インフィニット・ストラトス~IF(インフィニット・フェイト)~   作:カイナ

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第四話 クラス代表決定戦

朝は体力作りにジョギング、昼は学校の授業を真面目に受け、放課後は剣道部の練習に参加して竹刀を振るい汗を流し、夜は総司にお願いしてIS操縦理論について自主勉強。それを一週間続けて今日、ついにセシル・オルコットとのクラス代表決定戦の日を迎えた。

 

「……ねえ、ソウちゃん」

 

第三アリーナのピット搬入口。壱花はそこに立ちながら、隣で立つ友人――篠ノ之総司に話しかける。

 

「なんだ?」

 

総司もやや顔を青くして尋ね返す。

 

「今日、だよね?」

 

「そう、だな……」

 

「なんで来ないんだろうね、私のIS」

 

「そう……だな……」

 

心なしか壱花の顔もやや青い。そう、クラス代表決定戦までには学校の方で専用機を用意する。という話になっていた。しかしそのクラス代表決定戦当日の今、まだ彼女の専用機は届いていない。それを示すように彼女のISが搬入されるはずの搬入口は何者も拒むように鉄の扉をぴったりと閉めている。なお既に開始十分前を切っている。もうそろそろ準備を始めなければ間に合わない。

 

「ちょっとどうするのソウちゃん!? これじゃ私不戦敗だよ!? 負けるにしたってせめて本気で戦って負けたいよ! いや勝つけどさ!!」

 

「俺が知るか! こんなものどうやって予想しろっていうんだ!?」

 

若干涙目の壱花は総司に掴みかかり、総司は心の中で「涙目の壱花、可愛いなぁ」とか「相変わらず負けず嫌いだなぁ」とか思いながらも叫び返す。こうなったら今から学園所有の第二世代IS打鉄(うちがね)の使用申請と許可を取ってくるかという若干どころではなく無茶な考えが二人の頭をよぎる。

 

「織斑さん織斑さん織斑さぁーん!」

 

するとそこにとてとてと兎佐が走ってきた。なおとてとてと表現したもののそれは彼が小柄なせいであり、実際はそれなりに全力疾走、慌て過ぎて転びやしないかと心配になりそうなほどだ。

 

「きっ、来ましたっ、来ましたよっ!」

 

「お、落ち着いてください佐藤先生……来たって、もしかして!?」

 

小柄な体に似合う程度の体力しかないのか、ぜえぜえと息を荒くする兎佐のどこか慌てたような言葉に対して壱花は彼に落ち着くように言い、しかし彼の言葉に反応。兎佐がはい、と頷くと同時に搬入口ががこんという音を立てて扉を開けていく。

 

「織斑、すぐに準備をしろ。準備の時間が取れないのは、痛いが、アリーナを使える時間は決まっている」

 

続けてやってきた千雪の言葉に壱花は若干不思議そうな顔を見せるが、すぐにこくりと頷く。実際もう時間はない。どんな姿なのか、武装は何か、スペックはどうか何もかもが分からない。しかし、やるしかない。その決意を込めて彼女は開ききったピット搬入口を見た。

 

「これが、織斑さんの専用IS、その名も[白式(びゃくしき)]です!」

 

兎佐が誇らしげにその名前を高らかに告げる。その機体はややくすんだ白色の装甲を解放し、新たな主を待ちわびていた。

 

「体を動かせ。すぐに装着しろ。時間がないからフォーマットとフィッティングは実戦でやれ。出来なければ、負けるだけだ。分かってるな」

 

そう言い、千雪は壱花を見る。と、呆れたような焦ったような顔を見せた。

 

「お前、まだ着替えていないのか!?」

 

そう。壱花は未だに制服姿。別にISを操縦するだけならそこまで支障はないのだが、ISを操縦する時に着用する専用のインナースーツはISとの同調率を上げ、より細かい操縦を可能とする。実はISに標準装備されていてIS搭乗時に勝手に着ていた服が粒子化保存されて専用インナースーツ着用の状態にもなるのだがそれだけで勝手にエネルギーを使ってしまう。実戦でそのわずかなエネルギー消費が命取りになる事も少なくはない。

よってISに乗る時は前もって専用のインナースーツを着用するのは暗黙の了解、というよりIS乗りの常識である。

 

「あ、はい。ちょっと待ってくださいね」

 

そう言い、壱花はなんとしゅるりとリボンをほどきプチプチとボタンを外して制服を脱いでいく。まさかこんな公衆の面前(と言ってもいるのは壱花、総司、千雪、兎佐の四人だが)で着替える気かと千雪が止めようとするがもう遅く、彼女は制服をばさりと脱ぎ捨てていた。

 

「「「……」」」

 

