ニセコイ Universitystory 作:ペプチドぺっぺ
「ったく~。千棘のやついきなり切るか普通…」
「お、楽おかえり。もうすぐ授業始まるぞ」
「ああ…ってどうしてライムそんなに怒ってんだ?」
「怒ってなイ」
楽は千棘との電話を終え、教室に戻っていた。するとライムは不機嫌そうにそっぽを向きながら楽に返事をする。
「桐崎千棘と話はすんだのカ」
「うん?まあな!やっぱアイツと話してると楽しかっ…た…ぜ?」
「fool of raku…《楽のバカ》」
「ごめんライム聞き取れなかったんだが…」
「何でもなイ!」
「そ、そうか?」
◆◆◆◆
授業は終わり楽は家に帰ろうとしていた。楽は鞄を持って教室を出る。
「楽さん!私と一緒に帰りませんか?」
「いいぞ。別に」
「ワタシも楽と帰ル!」
夜鳴と一緒に帰る楽に対抗しようとライムも楽と一緒に帰ると話す。それを見た夜鳴は少しだけ顔をうつむせニヤリと笑う。
「それではライムさん。私と一緒に帰りませんか?ライムさんとは“色々”と話をしてみたかったのです。…じゅるり…」
「な、何かオマエと二人は嫌な気がするゾ…」
ライムは野生の本能か、または第六感か分からないがライムは即座に判断した。
この女と一緒に帰るのは“危険”と。
「よ、よーし!夜鳴!ライム!一緒に帰るかー!」
「ちっ…。分かりました!ではライムさん楽さんと一緒に帰りましょう」
「(今舌打ちしたか?)ライムも帰るぞ!」
「うん!じゃあ雅!オレンジ!またナ!」
「オレンジじゃないっていってんでしょーがー!」
蜜柑の激昂と共に楽はライムと夜鳴の三人で帰ることにした。
余談だが、この後蜜柑はまた別のクラブの練習でストレスを発散したとか…
◆◆◆◆
「ただいまー」
「坊っちゃん!おかえりなさいやせ!」
「竜か?ただいま…ってかどうした。刀なんか持って」
楽は帰ると少し違和感に気付く。普段はいるはずの組員たちが暑苦しいほど楽の帰宅の言葉に返事をするのだが、今回はそれがなく楽には逆にそれが異常だというとに気付く。
「実は今朝、組員達からも聞いたとおもいやすが例のヤクザ狩りの件です…実は今日の夕方…またウチの組員がやられやした。流石に今回で三度目です。流石にワイらも組員が闇討ちみたいな手で3人もやられたとあっちゃあヤクザの名折れです。だから今夜俺が出向きやす」
「物騒な話だな…殺すのは駄目だからな!流石に身内が殺しをしたなんて縁起でもねえからよ…」
「坊っちゃんの心遣いに感謝しやす…それだけでワシは…行ってきやす!」
竜は涙を拭うと一条家を出ていった。その後楽は自分の部屋で明日の用意などをし、それを終えると楽はアイスを買いにコンビニへ向かう。
◆◆◆◆
「こんな夜の中コンビニ行くんじゃねえな…でもこの期間限定の『ひんやりおいしい!アイスイチゴ大福』が食えなくなるしなぁ…はぁ~。ちょっと怖いなやっぱ…」
一人でそう言いながら楽は口笛を吹いて恐怖を紛らわす。
その時楽は何かに足が引っ掛かる。
「いてっ!何かに足を…!」
楽が引っ掛かった地面には夕方一条家を出た竜が倒れていた。
その姿は無惨にも顔が腫れ、全身に打撲のような怪我があった。
「竜!どうした!大丈夫か!?」
「坊っちゃん…ワシの事は…どうでも良いです…早く……早く…坊っちゃんだけでも…」
「そんなことよりも手当てだ!直ぐに家に連れていくからな!」
楽はそう言うと自分の肩に竜の腕を置いて少し引きずりながらも竜と一緒に一条家に帰ろうと歩く。
「……やれやれ…。最近の一条家の部下は私がいない間に随分と腑抜けになったものね…けど、ようやく約束が果たせるよ…楽」
「だれ…」
楽は声の主の方へ首を上げようとした瞬間、楽は急に意識を途絶える。…女の蹴りによって。
◆◆◆◆
『らく!わたち…大きくなったららくのぼでーがーどまんになったげる!』
『ぼでーがーどまんじゃなくて、ぼでぃーがーどまんだよ!朝日ちゃん!でも女のコだから危ないよ…』
