで司は即死は免れた。
だが今死んでいないだけだ。短剣が刺さった両腕はもう使えない。次は足か。否、今度こそ心臓を貫くのか。
司の予想――死の予感――に反し、彼の目に映ったのは投じられる短剣ではなく、もっと肉厚の鋼。それが司の視界外から飛来し、アサシンが投じた短剣を弾いたのだ。
「無事ですか、マスター!?」
切羽詰まった声が後からやってきて、鮮やかな金色の髪が視界を席巻した。
セイバーだ。
間に合った剣に対し、司は安堵の笑みを口元だけで浮かべた。
「ああ、セイバー。とりあえず、命は無事だよ」
司の返答に、セイバーはほっと一息。だが肩越しに見た司の両腕の負傷に、痛ましげに顔をしかめた。
とはいえこれで状況は二対二だ。司は戦えそうもないが、それは胸に大怪我を負ったニヒトも同様。
それにあのアサシンは危険だ。
司は使い魔の視界からセイバーとアサシンの戦いを断片的とはいえ俯瞰していたからわかる。アサシンは放置しておけば見えない宝具による攻撃に常に神経をすり減らされる。
令呪まで切ったのだ。アサシンは是が非でもここで仕留めておきたい。
「セイバー。あのアサシンは危険だ。旨く出し抜けたけど、マスターも俺より格上だ。ここで決着をつけよう」
魔術の行使によって痛覚を鈍らせながら、司はそう告げた。
撤退はない。ここで決める。その決意を感じ取ったセイバーが、緊張した面持ちで頷いた。
戦闘続行を選択した司たちに対して、ニヒトが選択したのは撤退だ。
傷がひどい。処置に使った左手を少しでも動かせばそのまま大出血で、死ぬだろうことがわかる。一度落ち着いた場所で治療しなくてはならない。
それにアサシンも、三騎士相手に正面切って戦えるとはいえ、長期戦は不利だ。彼女は己のスキル、『自己改造』で
化外の心臓。そこから来る血液の奔流によって爆発的な戦闘能力の向上が得られ、それ故に三騎士相手に後れを取らないが、そんなドーピングまがいのことが長く続くはずがない。
戦闘続行と撤退。互いの陣営の方針が決まり、対峙から追うものと追われるものの関係に変化する。
そう思われた刹那――――
咆哮が、轟いた。
「!?」
全員の身体が緊張から硬直する。
司は咄嗟に頭上を振り仰いだ。
頭上から降り落ちてくる巨大な影。司にはそれが何なのかわからず、突然の事態に脳は認識していても体が反応せず、動けなかった。
そのままならば頭上からの正体もわからず、その巨大さが当然のように伴っている質量によって圧殺されていたことだろう。
「マスター!」
それを救ったのはサーヴァント。セイバーの手が司の肩にかかり、彼を引き寄せた。
そのまま司を抱きかかえて跳躍するセイバー。だがセイバーは反応できたが、アサシンは
アサシンは
それはマスターの怪我の具合を見て取って、強引に抱きかかえては傷口が開いて危険だと判断したかもしれない。
だがこの、マスターを
頭上から降り落ちる影。その範囲圏内からアサシンがマスターを対比させた直後、影が地面に
轟音。
大気を叩き、地面を揺らす衝撃が駆け抜ける。
土塊と落ち葉が逆流した滝のように舞い上がり、粉塵が辺りを包み込む。
「なんだ!?」
セイバーに抱きかかえられる形で離脱していた司は、突然の乱入者に瞠目した。
粉塵のせいで姿が見えない。だが、二重に轟く咆哮が大気を震わせ、その振動が粉塵を揺らめかせる。
その揺らぎの中、魔術で『強化』した司の視力は、襲撃者の正体を捉えた。
逞しい四肢を持つ四足獣。
しかも巨大だ。さすがに像ほどとは言わないが、バッファローをさらに二回りほど大きくした巨体。
黒銀色の毛並み、炎を結晶化したような双眸。姿形は猟犬が近いが、それにしては巨大に過ぎる。しかもその頭は二つあった。
双頭で左右を睨み据える巨体。
司の知識が、その怪物の特徴に当てはまる答えを導き出した。
「オルトロス……?」
双頭の魔犬を前に、司はそう呟いた。
その呟きが聞こえたのか、魔獣の四つの瞳が司を捉えた。
途端、生物としての絶対的な格差を感じた司の全身から、嫌な汗が流れた。
恐怖でパニックに陥りそうな心。だが魔術を発動、無理矢理鎮静させる。
そうして、頭の中に焦る部分と冷静な部分を分けて、司が考えるのはアサシンのことだ。
司の目には、アサシンは潰されたように見えた。そしてアサシンのマスターは、今地面に倒れたまま動かない。
『―――――――――――――――――――――――――!』
