偽典の聖杯戦争   作:tuki21

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第24話:二日目⑫ セイバーVSバーサーカー

 春日居市、新地区。

 春日居市は古くからある旧地区と、近年の経済的成長に伴って開発された新地区に分かれている。

 そして旧地区と新地区を隔てるのは、街の真ん中を流れる大きな川、諭道川(ろんどうがわ)があり、その川をまたぐ形で旧地区と新地区を結ぶ春日居大橋がある。

 春日居大橋は照明に照らされ。夜目にもわかる巨大なアーチを持つ赤い橋。そのアーチの上に、ありえざる人影があった。

 人影は直立の姿勢ではなく、片膝を付いた体勢から彫像のように微動だにしない。

 見た目の年齢は三十前後、緑を基調にした狩猟服にショートカットの茶色の髪、若草色の瞳、褐色の肌。表情は薄く、目つきは鋭い。ナイフのような鋭さと弾丸のような容赦のなさを内包させた瞳。痩身だがそこに脆そうな印象はない。いかなる風雨にも決して折れない樫の木の風情。

 聖杯戦争に召喚された七騎のサーヴァントの一騎、アーチャーだった。

 アーチャーは膝立ち姿勢のまま、まさに木石のように身じろぎ一つしない。

 彼本来の銃であるマスケット銃を構え、細められた相貌は火の手の上がる新地区の一角を見据えていた。

 アーチャーの目には住宅街から燃え上がる炎と、その中で命を削り合っている二つの影をはっきりと捉えていた。

 ランサーと、バーサーカー。

 炎を身に纏い、咆哮とともに切りかかるバーサーカーを、ランサーはうまく捌いている。

 やはり一部の例外や『狂化』スキルのランクが低い場合を除いて、生前の技量のほとんどを失うバーサーカーでは、猪突猛進するしかない。

 実に分かりやすい獲物だ。

 さらにウィンクルード(マスター)がパトロン――嫌な概念だ。獲物も日銭も、自分で稼いでこそだというのに――から聞き出したことによれば、バーサーカーのマスターはすでに殺されているらしい。

 やったのはアサシンだろう。バーサーカーのマスターが死んだという場所は、昨夜複数のサーヴァントが入り乱れた港に走っている地下下水道の中だという。

 ならばバーサーカーは放っておく。マスターとも今念話で確認した。

 マスター、ウィンクルードは今、近くにいない。

 今日の狙撃は自分一人だ。

 この場所は見晴らしがいいが風が強く、周囲にアーチと同じ高さの建物がない。あるが遠い。あれではこちらのフォローはできない。

 

 

 小さく息を吐く。

 

 

 そして低所からこちらをフォローするのも難しい。風が強く、下から上では重力に捕まって弾丸は下に落ちる。これはいかに己の宝具によって“魔弾”になっていようとも変えられない。多少は無視できようが、高速で動き回るサーヴァントを捉えられるとは思えない。

 

 

 無心のまま、指が引き金を引いた。

 

 

 だから今回、マスターは隠れ家(セーフハウス)で連絡待ちだ。

 エクソダスと名乗った協力者とともに、今の騒ぎの裏で情報集めに奔走中だ。

 

 

 弾丸は獲物と定めたランサーに襲い掛かる。

 

 

 バーサーカーは自滅する。ならここはランサー狙いがいい。あの獲物は勘が鋭い。こちらの照準を敏感に察知し、引き金を引く前に動いているふしがある。

 

 

 ランサーは一瞬早く気付き、その場から跳躍する。

 跳弾が跳ね返り、命中。だが致命傷には程遠い。

 

 

 思考とは別に、肉体は狩人としての動きを正確に再現している。

 微動だにせず狙撃姿勢を維持しながら、冷静に引き金を引く。

 弾道を確認。獲物の動きを確認。敵は俊敏で鋭敏だ。こちらの狙撃を常に一瞬早く察知している。

 こちらは相手の逃げ道を考えながら引き金を引かなければならない。丁度、今の敵の回避を見越した跳弾のように。

 