男性三人が沈黙する。上半身の制服を脱いだ壱花は下着姿ではなく専用のインナースーツ着用状態に早変わり。分かりやすく言うなら彼女は体育のプール授業で着替えるのがめんどくさいからと水着を前もって着込んでいたような状態だったのだ。沈黙する三人をよそに千雪はスカートをぱさりと落とす。やはり下も専用インナースーツ姿、よく見れば制服姿ではニーソックスだと思っていた部分もニーソックス型の専用インナースーツだった。さらに壱花は肘まで覆う格好の長い手袋型インナースーツを腕につける。

 

「きゅう」

「……」

 

だがそこで一名が気絶。もう一名が目を逸らす。気絶したのは兎佐、目を逸らしたのは総司。そこまで見て千雪は頭を抱えた。

インナースーツは動きを阻害しないよう身体に密着するように作られている。それはつまり着用者のボディラインを鮮明に映し出す事に他ならず、壱花の同い年の女の子から羨望の目で見られる巨乳をばっちりと、それこそシャツやジャージなどとは比較にならないレベルで鮮明に示している。

さらに本人は体力作りや健康のためにと行っている朝のジョギングのおかげで余計な脂肪のないウエストはくびれを作り、しかし太ももやお尻は逆にむっちりとした肉付けがされている。一言で言えばボンキュッボンのナイスバディ。さらに顔立ちも実の兄の欲目こそあるが「美少女」と言って差し支えない整った顔立ちであり、もはや犯罪的な姿になっていた。しかも壱花は首を傾げている辺り本人にそこまでの自覚はない模様である。恐らく異性が一番目をやるだろうバストくらい、さらにウエストとヒップの相乗効果までには考えが至らないのだろう。

特注品のインナースーツは全体的なシルエットは首回りまでしっかり覆ったスクール水着という感じなのだが製作者の趣味なのかお洒落なのか下にはスカートのようなアクセサリがつき、胸元等に紫色のラインが飾られ、ついでにヘソ出しという格好になっている。シャツやジャージの姿で壱花の身体を見慣れたと油断していた総司さえさらなる破壊力の服装に目のやり場に困って視界に壱花を入れないようにし、ISの勉強のためずっと男子校にいたような状態の関係上女性に免疫のない兎佐は言うまでもなく照れが限界になり頭がオーバーヒートして気絶してしまっていた。

 

「……織斑、さっさと装着しろ」

 

頭を抱えながら千雪が指示を飛ばす。この犯罪的な姿を出し続けるのはまずい、かといって着替えろなどと言うわけにもいかない(というか結局意味がない)となればISを装着させその装甲で少しでも隠すしか選択肢がなかった。壱花も「はーい」と素直に答えてIS――白式へと歩いていく。装着方法は前もって確認している。今は座しているような姿で主を待つ白式、それに背中を預けるように彼女は座る。後はシステムの最適化を待つだけだ。

カシュン、カシュンという機械音と共に白式は壱花に対してシステムを最適化、その白き装甲が壱花という新たな主に適応していく。壱花の方も白式が自分の中に溶け込み、まるで一体となるように繋がっていく感覚を覚える。

そして繋がった、ということを彼女が理解したその瞬間、白式は機動。壱花の意思に従って動き始める。その全体的な印象としては正統派の騎士をイメージさせるが女性である壱花が乗るためか下の方はスカートをイメージしたような形になっている。正に女騎士といった風情である。

 

「ISのハイパーセンサーは問題なく動いているな。壱花、気分は悪くないか?」

 

「ん、大丈夫。絶好調」

 

「そうか」

 

千雪のどこか心配そうな言葉――と言ってもISを装着しそのハイパーセンサーの恩恵を受けている壱花でないと分からないほどのブレだが――に彼女はそう返し、それを聞いた千雪が安心したように――やはりこちらもハイパーセンサーでないと分からない程のブレだが――ほおっと息を吐く。

 

「壱花」

 

次に声をかけるのは総司だ。

 

「全てを出しきってこい」

 

「オッケー」

 

相手が誰であろうと全力で戦う。壱花の信念を理解している総司の言葉に壱花はこくりと頷き、ピット・ゲートへと進む。白式のハイパーセンサーがゲート開放までの時間と、その先にいる“敵”の姿を壱花へと送る。

 

(ゲート開放までニ・0五七一八四ニニ秒……敵、セシル・オルコットはそこにいる)

 

そう考えた壱花の口元に笑みが浮かぶ。これから戦いだというのに緊張感はまるでない、逆にどこか高揚感が抑えきれない。

 

「織斑壱花、白式。行きます!」

 

ゲートが開放したその瞬間、壱花が叫ぶと共に白式が飛翔。ピット・ゲートから飛び出し大空へと舞い上がった。

 

 

 

 

 

『わあああああぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

壱花を迎えるのは大歓声。今回の模擬戦の舞台である第三アリーナは満員、立ち見客さえ出る程。単なる一クラスの代表決定くらいならそこまでではない。せいぜいクラスメイトを除けば他の一年生のクラスが偵察に二、三人来る程度だろう。しかし今回の模擬戦はただの代表決定戦ではない。史上初のISを操縦できる女性――織斑壱花の初陣。その姿を一目見ようと学校中の生徒が第三アリーナへと集結、姿を見せた壱花に大盛り上がりを見せていた。

