運命の修正係が介入させてもらいます   作:catfan114

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あまり無双してません。


MB世界創世記ー第1話

 

 

 

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 ▼ サブイベント【運命神の役目】を 再生します_

 

 

 1)"運命神"とは

 全ての生命に対し、分岐点を与える神である。人生を左右する選択、死後を決定させる選択を唯一与えることができる。

 

 2)"運命神"の役目

 あらゆる生命に分岐点を与えることである。他世界に影響を及ぼすことも可能であり、外側から世界の維持することも担っている。基本世界の歪みを修正することも入る。

 

 3)"運命神"の任命

 完全に指名制である。前任が選んだ者が次の運命神となる。ただし拒否権があり、選択権はあくまで被指名者にある。

 選ぶ際に、種族は関係ない。他の神でも運命神になることは可能である。

 

 

 

 

 

 ここは9の世界。最近では世界各地でダンジョンが発見されており、最深部には強敵が必ず待ちかまえている。

 ここは高レベルのダンジョン。宝箱の中身のランクも高く、中に潜む魔物も強敵ぞろい。訪れる冒険者はいずれも転生を繰り返した熟練者だ。

 その中を歩く者が一人。青い髪に翠の目をした整った顔立ちの少年だ。手に持つのは"ぎんがのつるぎ"である。

 

「ソイヤッサァッ!」

 

 "はやぶさ斬り"で敵を斬り、

 

「やらないか」

 

 "さそうおどり"と"つるぎのまい"で惑わせ、

 

「ふっ飛べ!」

 

 "イオグランデ"を簡単に唱える。

 

 他にも"キラージャグリング"や"ギガスラッシュ"や"森羅万象斬り"など、様々な技を使っていた。どれだけの修羅場を乗り越えてきたのかが分かる。

 MP消費の激しい技を連続使用しているにもかかわらず、少年は息切れすることも"まほうのせいすい"を使うこともない。

 出てくる魔物はどれも強敵。様々な呪文や特技を使いこなしてくる敵に、最適な攻撃を与える少年まで人間とは思えない。

 

 少年は休憩を一切とらず、ダンジョンの最奥まで来た。

 そこにいたのは、一匹のドラゴン。

 白金の鱗を輝かせる姿は、かの光の神竜に見える。だが纏うオーラは邪悪なものだ。

 

「よう、探したぜ」

『…ほう。まさかこのような地下深くに顕れようとは…。その肉体、ナインのものだろう?』

「やっぱバレるか。奴の目眩しとして色も装備も変えたのに」

『そなたの神気は隠しきれておらん』

「そうか。光と闇が一つになり神に近づいたお前が言うんだったら、奴にもバレているってことか」

 

 雌雄一体。肉体は光の竜、魂は闇の竜で成り立つグレイナルは、神に近しい存在である。

 天使の肉体を借りているのは干渉するため。神の身では制限がつくため、自由に戦うことができない。

 

『何しに来た』

「金」

『は?』

「オレが創った世界の維持には、莫大な金を溶かしているんだよ」

『制約を破ったか…。役目以外の事を成すには、それなりの代償が必要なくらい理解しているはず』

「破ってねーわ。上司の許可もとってるけど、そこに来る生物が強すぎるんだよ。世界が壊れるくらいには」

 

 現れる生物は多種多様。魔物はもちろん、その上に立つ王たちも強い。世界を渡ることも、時を戻すことも、死者を生き返らせることも可能だ。

 そして、それらに対抗する種族も強い。様々な武技だけでなく、呪文も使いこなし、あらゆる武具を作り出す。中でも世界を救った者は格別の強さを誇る。

 

 

 

 これらが一つの世界に集うとどうなるか。

 

 

 

 一つの箱を想像してほしい。それは紙でも木でも鉄でも構わない。

 その中に色々な物を詰めていく。キーホルダー、鉛筆、スーパーボール、アクセサリー、某TVの緑棘ボール…何でもいいから際限なく詰めていってほしい。

 ただし一種類のみはダメだ。何でもかんでも、飴玉でも傷薬でも画鋲でもいいから詰めていってくれ。

 

 さて、箱はどうなっただろう。

 パンパンに無理に詰め込まれた箱は、傷だらけではなかろうか。

 箱には引っかき傷、刺し傷、ヘコみ、落書きや擦れた痕などが残っているだろう。

 

 

「それが"世界"の限界だ」

 

 

 そうしたら、お前たちはどうする?

