▼ サブイベント【モンスターバトルロード】を 再生します_
8の世界にはパルミドまでの道のりの途中に、不思議な建物がある。扉は固く閉ざされ、壁にはヒビが入っている建物には、様々な人々と魔物たちがいるのだ。
"モンスターバトルロード"
世界中の魔物たちをチームにスカウトし、戦い強さを競うバトルである。昇格した暁には、様々な景品がある。
魔物たちを戦わせるのだから、死者が出るのは当然だ。だが、死骸だの何だのと大騒ぎにならないのはこの男性のおかげである。
「それが!」
奇妙なポージングをしながら叫ぶ赤と緑の身体にフィットさせたスーツを着た男性の名は
「モンスターバトルロード!!」
モリーである。
「うん、知ってる」
「知ってるなら話は早い!ボーイ…いやガール!君も参加してみないか!」
「あー、実はその件で話がしたくてな」
この世界で唯一、魔物を癒し生き返らせることができる人間。
通常魔物を生き返らせることができるのは、ザオ系の魔法が使える魔物のみとされている。8の世界は5とは違い、魔物と人間がこういうところで乖離されているようだ。
試しに襲ってきた"まかいじゅ"を倒した後に、死体が消える前にザオリクをかけてみたが蘇らなかった。世界樹の葉を食わせてみたが、同様の結果だった。
俺は『俺』と言ってはいるが、男だというわけではない。見た目は中性的なために女にも見える。俺自身も性別はどうでもよくなっているし、身体を作り変えることも可能なので、ボーイでもガールでもどちらでもある。なんだったらニューハーフでも構わない………いや、やっぱり構う。
「協力していただきたいことがある」
「む?」
「俺が作るバトルロードの、審判をしていただきたい」
「バトルロードの審判?」
モンスターバトルロード。俺が人間だった時にいた世界では、ゲーセンにカードダスで大会まであるくらいだった。あれから数百年も経った今では、あるかどうかは疑問だが。平行世界にならあるかもしれない。
アバターを作成し、武器や防具のカードを使って強くする。合体モンスターや助っ人など、仲間モンスター以外にも様々なカードがあった。
俺が作るのはそのバトルロード。仲間モンスターの治療をしてほしいということだ。
「んー…信じられないかもしれんが、俺は神様なんだ」
「竜神王のフレンドか?」
「いーや。でもラプソーンのような者ではないと自負している」
「…そうは言われても」
自負しているヤツほど信じられないよね。俺もそうだし。
これから初めて自分で世界を創るんだから、不安しかないけど。とにかく優秀な人材を確保せねば。
プレイヤーは向こうから来てくれるけど、助っ人と仲間モンスターは俺が集めないといけないんだから。運営ってのは辛いね。
「少し長くなるが……」
俺が最近もらった9の世界。それは近々主神グランゼニスが復活するように『歪められた世界』である。それを元に戻すために、"運命"を修正する神として世界を押しつ……任された。
主軸となる世界では、世界各地に歴代ボスが待ち構えているダンジョンが存在する。それを倒すことで、グランゼニスが生み出す『
俺が任された時には、冒険者をご案内しては倒させるなんて、もう間に合わないほどになっていた。
グランゼニスはあと少しで復活する。それが『主軸となる世界』となれば、他の平行世界も同じようになる。平行世界にはレベルが低い主人公や、何十年も時が過ぎて冒険者が不足している世界もあるのだ。グランゼニスに対抗できるとは到底思えない。
そこでモンスターバトルロードが出てくる。
俺が創る世界に、生み出されたダンジョンの魔物達を敵として出す。挑戦者は通常通りのバトルロードのルールで、敵を倒してもらう。
ラストにボスが現れるが、助っ人として俺がもらった世界の旅人を送るから大丈夫だろう。
職業神ダーマがいない世界には、代わりに"破邪の洞窟"を用意した。助っ人が弱いなんて嫌だからな。
あと必殺技の師範もいる。まだまだ弱い奴らは、そこで鍛えさせる。
あと少しでアイツも出てくるはず。予定では150層まで行ったら帰って来いと言ってある。
「そのような世界が…」
「まあ、俺一人で何とかなるレベルじゃあなくなってたんでな。俺自身も戦うが、数が多すぎる」
「そのためのバトルロード、というわけですか…」
「協力していただきたい」
ここが俺の物だったら、問答無用で審判をさせたんだけど。俺のじゃないし。
「この世界にはいないモンスターが多いが、そこはこれから学んでもらえt
「良いでしょう!このモリー、喜んで協力させてもらおう!」
決断早い!
