バカとテストと謝肉祭   作:ハガル_ゴールド

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 妙なフラグが立った予感

 赤い少女憑依登場(え)


ONE

 

桜舞い散る季節の中、ひとりの少年が歩き続けていた。

これから登校する学園に期待を仄かな寄せながらまっすぐに堂々と―――

 

 「篠崎―――新学期初日から何をしているんだ、遅刻だぞ」

 

 「あ、ごめんなさい先生――肌が黒くて天気がいいですね」

 

校門の前に立ちふさがっていた一人の教師に注意され、少年――篠崎は慌てて駆け寄っていく。

既に遅刻であるのなら関係がないだろうが、それでも遅刻時間の短縮にはなるだろうと思いながら。

校門の前には肌が浅黒く、ガタイのいいスポーツ選手のような教師が立っていた。

 

 「謝罪するのはいいが……何故急に肌の話と天気の話になる」

 

 「あ、すいません……というかなんで僕が生徒だとわかったんですか?もしかして写真が―――」

 

 「馬鹿者、引取り先の教師を忘れるとは何事だ……冗談でも笑えないぞ」

 

 「…………本当にごめんなさい、宗一さ――西村先生」

 

お茶目っぽく冗談を言ってのだが……怒られた……それは当然である教師――西村先生は行く宛を失った篠崎を引取り、

養子にしているのである……一応苗字だけは本人の希望とややこしいと言う理由だけで変わっていないが。

 

 「まあ、いいだろう……遅刻に慌ててたということにしておいてやる」

 

 「ありがとうございます」

 

 「篠崎……相変わらず学園長があの召喚獣について調べたがっているぞ」

 

篠崎は西村先生の問に苦笑しながら首を振る。

下手に手を出させるわけにはいかないのだ……あと、調べたいという訳ではないのは既に知っている。

ただ単に、少女だった34年前(・・・・)に仲が良かった人物と話がしたいだけなのだ。

 

 「……===にとって黒歴史の時代だそうですから……特にその時代は」

 

 「学園長にとってもそうだ……が、親友だったそうで今も探し続けていたんだから仕方がないだろう」

 

明らかに召喚獣のことを指しているのに人という認識をしていることに双方共に異常を感じていない。

篠崎の方はそもそも見た瞬間に理解しているし、西村先生の方も実際に召喚獣を見たことがあり、

言葉を交わして召喚獣ではないという認識をしているのだ。

―――篠崎にとり憑いているという事も認識しているのだが、引き剥がせば篠崎の命が無いということも。

 

 「お陰で僕が動かすことが一切できませんけどね……ちょっと動かして戦いたかったのに」

 

 「一応調整はするそうだが、常時2体という状況にならざるを得ないぞ……特殊なようだからな」

 

一心同体のせいなのだから仕方がないのだ―――とは言っても体を動かす権利は篠崎自身に委ねられており、

憑いている方の少女はもっぱら召喚獣としてしか出てこようとしない。

己の存在が所詮オカルトであると理解してあるがゆえに……よって、召喚の授業では明久だけが西村先生とのマンツーマンでやらざるを得なかったのだ。

存在を隠したかったのもあるし、調整が終わるのを待っていたが故に。

 

 「今年からは試験召喚戦争が行えるようになる……お前の異常性はそこで発揮できてしまうだろうな」

 

 「――教師並みの熟練度の動きを出来る召喚獣2体は反則ですね、うん」

 

 「それに関してはしょうがない……オカルトの部分は未知な部分が多いという事で誤魔化すしか無いだろうしな」

 

 『―――しょうがないじゃない、ここが元・天神小学校を取り壊して作った学校だったんだから』

 

ここで篠崎の脳内に件の少女の声が響く―――どうやら今まで黙ってたのをようやくしゃべる気になったようである。

そして篠崎にとって初耳な事を吐いていた―――ここがかつて何処なのかを今初めて話したのだ。

 

 「―――どええええ!!?今初めて知ったんだけど!!?」

 

 「どうした篠崎――あの子―――いや、あの人か?」

 

 『あの子でもいいけどね……人外ロリBBAってところかな、うふふ』

 

 「いや、宗一さん聞いてないから!?……いえ、あの……ここがBBA長とサチコのかつての母校の跡だったみたいで――」

 

 「…………そうなのか」

 

篠崎としては、あの恐怖劇(・・・)が行われた学校の後釜がまさか通っている学校だとは知りもしなかったのだ。

……そして同時にオカルトが何故混ざったのかもなんとなく理解してしまったというかせざるを得なかった。

 

 「そりゃ、あんなモノが蔓延していた学校の後釜だったらオカルトぐらい混ざっちゃうよね……あの子達も……?」

 

 『まあ、今は呪いが消えてるから……とは言っても混ざったものは混ざったまんま残留した思念だけじゃない?

  貴方も見たはずだよ?成仏していった光景も』

 

確かに覚えているのだ……最終決戦において篠崎は憑依している一心同体の少女――サチコとの戦いに勝利し、

生き死に関係なく学校に捕らわれていた魂をすべて解放された。

残留思念のようなものは残されているがそれだけではかつての凶悪性は発揮されないのだろう。

 

 『まあ、今は黙ってあげる……ほら、遅刻なんでしょう?』

 

 「あ、西村先生!遅刻しそうなんで―――」

 

 「そうだったな……ほら、これを受け取れ……放課後、家に戻ってから話を聞く」

 

そう言って西村先生は封筒を明久に渡す―――何故か赤い手形が張り付いていた。

驚いて取り落とした篠崎は悪くない……同時に誰の仕業なのかも理解出来たが。

 

 「……サチコ?」

 

 『すべて秘書がやった事』

 

 「なんでそういう知識が……僕が漫画とかで仕入れたせいだねうん」

 

 「……一瞬俺の手から血が出てるのかと思って焦ったが、篠崎さんの仕業か」

 

そんなやるとりをしつつ、ようやく封筒を開く篠崎……いや―――

 

 

 

 

 

  篠崎明久&篠崎サチコ―――Fクラス

 

 

 

 

 

―――篠崎明久、かつての吉井明久……恐怖劇から戻った時より髪の色が変わってしまった事と一人ではない事から己の名前を変えた少年。

何故居るのか、何故とり憑かれているのかはわからないのだが……それでも明久は生きていこうと決めたのだ。

ほかならぬあの惨劇の学校で行動を共にした少女と再び会う為に。

 

 『……それなのに遠目で見るだけなんてチキンよね』

 

 「う、うるさい……色々と心の準備があるんだよ!!」

 

―――1年間、同じクラスにもならず、出会わないように動き回ったせいで結局出会えずじまいだったが。

 

 『それでも向こうは薄々気付いてるみたいだけど……貴方が話しかけてくれるのを待ってるみたいだし』

 

 「いや、有り得ないよ……だって○○さんは…………」

 

 『まあ、いいけどね……判断できる材料はあるもの……さ、教室に向かいましょう?』

 

明久の脳内でサチコが凄惨な笑みを浮かべる……逆恨み衝動は消えているのだが、それでも残虐非道な性質はもとからであったようなので、何か危険な事を考えているようだ。

 

 「西村先生、また放課後で」

 

 「そうだな、学園長室に行ってから、ともに帰宅するか」

 

―――以上の会話から、義親子仲は良好であるようだ。

 

 

 




 サチコ怖可愛いよサチコ

 ちなみにメインヒロインはサチコじゃありません、あしからず
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