 

 引き金を引く。

 

 

 一発で仕留めることはできないだろう。それでもバーサーカーを利用しながら、削り、追い詰め、最後には仕留める。

 アーチャーは今夜でランサーを仕留めるつもりだった。

 こちらの狙撃の気配を、野生動物以上の鋭敏さで察知する敵は厄介だ。早い段階で仕留めるに限る。

 

 

 引き金を引く。

 

 

 しかしなかなかしぶとい。バーサーカーと戦闘中だというのに、致命傷を避け続けている。

 そしてふと気づいた。気配がもう一つ、戦場に向かっている。

 一体誰が? 意識を戦場に向けたまま、視界の隅でその姿を捉える。

 民家の屋根を、軽やかな動作で駆け抜けていく影が一つ。

 美しい女だった。現代にそぐわぬ鎧姿。そして彼女の周囲を、まるで従者か騎士のように漂う、使い手のない直剣が六本。

 

「セイバーか……」

 

 呟き、思案する。思考と乖離し、肉体は相変わらずランサーを狙い続ける。

 セイバーが向かっているのは勿論、今現在ランサーとバーサーカーが戦っている戦場だ。何しろ目立つ。

 ターゲットをランサーからセイバーに変えるべきか? 今彼女はアーチャーの存在に気づいていない。狙えば当たる。

 そう考えて、アーチャーはすぐにその思考を打ち消した。

 ()()()()()()()()()()()()()

 アーチャーの眼、『魔王の義眼』が看破するに、セイバーを中心に、彼女を取り巻くようにいくつもの気配が見える。

 あれが周囲を警戒している。だからこそ、セイバーはああもまっすぐ最短距離で戦場に向かえるのだ。

 やはりランサーを狙うべきか。乱戦になれば決定的な瞬間もあるだろう。

 相変わらずランサーを狙いながら、アーチャーはそう判断した。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 アスファルトを踏みしめて、セイバーはバーサーカーに対して宣言した。

 周囲を見渡し、その表情を沈痛なものに歪める。

 燃え盛る家、もはや原形をとどめていない、巻き込まれた人々。

 それを成したのが誰であるか、セイバーは理解していた。

 

「バーサーカー……!」

 

 成した者の名を呼ぶ。

 狂気の英霊(バーサーカー)は両肩口の鎧の隙間に突き刺さった剣を、炎を巻き付けて強引に引き抜いた。

 血は出ない。そんなものは全て炎に巻かれて蒸発した。

 乾いた音を立てて、剣が地面に落ちる。セイバーは油断なく右手に握った剣を構え、周囲に浮遊させている剣を配置する。

 

「助かりました。セイバー」

 

 傍らで、ランサーが起き上がった。絶体絶命だったが、セイバーが間に合ったので、辛うじて事なきを得たのだった。

 

「それと、アーチャーがこの戦場を狙っています」

 

 アーチャーが……とセイバーは小さく呟いた。

 アーチャーについてはマスターを通して情報を得ていた。

 マスターもまた、ランサーのマスターから聞いた情報でしかないが、銃を使う特異なアーチャーだという。

 セイバーは動かずに何やら震えているバーサーカーを視界に収めながら問いかける。

 

「場所は分かりますか?」

「さんざん撃たれましたので」

 

 それだけ聞ければ十分だ。

 

「お願いできますか?」

「承りました」

「ありがとうございます。(わたくし)はバーサーカーを、マスターの指示通り自然公園に誘導いたします」

「それがいいでしょう。ここでは多くの民と、その財産を危険にさらしすぎる」

 

 住宅街での戦闘。しかもバーサーカーは炎を振るい、周囲を焼き尽くす。どう考えても市街地で暴れさせていい存在ではない。

 バーサーカーのマスターは何をやっているのか? 神秘の秘匿は? サーヴァントを衆目に晒すことに対して、何ら抵抗はないのだろうか?