 

「あ、あはは……」

 

いきなりの大歓迎に対し、壱花はハイパーセンサーによって鮮明に見える観客一人一人の姿に驚きつつも手を振って歓声に応える。それによってまた場が盛り上がり、壱花はアイドルになった気分を味わう。

 

「待っていた」

 

その歓声の中からでも聞こえる声。セシルは既に彼女の前に立っていた。いや、ISによって空を飛んでいるため浮かんでいた。の方が表現としては正しいだろう。

 

「こんにちは、セシル・オルコット……そして、覚悟!」

 

「ミス・オリムラ……イギリス代表候補生として、英国紳士として、何よりも誇り高き騎士として! 僕は君の誇りをリスペクトして本気で戦おう!」

 

壱花がそう叫び、右手を前に突き出すと純白の光が奔流、彼女の右手に白銀の刀身をした両刃の片手剣が握られる。それを受けたセシルも力強く宣言して右手を横に突き出す。すると青い光が奔流して彼の右手に二メートル近い銃身を持つライフルが握られた。

 

[それでは、今からセシル・オルコットVS織斑壱花の模擬戦を始める]

 

ぶぅん、という音が聞こえ、オープンチャネルによる通信が聞こえる。その通信の主はもちろん千雪だ。

 

[試合――開始っ!!]

 

試合開始の宣言がなされた直後、セシルはライフルを構えてスコープを覗き狙いをつける。

 

――警告! 敵IS射撃体勢に移行。トリガー確認、初弾エネルギー装填。

 

そんな警告が白式から壱花へと届く。だがその時には既にトリガーは引かれており、閃光が弾丸となって壱花に迫っていた。

 

「うひゃっ!」

 

咄嗟にその場を飛び退くようにかわす。だがそれは初撃の挨拶、そう言うようにセシルは次弾を放たんと狙っていた。

 

「くっ!」

 

剣で弾丸を打ち落とすという芸当など出来るはずがない。かと言って弾丸全てをかわしてセシルに近づくのも困難。

 

(だったら防御用の武装! 盾!!)

 

直感的に考え、壱花は白式に武装一覧を見せるよう思考で命令。素早く彼女の視界の隅に武装一覧のウインドウが立ち上がる。だが広げられたウインドウはほとんどが空白で占められていた。ウインドウ内にまるでファイルのように名称が表示されているのは二つだけ。一つは今現在右手に握られている[IS用近接ブレード]、もう一つ。それを読もうとしたその時、次弾が放たれ、咄嗟に左腕を突き出した壱花に直撃した。

 

「……た、助かったぁ……」

 

いや、直撃ではない。いや、当たってはいる。だが壱花の前に現れた物体によって壱花への直撃を阻んでいた。

 

「[IS用円形盾(ラウンドシールド)]……剣と盾だけってどこの騎士よホントに……」

 

近接特化にも程があり過ぎる装備に壱花はぶつくさと文句を言う。といってもある異なる次元の似て非なるオリムライチカは盾さえもない剣一本で戦っているのだからあまり贅沢も言えない。

 

「初撃をかわし、二撃目を防ぐか。初めてISに乗るとは思えない……流石だ」

 

「お褒めに預かり恐悦至極」

 

セシルは様子見とはいえ狙撃手である自分の射撃を一度ならず二度までも回避、防御してみせたことに本心から彼女を賞賛する。それに壱花はくすりと微かな笑みで皮肉染みたお礼を返した。

 

「では、ここから本番といこう!」

 

だが次の瞬間セシルの目が鋭く研ぎ澄まされる。

 

「さあ、円舞曲(ワルツ)の時間だ! このセシル・オルコットの指揮の元に、舞い踊れ! ブルー・ティアーズ!!」

 

彼がそう告げた瞬間、彼の機体――ブルー・ティアーズから四つの青いフィン状の物体が飛び出て壱花へと向かっていった。

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……」

 

それから先の試合展開はほぼ一方的なものだった。ブルー・ティアーズのメイン武装ブルー・ティアーズ、その四つのフィン状の物体――ビットはそれぞれが自在に動きレーザーを放つ第三世代武装の自立機動兵器。その四つから放たれるレーザーの雨の前に壱花は回避が間に合わず、一方しか防げない円形盾(ラウンドシールド)では防御が間に合わなかった。しかもビットに気を取られ過ぎればライフルによる強烈な狙撃が貫いてくるというコンボ攻撃が完成していた。

 

「二十七分、もった方か。いや、初見でここまで耐えたのはあなたが初めてだ、ミス・オリムラ」

 

「お褒めに預かり、恐悦、至極っ……」

 

セシルはビットをエネルギー補充のためブルー・ティアーズの背中に展開した翼型パーツに戻しながら再び壱花を賞賛。壱花もぜえはあと荒い息をしながら再び皮肉を返すが、乱れた息では皮肉というより強がりに聞こえる。実際に彼女のエネルギーシールドは残り少なく実体のダメージとしても機体は中破、盾はボロボロでどうにか使えるという程度でもうそこまで長くは持たない可能性が高い。