▼ モリー が 仲間になった!_
▼ 冒険の書8 に 記録します_
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▼ 記録しました_
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▼ オールドエピソード【
ある世界には三柱の神がいた。神々はそれぞれの眷属を従え、世界を支え見守っていた。人も魔物も区別せず、生きとし生けるもの全てを慈しんでいた。
世界を見守る者—精霊女神ルビス。
海から世界を支える者—海底王ポセイドン。
夢の世界を統一する者—全能神ゼニス。
魔王が覇を唱えて世界を征服せんと、現実世界と夢世界に侵攻した時。
両親を救おうと立ち上がった青年に、その彼を支えようとついていく人間達に、夢の世界も救おうとする心意気に、魔物でさえ受け入れる優しさに———
神々は安堵した。
自分達がおらずとも、この世界は大丈夫だと。寂しい気もするが、夢の世界はあり続けるだろう。人と魔物が共存する世界の、なんと美しいことか。
上級神霊の命令により、三柱はそれぞれ別の世界を担うように命じられていた。
新しく主神となるルビスは、混沌だけの世界を任された。その世界をどう創るかは彼女次第である。
ポセイドンは海の魔物達を連れて別の世界へ渡った。穏やかな海底で、水の民が住まう神殿もあるという。
ゼニスには再び混沌だけの世界を任された。人間や魔物、自分の補佐を担う女神セレシアを産み出した。そこから更に妖精や天使を創った。
ゼニスは長い間世界を見ていた。名をグランゼニスと変えてからずっと。
人間が、愚かな様をずっと。
戦争を起こし、同士討ちをしては、種族問わず奴隷とし、天使を貶め、罪を重ね続ける人間共を。
女神セレシアは人間を信じ続けた。だが人間を見限ったグランゼニスは、人間を滅ぼそうとした。
そしてグランゼニスは封印された。
「魔物と心を通わせようとしないのも、人間が傲慢だという証拠らしいぞ」
「いやいや、俺だって魔物と仲良くってのは無理だし。あいつは一億歩以上譲って良しとしても、やっぱり魔物は仇って意識しかねぇよ」
「それでいいんだ。憎しみも心だから忘れちゃいけない」
魔物使いがいないのは、魔物と人間を区別するため。人間を滅ぼす際に、魔物まで巻き込まないようにするため。
まさか天使が人間になるとは思わなかったようだけど。
昔話はそこまでにして、助っ人キャラクターになる予定のこいつに当初の目標を思い出させることにする。
「そら、さっさと転生して残り50層クリアしてこい」
「まだLv80なんだけど!?」
「あれ?そうだったのか。んー…あ!じゃあコレでレベリングしてこい」
「……コレは?」
「メタキンオンリーのダンジョンの地図だ。今ならその階まで一人でも行けるはずだぞ」
「………これがゆとりってヤツか」
世界が変わると、転職はできないが転生はできる。血に加護が染み付いているせいだろうか。
扉を開いてくれる上級天使を煩わせたくないんだけど、この世界には度々来なければならないな。俺はこんなのでも一応"神"だから、"職業神レオダーマ"の加護を得られない。すまんね天使さん。
「お前が挑んでいる洞窟に住む魔物は、太古の時代のモンだ。だから、お前の知らない呪文も特技も覚えている」
「道理であんなに強ぇわけだ。『マダンテ』もあいつしか使ってんの見たことねぇし」
「まあ、歴代ボスの対策も兼ねているしな。ダーマ神殿が滅んだ世界だと、職業特有の魔法も特技も廃れてる」
「あんだけの特技が覚えられたら最強になれるな。勇者要らずだ」
………"勇者"要らず、か。大抵のRPGには勇者が不可欠だ。最強になるにしても、地のステータスがショボかったらなれない。天賦の才に努力を足した末に、最強になるのがテンプレというやつだ。
武具も関係してくるが、ステータスにプラスするだけしな。
そういえば、やっと奴の調整が終わったところだ。俺が用意する装備じゃ心許ないかもしれんが、修行してもらわないと困る。
「そのレベリングに連れて行ってほしい奴がいる」
「俺以外にも助っ人を頼めたのか?」
「まあ、そんな感じ。特技持ちだし強いから付いていけると思う。転生したばかりでLv1だけど、ガンガンいけ」
世界が異なるから加護ナシだ。装備の強化がないのは想定内だが、やはり痛い。俺が加護を与えてもいいが、ハプニングに見舞われやすくなる。今の状態ではすぐに負ける。
