華郷少女   作:竹林木風

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華郷少女 不思議の国の章 1話

華郷少女 不思議の国の章

1話 蒼と紅

 

「具体的に何を思い出した?」

鳳仙の問いに答えたのは美桜里だ。

「えっと、全てではないです。私達があなた達に仕えていたこと、戦いの仕方などですね。戦いに関しては随分と久しぶりなので衰えている部分があると思われますが。」

そしてその次に唱が

「で、覚えてないのが、私達が出会った時のこととか、仕えている理由。あと、記憶を失った理由とかだよ。」

「なるほど」

そんなことを話しながら四人は風雷荘へ帰ってきた。

「ただいま〜」

「お、やっと帰ってきたな。」

出迎えたのは鬼火と二人の少年だった。

「実はさ、リュウとフィーラスが帰ってきたんだよ。美桜里たちもその様子じゃ、思い出せてるみたいだから、取り敢えず1番の中心的なメンバーは復活だな!」

「部屋はみんな前と同じ部屋でいいか?案内はライナにしてもらえ。」

名前を呼ばれて出てきたのは風雷荘のメイド長、ライナ・イノベータ。彼女の案内に四人がついて行ったため、部屋に残ったのは鬼火と鳳仙だけになった。

「実は帰ってくる途中、小百合に襲われたんだ。おそらく記憶を思い出したのは奴らも同じらしいな。」

すると鬼火が、

「それに関係してるかわからんが、このあいだ古いティースプーンが発見されたらしいぜ。あんまり歴史的価値が無いっての思われて表にはあまり知らない人が多いらしい。で、それが紋章を見た限りアリスのツールだと思う。」

アリスとは、かつて歴史から消された大帝国の女王だ。ゆっくりと鳳仙はソファに座り、何かを決意したように言った。

「アリス達が復活したなら封印するだけだ。明日出発する。」

「はいよ。」

こうして二人は部屋を出た。だがもうすでに敵は刺客を放っていた。

 

次の日

鳳仙達はアリスを封印すべく、かつてアリス達が暮らしていた場所に来ていた。

「久しぶりだ。この場所も、荒れてしまったな。以前の面影なんてはほとんど無いな。」

「俺は直接は来たことなかったけど、前はもっと豪華な王国だったんだろ?」

「一応な。」

六人が荒野を進んでいると、突然、

「鳳仙様。誰かいますよ。」

と、美桜里が言った。そして鬼火から指示を受けたリュウが自慢のスピードを生かして偵察に行ってしまった。前から感知に強い美桜里と、スピードのあるリュウは良いコンビだった。なのでこの二人で行動することも少なくなかった。

しばらくするとリュウが帰ってきた。

「居ました。二人ほど。」

すると奥から二人の少女がてできた。

一人は青い髪に青い目。もう一人は赤髪赤眼だった。

「アリス様の邪魔はさせない。復活の時はきたのだ。今度こそお前を倒す!」

そして青い方の少女が鳳仙を指差した。

蒼井(あおい)稚菜(わかな)、そして紅倉(あかくら)(ゆい)。あんた達前、私に何度もボコボコにされただろ。忘れたのか?」

「忘れてなんていません!その逆です。思い出したんですよ!」

結もなかなか気合が入っているようだし、さっきの言葉から察するにアリスの手下であることは間違いないだろう。なので戦闘を避けるわけにはいかない。

「そんなに戦いたいのなら今回はわたしじゃなく、私の部下達と戦ってもらうよ。あと、こっちが勝ったらアリスの居場所をはいてもらうからな。」

と、いう鳳仙の条件の下、ツールバトルが始まろうとしていた。

【ツール】小太刀(こたち)龍蒼陰(りゅうそういん)

【ツール】小太刀・紅蓮陽(ぐれんよう)

稚菜は(あお)い光を帯びた小太刀。結は紅い光を帯びた小太刀をツールとしていた。

対するこちらは美桜里がブロッサム・ステッキ、リュウがマジック オブ ブック、唱が強弓(ごうきゅう)岩花火(いわはなび)、フィーラスは短槍(たんそう)夏王国(かおうこく)を使用する。