 

「せめて苦しませずに終わらせよう。これで閉幕(フィナーレ)だっ!」

 

叫ぶと共にエネルギー補充の完了したビットが射出され、壱花へと襲い掛かる。

 

「悪いけど、諦めて優雅に負けるより最後まで諦めずにあがいて勝つ方がお好みなのよ!」

 

しかし壱花は白式のブーストをふかし、猛スピードでビットから放たれるレーザーの雨を回避する。重力を味方にするように急降下、すると見せかけて一気に急上昇。子供騙しのフェイントだがまさかせいぜいIS操縦二回目の素人にそんな真似が出来ると思っていなかったのかセシルは面食らい、動きが鈍った一瞬の隙を突いて壱花は急接近、右手に握る片手剣を振るい、反射的に狙いをつけていたライフルの銃口を逸らしてレーザーによる攻撃をかわす。

 

「無茶をしてくれるな!」

 

そう毒づいてセシルは距離を取り、空いている左手を振るう。するとさっきの突撃から待機していたビットが動き出した。

 

(もしかして!)

 

壱花はその光景を見て何かに気づき、背後から狙ってきたレーザーをかわすとそっちに突進。片手剣を振り下ろす。その軌道はビットを捉えており、剣により真っ二つにされたビットが紫電を走らせて爆散する。

 

「なにっ!? く、だがまだ三機残っている!」

 

再び左手を振るい、残る三機のビットがフォーメーションを組んで壱花に襲い掛かった。

 

(ブルー・ティアーズのコンビネーション……見切った!)

 

だがもう壱花には通じない。ビットのコンビネーションは流石のもの、四機のビットの内三機が牽制、残る一機が死角をついて攻撃を仕掛けてくる。その牽制と本命の役割を自由自在に切り替えて相手に的を絞らせない。くるくると回るようにして相手を包囲するその動きは正に円舞曲(ワルツ)、芸術点を与えてもいい美しさを見せていた。

 

(だけど、その見事過ぎるコンビネーションがそのまま弱点へと直結する!)

 

厳密に言うならばハイパーセンサーを使用しているISに死角はない。何故なら360度『視える』からだ。ただし、真上や真下、真後ろのように人間の視界から外れているものは『視えた』情報を頭の中で整理する必要がある。そのコンマ数秒の隙をビットは狙ってきているのだ。だがそのからくりが分かれば後は簡単な話。敵の死角を狙ってくる、ということさえ分かれば逆に言えばどれが牽制役のビットでどれが本命のビットなのかは分かってしまう。結局のところ――

 

(わざと隙を見せて死角を作っちゃえば、あとはそこに飛び込んできてくれるって事だもんね!)

 

真上から狙ってくるビットに狙いを定め、放たれたレーザーをかわしてそのビットを斬り爆散させる。一度ならず二度までもビットが破壊されたセシルが左手を振るいビットからレーザーを乱射。しかし動揺のためか狙いがろくに定まっていないそれは盾で防ぐには余裕過ぎた。

 

「確信した。ブルー・ティアーズ、このビットは毎回あなたが指示を送らないと動かない。さらにその間あなたは制御に意識を集中しなければならないため他の攻撃が出来ない。ビットによるレーザーの雨あられからライフルへの狙撃に切り替える時、レーザーの雨が止むこと、つまりビットによる射撃とライフルによる狙撃を同時に行わない事がその証拠よ」

 

その言葉にセシルの目尻がピクリと動く。ハイパーセンサーでないと見逃してしまう一瞬、だが一瞬彼は確かに図星を突かれたような反応を見せていた。

 

「……流石だ、ミス・オリムラ。ブルー・ティアーズの弱点をこうも簡単に見抜くとは。僕もまだ練習が足らないということか……」

 

もう何度目になるかも分からない壱花への賞賛。だがその次の瞬間セシルの目から放たれる鋭い威圧に壱花の動きが止まる。

 

「だが、それだけで落とせるほどイギリス代表候補生の名は軽くはない!」

 

叫んだ瞬間ライフルを構え、狙いを定めてトリガーを引く。その一連の流れが淀みなく行われ、咄嗟に突き出した盾がレーザーの勢いに押されて弾かれ落とされる。

 

「しまっ――」

「いけ、ブルー・ティアーズ! 戦いの中に二重奏(デュエット)を奏でろ、彼女に捧げる鎮魂歌(レクイエム)を!!」

 

一瞬落ちていく盾に目をやるがそんな余裕は与えないとばかりに問答無用で二機のビットがレーザーの雨を降らせる。二機で牽制、一機で死角を狙う関係上最低三機はビットが必要なコンビネーションは崩れた。しかし二機以上撃墜される事を想定したコンビネーションも組んであるのか、今度は問答無用の雨あられを降らせていた。

 

「わ、と、ちょっ!?」

 

盾がなくなったため今度は回避せざるを得ない。だがそのレーザーは止まる事を知らずに連射され、それを操るセシルはライフルをまるで指揮棒(タクト)のように振ってビットを操る。それこそまるでオーケストラを操る指揮者のようだった。

 

(だけど、こんなもの制御するにはかなりの集中が必要のはず!)

