side蒼士
冥界に行く前日。
僕らが準備を進めていると僕のコアが敵意が近づいている。と言ってきた。
敵意?……まさか、まだフェストゥムが!
その考えは正しかったようでECDの場所から外に出るとフェストゥムが空にいっぱいいた。
そして、そのフェストゥムを率いているのは。
『該当なし。新種か!!』
すぐに香澄たちにジークフリードシステムを通して伝える。
新しいフェストゥムはまるでファフナーのような姿をしていた。
いや、ニヒトの時と同じか。
それによりファフナーの姿を学んだ。
果たして、僕たちは戦えるのか?
ニヒトを使う。
同化現象の抑制剤はちゃんとうった。
だけど、末期に入ってる僕は耐えられるのか?
そんな考えを頭を振って無くす。
最悪の場合を考えてどうする!!
己を叱り己を鼓舞する。
そして、ニヒトを先頭にファフナー中心でフェストゥムに戦いを挑む。
消しても消しても出てくる!
本体が別のところにいるのか?
それに加えて香澄たちの様子も可笑しい。
まるで、同化現象が起きた時の弥羽のよう…な。まさか!?
急いでジークフリードシステムから送られてくる情報を見る。
やはり、同化現象の進行か!
痛みでなのか一瞬香澄とシュメリアが怯んだ。
何をしている!フェストゥムがその隙を見逃すはずがないだろ!!
フェストゥムはシュメリアと香澄の所に行きそして……?何も……起こらない?
いや、違う!!
「敵に……同化されたか!!」
よく見るとファフナーの胸部に金色の結晶が現れていた。
くそっ!このままでは……。
冥界での戦いは僕ら五人が戦いの鍵になる。
その中の一人でも欠けてはいけない。
ニヒトの手から電撃を放ちながら上空に移動する。
陸戦型の二体なら上空に来ても対処できると思ったが
「上に……マークツヴァイだと!!」
香澄のマークツヴァイがいきなり上に現れた。
『あれがSDPよ』
「織姫!」
『さっき目覚めたの。乙姫と弥羽のおかげでね』
「……!!弥羽が目覚めたのか!?」
『違うわ。弥羽は今、祝福を受けてる』
「祝福?」
マークツヴァイの攻撃をかわしながら僕のコアー織姫とクロッシングで話をする。
『あなたが存在と無の調和という祝福を選んだみたいに弥羽は存在と痛みの調和を祝福として願った』
「……そうか」
『そして、それにミールが呼応し弥羽に祝福を与えてる』
「祝福?何のだ?」
マークツヴァイを地上に叩き落す。
『生と死の循環を超えた命を』
「……!?」
生と死の循環を超えた命。
それは弥羽が人間でなくなるということだ。
「……弥羽は……なんて?」
『そこまでは分からないわ』
いや、この事はもう考えるな!
今はECDを守ることだけ考えろ!!
side弥羽
紅い結晶がまるで華のように咲いている。
そんな場所にオレはいた。
「……オレも、ミールと一つになるのか?」
そう言いながら後ろを向くとそこには乙姫と赤い髪の女性がいた。
「……それは最後の祝福だ。真壁弥羽」
最後の祝福?どういう意味だ?