『じゃあやくそく!10年経ったらまたらくのおじちゃんにたのむから!』
『うーん…だいじょうぶかなあ…』
楽は意識の目覚める前に昔の記憶を思い出す。それはある少女との昔の約束。
それは10年前にもう一つ少女と約束した記憶。
「ここは…俺の部屋?」
「らくぅぅー!ごめん、ごめんねぇ!」
「……だれ?」
楽は目覚めると急に知らない女性に抱き締められる。だが楽はその女のあまりの力に骨が軋む。
「痛い痛い痛い痛い!ちょっ!離してくれ!」
「ごめん…楽…久しぶりだな。私を覚えているか?」
「……だれ?」
楽は二度同じ質問をする。楽は目の前の透き通るかのような長い白い髪の女性に質問をする。
それを聞いた女は楽の手を取り、一緒に楽の父の元まで行く。
「おお!楽来たか!悪いねえ…まさか連続通り魔の犯人がアンタだったとは…いやあ10年前の事だからてっきり忘れてるとおもっとたんじゃが…」
「この女の人が犯人なのか!?」
「ちょっと!私を犯人扱いしないでください!これから楽のボディーガードとして頑張るって言うのに…」
「ボディーガード?」
楽は父の話を聞いてもまだ❓マークが頭から離れない。
それを見た女はため息をつき、少し呆れる。
「楽…あんた本当に忘れたの?」
「…悪いんだけど…誰だ?」
「しょうがないわねぇ…楽のぼでーがーどまんになったげる!…これでもまだ思い出せない…」
「その言い方…まさか…朝日?」
「そうよ!ようやく思い出したの?あいっかわらず鈍感ねアンタ…」
…楽は信じられないと首を横にふる。だが先ほど怪我で倒れていた竜や、その他の組員たちも首を横にふる。
「ま、まさか朝日ちゃんってあの朝日ちゃんですかい?ドジばっかだったあの…」
「もう20発ほどぶん殴ろうか?」
「すいやせん!けど…まさか坊っちゃんのお友達がまさかこれほど強くなってるとは…」
「まあ色々とあったのよ。それはそうと!オジさん言ってたよね!竜ぐらい勝てなきゃ楽のボディーガードは務まらないって!これでどう?」
「かっかっかっ!これは面白いわい!良いじゃろう!楽のボディーガード…ワシが認めよう!」
「やった~!」
「親父!?」
楽は目を見開きながら父の方を見る。それもその筈いきなり話が始まり勝手に楽のボディーガードが決まってしまうのだから。それにまだ少し楽は状況を呑み込めてはいない。
「…けど…。楽のボディーガードはさせていただくとして…兼でもう一つやりたいことがあるの…」
「それはいったいなんじゃ?」
「それはね…竜たちを鍛えたいの…」
「あ、朝日ちゃん?」
竜は恐る恐る朝日を見る。すると白い髪の下から朝日の赤い目がうっすら見える。
「アンタたち…私がいない間に随分と弱くなったんじゃない?」
「それは朝日ちゃんが強くなったからで…」
「言い訳無用!今日から私は楽のボディーガード兼アンタたちの訓練をする女として!活動するから…よろしくね?」
『おおっす!』
組員たちは全員声を揃えて朝日に返事をする。それを見て楽は顔をひきつらせる。
◆◆◆◆
楽は朝日が家に帰ると言い、どうせなら送ると一緒についていく。
「にしても朝日がまさか、俺のボディーガードになるなんてなぁ…冗談じゃない…よな?」
「当たり前でしょ?楽のボディーガードをするために私はどれだけ辛い訓練に耐えてきたと思ってるの…それはもう聞くも涙語るも涙の話よ?」
「…男勝りな所は変わってねえな…」
「何言ってんのよ?これでも女よ?胸だって結構大きいし…」
朝日は胸を両手で持ち上げると楽に見せつける。それを見て楽は顔を赤らめちらちらと朝日の胸を見る。
「な、なにしてんだよ!」
「それはこっちのセリフ…なに?揉みたいの?」
「んなわけねえだろ!……ほんとだよ?」
「はいはい…本当に楽は正直者ね…」
楽と朝日はそんな会話をしながら夜道を歩く。
その時意外な人物が現れる。
「姉さん!」
「あら?夜鳴じゃない?どうしたのこんな夜遅くに」
「姉さん!?」
楽はあまりの驚きに大声を出す。