 セイバーがそう考え始めた時、バーサーカーの方に動きがあった。

 右手に剣を握り締め、全身から噴き出す炎をさらに激しくさせる。

 やや前屈みの前傾姿勢は人というよりも、二足歩行の猛獣を思わせる。

 兜の隙間から、呼気らしき音が漏れる。

 

「■■■■■■■■――――――!」

 

 咆哮が轟く。前傾姿勢から、引き絞られた矢のようにバーサーカーが突進。狙いは先程まで戦って、明らかにターゲット認定していたランサーではなく、乱入者のセイバー。

 バーサーカーの爆走に合わせて、道端に転がっていた犠牲者たちの死体が巻き起こる炎によって炭化していく。

 

「ッ!」

 

 バーサーカーとの距離が縮まるにつれて、セイバーの顔を熱波が叩いた。

 セイバーは右、ランサーは左に跳躍。まだ無事な民家の壁を蹴ってさらに跳躍。

 ランサーは屋根に着地後、戦場を離脱した。宣言通りアーチャーを狙いに行ったのだ。

 そしてさっきまで戦っていた相手が離脱したというのに、バーサーカーは彼には目もくれず、セイバーを狙う。

 炎がうなりを上げて迫る。セイバーは右手をかざした。手首の先から影絵の茨が伸び、近くの電柱に巻き付いた。

 すぐさま茨が収縮。縮む動きに引っ張られてセイバーの小柄な体が移動。波のように迫っていた炎を回避。

 電柱に着地したセイバーはすぐさま剣を射出する。数は三本。背を向けたバーサーカーに向けてのもの。

 膝狙いの一本が優先的に叩き落された。跳ね上がった剣が僅かな時間差で飛来した二本目の剣を叩き落とす。

 三本目が眉間を狙う。荒れ狂う炎も間に合わないはずだった。

 だが――――

 

「な!?」

 

 セイバーは目を見開く。目の前で起こった光景が、一瞬信じられなかった。

 バーサーカーは僅かに首を傾けた後、兜で剣の側面を()()()のだ。

 弾かれた剣があさっての方向に向かう。

 セイバーが電柱から再度跳躍し、民家の壁を蹴りつけ、軽やかに上を取った時には、バーサーカーも次のアクションに移っている。

 膝を僅かに屈め、跳躍。先ほどのセイバーの茨のように、炎が鞭のようにしなり、獲物に襲い掛かる蛇のように唸りを上げてセイバーに向かう。

 

「ッ!」

 

 セイバーは剣を射出する。ただしバーサーカーに向けてのものではないし、炎の迎撃にでもない。決まった形のない炎を相手に剣の射出をしても意味はない。

 放った先は夜空。下から炎の赤に照らされる空の黒を、白銀の剣が駆ける。

 そのすぐ後を、セイバーの無手の左手から放たれた影絵の茨が追う。

 セイバーの跳躍の勢いが終わるよりも早く、茨が剣の柄に巻き付いた。

 剣の勢いもまた、止まらない。射出され、空中を思うがままに飛来する剣の速度に茨が引っ張られる。必然、茨と繋がっているセイバーもまた、空中での軌道を変更、剣に引っ張られるように移動する。

 燃え盛る鎧姿のバーサーカーの視線が流れ、セイバーを追う。夜空を震わせる、悍ましく恐ろしい咆哮を上げて民家の屋根上に着地。バーサーカーの重さと着地の衝撃に耐えきれず、屋根に亀裂が入る。

 構わず、バーサーカーはセイバーを追って再跳躍。屋根の一部が砕け、崩れ落ち、空いた空間から外の熱せられた空気が侵入。さらにバーサーカーの身体からあふれ出る炎の一部が千切れ、民家の中に堕ちた。