 オレだったら分別して棄てる。もう使わない物や要らない物は捨てた方がいい。

 それか箱をより大きな物に買い替える。より多くの物が入るからな。

 

『選別するのか』

「ご名答。だが今回はハズレだ。生物を分別もしないし、生物全てを別の"世界"に引っ越しもしない」

『…継ぎ接ぎで留めようと言うか』

「そうだ。棄てるに棄てられないオレなりの答えだ」

『棄てれば良い。人間など無価値。学ぶことを忘れ、神を忘れ、罪を重ねる愚かさを知っておろう』

 

 

 ▼ すてますか?_

  はい

  いいえ

 

 

「…ハァ……オレは護ることはしない。役目ではないからな。

 この"世界"を維持するためには、人間も魔物も不可欠だ。どちらか一方だけだと、"世界"は崩壊して、何かが失われる。

 …元人間だからってのもあるが、加護もなしに必死こいて生きる人間ってのは面白いもんだぞ。

 つまらない"世界"なんていらねェんだよ。白蛇如きが、オレに指図すんな」

 

 

 ▼ すてますか?_

  はい

  →いいえ

 

 

『そうか……』

 

 

 《バチィィィィイイイッッッ!!》

 

 

 

 

 突然、紫電が目の前に走った。

 うへぇ…危うく借り物のこれに当たるところだった。プライドが許さん。

 一応とはいえ、盟友である天使に対してなんて暴挙をしやがるんだ。

 

『ならば貴様を滅ぼそう。人間に加担する神よ』

「なんでそうなる」

『ここはあの方の心が反映した場所。道中に大量の力強い魔物がいたり、宝箱が一つもなかったりしただろう』

「……まさか」

『あの方は元から貴様を排除する気で、ここへ誘き寄せたのだ』

 

 道理で!!

 "オリハルコン"とか"カグツチのこて"とかが欲しくて来たのに!!!

 

『ここで死ぬがいい!』

「ちょっ!ブレスはいけない!」

 

 この系列世界では"神"さえも死んでしまう。それは少年の中にいるナニカも例外ではない。

 少年は手に持つ武器を構える。下から上に斬りつける形で。

 竜が再びブレスを吐こうとした時、少年が走り出した。ブレスへとまっすぐ向かう少年は、気がつけば"やまびこのぼうし"を被っている。

 

「『ピオリム』!」

 

 ブレスが当たる一歩前で、少年の姿が消えた。素早く動き、一瞬にして竜の真下に行く。

 剣には赤い炎のようなオーラがまとわりつき、蛇のようにうねっている。

 

「『ドラゴン斬り』!」

 

 ドラゴン種の魔物に対して効果が抜群の特技だ。

 腹にまともに受けた傷で、グレイナルがよろける。

 

『グゥ…ッ!』

 

 少年は潰されまいとグレイナルの下から離れた。

 重い音とともに耐えた巨体は、緑色の光を浴びて、みるみる内に傷が消えていった。戦いの中で必須な呪文。

 

「チッ!『ベホマ』かよ…素直にヤられとけ!『バイキルト』!」

『殺られるのは貴様だ!』

 

 ナインは必ず旅先(天使に関すること以外)に様々な仲間を連れて行く。ソロで立ち向かうことがどれだけ危険かを知っているからだ。

 少年はソロで立ち向かう。守りながら戦うことが一番難しいと思っているからだ。

 

『グゥオオオオオオオオッ!!』

「ッ〜〜だぁッ!!"光のブレス"はこの身体にキツイっての!『バーハ』!」

 

 少年は即座に対ブレス呪文を唱える。一発目の呪文は間に合わず、右足を焼き焦がした。むき出した足が赤く擦れているようになっている。

 二発目の呪文が発動すると同時に、グレイナルが目を閉じた。

 

『カァッッ!!!』

 

 "いてつく波動"は相手全体の呪文や特技の効果を全てかき消すもの。少年にかかっていた呪文は全て無くなってしまったが、詠唱していた呪文が発動した。

 

「『マホカンタ』!」

 

 呪文を跳ね返す呪文。

 少年の武器は桁外れのステータスと、膨大な量の特技や呪文だけではない。

 少年、いやナニカは全てを知っている。グレイナルがこの後何をしてくるのか、少年のいた特殊な世界で知った。

 

 グレイナルは少年の予想通りの呪文を唱えた。

 

 

『"マダンテ"ッ!』

 

 