長い長い咆哮が、オルトロスの二つの口から放たれた。
巨体の身が屈められる。筋肉の収縮が近くできた瞬間、跳躍。
砲弾が発射されたような衝撃と音が走り抜け、黒い異形が走る。
その巨体からは想像もつかぬ速度で、セイバーへと肉薄する。
「おろしてくれセイバー!」
自分を抱えたままでは満足に戦うこともできないと判断し、司はサーヴァントにそう命じた。一瞬躊躇ったセイバーだったが、マスターの意図を組み、手を離した。
両腕の怪我は思ったよりも深い。だから司は視力の強化を継続しながら、距離を取った。今はセイバーに戦い全てを任せるしかない。その間に己は回復魔術を発動。まずは止血、それから少しでも傷を塞ぐ努力をする。
一方セイバーは司を手放し、向かってくるオルトロスに対して四本の剣を射出して迎撃。剣はしかし、高速で突進してくる巨体の速度という壁に阻まれ、弾かれてしまう。辛うじて右前足の付け根に突き刺さった一本もあまり深く入っていないようで、その速度を緩めるには至らない。
彼我の距離が縮まる。ぐわっとオルトロスの二つの口が大きく開かれ、ずらりと並んだ牙がセイバーの前に現れる。
射出での迎撃を諦めたセイバーは両手で剣を握り締め、待ち構える。その身体に黒い茨が絡みつく。だがそれは拘束ではない。セイバーを守る鎧として、影の茨は彼女の身体に巻き付くのだ。
そして茨がセイバーが手にしていた剣にまで絡みついた時、ついにセイバーの身体がオルトロスの牙の圏内に入った。
セイバーの背中からその光景を見ていた司は、セイバーの肩口にオルトロスの向かって右側の口が喰らいついたように見えた。
だが違った。オルトロスの右口が加えこんでいたのは茨を纏ったセイバーの剣。強化された剣に歯が立たないのか、牙がガチガチと音を立てている。
そして左の口には迎撃と同時に放たれた剣が――こちらは茨を纏っていない――口の中から生えていた。
だが喉の奥に突き刺さったのではない。こちらは閉じられた牙の群によって、噛み止められていたのだ。
オルトロスの顎に力が籠められる。音を立てて茨を纏っていない剣が砕けた。
これでオルトロスの口が片方自由になった。もう一度大きく口が開かれ、セイバーの肩口めがけて振り下ろされる。
その直前、セイバーは半身を引いた。
地面を抉るように踏ん張る。黒い茨が地面とセイバーの足を縫い留める。
「―――――――――!」
噛み締められたセイバーの口から呼気が漏れる。彼女は引いた左足を視点に旋回。そのままオルトロスの身体を振り回す。
急な慣性に、魔獣の巨体が僅かに地面から浮き上がる。力任せに、ハンマー投げのように旋回するセイバー。その度にオルトロスの身体が浮いていく。そのままセイバーは握りしめた剣の柄を離した。
巨体が、
重力の軛から解放されたオルトロスが放物線を描く。
だが魔獣は空中にいる間に体勢を整え、後ろ足で木の幹に着地。いかなる方法でエネルギーを殺したのか不明だが、巨体に似合わぬ軽やかな動作で停止。セイバーを睨みつけ、再度跳躍。砲弾のような質量で彼女に向かって上から襲い掛かった。
右に回避するセイバー。着地寸前に、オルトロスの両口が開いた。
その口の奥の赤い色が見えた。舌ではない。ちろちろと揺らめくものの正体は――――炎。
「セイバー!」
同じものを見ていた司の叫びが跳ぶ。ここでオルトロスに炎を吐かせるのはまずい。すでに司自身が起こした炎によって人が集まりかけているだろう。ここでさらに炎を出せば、最悪この森自体が全焼しかねない。そして、巻き込まれる人もいるかもしれない。それはまずい。
ちらりと司は、刹那に満たぬ時間、彼の友人たちのことを思う。
魔術のことを何も知らない人たち。それでも自分の友達になってくれた。彼らの日常が侵されることを、司はひどく、嫌だと思った。
そんなマスターの秘めたる気持ちも察したのか、セイバーは頷き一つで司の望み通りに動いてくれた。
セイバーは剣を捨て、両手を左右に広げた。
広げた手の影から、茨の影が伸びる。
影絵の茨は地面を這い、平面を移動しながらオルトロスの直下まで移動。そこから一気に三次元的な移動にシフト。
地面から跳ね上がった茨がオルトロスの二つの口に巻き付き、締め上げた。
今にも口内から解放されんとして炎が荒れ狂い、牙の間から漏れている。