 

嵐のように荒々しく(フェローチェ)、しかし針の穴を通すように正確(ジュステッツァ)。そんな相反する操作を可能にするにはそれほどの集中が必要なはず。ならばこのレーザーの雨を潜り抜けて敵の懐に入り込めば対応に僅かな隙が出来るはずだ。

 

「いぃっ……けぇー!!!」

 

少しレーザーをくらいエネルギーシールドを削られるが問題ない。この一撃で決めればいいだけの話なのだから。その希望を手に壱花はブースターをふかし、ビットを置き去りにしてセシルへと突撃する。

 

「かかったな」

 

だが自分の機体が不得意とする懐に潜り込まれそうになってなお、セシルは笑みを崩していなかった。

 

「ブルー・ティアーズはビット四機だけではない!」

 

腰部の二つのアーマーが動き、その砲口が壱花へと向けられる。誘い込まれた、壱花は幾重にも張り巡らされた罠に自分から引っかかってしまった事に気づくがもう遅い。

 

「思ったより長きにわたる歌劇だったが、これにて閉幕(フィナーレ)だ!」

 

その宣言と共に放たれるミサイル。咄嗟に急旋回をして逃げ始めるがミサイルの方が早い。徐々に距離を詰められ、ついに追いつかれてしまいドカァァァンという爆音と共に赤を越えて白い爆発に壱花は巻き込まれた。

 

「織斑さんっ!」

「壱花っ!」

 

兎佐と総司が悲鳴に近い声を上げる。爆発の黒煙に包まれた画面を真剣な面持ちで見つめる。

 

「ふん」

 

だが千雪は鼻を鳴らし、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。

 

練習(リハーサル)はここまで。ここからが本番だ」

 

その言葉と共に黒煙が薙ぎ払われる。そしてその中から壱花が姿を現した。その身に纏う純白の機体、それは先ほどよりも輝かしい、正に穢れ一つない純白となり、その中に白に映える黒色のラインが飾られていた。機体の姿も先ほどより先鋭化され、騎士と呼ぶに相応しい姿になっている。

 

「な、なんだ、どういうことだ!?」

「織斑さんの専用機の形が変わっている!?」

 

 

――フォーマットとフィッティングが終了しました。確認ボタンを押してください

 

観客達が騒めき出す。そんな時、壱花の目の前にそんな画面ウインドウが出現。壱花は迷いなく確認ボタンを押してウインドウを消す。

 

「……ま、まさか一次移行(ファースト・シフト)!? 馬鹿な、まさか君は今まで初期設定だけの機体で戦っていたと言うのか!?」

 

そこで真相を見抜いたセシルも信じられない様子で声を上げた。

 

「ええ。時間がなかったから止むを得ず……でもこれで、この機体は私専用になった!」

 

そう言い、右手に握った剣をひゅんと一振るいする。何の変哲もなかった片手剣も穢れを知らない純白の剣へと変化、すると武器一覧の画面ウインドウに改めてその剣の銘が映し出された。

 

――IS用近接ブレード 『カリバーン』 使用可能

 

「カリバーン……行くよ!」

 

「アンコールとは思いもよらなかった! ならばそれに応え再び奏でよう、君に捧げる鎮魂歌(レクイエム)を!!」

 

壱花が力を込めて勝利すべき黄金の剣(カリバーン)を握り、同時にセシルが再びライフルを指揮棒(タクト)のように振るうと共にまたレーザーの雨あられが壱花目掛けて降り注ぐ。

 

「もうその攻撃は通用しない!!」

 

だが壱花は先ほどよりも素早く華麗な動きでレーザーをかわすとビットに突撃、瞬く間に二機のビットを斬り落とす。

 

「ならばっ!」

 

そこを狙い放たれる二発のミサイル。だが壱花はむしろミサイルを待ちかまえ、交差する一瞬で剣を振るう。するとミサイルは起爆せずに壱花を通り過ぎ、彼女がひゅんと剣を一振るいすると同時にバカンと真っ二つに割れて爆散した。

 

「く!」

 

ブルー・ティアーズのビットは全て破壊され、ミサイルも通用しない。しかしセシルは諦めることなくライフルを構える。それに対し壱花も剣を構えるが銃と剣ではリーチに違いがあり過ぎる。壱花の不利に以前変わりはなく、壱花は何かを思い出すように目を閉じた。

 

 

 

 

 

「…………え?」

 

剣道場。壱花は竹刀を手に防具を身に着け、総司と対峙していた。そう、対峙して()()。既に彼は壱花の後ろに回り、竹刀を構えなおし所謂残心の姿勢を取っていたのだ。

 

