昔からいなくなりたいと思っていた。
自分が何でここにいるのかわからなかった。
何度も消えたい、いなくなりたいと思っていた。
なのに、それはできなかった。
だから、オレはいなくなりたいと思ってもできない。
してしまったら死んでいった人達にしめしがつかない。
だからー。
side??
後ろから翼を生やした奴らが追ってくる。
その光景に驚きはない。
もう、慣れてしまった。
毎日毎日オレを狙ってきているんだ、慣れないはずがない。
奴らが狙ってるのはオレじゃない。
正確にはオレの力だ。
研究所を襲いたくさんの人達があいつらに連れて行かれた。
だけど、その後あいつらに連れて行かれた人達がどうなったかは知らない。
でも、生きてるという事はないだろう。
そろそろだなと思いながら走るスピードを上げる。
これに追ってくる奴らは驚く。
当然だ。
奴らー悪魔が飛ぶスピードより速くオレは走っている。
人外を
そして、目立たない場所に来てオレは力を使う。
自分の身体の中に意識を集中させる。
そして、目を開けると俺の身体に何かがつく。
それはロボットのような姿をしている。
自分の姿は分からないが
悪魔たちがそれを見て喜んだ顔をする。
ああ、またこの目だ。
自分の力だとでも言いたそうな目。
はっきり言って吐き気がする。
右手に意識を集中させる。
すると棒状の何かが右腕に装着される。
レールガン。
こいつの武装の一つで攻撃力より射程を重視した武器だ。
それを構える。
これを初めて見たのか悪魔共は
だが、その騒ぎも長くは続かない。
オレが引き金を引くと同時に悪魔の一人が落ちてくる。
「この、下等な人間風情が!!」
「……その下等な人間風情に頼ってばかりのお前らがー」
落ちてきた奴の頭に銃口を当て引き金を引く。
爆音と共に
「ー偉そうなことを言うな」
その光景を見た悪魔はすぐに近くの仲間たちに指令を出す。
この光景は何回も見た。
その度にオレはため息を吐く。
また、殺さないといけないのか。
近くにいた悪魔の頭を掴んで投げ飛ばす。
それと同時にオレは左手にソードを呼び出し構える。
レールガンは遠距離用。
ソードは近接格闘用だ。
この二つを出しても普通なら戦力差は変わらない。
「お前ら!!あの下等な人間をころせぇ!!」
その合図で周辺の悪魔が襲ってくる。
十分くらいたっただろうか?
それぐらいの時間でここにいる全ての悪魔を殺し終えた。
そして、何時ものようにまた逃げるように去る。
魔王が来たら今のオレでは対処できない。
逃げながら空を見る。
ああ、何時ものようにここは紫色だ。
研究所にいた時に見た青色の空とは違う。
何時ものように逃げていると何かが聞こえた。
〜〜♪〜〜〜♪〜〜♪
これは、歌?
歌が聞こえてくる場所に向けて走り出す。
この歌を聞いてると不思議な感じがする。
歌が聞こえた場所に来るとそこは湖だった。
ここら辺は来たことが何度かあったが湖があるのは知らなかった。
ここ最近水浴びをしたことが無かったからちょうど良かった。
そして、湖に入ろうとして、再び歌が聞こえた。
その方向を向いて、目を見開いた。
そこには少女がいた。
真っ白な髪が風で広がっているその姿はまるで天使のようでオレは見惚れてしまっていた。
〜〜♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜♪
やっぱり、歌を歌っていたのはこの少女だ。
さっきよりもハッキリと聞こえてくるこの歌はとても心地良くてずっとここにいたいと思うほどだ。
やがて、少女は歌い終わったのかこちらを振り向き固まった。
だけど、オレはそんな少女の様子など気にならない。
またあの歌を聴きたい。
それだけしか考えられない。
「えっ!?なんで!?」
「……いや、歌が聞こえて……それで」
そう言うと少女は顔を真っ赤にして湖の中に入る。
「……見た?」
少女が顔を真っ赤にしていってくる。
「……ごめん。少しだけ」
歌を聴くことに夢中で忘れてた。
目の前にいる少女は何も服を着ていない。
ようは、裸なのだ。
「〜〜〜〜〜〜っ!」
少女が声にならない叫びを上げる。