だがそんな炎ではセイバーの宝具たる茨を焼くことはできない。逆に口腔内で暴れまわる炎が、オルトロスの口の中を、さらに漏れ出た口の周り、顔全体を焼いた。
『―――――――――――――――――――!』
口が塞がれているため、くぐもった絶叫が響いた。オルトロスは鬣の蛇を使い、茨を加え、引き千切ろうとした。さらに体をゆすってもがく。
乱暴なオルトロスの挙動に、セイバーは振り回されそうになる。が、セイバーは耐える。茨で体を固定し、体を持ってかれないようにする。
「お願いです、皆さん……。力を貸してください」
食いしばった歯から漏れる言葉。セイバー以外の誰にも分らない言葉を吐いて、彼女は身体を旋回させた。
両の腕を使い、茨で縛ったオルトロスを放り投げる。
当時に自分の腕から茨を切断。慣性に従って、オルトロスの巨体が宙を舞う。
枝を薙ぎ、幹に激突。幹がきしみを上げて、罅割れ、上から葉が落ちてきた。
倒れ伏すオルトロスの巨体。茨が外される。荒れ狂っていた口内の炎が口の間から漏れ、顎を、鼻を、頭部全体に燃え広がる。
二つの頭部を炎上させながら、それでも四肢を使って立ち上がる怪物。眼球も燃えているし、嗅覚ももう使えないだろうに、気配は感じるのか、二つの頭を巡らせる。
怪物ならではのタフさ。司は額にかかる汗をぬぐいたいと思ったが、両手の怪我のせいでできなかった。
オルトロスは、怪物として生まれ、そして死ぬが、それでも知能はある。
状況を認識する。自分は目も鼻も焼かれてしまい、五感のうち味覚も含めた三つが使えない。
敵は強い。魔力反応でだいたいの位置は分かるが、こんな盲目な状態では勝てないだろう。
傷を回復する必要がある。それも即急に。
方法はある。オルトロスはその方法の名前は知らないが、サーヴァントや魔術師なら、それを魂食いというだろう。
一人、手近なところに魔力の塊がある。動かない。反応からして質がよさそうだ。
喰らえば傷を回復できる。だからオルトロスは
司たちの眼前で、手負いのオルトロスは身を屈めた。
膝を屈め、跳躍。ただし行く先は身構えたセイバーや、その後ろの司ではない。
彼らの後方。司の記憶が正しければ、そこにいるのは――――
「アサシンのマスターを狙っている? だとしたら――――」
司はすぐにオルトロスの狙いを見抜いた。
奴はアサシンのマスターを喰う気だ。それで魂食いによって傷を癒そうとしているのだと看破。そのことをセイバーに伝えた。
異変は直後に起こった。
跳躍し、今は空中にいるオルトロスの姿が突然、
そのまま受け身もとれずに落下する。地面に激突した怪物は、苦し気な呻きを上げて、のたうち回った。
「一体、何が――――」
セイバーの呟きは司の疑問と同じだ。そんな彼らの眼前で、オルトロスの背中が
血と肉が周囲にまき散らされる。肉を割き、骨を砕いて出てきたのは、一本の黒い腕。
右手がまず出てきた。次いで左手、肩、頭、胴体。そして足。
黒衣の女だった。顔の右半分を覆う髑髏の仮面が唯一の白だ。
アサシンのサーヴァントだった。
司は瞬時に状況を理解する。頭上からオルトロスに教われたアサシンは、自らの宝具で怪物の体内に潜航。セイバーと戦っている分は静観していたが、マスターに危険が及んだこのタイミングで、怪物の心臓を抉り取ったのだ。
獲得した心臓に唇を近づけるアサシン。
そのまま租借し始めた。
シャクリ、シャクリ。心臓を喰らう嫌な音が、黙りこくったセイバーと司の耳に響く。
やがて食事が終わる。アサシンは跳躍し、
そのまま再戦。ではなかった。
アサシンは着地と同時にマスターの身体を丁重に抱えて、跳躍した。こちらは一顧だにしない。
逃げた。そう思ったが、もう遅い。距離があったし、完全に虚を突かれた。セイバーが慌てて剣を射出したが、そのころにはもう補足できなかった。
逃がした。その事実が司の肩に重くのしかかった。
「申し訳ありません、マスター」
「いや、仕方がない。あんな怪物の乱入は予想外だ。それに収穫だってあった」
そうだ。アサシンの宝具のネタは割れた。そのマスターの魔術も見た。それに最後に乱入した怪物。あれは間違いなくサーヴァントの宝具による召喚だろう。だとすれば、それを可能にするには『騎乗』スキルと持つライダーか、召喚タイプのキャスター。いずれにしろ、敵の正体が絞り込めそうだ。
「今はこの場を離れよう。傷の手当てもしないと」
実はさっきから傷が熱をもって辛いのだった。