「今お前と我々の間で新たな調和の可能性が生まれた。皆城蒼士が存在と無の調和を選んだように」
存在と無の調和。
それが蒼士の選んだ祝福。
「お前が世界を祝福するなら我々が生と死の循環を超える命を与えよう」
そう女性が言うと乙姫がオレの方に向けて青い華を向けてくる。
祝福するなら取れってことか。
乙姫の顔を見ると泣きそうな顔をしていた。
そうだよな。乙姫はオレに人として生きて欲しいって言ってたからな。
「オレも、フェストゥムみたいにする気か?」
「心まで委ねるかは……お前次第だ」
どうするべきかを考えていると自然と前に戦っていた理由を口に出してしまう。
「前は、自分なんかいなくなればいいと思ってファフナーを使った。なのにー」
そうだ、オレはいなくなりたいと思ってファフナーを使ってた。
だけど、冥界の森で彼女にー音無に会ってから変わった。
「ー音無に会ってから自分が居る理由を探してファフナーを使い続けた」
オレはそこまで言ってから乙姫のもとに行く。
「乙姫、ありがとな」
「……えっ?」
乙姫が泣きそうな顔をしながらオレの方を見てくる。
「昔、オレがファフナーの同化現象で暴走しそうになった時、止めてくれただろ?」
「……覚えてたの?」
「いや、忘れてた。ここに来てから昔のことを……思い出した」
昔、オレが暴走しそうになった時乙姫がオレを止めてくれた。
「今まで、ずっと、乙姫には助けてもらった。それにー」
ここに来るまでに感じた、乙姫の思いがオレの顔を熱くする。
「ーこんなオレでも、……好きになってくれて……嬉しかった」
そう言うと乙姫の顔がどんどん赤くなっていった。
オレはそんな乙姫の頭を撫でながら、華を取る。
「……選ぶよ、オレは」
女性がオレの手を見つめる。
「まだオレにも命の使い道があるなら」
そう言うと女性は微笑みながらオレに
「お前は世界の傷を塞ぎ、存在と痛みを調和するもの。我々はお前によって、世界を祝福する」
そして、オレは乙姫の方に向く。
「……乙姫、オレは愛っていうのが分からない。乙姫のことを愛おしいと思っていても、他の音無や遠見、搭城の事も愛おしいと思ってるそんなオレでも、まだ好きでいてくれるか?」
「うん」
「ありがとな」
そう言うと共にオレの意識が戻っていった。
左腕に刺さっていた点滴を
オレを運ぼうとしていた和泉が驚いた様子でオレを見てくる。
「ありがとな和泉」
「はっ、はいって大丈夫ですか!?」
「ああ、蒼士たちは戦ってるよな」
「……はい」
「そっか、じゃあ行ってくる」
そう言うと和泉は悲しそうな顔をした後はいと言ってくれた。
ー行こう、弥羽。
ーああ、乙姫!
マークザインを展開する。
そして、そのまま紫色の空に飛んでいく。
side蒼士
マークツヴァイの攻撃を防げなくなりついに当たってしまう。
それと同時に再び同化現象が僕を蝕む。
「まだだ!!もっとよこせ!!虚無の申し子がその程度か!!」
それに応えるようにマークニヒトの手に出していたワームスフィアが大きくなる。
マークツヴァイがそれを見て逃げる。
「逃がすかぁぁぁぁ!!」
マークツヴァイが現れた場所にワームスフィアを投げる。
だがそれは前に出たマークノインのワームが消し去る。
ちっとまた舌打ちをする。
ワームを使ってもワームで対処される。
はっきり言ってジリちんだ!!
そのとき、空からルガーランスが降ってきた。
それが地面に刺さると同時にそこを中心に結界内全ての地面が結晶で包まれる。
これは、まさか!
『そうだよ、弥羽が来た』
ルガーランスが飛んできた方からマークザインが飛んでくる。
そしてルガーランスを掴んで同化すると何も無いところに向けてプラズマを放つ。
すると、そこからでかいフェストゥムが。
あれが……本体か!!
side弥羽
本体を無理やり出す。
するとマークニヒトがオレに近づいてくる。
「やるぞ弥羽!」
「ああ!!」
マークニヒトと共にでかい奴に突っ込む。
シールドでそれは防がれるが……その対策はもうある!!
ルガーランスの刀身が開きそこから金色の光が出てくる。
その光はシールドにあたる。
「帰りな、お前たちの居るべき場所へ」
オレの言葉とともにシールドが消える。
消えていった場所からマークニヒトがアンカーを奴に刺していく。
「……解析完了。コアの位置をそっちに転送する」
「分かった!」
その位置の近くにルガーランスを突き刺す。
そいつは痛がり抵抗するがマークニヒトのアンカーにより固定されていく。
「今だ弥羽!敵のコアを滅ぼせ!!」
「うぉぉぉ!!」
放ったプラズマはコアを消し飛ばしその先にある結界の手前まで通っていった。
間に合うかはわからない。
でも、可能性が少しでもあるのなら僕らはそれに賭けるしかない。
次回『出立』
新たな希望が新たな戦いと共にやってくる時僕らの最後の時間が始まった。