だが、オレはそんな少女のことなどお構いなしに服を脱ぎ始める。
「えっ!?何で服を?」
「……歌を聴いてここまで来たら湖があって、久しぶりに水浴びしようと思っただけ」
そう言うと少女はえっ!?と驚いた顔をしてこっちに来る。
近くまで来て少女はオレの顔を見てくる。
「……もしかして、男の子?」
「……そうだけど」
少女の質問に答えると少女は顔を真っ赤にしてうしろをむいてしまった。
その間もオレは服を脱ぐことを止めない。
「何で恥ずかしがらないの!!」
「……えっ?何で恥ずかしがるんだ?」
そう言うと少女は肩を落とす。
水浴びも終わって服を着ると少女がこちらをようやく向いた。
「……何で君はここにいるの?」
「何でだろうな」
「ふざけてる?」
「……本当に分からないんだ。何時の間にかここにいて、オレの力が狙われてるのは知ってるけど」
「……そうなんだ」
「……君は、なんでここに?」
そう聞くと少女は暗い顔をして一言。
「無理矢理連れてこられた」
とだけ言った。
そして、しばらく話していると空から何かが来た。
「見つけたぞ!!下等生物!!」
そう言って空から降りてきたのは悪魔の集団。
ざっと見て二桁いる。
「さぁ、どうする下等生物?今戻ってくるならそこの人間は生かしておいてやるが」
少女が震える足で悪魔達の元に行こうとするのをオレが止める。
その行動に少女が驚いたような顔をする。
「……何をしている?人間?」
オレはその言葉を無視する。
「そんなに死にたいのか!!」
悪魔がすごんで来ているが関係ない。
何時ものように……こいつらを殺せばいいだけだ。
「はぁ、おい、このガキ殺せ」
悪魔の一人がその言葉でオレに魔法を放つ。
少女を突き飛ばしその攻撃を受け、
爆発音がここら一帯を響かせた。
side??
目の前であの男の子が死んだ。
人間があれを受けたら一塊もない。
だけど、煙が晴れるとそこには男の子の死体は無く代わりに黒いトゲトゲしたトカゲのようで、怖くて、でも強そうな私とは正反対の感じがした。
side??
悪魔たちの驚きが手に取るように分かる。
だけど、遠慮する気はない。
何時ものようにこいつと一体化してこいつらを殺す。
それだけだ!!
手始めに近くにいる悪魔に喚び出したナイフを刺す。
悪魔が苦しそうにもがく。
他の悪魔もそれを見て魔法を放つ。
オレはそれを持っている
手に持っていた悪魔が消し飛ばされた。
………………。
魔法を放った悪魔に近づき喚び出したランスで向けを貫く。
「がはっ。……や……やめて……くれ」
命乞いをしてくるがそれに関係なくトリガーを引く。
するとランスは真ん中から別れて銃口が現れる。
そして、砲撃が悪魔を消しとばした。
……………ハハ。
それを見て戦意喪失する悪魔たちだけどオレは手を止めない。
あの時、お前らはオレの友達を殺した。
こんな風にこんな風に命乞いをした奴らもいたぶるように!!
命乞いをしてくる奴らも関係なくランスで切り裂いてく。
そうだ!こいつらがあいつらにしたことと同じようにしてやる!
ハハハハハハハハハハ!!気分が良い!!
どれぐらいしたのだろう?
目につく場所には悪魔だったものが散らばり少女はオレに怯えるような顔を見せている。
それを見たときオレは自分がやったことを思い出した。
オレは指を通していたものから右手を抜く。
この手で、オレは、悪魔を殺した。
悪魔たちがあいつらにやったことを、やり返した。
そして……それを……楽しいと……感じた。
「……あっ、ああああ」
そんな自分が怖くて……たまらなかった。
「ああああああああああああ!!」
恐らく、この叫び声は少女に届いていない。
突如頭に何かが走った。
その痛みに耐え切れずオレの意識は闇に沈んでいった。
side??
怖かった。
あの男の子は私の目の前であの人たちを惨殺していった。
それも、楽しんでいるような感じで。
だから、助けてもらったのに怯えてしまった。
すると、突如さっきまでの姿から元の姿に戻ると気絶していた。
怖いけど、助けなきゃ。
この子は私を助けてくれたんだから今度は私の番!
そう思い私はこの子を自分の隠れ家に連れて行った。
side??