「め、面あり? いや、胴あり!?」

 

審判役の二年生が混乱したように手を上げ下げする。しかしその混乱は間違いではない。壱花が総司の面を狙って竹刀を打とうとした瞬間、彼女の面と胴に総司の打突が()()()打たれた。彼女はそんな感触を覚えていたのだ。

 

「これが……残る五日間でお前に習得してもらいたい剣だ」

 

「い、いやいやいや……ソウちゃん今何したの!?」

 

面を外し、総司は真剣な目で壱花に言う。だがこっちも面を外した壱花は総司に掴みかからんばかりの勢いで吼える。

 

「なに、そう大した芸じゃない。引っ越し、お前と別れた後に修行で山にこもっていた時期があったんだが――」

「ソウちゃん、引っ越した後何してたの……」

「――山ごもりの中、たまさか燕でも斬ろうと思い立っただけだ」

 

壱花のツッコミをスルーして総司は話す。

 

「線にすぎぬ俺の太刀では空を飛ぶ燕は捉えられん。だが、その線も二本三本なら話は違う。しかし連中は素早くてな。事を成したければ、一呼吸の内に重ねなければならなかった……」

 

総司は遠い昔を思い出すように視線を虚空にやる。

 

「結局、俺では人が一つの太刀を放つ間に二つの太刀を放つが精一杯。とても一呼吸の内に三本の太刀を重ねることなど出来なかった」

 

「いや、それもはや人間業じゃないし」

 

刀を分裂でもさせないと一呼吸に三本の太刀を重ねるなんて人の身で出来るはずがない。

 

「そう。そんなものは人の技ではない……あの時の俺は未熟でな、それに気づくのが遅かった」

 

総司は目を閉じてそう締めると、「だが」と言って壱花の方に目をやった。

 

「お前はこれから人を超える。ISという力によって」

 

「……」

 

「空を飛ぶIS。しかし、燕に比べれば的は大きい。この秘剣をもってすればISを捉えることは不可能ではないはずだ」

 

「……分かった。その剣、教えて」

 

総司の決意を込めた目での言葉に壱花もこくり、と頷いて返すのであった。

 

 

 

 

 

(結局、練習では人が一つの太刀を放つ間に二つの太刀を放つ事さえ出来なかった。これじゃあ一呼吸の内に三本の太刀を重ね、空を飛ぶ燕を打ち落とす事なんて出来ない……)

 

壱花は練習ではこの剣技が成功しなかったことを思い出し、「だけど」と続ける。

 

(成功させてみせる! 絶対に!!)

 

そう決意を固め、壱花は右手に握る片手剣を両手で握り締め、身体を左半身を前に出して身体の横に自分の身体と、そして地面と平行になるように剣を構える。

 

「……何か仕掛けてくるようだな」

 

相対するセシルも、自分の前方で剣を構え直した壱花を見て考える。先ほどの動きを見る限り相手の機動力は下手をすれば己を越える。ブルー・ティアーズのビットが全て破壊された今、下手に距離を取っての射撃戦に持ち込んでもジリ貧になる可能性が高い。

 

(ならば)

 

そこまで分析した後、セシルはライフルに付いていたスイッチを入れる。するとその銃身の先、銃口の下からビームが刃の形を作った。万一懐に潜り込まれそうになった時のための保険武器――ビームナイフ。結局はただの銃剣の剣であり、あくまで距離を取るための牽制武器で他の近接武器を取り出すまでの繋ぎとして採用されたおまけ――実際にレイピアのような細剣のIS用近接ブレードもこのブルー・ティアーズには装備されている――だが今回はこれも必要になる。

 

(今までの戦い方から見る限り、現在の相手の武器はあの剣のみ。剣は近づかなければ当たらないのは自明の理、だがリーチならばライフルを使った銃剣の方が上……ならば、彼女がこの銃剣の間合いに入る瞬間レーザーで頭を狙い撃ち、さらにビームナイフによる第二撃で心臓を穿つ。この二連続攻撃で仕留める!)

 

本来狙撃手ならば近づかせる前に叩くのが定石。だがそれは敵わないと認め、近づかせてでも確実に仕留める方向にセシルは思考をシフトさせていた。

じり、じり、と互いに攻撃の瞬間を読み合う。空中に浮かぶ二人は同じ高度を保ち、それは三次元を生かせる空中にいるのになお地上での決闘をしているかのようだった。

 

「はぁっ!」

 

気合を込めた声を上げ、壱花が仕掛ける。それと同時に片手剣から純白の光が溢れ出した。一気に突進し、その勢いを込めた斬撃を行うつもり。だがセシルとてそれは望むところ。素早く狙いをつけ、壱花が間合いに入った瞬間その頭を狙いトリガーを引く。

 

「!」

 

それを壱花は振り下ろした剣で打ち落とさんとし、事実剣に触れたレーザーがまるで消滅したかのように霧散する。

 

(だがこれで第二撃は防げない!!)