 キィーン、という音と共に爆音が聞こえた。規格外に強い身体を持つ少年といえど、鼓膜は鍛えられず、破れて一気に目眩と耳鳴りが襲いかかった。

 ただし少年の被害はこれだけだ。呪文の効果は全てグレイナルにはね返った。

 グレイナルが爆炎を翼で薙ぐ。血走った目で睨みつけ、次の行動へ移した。同時に少年も動く。

 

「(次の行動は"いてつく波動"→"MP回復"だ)『ドラゴン斬り』!」

 

 再び胴に斬りかかった。

 魔力は全て無くなったグレイナルの行動も知っていたからだ。無くなる呪文といえば"マホカンタ"のみ。

 

 それこそ油断だった。

 

『遅いッ!』

「〜〜〜〜〜っぐ…ガ、ハァッ…!」

 

 グレイナルは鋭い爪で剣を防いだ。全く知らない行動に、反応が遅れた少年は、一気に負荷がかかった右肩を抑えて距離をとった。

 "ベホマ"をかけながら、地に這う空の英雄を見やる。そして少年は思い出した。

 

「そういや、オレが知ってる"世界"じゃないんだったな…。テメェの行動パターンにも納得だ」

『外から来た神よ。あの方の力が迸るこの世に、貴様の浅知恵が通用すると思ったか?』

「…それもそうだ。なぁ、オレは思い込みが激しいな」

 

 これは現実だ。人間の時に見ていた"世界"とは全く違う。

 少年は背筋を伸ばし、深呼吸して体勢を整える。剣をまっすぐグレイナルに向け、己の敵に宣言する。

 

 

 

 

 

「…貴様が壁と言うならば、我はそれを崩そう。貴様が崖と言うならば、我は道を創ろう。

 …運命を司る神フェイト。参るッ!」

 

『その壁は何者にも決して越えられない高き壁だと!このグレイナルが身をもって知らしめてくれようッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▼ 中断の書 に 記録しています_

 

 ・

 ・

 ・

 

 ▼ 記録しました_

 

 

 

 

 

 *****

 

 ▼ サイドエピソード【破邪の洞窟】を 再生します_

 

 

 数多ある並行世界。その中の一つに、勇者の帰りを待つ世界がある。

 その世界にある"破邪の洞窟"は、様々な呪文を習得することができる不思議な洞窟である。かつて勇者の仲間がそこで鍛えたという話もある。

 何十層も続く洞窟は、出てくる魔物の力も比例していく。深く潜れば潜るほど、魔物は強くなっていく。地下に近いからという説が上がっている。

 そんな危険な洞窟の150階で、数多の魔物を退けながら進む2人組がいた。

 

「っ…イッテェ〜〜ッ!」

「ミミックにも上位互換なんていたんだな。初めて見た」

「いちいち痛恨の一撃食らわされたらたまんねぇよ…」

 

 緑色の髪の少年が、自身に"ベホマ"をかけてから立ち上がる。鎧を着ている青年は辺りを警戒し、進むべき方角を確認している。

 聖水を振りまいているとはいえ、全く襲われないわけではない。強い魔物は怯えずに、牙を向けてくるのだ。

 

「…ソロ」

「ああ、また来たな」

 

 ソロと呼ばれた少年は、青年間近の凛々しい顔をしかめて剣を構えた。

 洞窟の奥から聞こえる機械音と足音からして、敵は2匹。この階層で現れる巨体の魔物といえば

 

『ギ、ギギギギ…ギギッ…』

『ギ、ギガガッ、ギ、…ガガッ』

 

 

 

 黒い装甲に赤い線の模様が特徴的な魔物"ファイナルウェポン"である。

 

 ファイナルウェポンAは左腕を引き、Bは間合いを詰めてきた。

 ソロはBの前に立ち、攻撃をギリギリ避けたあとに膝間接部分に一撃を入れて転ばせた。

 青年が盾を持って防御態勢を取る。Aが放った矢は青年の持つ盾に降り注いだ。

 

「アレス、次に腕を引いたらすぐに退がってベギラマ!その後攻撃!」

「ああ!」

 

 すぐに立て直してきたBがAと並んだ。ソロはそれを確認して呪文の準備をしながら退がった。

 アレスと呼ばれた青年はすばやく呪文を完成させる。盾を構えたままで、虚空に向かって魔力がこもった指を指す。

 ソロは矢が放たれる瞬間を見逃さずに合図を出した。

 

「今!」

「『ベギラマ』!」

 