 炎の一部は民家二階の、おそらくは住人の寝室に落ち、瞬く間に燃え広がった。付近の火事と監督役の尽力のおかげで周囲の住人が避難してため人的被害はない。

 だが民の帰るべき家が、財貨がなす術なく狂戦士に蹂躙されていく様は耐えがたい。

 

「やめなさい、バーサーカー!」

 

 マスターに言われた通り、この近くにある自然公園へとバーサーカーを誘導しなければならない。その使命を忘れたわけではないが、思わずそう叫んでいた。

 

「■■■■■■■■――――――!」

 

 猛獣さえ尻尾を巻いて逃げ出しそうな雄叫びを上げて、バーサーカーは愚直にセイバーを狙う。なぜ自分を狙うのか、セイバーは疑問に思った。

 たまたまか? 生前の知り合いではないと思う。あんな騎士は見たことがない。

 ならなぜ?

 疑問は肉薄してきたバーサーカーによって断ち切られる。

 今は戦うことだけに集中した方がいい。そうでなければ殺される。

 剣を射出するが、バーサーカーはもう慣れたのか、あっさりと叩き落とされた。

 剣を手放し地上に降りる。降りた先で疾走。熱気とともにバーサーカーもまた地面に降り立った気配がする。

 アスファルトの上を疾走しながら、セイバーはいったん停止。地面を滑り、土埃をあげる。

 そのまま左足を軸に旋回。視界にバーサーカーの姿を捉えた途端、剣を四本射出。そのままセイバー本人は再び跳躍して屋根上へ。

 とにかく地上で戦うのはまずい。誰か目撃者がいるかもしれないし、巻き込むかもしれない。このまま屋根伝いに自然公園まで誘導できれば、気兼ねなく戦えるはずだ。

 バーサーカーも屋根上に一足でたどり着く。着地の直前に、彼の身体からあふれ出る炎がうねり、鎌首をもたげる蛇のように蠢いた。

 その様を視界の隅に捕えたセイバーは全身と手にした剣を茨で囲う。

 茨がまるで拘束具のようにセイバーの全身に回った時、バーサーカーの全身から炎が吹き荒れ、八つに分かれてセイバーに向かって殺到した。

 夜の黒を、炎の赤が鮮やかに染め上げる。その中を、セイバーは疾走する。

 退避ではない。勿論自然公園への誘導を忘れたわけでもない。

 ただ、この場で自分が後退すれば炎はどんどん自分を追って広がるだろう。

 民の被害がさらに増えることは避けたい。

 故に、前にでる。

 破壊的なまでに荒々しいバーサーカーの踏み込みと違い、セイバーの踏み込みは軽やかで、どこか優雅だ。

 だがそこはサーヴァント。印象と違い速度はすさまじく、たちまち彼我の距離が近くなる。

 バーサーカーの炎が迫る。セイバーは速度を緩めず、身を低くして疾走。頭上を熱波が通過。炎のかけらが火の粉となって彼女に降り注ぐが、茨が盾となってセイバーにダメージはない。

 第一波を躱したセイバーの眼前にそびえるのは炎の壁。バーサーカーが右手の剣を横一文字に振るうと、その軌跡に沿って炎が波のように溢れ出し、セイバーを飲み込まんと迫る。

 

「ッ!」

 

