蒼穹のハイスクールD×D   作:獣耳が大好きな新月

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それは一つの宣戦布告。
新たな希望その名は『アルタイル』
新たな絶望その名は『殲滅派』
新たな希望が新たな絶望と共にやってくるとき僕らの最後の時間が始まった。



第5章 冥界合宿のヘルキャット
墓参り


side弥羽

夏休み初日。

オレたちはそれぞれの荷物を纏める。

冥界。

オレと音無が出会った場所でありオレと蒼士が分かれた場所でもある。

「……やっぱり、弥羽くんも思い出す?」

「ああ、とりあえず冥界行ったら最初に墓参りでもするさ」

「……そっか、ねぇ弥羽くん。弥羽くんは私の前から居なくならないよね?」

「……オレは、自分の命の使い方を知ってる。だから、多分」

「……そっか……」

オレの言葉に音無が悲しそうな顔をする。

ごめんと心の中で謝る。

だけど、これがオレの選んだ道だから。

「……弥羽くんはその、知ってるの?封印を解いたらどうなるか」

「ああ。同化現象の進みが早くなるんだろ?」

「だったら!!」

オレはその後の音無の言葉を聞くことをしなかった。

聞いてしまったらもう……戻れないような気がするから。

音無のその言葉を聞いたらきっと揺らぐ。

音無がオレのことを好きなのは知ってる。

でも、その気持ちに応えたくない。

だから音無。

はやくオレよりいい奴を見つけてくれ。

オレを思っても、あとが辛くなるだけだから。

 

冥界への移動手段が地下にあることを知ったイッセー先輩が驚きの声を上げる。

そして、何人かに分けて降りることになったのだが、

オレは遠見と搭城、音無と共に降りている。

色々な意味で気まずい。

搭城は元気がないし遠見はオレのことを見ようとしない。

音無にいたってはオレの方を向かない。

無言のままオレたちは列車に乗る。

その際さりげなく音無がオレを避けて遠見の隣に座りオレは残った搭城の隣に座る。

搭城はやっぱり元気がない。

やっぱり、気にしてるのか?自分だけが前に進んでないことに。

だったら、それはオレが何かを言える立場じゃない。

初めからファフナー(ちから)を持っていたオレが今の搭城に何を言っても無駄だ。

 

会長達に会ってしばらく経つと急に列車が止まった。

全員が窓を見るとそこに居たのは赤い……ドラゴン。

そして、そのドラゴンは列車を攻撃しようとする。

それに最初に動いたのは搭城だけど……ダメだ!

そんな攻撃じゃあいつは倒せない!

案の定搭城はドラゴンに吹き飛ばされる。

それを見てすぐに移動してルガーランスを呼び出して搭城を掴みながらプラズマをドラゴンの足元に放つ。

その攻撃はドラゴンの足に当たらずその下の地面に当たり砂煙を起こす。

これで少しは視界を奪えたはず!

その隙に搭城を降ろしてルガーランスを再び向ける。

今度はドラゴンの目を狙う!

そしてプラズマが溜まりドラゴンに攻撃していたイッセー先輩たちが離脱するときに撃とうとして

「そこまでだ」

アザゼルの声が聞こえた。

その後アザゼルからこれは打合せされたものでオレたちの今後の課題を見つけるための物だそうだ。

 

グレモリー領に着くと同時にオレは部長たちに許可を取って独断行動を始める。

行く場所はグレモリー領とシトリー領のちょうど真ん中。

そこにある研究所だ。

バッグの中から花束を出して研究所の入り口に置く。

そして線香を置き帰ろうとしたところで目の前に人がいることに気がついた。

九人の少年少女の群団。

だけどそのうち五人の目から光はなくまるで人形のように感じた。

「真壁弥羽だよね?」

「そうだけど?」

嫌な予感がヒシヒシと伝わってくる。

「君はアルタイルを知っているかい?」

「アルタイル?いや知らないけど」

「そうか、なら」

ー死んで。

その声共に咄嗟にルガーランスを出す。

それと同時にルガーランスが弾かれる。

「無駄だよ!ファフナーを使えない君なんて簡単に殺せる」

「くっ!」

そして、奴の言う通りファフナーと生身の人間ではファフナーの方が強く、オレは奴に殺される一歩手前になった。

「……最後に教えてくれないか?」

「なんだ?」

「アルタイルって何だ?」

「……そうだね。冥土の土産に教えてあげるよ。アルタイルというのはミールの集合体(・・・・・・・)で」

そして、奴はオレたちにとって衝撃的なことを伝えた。

全てのミールを変えるミール(・・・・・・・・・・・・・)さ」

何だって?全てのミールを……変える?

それじゃあ、もしこいつらに渡ったら、全てのミールが憎しみだけの存在になるのか!