「守りながらってのは俺が一番苦手な分野なんだけど?」
「でも守るんだろ?」
「ザオリクがあるとはいえ、死なれるのは迷惑だ」
「素直に『知らない人でも、もう何も失いたくないし、守れないのは嫌だ』って言えよ」
「うるせぇ。俺はケツが痒くなるような台詞は言わねぇよ」
血は争えないとはこの事か。
▼ 冒険の書1 に 記録しています_
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▼ 記録しました_
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▼ プロローグ【運命の道への扉】を 再生します_
グランバニア城。長年不在だった王座は、王アベルの帰還でようやく落ち着いた。美しい王妃と、勇者である王子レックスと、王女タバサ。そして人間と心を通わせた魔物たち。魔王を斃してから数ヶ月経ったが、争いもなく世界は平和だった。
ある日、王城に書状が届いた。宛名の代わりに描かれていたのは、金色のドラゴンを模した紋章。
「これって…」
ペリッ
アベルは警戒心一つなく封を切った。中にあったのは二枚の手紙と、四枚のカードだった。四枚のうち二枚は"冒険の書"と書かれた赤いカード、残り二枚はラメで輝く虹色のカード。
冒険の書というのは記録ノートのようなもの。その日にどのような1日を過ごしたのか、神への報告書である。結構貴重で特殊な素材でできた本である。ちなみに、書く者はその日に魔物を斃した冒険者くらいだ。
だから、このようなカードでは見たことがない。
手紙は予想通りなマスタードラゴンからのと、見知らぬ神からのもの。
マスタードラゴンからの手紙には、世界の維持ととある世界のことが書かれていた。
『次元を越えることができる暗黒神がこの世界に現れようとしている』
「暗黒神ってなに?」
「お父さん、そんな神さま(?)って図鑑に載ってたっけ?」
「いや、この世界にってあるから別の世界にいるんじゃないかな」
『この世界に来た時、ミルドラースも復活して現れるだろう』
「ミルドラースが!?」
『彼奴等は私の先代により強化されている者たち』
『今のお前たちには荷が重い』
「先代…ってマスタードラゴンの前の神様ってことか」
「マスタードラゴンがずっと神さましていたんじゃなかったのね」
「なんでそんな神さまがミルドラース達を強化したんだろう…?」
疑問は尽きない。狙いも解らない上に、見たこともない名前が連なっているのだ。警戒心はさらに煽られ、辛勝した魔王まで復活するとなれば放っておけない。
もう一つの手紙は全く知らない内容ばかりだった。
『初めまして、我は運命神フェイトという。この世界の統括者…つまりマスタードラゴンの上司にあたる神だ』
「マスタードラゴンよりも上なの!?」
「え、でもこの世界の主神はマスタードラゴンだよね?」
『驚くのも無理はないし、知らなくても構わない。統括はマスタードラゴンに任せっきりだから、我は"統括者"というよりも"監視者"の方が正しい』
『お前達に頼みがある』
『我が主催する"モンスターバトルロード"に参加してもらいたい』
「モンスターバトルロード?」
『魔物と共に戦い、様々な敵を倒すバトルロードだ。武具や道具は、必要があればこちらでも用意できる。フィールドも多種多様で、あらゆる場面を想定している。敗北についても考えてあるから、死ぬことはない。
ここで戦うことで、敵の強さや戦い方の対策をして、強くなればいい』
『我が司る運命は"選択"ーーどうするかはお前達自身で、後悔のないように選ぶといい』
家族全員で手に持つカードを見る。
信じがたいが、あれ以上の脅威が襲ってくるとなれば。
大切なものを護るために戦い、運命に挫けなかった彼等が選ぶのはただ一つ。
『天空城で待っている』
分かっていてやっているとしか思えない締め方だった。
▼ 通信 を しますか?_
→ はい
いいえ
▼ これまでの旅を 冒険の書 に 記録します_
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▼ 記録しました_
▼ つうしんちゅう…_
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▼ ** が みつかりました!_
▼ 冒険しますか?_
→ はい
いいえ
▼「ようこそ我が世界へ」_
END
次はオリキャラがチートを発揮します