 ソロにとっては閃光系中級呪文であるはずのそれは、アレスがすると電撃系上級呪文となる。

 全体に降り注いだ雷は矢を焼き払い、地に落とした。直ぐさま剣を構えてAに向かった。次の動作に移行しようとしたところを攻撃されて、Aの右腕は遅れた。

 アレスは射程距離内に入り、技を繰り出した。

 

「『V字カッター』!」

 

 V字に斬り込み、ファイナルウェポンAの胴体が崩れ落ちた。ちょうど、剥き出しになったコアが破壊されているのが見える。

 Bが攻撃しようとした時、アレスは防御をしようとしなかった。剣を一振りしてから鞘に収めた。

 その時、ソロの呪文が発動した。

 

「『アストロン』!」

 

 アレスの身体が最も硬い石のようになる。全体にかかる呪文であり、発動中は動けないのが特徴であるが。

 

 何を隠そう、この勇者は攻撃と回復以外は全く使わず、練習もしなかったのだ。

 

 仲間のマーニャとミネアとブライとクリフトに魔法の先生になってもらったので、無詠唱と命中率は覚えられた。成功率も格段に上がった。が、支援系の魔法は仲間ができると言って使わなかった。

 この洞窟でも使うことは一切なかったので、使うのはこれが初めてである。

 

 

 

 つまり、バラバラに結果が出たのだ。

 

 

 

 

「うおおッ!」

 

 アレスは全身固まったが、ソロは動ける範囲でしか固まっていない。

 Bの攻撃は硬い石に防がれてアレスを傷つけることはなかった。その隙にソロは右肩の接続部を斬り落とした。続いて剣に雷を纏わせて、最強技を繰り出す。

 

「『ギガソード』!」

 

 先ほどAのコアがあった辺りを狙い、ファイナルウェポンBの胴体を斬った。真っ二つになった中から、同じく真っ二つになったコアが見えた。

 戦闘が終わると"アストロン"の効果がきれて、経験値が入った。

 

「お、Lv99だ」

「丁度良かったな。おれもだ」

「じゃあ、151階への階段を見つけたらリレミトするか」

 

 "ゴールデンスライム"や"まかいじゅう"など倒しながら、下への階段を探す。地図もない状況では、壁に印をつけながら歩く他ない。

 そして階段を見つけた。これで150階は達成したことになる。

 2人に命じられていたのは、"破邪の洞窟"を150層まで踏破すること。

 

「おっしゃ!クエストクリア!」

「ああ、じゃあ帰るか。『リレミト』」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、おかえり」

「たでーま」

「ただいま帰りました」

「…で、その白い鱗はなんだ?スッゲェ嫌な気を感じるしよ」

「それでいて清らかな気もするが…」

「これ?神の眷属であるドラゴンの鱗」

「「おい、大丈夫かそれ」」

 

 

 ▼ 冒険の書 に 記録しています_

 ・

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 ▼ 記録しました_

 

 

 

 *****

 

 ▼ サブクエスト【練金釜を作ろう!】を 受けました!_

 

 

「ウワァアアアアアアっ!!!」

 

 ついこの間誕生したばかりの、閑散とした世界。あるのは巨大な城のようなホテルと、ドーム型の闘技場、そして白亜の神殿のみ。

 神殿の中は祭壇といくつかの灯篭があり、柱にはぐるりと線が書かれている。それらには全て氷と炎を合わせた紋章が刻まれている。そして、神殿の奥。そこには周囲とは違い、なぜか和洋折衷の白い建物がある。

 

 その建物こそ、"運命神"フェイトの住まい。

 

 この世界にはまだ原生生物がいない。つまりはこの世界で神に何かが起きるなんて、滅多にないことなのだ。まあ、敵が多いほうの神であるため、まだできたての世界を消そうとする輩はいくらでもいるが。

 何事かと、フェイトに世話になっている勇者2人は素早く駆けつけた。

 

「神さん!どうした!?」

「何かあったのか?」

 

 どこかの魔王や邪神の襲来かと思い、汗かきながら走ってきたようだ。2人とも神の御前であるというのに武装している。緑髪碧眼の少年はフェイトのもとへ駆け寄った。金髪黒目の青年は部屋の中を確認している。

 

「く…我は、なぜ……ッ!」

「神さん、頼むから離してくれ…俺の首が絞まってっから」

「フェイトさん、ソロが死んでしまう」

 