 

しかしそこまで計算の内に入れていたセシルは射撃を行ったと同時に突撃、銃剣を壱花の心臓目掛けて突き出していた。

 

「その心臓、もらい受ける!!!」

 

レーザーを打ち落とした剣で同時に銃剣を防ぐことは出来ない。その核心を持ったセシルの槍が壱花の心臓へと突き刺さる。

 

「なっ!?」

 

いや、セシルの驚愕の声が響いた。銃剣が逸らされている。何か、言うまでもない……壱花の剣だ。いや、それだけではない。

 

(そんな……)

 

セシルはそこで気づく。槍の間合いに入った瞬間セシルは槍を突き出した。その時に彼は前進し、同時に壱花もまた前進する。つまり、槍より短い剣の間合いに入っていても何もおかしくはない。そして、セシルの首を刈り取らんとばかりに彼女の剣が迫ってきていた。

 

「秘剣――」

 

頭を狙うレーザーを打ち落とし、心臓を穿たんとする銃剣を逸らし、セシルへのトドメを狙う。一呼吸の内にその三つの太刀が重なる。

 

「――燕返し!!!」

 

総司が夢想した、空を自在に舞う燕すら斬る秘剣がここに姿を見せた。

首を刈り取らんばかりに振るわれた剣が纏う純白の光がブルー・ティアーズのシールドを消滅させ、その刃がセシルへと届かんと迫る。だがその瞬間、ISに共通して備えられている防衛機能――絶対防御が発動。セシルの命を守る。しかし、絶対防御の発動には大量のシールドエネルギーが必要。

 

――試合終了。勝者、織斑壱花

 

その一太刀で壱花の勝利が確定した。

 

 

 

 

 

「正直に言おう……まさか、勝つとは思わなかった。よくて引き分けだろうと高を括っていた」

 

「うん、私も信じらんない」

 

ピットに戻ってきた壱花を出迎えるのは千雪のやや困惑した声。酷い言いぐさだが当然の評価に壱花もこくりと頷く。なお彼女はまだISを装着している。というもののあの犯罪的な姿を見た兎佐が「すいません今からちょっとIS起動に関する資料とか取ってきますまだIS解除しないでくださいね!」と念押しをして走り去っており、実際に気絶した姿を目の当たりにした千雪からもお願い、壱花は首を傾げながらも了承してISを装着したまま兎佐を待っていたのだ。

 

「だが今回は幸運に幸運が重なって上手く事が進んだに過ぎない。これに慢心をせず自分の武器の特性を学べ。己を知り、敵を知れば、百戦危うからずだ。明日からは訓練に励め。暇があれば、ISを起動するようにしろ」

 

「は、はい!」

 

だが千雪はこの勝利で壱花が慢心しないように釘を刺しておく。

 

「お、お待たせしました! ISは待機状態になっても織斑さんが呼び出せばすぐに展開できます。ただし規則があるのでこれを読んでおいてくださいね」

 

どさっ、と電話帳並みの厚さを持ちさらに一ページが極薄の紙になっている本を空いているテーブルの上へと置く。一体何ページあるのかと考えるだけで嫌になる気持ちを壱花は必死で押さえつけた。

 

「なんにしても、今日はこれでおしまいだ。帰って休め」

 

そう言うとやはり忙しいのか千雪は兎佐を連れてその場を去っていき、壱花は二人がピットから出ていくのを見てから白式を待機状態にする。白式の白い機体がその色のまま純白の光の粒子となり、その粒子が壱花の目の前に集まっていく。その光の下に壱花が両手をやると、粒子は物体となって具現化。純白の十字架のような形のペンダントになって壱花の手に収まった。

 

「これが待機状態ってわけ?」

 

「そのようだな」

 

壱花の確認に総司が首肯で返すと、壱花は「ふ~ん」と言いながらそのペンダントを首にかける。

それから壱花はピット・ゲートで脱いでいた制服に着替え直し、総司と一緒に寮への帰路につく。

 

「まずは初勝利、おめでとう」

 

「ありがと」

 

帰り道、総司が初勝利を祝うと壱花もにこっと微笑んでお礼を言う。

 

「それで、明日からはあれ、だな……ISの訓練もしないとな」

 

「そうだね。よろしくね、ソウちゃん」

 

「……俺で、いいのか?」

 

総司はどこかそわそわとした様子で話す。

 

「俺はまだ一年生だ、理論も技術も頭で分かっているだけで実践が伴っていない。千雪さんに教わった方がためになると思うんだが……」

 

「お兄ちゃんに自主訓練に付き合ってもらうわけにいかないでしょ? お兄ちゃんはお兄ちゃんだけどお兄ちゃんじゃなくって先生なんだもん。えこひいきに見られたら私もお兄ちゃんも損しかないよ」

 

「な、なら真黒先輩はどうだ? 俺が知っている三年生の先輩の中でも実力は確かだ。やはり一日の長というのは重要だし――」

「あのさ、もう私に教えたくないっていうならはっきりそう言ってよ」

「――そ、そんなことはない!!」

 