「そんなこと」

「うん?」

「そんなこと、させるかぁー!」

その瞬間オレをワームスフィアが包む。

次に目を開けるとそこはグレモリー領の手前だった。

 

部長たちのもとに行く頃には若手悪魔の会合に行くところだった。

それに一応人間代表の一人として参加することになっているオレは部長たちより速めにその会場に向かう。

あまり行きたくないんだけどな。

集合場所に行くとそこには全員居た。

「さてと、真壁も来たことだし行くか!」

そうしてみんながぞろぞろと進む中オレはさっきの言葉を蒼士に相談していた。

『……それは本当か?』

「ああ、間違いない。アルタイルの名前を聞いた時ミールが反応を示した」

そう言うと蒼士はしばらく悩んだ後引き続き調査をしてみると言った。

蒼士との会話を終えると何時の間にか匙先輩が上層部の連中に怒っていた。

その様子を見ながらオレは思う。

やっぱり、あの時と上の方は何も変わってない。

あいつらが此方を見る目は下の者に向ける視線。

本当に、嫌になる。

 

会場を後にしたオレたちはそれぞれの場所に行く。

オレは匙先輩と共にシトリー領に行く。

オレはアザゼルの頼みで今日からしばらくの間シトリー眷属の特訓相手になっている。

神器などはアザゼルが戦闘経験をオレがという役割分担。

さっそく特訓を始めることになったのだがここで問題になったのが匙先輩だ。

筋は悪くないし腕も良い。

でも、魔力などがない。

それに神器の方も赤龍帝の籠手に比べれば弱い。

だけど、匙先輩はイッセー先輩を倒したいらしい。

まだ何処と闘うかは分かっていないけど匙先輩はイッセー先輩と闘うことを前提に特訓している。

まぁ、オレに出来ることは匙先輩に技術を教えることだけだけど。

「ーさっきのようにすれば人間ベースの転生悪魔は脳震盪を起こします」

「なるほどな」

匙先輩に教えながらオレは自分の体の調子を確かめる。

やっぱり、同化現象の症状か運動神経とかが落ちてる。

 

特訓が始まって数週間が経った。

グレモリー眷属とのゲームになったことを知った途端会長たちは特訓メニューを増やした。

負けられない戦いだしな。

そして、そんな中オレの方にアザゼルから連絡があった。

搭城が倒れた。

原因は度を過ぎた特訓による疲労。

オレはそれを聞いて行くべきか悩んだが匙先輩から行ってこいよと言われ行くことにした。

 

搭城がいる部屋に案内された。

ノックをして返事を貰ってから中に入る。

そこには猫耳の生えた搭城がいた。

「……何しに来たんですか?」

不機嫌な声だ。間違いなく、オレが来たことを怒っている。

「搭城が倒れたって聞いて心配になったから」

ぶすっとしたまま、搭城は何も答えない。

その後、愚痴のように搭城はオレに自分の心の内を言ってくる。

自分が役に立ってないと思っていること、猫又の能力を使いたくないこと。

「別に、搭城は搭城だろ?搭城は搭城のお姉さんとは違ー」

「弥羽君に……何が分かるんですか!!弥羽君には分かりません!強い弥羽君には……何も……」

何かを言おうとしたのを姫島先輩に止められる。

仕方なく搭城の部屋を後にする直前

「搭城、お前は今何処にいるんだ?」

オレは搭城に向けて質問を放った。

その答えを聞く前にオレは部屋を出る。

 

搭城に何もできなかった日からしばらく過ぎオレは今パーティー会場にいる。

匙先輩たちは楽しんでたりしているがオレは楽しめなかった。

頭の中には搭城の言葉があの時からずっとリピートされてた。

そんなことを考えていたら搭城が何処かに行こうとしているのが見えた。

オレはその時の搭城の様子がおかしいことに気づき気付かれないように搭城を尾行し始める。

 

搭城を追って到着した場所は森の奥だった。

何の用があってここに来たんだ?

そう思って目を凝らすとそこには黒い着物を着た猫又の女性がいた。

あれが……搭城の話に出てきた搭城のお姉さん。

何を話しているのか遠すぎて聞こえなかったけど雰囲気が変わったのはわかった。

そして、搭城を庇うように現れたのはイッセー先輩たち。

オレはそれを見てからルガーランスを取り出し何時でも戦闘できるように身構えた。

すると搭城のお姉さんはオレの方に魔力弾を撃ってきた。

「弥羽!?」

「久しぶりですねイッセー先輩」

「へぇー、お前があのザルヴァートルモデルの適合者か」

いきなり搭城のお姉さんの後ろから新たな敵の気配を感じる。

そして、搭城のお姉さんが搭城に禍の団に来るように言い搭城がそちらに行こうとした。

それを止めようとするイッセー先輩たちに新しく出てきた奴は攻撃する。

そして、搭城が搭城のお姉さんの方に行くのを……オレが止めた。

「何してるにゃん?」

「搭城。オレはまだお前の口から聞いてない。お前が今何処にいるか」

そう言うと搭城は泣きそうな顔から泣き顔になる。

搭城のお姉さんが殺気を放ってくる。

そんなこと御構い無しに搭城はオレにその問いの答えを言う。

「……私は、私は!ここに居たい!部長たちがいて弥羽君のいる此処に!」

その言葉を聞くと同時にオレはルガーランスを搭城の姉に向けて投げた。




次回『バランスブレイク』
新たな希望が新たな戦いと共にやってくる時僕らの最後の時間が始まった。
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