▼ メインイベント【魔勇の交渉】を再生します_
ここは精霊女神ルビスが治める世界"アレフガルド"。今、この世界は未曽有の危機に瀕している。
1年前、突如現れた賢き魔竜。"竜王"と名乗り、謀略で魔物共の王となり、人間たちを蹂躙していた。そんな彼は、ある血筋に目を付けた。
かつてルビスの加護を手にし、世界を渡って人々を救ったという、神鳥に選ばれし勇者。ラダトームの王族は、勇者の血縁である。そして今世の子孫は、先祖返りなのか、魔法に長けた姫だった。
竜王は姫を利用しようとしたのだが。
「グッ…!」
「これで終わりだ!」
勇者ロトの直系。誰よりも血が濃く、剣術にも魔法にも長けた青年。身につける武具は海のように青く、紋章がルビスの加護を放っている。
わずかに見える金髪を風に遊ばせ、手に持つ剣で空を切る。"V字カッター"という彼独自の技は、竜王に直撃した。
それで終わったかのように思えた。
竜王は体力も魔力も尽きた状態で、目の前の勇者を見上げた。身はボロボロだというのに、心はまだ屈していない。
狡猾な策が思い浮かんでいた。
「ま、待て!と、取引しようじゃないか!!」
「はぁ?」
「貴様の力は強大だ。勇者に相応しい」
「…それはどうも」
「だが、わしを倒した後はどうだ?」
「…あ?」
「正義とは悪がいなければ成り立たない。まるで昼と夜だ。沈む日があってこそ夜があり、明ける空があってこそ昼がある」
夜がなければ"昼"という言葉はない。
昼がなければ"夜"という言葉はない。
「力を向ける対象がいなかったらどうなる?…人間共は、貴様をどう見る?」
悪から自分達を護ってもらうために、強大な力を味方につける。その力が自分達に向かないと自負しているからだ。その力は悪のみに向けられる。
悪がいなかったら?その力は誰に矛先を向けるのか。……自分達?
「人間共は身勝手で傲慢だ。分かっているだろう。見ず知らずの貴様の命を簡単にここまで追いやる。簡単に投げ出させる」
「違う!おれは自分の意志でここにいるんだ!」
「そう言われたからじゃないのか?力があるからと、それは魔王を斃すためのものだと」
「違う!」
「あの姫にも利用されているんじゃないか?勇者の直系の血を王族に取り込むために。王族はそれくらいするぞ」
「姫を悪く言うな!人間は確かに悪もいる!だからと言って死んでいい命なんて無い!おれは護るためにここにいる!」
「ならばなぜ、お前は『一人』なのだ?」
「……あ、ぅ」
かつてルビスの加護を手にし、世界を渡って人々を救ったという、神鳥に選ばれし勇者がいた。
勇者には仲間が大勢いた。戦士、武闘家、魔法使い、僧侶、遊び人、賢者。あらゆる種族と交流し、諍いを止めて悪を斃す。仲間達と支え合いながら、異世界まで共に戦った。伝説によれば何人かは"世界"に残ったようだが、皆持っていた武具や道具を託していた。売れば何百年も遊んで暮らせる程の大金だったのに、だ。
勇者はそれだけ、人望に溢れた人物だった。勇者について行きたい、支えたい、共に戦いたいと思わせる人物。
「お前には仲間はいないのか?」
青年…アレスにだって仲間はいた。だが誰も彼も家族などを引き合いに出して、旅に同行しなかった。途中に出会った旅仲間も、すぐに去っていった。昔の仲間は皆死んで逝った。
姫は安全な場所にいるのが当然であるので、連れて来ていない。
青年は一人でここまで来た。一人で何十何百何千何万もの魔物共と、魔王と戦える力があったから。
「お前が死んだところで、人間共は自らの保身しか考えない。お前の死を嘆く者はいるのか?」
青年の家族はもういない。
出会った者達はどうだろうか。いや、皆己の家族を優先するだろう。
王や姫は?国を考えるだろう。姫はもしかしたら泣いてくれるかもしれないが、すぐに立ち直る。別のいい人を見つけ、国を護るだろう。
「どうだ?世界に未練など無かろう。我と手を組まんか?」
「なに?」
「なに、我々と共に人間共を襲えとは言っておらん。ただ、我々に手出しをせず、人間共に力を貸さなければよい」
「受け入れる義理はないし、おれにメリットはない。結局、世界を滅ぼすならばおれも死ぬだろう」
「ふむ…ならば、世界の半分をお前にやろう。どうだ?」
これから先、人々が青年を受け入れるのかは分からない。勇者としてではなく、力が強すぎる青年として。
今まで持ち上げられて、人々から期待の眼差しで見られていた青年としては、それは恐怖でしかない。
想像したことがなかったことを、想像してしまった。
人が強いことは知っている。善人もいることを知っている。
姫のことも信じている。
だからこそ、裏切られた時のことが怖い。信じているからこそ怖い。
青年は答えた。
「人の心は本当に脆いものだ」
そして世界は滅んだ。
▼ おつかれさまでした_
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▼ プロローグ【再構築】 を 再生します_