目が覚めると知らない天井があった。
身体を起こそうとすると右側が重く感じた。
布団を捲り見てみるとそこにはあの少女がオレの右腕を抱えるようにして眠っていた。
起こさないようにこっそりと抜け出す。
すると、少女はそれに気づいたのか起きる。
「目、覚めた?」
少女の顔を見て昨日のことを思い出すと同時に自分がやったことに怖くなった。
まるで、あの時のオレはオレじゃないような気がした。
「……ああ、大丈夫」
そう言うと少女はオレの顔を見て何かを察したのか歌い始める。
するとオレの身体が暖かい何かに抱きしめられた。
いや、これは幻覚だ。
まるで抱きしめられたような暖かさをオレが感じてるんだ。
「落ち着いた?」
「……ああ、ありがとう」
そう言うと少女は良かった〜と言ってキッチンの方に向かっていく。
「そう言えば君の名前は?」
「……いきなり、何だよ」
「まだ、聞いてなかったなって思って」
「……真壁」
そう言うと少女はもう!!と頬を膨らませた。
「……真壁、弥羽」
「弥羽君ね!私は音無紫亜よろしく!」
そう言って音無は手を出してくる。
オレはその手をー。
「……よろしく?」
ー握った。
「……そう言えば音無は何で狙われてるんだ?」
「……私の歌はね、不思議な力があるんだって」
そう言って音無はポツポツと自分のことを言ってく。
二年前にそのことがわかって二日前に悪魔に家族を目の前で殺されて連れていかれる途中で死に物狂いに逃げてここで隠れていたことを。
「……そうなんだ」
「弥羽くんは?」
「……オレは、一年前かな」
オレも音無に自分のことを話していく。
とある下級悪魔の実験によって作られた人間であること。
あの力ーファフナーのこと。
そして、生きているかもしれない仲間のこと。
それらを聴き終わる頃には音無は静かになっていた。
音無の顔を見ると泣いていた。
優しいなと思った。
しばらくしてから音無はここを出ようと言った。
どうやって人間界に行くんだ?と聞くと密航と笑顔で言った。
悪魔の使うルートで人間界に行く。
それを音無が言ってから一ヶ月が過ぎ実行日になった。
まず、音無の歌で悪魔達を混乱させてその隙にオレがそのルートを確保、そのまま冥界から人間界に行くという力技の計画だ。
オレは何時でもファフナーを使えるように準備する。
そして、遠くから音無の歌が聞こえてきた。
今だ!!
今回はどんな敵がいるのか分からないから
ファフナーが身体に装着されていくと同時に肩と太もも、に思いっきり叩きつけられるように何かが当てられる。
そして、それと同時に近くにあるニーズンベルグシステムに指を通す。
それと同時に身体に鋭い痛みが走る。
そして、目の前が真っ暗になる。
オレがファフナーでファフナーが、オレだ!!
そして、自分の目を開く感覚でファフナーの目を開く。
成功だ!!
初めて完全なクロッシング状態になったが成功して良かった。
それと同時に自分の脳に知らないはずの情報が現れ始める。
そんな事を考えながら歌の場所まで走る。
そして、聞こえてきた場所を見るとそこには列車があった。
悪魔って、何でもありだなと思いながら列車の上に乗る。
それと同時に運転手が列車を発車させる。
まずい!!まだ音無が。
走っている音無の近くまで走りそして、
「掴め!!」
「!!うん!!」
手を掴み上に引き上げる。
そして、ここで再び誤算があった。
次元の狭間、そこは生身ではとても耐えられないのだ。
オレはファフナーがある。
でも、音無には何も無い。
音無はあははと笑っている。
オレは完全にクロッシングしているファフナーの装甲の一部を開けるイメージをする。
すると俺の視界が晴れる。
音無はそれに驚きすぐにファフナーをつけるように言う。
オレは音無の身体を抱きしめてファフナーを装着する。
音無はこれに驚きすぐに出すように言うが、次元の狭間に入ってしまったちめ何も言わなくなった。
しばらくすると人間界に着いた。
オレと音無はそれに感動した後、一つの壁に当たった。
家、どうしよう。
次回予告
「駒王学園?」
「うん!行ってみようよ!!」
「……何やってるんですか?先輩?」
「聞いてくれよ!!俺、彼女できたんだぜ!!」
「……そうですか」
「さらばだ!!はぐれよ!!」
「……一応、先輩ですから殺されると目覚めが悪いんですよ」
「えっ!?真壁!!」
「貴方のあの力……あの子と同じね」
「ヘェ〜、君も持ってたんだファフナー」
「……ファフナーは、先輩の思ってるようなものじゃありませんよ」
「私たちはね、悪魔なの」
次回
旧校舎のディアボロス編
第1話『悪魔〜はじまり〜』