 ソロの襟元に今までの後悔と自身への罰を込めている神は、殺人罪を犯した初犯の人のような顔をしている。

 震える手を抑えながら、ソロを離した神は杖を握って言った。

 

「…思い出したんだ」

「何をだよ」

「その様子からして重要なことのようだが」

「ああ、とっても重要な物だ!」

 

 出来立ての世界には様々な物が足りない。生物もだが、武器も、防具も、道具もだ。

 そしてそれらを作り出すことができる機器も。

 

「"練金釜"を作り忘れてたぁっ!!!」

 

 杖を放り投げて自分の頭を抱えるフェイト。それを見て、"練金窯"が何か分からない2人も、なんか凄そうな物を作り忘れたことを理解した。

 

「レンキンガマって何だ?」

「俺も聞いたことない」

「?…あ、そっか。お前らの世界にはないんだったな」

 

 "練金釜"ーーーそれは材料を混ぜることでアイテムを作り出せる機器である。8の世界では誰が生み出したのか分からないが、古代の文明の力が使われている。内側には魔法陣が描かれており、それが発動することで練金をしている。

 見た目は古臭い奇妙な釜にしか見えないが、伝説の武具も作れるという、とんでもなく素晴らしい機器なのだ。

 

「あ!まさかソレで配布する武具を作る予定だったのか!」

「→はい」

「それ重要だろ。なんで忘れるんだ…」

「本当にな!」

 

 闘技場ではまずは持ち寄った武具で戦ってもらい、勝ったらくじ引きを引いてもらうことにしている。

『ただの闘技場』で、『オレの仲間モンスター相手に』戦ってもらい、自らの世界の危機に備えてもらう。

 そういうことにしているんだが。魔物は必ず何かをドロップするようになっているから、それとくじ引きの景品を材料に武具を練金する。

 

「なのに!!」

「作ってないと」

「忘れていたと」

「…今から作っても間に合うさ。まだ施設は完成してないし」

 

 気をとり直してどこからか羽ペンと羊皮紙を取り出した。フェイトは紙いっぱいに様々なアイテムを書き連ねる。

 それを見て、なんとなく察した2人は、理由をつけて立ち去ろうとしたが。

 

「待て、お前ら」

「「ギク」」

「修行ってんなら、これ取ってきてくれ。ドロップもあるから」

 

 ソロは羊皮紙の3分の1を渡されて、クエストを受注してしまったことを悟った。アレスは紙を見ながら、モンスター図鑑のアイテムと見比べている。真面目な男だ。

 

「"てんしのはね"…天空人か?ケンカ売って来いって?」

「いや、このモンスターから取れるぞ」

「え?つまりこいつは元天使?」

「神様がイヤになって堕天したんじゃないか?」

 

 オリハルコンが大量に書かれているが、2人とも運は悪くない。物欲センサーを忘れたらいいと知っているから。

 紙に書かれた物は全て、かの洞窟150層までで手に入ると、思っていたが。

 

「…"まほうつかいの釜"?」

「何だこれ。俺知らないんだけど」

「あ、それは別の世界のだ。えーと…6…いや7だったか…?」

「うろ覚え!」

「不安すぎる!」

「デカいけど頑張って取って来い。オレはこっちだ」

 

 ヒラヒラと残りの紙を見せる。その紙に書かれている材料は2人とも見たことがないものばかり。

 

「"ボルト"…"ナット"…?」

「"ハンマー"は分かるが、"スパナ"?」

「これはお前らの系列世界の何処にもないものだ。オレは昔見たことあるし」

 

 フェイトはそう言いながら、頭の中で場所を必死に思い出そうとしている。神となり、"世界"を巡るようになってから、昔の記憶はほぼ薄れている。

 そして床に杖を1回突くと、瞬く間にソロ達にとっては奇妙な服を纏った。ただのジーパンとTシャツとジャケットという、シンプルな服装だ。

 

「さて、さっさと終わらせるぞ。ほら行って来い」

「へいへい。行ってくるぜ」

「行ってきます」

「いってらー」

 

 

 

 

 

 ▼ 冒険の書 に 記録しますか?_

  →はい

  いいえ

 

 ▼ 記録しています…_

 

 ・

 ・

 ・

 

 ▼ かんりょう!_

 

 ▼ お疲れさまでした_

 

 




"まほうつかいの釜"はDQ6の鏡姫を捕まえていた魔法使いのアジトにあったものです。DQ7の過去のマーディラスにあった究極魔法を作っていた釜と同一のものと思ってください。(平行世界です)
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