いくらあの二人の部下といえど、初対面の相手で、しかもこっちには忘れていたあいだのブランクがある。この状況で戦うのは緊張するが、少し離れたところで見守っている鳳仙と鬼火は微笑みながらこちらを見ていたのでさほど心配はしていないように見えた。

「こないってことはこっちからでいいってことだよね?」

と、いうと稚菜は大きく跳躍してからツールを使う。

 

___ (あお)(やいば)

 

蒼い衝撃波のようなものが美桜里達を襲う。足元を狙ってくるのが見えたので四人が跳んで避けると、その隙に結が技を繰り出す。

 

___ サンライト フィールド

 

すると足元の地面が焼けるように熱くなり、立っていられなかった。対策を考えようとするも、熱さに意識がいってしまいうまく思考を巡らせることができない。

「どうだい?私たちも強くなってんの。あんた達も反撃してみなさいよ!」

と、挑発するように稚菜が言う。だが、今その行為に乗せられてしまえば終わりだ。こうして悩んでいると、いつもあまり考えずに行動する二人が飛び出した。

「そこまで言われちゃ、やるしかない!」

 

___ 彩時雨(あやしぐれ)

 

「俺だって!」

 

___ サマー・ランサー

 

唱の光り輝く矢の雨に続くようにフィーラスの槍が相手にダメージをして与えていく。

「くっ…!」

じぶんで挑発したものの思った以上の衝撃に耐えきれなくなっていた。

「「これでとどめだ!」」

 

___ 四季神木(しきしんぼく)紅葉(もみじ)

 

___ 四季神木(しきしんぼく)煌輝(こうき)

 

唱の紅葉をかたどった爆破系のツールマジックとフィーラスのレーザーのようなツールマジックが二人を一斉に攻撃した。

「いてててて…」

「ま、今日は飽きたから帰るわ。あと、アリス様がどこにいるかなんて覚えてないから教えてあげらんないわ。」

と言って、そそくさと帰ろうとする二人を一人の人物が呼び止めた。

「稚菜、結。お前達今の戦いで手ェ抜いてただろ。」

「本気を出すほどの奴らじゃ無かったってことよ。さ、結。帰ろっ。」

と言って帰ってしまった。

「私、手も足も出ませんでした。」

「恥ずかしながら俺もです。」

と気を落とす美桜里とリュウ。そんな二人に鬼火は、

「あいつらみたいな奴には、リュウ達みたいに考えてから行動するより、フィーラス達みたいにガンガン力で押すタイプの方が有利だったりするんだよ。」

とフォローした。それに付け加えるように鳳仙も、

「でも、お前達みたいに慎重なタイプが有利の時もあるから覚えておけ。」

と微笑みながら言った。

 

そして六人はアリスを封印するため、先へ進むのだった。

 

続く。

 

キャラ紹介

蒼井(あおい)稚菜(わかな)

記憶を無くしていたものの一人。ツールは小太刀(こたち)龍蒼陰(りゅうそういん)。強気な性格の持ち主で、負けず嫌い。結とは幼馴染のような関係。

 

紅倉(あかくら)(ゆい)

記憶を無くしていたものの一人。ツールは小太刀(こたち)紅蓮陽(ぐれんよう)

常に敬語を使っており、謙虚な性格。稚菜とは幼馴染のような関係。実はツールの使い方を稚菜に教えたのは結。

 

アリス・カプチーノ

遠い昔に栄えたカプリア王国の三代目の王女。国を栄えさせることに最も貢献した人物であり、国が滅ぶ原因となったのもアリスだった。ツールはカプリア・レッフェル。

 

出てきた単語の解説

 

四季(しき)神木(しんぼく)

大昔、今の世界ができたときに生えていた木。そこから四季がうまれたと言われている。

 

ツールマジック

ツールを使って出した技のこと。

 

 

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