総司のどこかそわそわとした言葉にイライラしてきたのか壱花が彼を睨みながら言うと総司は慌てたように叫ぶ。

 

「い、いや、その……だが、実際問題俺なんかより先輩に教わった方が役に立つんじゃないかと思って……」

 

「あのね、私はソウちゃんなら信頼できるからソウちゃんに教わってるの。イヤよよくも知らない男と二人きりなんて、身の危険感じるわ」

 

総司の自信なさげな言葉に壱花は呆れたように返した後、すたすたと歩みを速めて総司の前に立つと、振り返ってにししっと笑ってみせる。

 

「これからもよろしくね、お師匠様♪」

 

「……分かったよ、一番弟子」

 

悪戯っぽい笑みでのからかい交じりの言葉に総司も苦笑を交えた後、こちらもからかうように笑って返す。夕日が辺りを照らし出している中、二人は笑みを浮かべて共に寮へと帰っていった。

 

 

 

 

 

セシル・オルコットは、試合を終えた後、自室へ戻り、試合での汗を流すためにシャワーを浴びていた。

日本の春の陽気は程よい暖かさだがかと言って水では冷たすぎて体調を崩す可能性があるためややお湯を出したぬるめのシャワーである。

 

(今日の試合……)

 

考えるのは今日の模擬戦。自分に悪いところはなかったはず。ブルー・ティアーズの円舞曲(ワルツ)鎮魂歌(レクイエム)も普段以上の動きが出来ていた。敵の得意な間合いも把握し、罠を仕掛けての迎撃も非の打ち所がなかった……はずだ。

 

「だが、僕は負けた……」

 

しかし結果は敗北。自分の最高のパフォーマンスでの戦術を壱花は真正面から剣一本で打ち破ってみせたのだ。

 

「母からは紳士たるもの淑女子供を守る優しさを忘れるな。父からは騎士たるもの弱き民を守る盾となり、強きを挫く剣となれ。と教わっていたが……まさか、守るべき女性に敗北してしまうとはな」

 

尊敬する両親からの教えを思い出し、だが同時に自分に敗北を味わわせた少女の友人である少年の言葉を思い出す。曰く「女性だから守られろ、その押し付けを壱花は何よりも嫌う」。

 

「ふ、ふふ……はっはははははは!!!」

 

シャワーを止め、少し考えると共にこみあげてきたおかしさを我慢できずに笑い出す。何が「女性を守る。それこそ紳士の義務」だ。女性を守る事に固執した結果、その女性の自由を奪っていたのでは笑い話にもなりはしない。現に今まで自分は女性は守られるべき、という考え方に固執していて女性がどう思うかなど考えもしていなかった。相手の事を考えずに紳士を名乗るなど道化もいいところだ。

 

「ああ、そうだ。女性は守るべき、紳士としてそれは間違いない。それは断言できる……」

 

オルコット家は誇り高き騎士の家系。弱きを守る盾であり、強きを挫く剣であれ。その教えに間違いはない。そして紳士として淑女を大切にする。それも間違いではない。しかし、騎士が守られてはならない。などという教えはどこにもない。

 

「そうだ。女性は守るべき……しかし、俺の心は彼女に守られた……」

 

当初こそ誤解による戦いだったが結果として己の過ちを戒め、紳士、騎士としての誓いを新たにしてくれた存在――織斑壱花。

 

「織斑、壱花……」

 

その言葉を口にするだけで、胸がどうしようもなく熱くなる。何故か分からない。だがどうしても思い出してしまう。圧倒的に不利な状況でも諦めず、真っ直ぐに自分を見つめてくるその眼差しを。強い信念を感じ取れるその凛々しい顔を。

 

「ああ、そうか……」

 

そこまで思い出し、彼は己の中で一つの答えを見出したのであった。




皆様こんにちは。なんかすげえ勢いで書き上がっています。というかここまでは連載開始前に大雑把な流れは決めてたから後は細かく肉付けしていくだけだったんですけども。
今回はクラス代表決定戦。壱花の決め技[秘剣・燕返し]、言うまでもなくFateの佐々木小次郎が元ネタです……というか、「回避不能の秘剣燕返しを防御無視の零落白夜でやったら最強じゃね?」という悪ノリの結果です。これはこの作品の連載開始時から決めてました。(笑)
今までその要素がなかったし、隠す意味合いを兼ねてFateタグ入れてなかったけど……やっぱり入れておくべきでしょうかね?要素がないというか、今回の話で隠す気なくなっただけで、台詞だけなら今までも小ネタで挟んでたし。
次回ちょいとインターバルを入れて、原作鈴編に入る予定です。一応こっちも多少流れは考えてるんですが、大事な部分でまだ流れがきちんと決まってないところがあるので少し遅れるようになりそうですね。そこさえ思いつけば一気に行けそうなんですが。
ま、そこはそれ。また後で考えましょう。では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。
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