原作主人公組にアンチはないが、悪役サイドはその分かぶってしまうだろう
後は転生者組も何人かはアンチ要素有り……タグの文字数が足りない!
「はい、揃ったわね……注意事項だけど……必要なものは各自で用意しろ、以上」
「「「それだけかよ!!?」」」
何か足りないものはありませんか?不備はありませんか?などの言葉は一切なく、本当にそれだけであるらしい……心なしか中林の目が死んでいるような気がするので、恐らく事実なのだろう。
「い、一応ね……職員室に寄った時になんとか頭を下げてビニールとセロハンと木工用ボンドは貰えたわ……指示を出すから後で修復しましょう」
「……大変じゃの代表よ」
爺言葉を話したのは美少女にしか見えない男子、木下秀吉……演劇部のホープであり、学力上位に常に名を連ね続けている双子の姉も持っている。
姉との仲は良好のようであり、一年の時には時たま勉強を教えてる光景が目立っていた。
「……せめて教室に用意するべき」
静かな声でため息をついているのは土屋康太……本名ではなくとある異名の方が有名なのだが、今は割愛する。
ただ、保健体育が異常なほど獲得点数が高いとだけ言っておくとしよう。
「それもそうなのよね……いくら最低クラスだからってここまで蔑ろにする理由があるの!?」
「宏美、落ち着きなさい、教卓から不可思議な音が鳴ってるわよ!?」
頭を抱えて絶叫する中林を落ち着かせるのは島田美波……中林を含めればこのクラスで2人しかいない女子のうちの1人であり、胸の残念さが目立つ少女である。
ついでに言えば、中林とは名前を呼び合う程には仲が良い……そして、教卓は島田の言うとおりミシミシと音が鳴っていた……触れてもいないのに大声で軋むとは強度が足りなさすぎである。
「……雄二、見事に去年の顔ぶれが多いんだけど?」
「類は友を呼ぶ……俺はまあ、喧嘩の分で減点食らったってだけだが」
「にしても試験召喚戦争も厳しそうだよね……それにこのクラスに落とすのも憚られるし」
「俺たちぐらいだろ納得できるのは……とはいえ何の勝算もなしに上に挑めないだろう」
試験召喚戦争というこの学園独自の近年下がり続けている学力の対策として出来上がったシステムがあり、点数によって能力が決まる自分の小型の分身を扱い、戦争していく制度があるのだが。
Fクラスにいる以上、点数的には全てにおいてほかのクラスを大きく下回る……教室にいる人数は50名、召喚獣を巧みに動かす者がなくAクラスには模範召喚者という素行も成績も良い生徒が自主的に教師の雑用として召喚獣を動かし続け上手に動かせる存在がいる……総合的な成績最上位にいる生徒が皆無。
これだけでも既に勝てる要素が激減しているのである……保健体育にだけ絞れるのであればまだワンチャンス存在するだろうが。
「ま、何にせよ……各自用意すればいいって言うなら、言質を取ったようなものだろう」
「……大幅リフォーム作戦でもする気?」
『そんな……こんな良環境を手放すというの!!?』
雄二が悪人のように笑っている様子に明久は呆れながらも止めようとしていなかった。
サチコがなにか騒いでいるようだが、気にしない……気にしないったら気にしないといった感じで対応する明久。
「という訳だお前ら!この最低クラスに相応しい物を家から持ってきまくって俺達の城へと改造しようじゃないか!」
「「「そうか、各自用意ならそういう事もできるのか!!!」」」
雄二の提案にクラス中が沸いた……最低の環境ではあるのだが、ほとんど何を持ち込んでもいいという言質が取れる文章を獲得していることにより、そういえばリフォームしても大丈夫じゃないか?という意見が流れ出した。
実際に、不備はないか?不満はないか?などの文面もなく、必要なものは各自で用意しろだけなので……結局何をしてもいいのだ。
「……坂本が代表でいいんじゃない?」
「宏美、ヤサグレちゃダメ」
一瞬でクラスを掌握した雄二を見つめたあと、中林は遠い顔で窓の外を眺めていた。
とはいえ、どこまで改築できるか―――
『まあ、ここが天神小学校の跡地だから私のテリトリーなのよね……くふ』
「(何する気!?サチコ、何する気なの!!?)」
『明日のお楽しみって事でいいわよ、くきゃきゃ』
学校にいるときのサチコは色々とタガが外れている気がする……そう思った明久だが、止めれる気配はないので嫌な汗が出ているだけだ。
とにもかくにも、家から座布団だけでも持ってこようと思い直しつつ、教師を待っていた。
* * * * *
「流石にこれは酷すぎると思うんだけど宗一さん!!?」
「篠崎、落ち着け……俺とてここまで酷いとは思ってなかった」
初日の4つ目の授業が終了したのだが、クラス中の生徒が未だに―――いや、大変は楽だとか言っているのだが、真面目な部類の生徒は硬直したままだ。
昼休憩前の授業終了後…………英語の授業が終了したところで明久が義理の父親でもある西村先生に突っかかっていた。
唯一この部屋にとどまりながら授業を続行し続けていた先生が西村先生しかいない、と言えばこの行動の意味が理解できるだろう。
「なんで教室入った瞬間!先生方は!出て行って!戻ったと思ったらプリントを置いていってるんですかあ!!?」
「落ち着くのじゃ、明久よ……先生方の対応はおかしいのじゃが……この部屋に居たくないとかそのようなものじゃろう」
「部屋の環境がボロボロすぎだからな……おかしい教頭がキチンと監査を終わらせたと言っていたのだが」
「……この階層には来てなかったのか?」
雄二が明久と違い、ホコリの立たないようにしながら話し合いを行っている明久と西村先生のもとへと近づく。
確かに監査の後、いくらでもこの階層に来る機会はあったはずなのだが―――
「学園の規則でな、こういった初日以降でないと業者以外には踏み入れることができないんだ……去年までは問題なかったんだがどういうことだ、これは」
「……それって」
その業者がなにか仕掛けを施した可能性が非常に高い……そして学園長は基本的にそういう業務は教頭に一任している……召喚システムの筆頭研究者であり、調整を行えるほぼ唯一の人間だからだ。
「……わざわざ教頭がこうした可能性、か?キナ臭いが……」
『生徒を危険にさらす環境を作るのが目的、なのかしらね……理由までは不明だけど』
「生徒を危険にさらす環境を作るのが、目的……とか?」
雄二の言葉に合わせるようにしてサチコが推測を述べる。
サチコの独り言には明久しか反応できない……ずっと小学生のままであったのにここ数年で驚くべき勢いで精神が成長しているような気がする。
「どうした明久、熱でもあるのか!!?」
「普段、僕をどういう目で見てるんだそこまでバカじゃないよ!!」
『私の推理を丸パクリしてるけど?』
サチコの光のない状態の目で薄く笑いながら突然目の前でドアップで見つめられながら言われた一言に明久の顔は死人のように青ざめて。
「そうだよ馬鹿だよ!!」
「明久よ、一瞬のあいだに何があったのじゃ!!?」
「そうだ明久、顔が悪いぞ」
「”色”を忘れてるよねバカ雄二!!」
その後、取っ組み合いの喧嘩が起こり、一瞬で西村先生に止められ、落ち着くまで、暫く待っていた‐‐――