ちなみに多分予想できるかもしれませんが……サチコ、ガチチート
どのようなチートなのかは内緒ですが……文月学園での試験召喚戦争では
アドバンテージがありすぎるとだけ
霧島が立ち去ってすぐさま昼食兼ミーティングが行われていた。
「で、どういう作戦でいくの?上位クラスからの宣戦布告は無視できるからほぼ無期限に時間があるけど」
「まあ、そもそも宣戦布告される事は皆無に近いだろ、あの教室を見て更に設備を下げようと考える奴なんて居ないだろうし……こっちからの宣戦布告は警戒するだろうがな」
まともな良識の持ち主であればあれ以上施設を下げようと挑んでくるものは居ないだろうし、あの施設に落とされるという警戒もされるのも同じぐらいの割合である。
「康太、言ってくれれば交換するから瞬きの間にオカズを取り替えないでよ……」
「……つい、前の癖で……しかし、狙ってたオカズが一つ急に消えた……?」
『
昼食をとりつつ会議を始める一行……明久の弁当のおかずが気のせいか交換されまくっているのだが、それはいつもの光景である。
明久の料理が上手すぎるのが悪いとの事だ……ゆえに明久は基本、オカズを多めに用意しているのだが。
自分で作った分のオカズが食べれない事態が多かったりするのだ……喜んでもらえるは嬉しいし、他の人の味付けも知れるからマイナスではないのだが。
なお、サチコの頬が膨らんでいるのはきっと気のせいである……康太が狙ってたオカズが一つ急に消えたのもきっと気のせいに違いない。
「というわけで明久、そこのエビフライとこのカツ一枚を交換してくれ」
「何がという訳なのさ雄二……しかもそっちの方が大きくない?」
「それだけの価値がある……持って帰って食べるようにな」
「ここで食べていかないの?」
中林のツッコミに雄二は明後日の方向を向きながらおかず交換をしていた。
明らかに違う目的のような気がするのだが、詳細は不明である……というよりも、この場にいる女子だけが全員気がついたことではあるが、その”カツ一枚”だけが何故か女子が作った代物に見えた。
幼馴染を利用しているのは雄二だけではなかったらしい、とサチコだけが勘づき、口の中で咀嚼してたものをしっかりと飲み込んだ。
―――明久のオカズが急に消えたのは気のせいではなく、やはりサチコが食べていたようである。
「作戦決めるんじゃなかった……?」
「まあまあ……」
「ああ、作戦だったな……とりあえずは、他のクラスの様子見や点数の底上げだな」
「……思いっきりきほんね、それ」
作戦というから中林は期待していたのだが、雄二の言っていることはオーソドックスなものであり、どのクラスでも行われているものだ。
真新しいものではなく、若干期待はずれだ、と視線を送ったのだが―――
「ほかのクラスにないアドバンテージはあるだろう?」
「……まあ、そうだけど」
「そもそも他のクラスがワシらのクラスの漁夫の利を警戒するだろうし戦争が行われない可能性があるのう……む、この唐揚げ、絶妙な塩コショウ加減じゃ」
「秀吉、君は何故さりげなく唐揚げを交換してる」
さりげなくからあげを交換していた秀吉に明久はツッコミを入れていた。
覚悟はしていたのだが、明久のお弁当は自分でオカズを食べるものではなかったようである。
――なお、交換したことを理解できていた最大の理由は秀吉がうっかりと漏らした言葉によるものであり、それがなければ気がつかなかった。
「鉄人はいつもこの愛妻弁当を食べれているのか……」
「なんで愛妻弁当って言うんだ雄二」
「いや……お前の弁当を見る限りバランスが整ってるから栄養価とかも考えていたりするんだろ?」
「宗一さんが一日に動くだろう行動範囲から逆算して昼はこのぐらいのカロリーは必要かな~とかそのカロリーだと栄養バランスはこうした方がいいかな~とか考えてるけど、愛妻弁当だと言われる筋合いはないよ!?」
言動が完全に夫、もしくは子供の食事を考える主婦そのものだ……この場に集った全員はそのようなことを考えていた。
このように考えてくれる養子がいて西村先生はさぞ幸せなことだろう。
―――実は職員室でも西村先生のお弁当はオカズが交換されまくっているので明久の気遣いなどが若干無駄になり、その代わりに明久の料理の腕前が評価されているのは余談である。
「なんにせよ……最終目的の為にどうにか勝ち進むしかないか」
「勝ち進むってことは……やっぱり戦争する意思はあるのね……いいわ、今明かせないんでしょうし作戦についてはまた後日って事で」
「そうしてくれ―――少し昼寝でもするか……」
結局会議らしい会議は行われず、ただ単に昼食の場所を変えただけであった。
まあ、あのクラスの環境では確かに食べるにも不自由だろうから仕方がないのだろう。