世界は滅び、女神の加護が薄くなってしまった。闇の力が女神の力を弱らせ、魔物達を活性化させていく。人間は女神の加護がなければ、武具はもちろん家もまともに建てられない。加護を与えられるということは、才能があるということ。加護がないということは、その才能がないということ。
人間の国は亡び、住む家を無くし絶望した。行くあてもない世界で、どう生きたらいいのか分からなくなった。
そんなある日、突然1人の少年が現れた。彼はすぐに家を建てることができ、武器も次々と生み出すことができる。女神の加護を与えられた者だった。
今日もアレフガルドを復興するために少年は働く。
「……ふぅ。今度はどのデザインにしようか」
様々なインテリアとデザイン。内装にこだわればこだわるほど、レベルが上がり強くなる。さらにカッコいい家を造ることが出来るのだ。
"やくそう"もこの近くで育たなくなってしまった今では、戦える少年が取りに行っている。武器も防具も自分で作り、強い魔物と戦う毎日は、世界が闇に覆われたことを知らしめる。
少年は空を見上げた。最近、雷が轟き黒雲が蠢いている。まるで空を黒い"ドラゴン"が走っているかのようで。
「不気味だな…」
気を取り直して木槌を振るう。ここは大きくしよう。とにかく、一刻も早く復興せねばならない。人々を守るために。安全な場所にいてもらうために。魔物から身を守ってもらうために。
でなければ、思う存分戦えない。
▼ セーブしますか?_
→はい
いいえ
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▼サブイベント【神々の取引】を 再生します_
アレフガルドと闇の世界の間には、"狭間の世界"と呼ばれる世界がある。2つの世界と異なり、混沌が渦巻く世界である。しかし、神が住まえば神域となり、天界とはまた別の聖なる世界となる。
この"狭間の世界"には、一柱の女神が住んでいる。
光を放ち金色に輝く、花がふんだんにあしらわれた冠を掲げる姿は、正しく女神に相応しい。
だが今は何かに苦しめられて弱り、頼りない様子である。
「よう、生きてるか?」
突如空間が裂け、中から1人の人間のような者が現れた。
平凡な顔立ちで中性的な雰囲気でありながら、男性にも女性にも聞こえる威厳に満ちた声で、女神に呼びかける。
女神は顔色が悪い状態で、目だけでそれを見て微笑んだ。
「ええ、私が死んでは人間達のが滅んでしまいますから」
「どちらか一方が生き残ったら、滅びの幕開けだしな。で、アレが勇者か?」
「…勇者、というのは正解ではありません。彼には、努力により力をつけるように加護を与えています」
「人間は頑張れば強くなる、勇者がいなくても生きていける…ってことか」
勇者が必要なくなる世界。
そんなもの、この時系列に無いのに。まあ、願うのは自由だし行動あるのみ。俺たち神はそれを手助けするだけ。
女神はその話は終わりだと告げて、それの目を見据えながら本題に入った。
「何のご用ですか?運命神フェイトよ」
「つれないな、精霊女神ルビスよ。ただ交渉に来ただけだ」
「交渉?…この世界を管轄するためではなく?」
「ああ、引き続き女神がやるようにと。しかし、この闇の力にそなただけでは辛かろう。我からちょっとしたプレゼントだ」
「…変な運命ではないでしょうね」
「当たり前だ。あんな努力家は報われるべきだ。というわけで、他の世界からこちらに戦力を送れるようにした」
つまり、オンラインで通信だ。そうすれば1人で戦うことはない。
「ついでに武具の種類も豊富にしたぞ。それだけレベルを上げねばならんが、あれなら大丈夫だろう」
「…何を企んでいるのです?」
「察しがいいな。単刀直入に言う。我に勇者をくれ」
勇者。この世界の基盤の一つ。
女神が思い浮かべたのは、今世界を救うために働く少年の姿。
「彼は今、重大な役割を担っております。差し上げることは出来ません」
「あ…?…あぁ、違う違う。そっちじゃなくて、あれだ。昔のほう」
「…まさかアレンですか?」
「違う、そっちじゃない。ほら、闇の世界に行っちゃったやつ」
「アレスですか…彼は闇に支配され、勇者ではありません。神に対抗し得る邪悪な力を得たものを、欲しいと言うのですか?」
「ああ。よこせ」
有無を言わさない。ここまでサービスしてやっているんだから。勇者が一人で戦うことが間違いだということを、誰よりも知っているのはルビスだ。いや、思い知らされたのだ。
「いつまでも貴様の下に置いておくにはいかないだろう。もう貴様にも、この世界にも彼奴は必要ない」
「だからって…!」
「交渉に応じないと言うならば、我はこの先決して力を貸さん。それほど暇でもないからな」
女神が弱っている今、運命神に対抗する力はない。人間界も彼一人で守りきれるだろうが、いつより強い脅威が現れるか分からない。
女神は世界のためにも、この交渉を受け入れる他なかった。
▼ アレス が 仲間になった!_
▼ 冒険の書 に 記録しています_
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