 セイバーは自身の宝具による防御を信じて、炎の壁に突っ込む。

 ()()()()()()()()()()。セイバーが感じた感覚はそれが最も近い。

 物理的干渉力を持った炎が、セイバーを逃がさず、捕え、焼き尽くそうと全方向から絡みついてくる。

 これは危険だ。この炎は間違いなくバーサーカーの宝具。ならばいつまでも閉じ込められれば消滅は免れない。

 今は茨の鎧が盾となってくれているが、いつまで保つか分からない。

 判断は一瞬。セイバーは軽く地を蹴って回転。剣を使い、遠心力で炎を力技で吹きとばす。

 火の粉が散り、夜へと消える。

 左手をついて着地、腕の力だけで横に転がるよう身体を移動させる。

 数瞬前までセイバーがいた位置に、バーサーカーの剣戟が降ってきていた。気配で察知していたセイバーは攻撃終了から回避を流れる様に行った。

 バーサーカーの一撃を受けた屋根が、爆発音のような音を立てて砕け、構造材や破片が宙を舞う。

 転がった方向はバーサーカーの左手側。右手に剣を持っているバーサーカーから見れば、剣が振りにくい位置だ。

 だがバーサーカーはさらに左腕を振るう。

 開いた五指が鉤爪となって宙を掻く。

 次の瞬間、五指の軌跡に沿って炎が飛んだ。

 剣という分かりやすい武器故に、無手の左手への警戒は右手に比べれば薄かった。

 甘い考えだった。セイバー自身の()()()()()()()が浮き彫りになる。

 バーサーカーの全身からあふれる荒ぶる炎は変幻自在。まさしく――バーサーカーに言うのも変な話だが――黒騎士の意志を具現化して動く。

 とっさに全面に剣を展開。五本の剣身が炎を受け止める。

 炎が散り、焦げ付いた臭いが鼻腔を突いた。

 セイバーに炎は届かなかった。

 だが剣での防御は彼女の視界を塞いだ。

 それが仇となった。

 

「え!?」

 

 剣をどけて視界が開けたはずだった。

 だがセイバーの視界は閉ざされたまま。眼前に広がるのは黒と赤。

 剣を振り上げたバーサーカーの姿。

 剣で視界を塞いでしまった一瞬の間に、距離を詰められた。

 バーサーカーの剣が振り下ろされる。すでに回避できる距離でも、タイミングでもない。

 直撃。

 砲弾が着弾したような轟音が轟き、セイバーの身体が吹っ飛ばされた。

 致命傷ではない。辛うじて茨の防御が間に合った。 

 しかしダメージはあったし、衝撃は殺しきれない。せき込むと血が出た。

 茨がほつれていく。防御が崩れる。しかしセイバーの意識は繋ぎ止められた。セイバーの左手、人差し指がバーサーカーを指さす。

 指先から茨が伸びる。夜の闇に溶け込むように、影絵の茨がバーサーカーの首に巻き付いた。

 セイバーの身体が空中で一瞬停止する。バーサーカーのバランスが崩れ、前のめりになる。吹っ飛ばされた勢いがそのままバーサーカーの首にかかる。

 耐えるバーサーカー。左手で茨を掴む。茨は本来刻印で、影絵のような二次元的なものだが、こちらから干渉している間だけは、物質だ。三次元的な干渉も可能となる。

 炎が茨を伝っていく。

 セイバーの判断は早かった。

 空中から落ちながら、セイバーは身をひねる。

 地面がないので踏ん張りがきかない。だが全身をひねり、両腕に渾身の力を込めて身体を振り回した。

 ちょうどハンマー投げのような格好だ。それでもバーサーカーの方が力が強かっただろう。

 バーサーカーにとって不運だったのは、足をつけているのが大地ではなく、家屋の屋根だったこと。

 度重なる戦いの影響で、破壊され、脆くなった屋根が砕ける。

 大きな音を立てて、残った雨屋根が崩落。壁を押し潰しながら下へと落ちていく。

 バーサーカーの身体が沈み、浮く。セイバーの力任せの投擲によって、バーサーカーの身体が宙を舞った。

 

「ああああああああああああああああああああああ!」

 

 渾身の力を込めて、セイバーはバーサーカーを投げ飛ばした。

 炎がセイバーの身体に届く前に、茨を切断。引っ張る力を失ったバーサーカーの身体が勢いよく飛んでいく。

 目標通り。飛ぶ先は、指定された自然公園だった。

 

「まだまだ、ここから、です!」

 

 着地したセイバーは、息も絶え絶えにそういった。

 自然公園に急がなければならない。戦いは、まだ終わらない。

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