蒼穹のハイスクールD×D   作:獣耳が大好きな新月

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覚醒〜あかきりゅう〜

side弥羽

「……女の子?」

前来た時より大きくなっていた卵のような物の前に幽霊のように身体が透けている少女がいた。

でも、その少女は眠っているのかこちらに気づいていない。

「……どういうことなんだ?」

この大きな卵のような物、もしくはファフナーと何か関係があるのか?

そんなことを考えながら何時ものように何かがファフナーに流れる。

その時、一瞬だけど少女の目が開いた気がした。

それと同時にオレは仮想空間(ユメ)から目覚めた。

 

誰かが家の近くに来た気配がして目を覚ます。

時間は午前二時。

また、あいつらか?

そう思い三人に気づかれないように外へ出る。

何時でもファフナーを使えるように身構える。

気配は……一人?

何時もの集団じゃないのか?

すると奥から誰かが近づいてくる。

「……お前なのか?弥羽」

その声を聞きオレは身体に冷たい何かが走るのを感じた。

「……えっ?……何で……いや、本当に、蒼士……なのか?」

「ああ、久しぶりだな弥羽」

月の光が誰かを照らす。

長めの茶髪に左目に付いている傷。

それが、皆城蒼士だとオレに告げているようだった。

「……生きてたのか蒼士」

「……ああ、何とかな。弥羽。人外に復習しないか?」

「……っ!?何言ってるんだ!蒼士!」

「……お前は、人外に憎しみは覚えなかったのか?」

その言葉にこれまでの奴らの行動が思い出される。

「……っ、それでもー」

「僕は、奴らを滅ぼす。そのために、弥羽。お前の力が必要なんだ」

蒼士が静かな声でそう言った。

「それに、そこにいる悪魔!!姿を見せろ!気がついていないと思っているのか?」

蒼士が言った方向に目を向けるとそこから一人の少女が姿を見せる。

……搭城!!何でここに!!

「弥羽。よく考えてくれ僕は、いや、僕らはお前を待ってる」

「……蒼士!!お前!!」

蒼士を呼び止めようとしたが蒼士はそのまま何処かへ消えてしまった。

「……搭城、何で来たんだ?」

「……目が覚めたらいなかったので」

「……そうか」

そう言ってオレは家に戻ろうとする。

「……さっきの人は?」

「……いずれ話すさ」

小さな声で言ったが搭城はそれに納得したのか黙って付いてきた。

 

次の日、オレは部活に行かなかった。

行く気が無かったとかじゃない。

ただ、蒼士のことを考えていた。

「……良かった。蒼士が生きていてくれてて」

十年以上前、蒼士は悪魔に連れて行かれた。

その後オレは蒼士をずっと探していた。

でも、蒼士が生きている痕跡すらなくオレは諦めた。

「……蒼士、お前は変わったよな」

昔の蒼士は不器用だけど復讐とかは考えなかった。

それなのに、昨日蒼士は復讐をすると言っていた。

しばらくぼうっとしていると携帯が鳴った。

画面を見るとそこには兵藤先輩の文字が。

「……どうしたんですか?イッセー先輩」

「悪い!!アーシアを堕天使に連れて行かれた!!」

「……先輩、今どこに?」

「部室に走ってる!!」

「……すぐに行きます」

今は蒼士のことを考えるな!!

そう自分に言い聞かせて部室に走る。

その姿を見られてるとも知らずに。

 

部室に着くとイッセー先輩が先輩と搭城、遠見と共に移動しようとしていた所だった。

「……先輩、オレも行きます」

「真壁、良いのか!?」

「……先輩たちだけじゃ不安なんで」

「ありがとな」

 

協会の目の前まで来ると堕天使たちの気配と複数のエクソシストの気配を感じた。

「……先輩、どうします?」

「強行突破しか、ないか」

「……なら、ちょっと下がっててください」

「何する気だよ真壁」

「弥羽で良いですよイッセー先輩」

そう言いながらファフナーのレールガンを出す。

出力を変更しながら照準を合わせる。

「……人命がかかってるので、勘弁してください」

「何言ってるんだ?」

イッセー先輩の疑問に行動で答えを言う。

レールガンを最大出力で撃つ。

すると扉は跡形もなく消え教会から大きな音と叫び声が聞こえてくる。

「……行きましょう」

「……力業」

「……ははは、これは想定外だね」

「……弥羽君って」

「アーシアー!!」

イッセー先輩がオレの開けた穴に何も考えずに入っていく。

それに続いて搭城と先輩も入っていく。

俺も続こうとして、ファフナーを展開した。

「何してるの?弥羽君」

遠見の声と同時に空から何かが降ってきた。

いや、何かじゃない。

あれは、ファフナーだ!!

遠見もそれを見てファフナーを展開する。

前にも思ったけど、もしかして遠見不完全なクロッシングしか出来ないのか?

「……えっ」

煙が晴れそこにいたファフナーを見てオレは戸惑いの声をあげる。

そこにいたファフナーの色はシルバーグレーで手にはルガーランスを持っている。

最大の特徴としてあげられるのはマークエルフと色以外のほとんどが似ている部分だろう。

「……Mk.I(マークアイン)。蒼士、蒼士なのか!?」

「そうだ、弥羽いや、マークエルフ」

「えっ、どういうこと?何で私にもあのファフナーの情報が入ってきて?」

遠見が困惑した声を出す。

もしかして、遠見は知らないのか?このファフナーの使い方を。

「弥羽、今が好機だ。一緒に悪魔と堕天使を殲滅しよう」

「まってくれ!!蒼士!!」

「弥羽、お前は僕と一緒にやってくれるよな」

「弥羽くん!!」

遠見が声をあげると蒼士はルガーランスを遠見に向かって撃つ。

遠見はそれを危なくも避ける。

その間にオレは蒼士に組みつく。

「止めてくれ蒼士!!」

「弥羽!!お前はどっちの味方なんだ!!」

「止めてくれ!!オレは」

そうすると、蒼士はオレにルガーランスを向ける。

「お前はどっちなんだ!!弥羽!!」

「止めてくれ!!蒼士ー!!」

 

side一誠

さっきから上から大きな音が聞こえてくる。

「弥羽!!真矢ちゃん!!」

「兵藤君!今はそれよりアーシアさんだ!!」

木場の声で目的を思い出す。

そうだ、弥羽だって言ってた。

「……何があっても、アーシアさんを助けるべきですイッセー先輩は」

なら、行くしかない!!

最後の扉を開けるとそこには

「アーシア!!」

鎖で拘束されたアーシアがいた。

「あら、遅かったわね」

「!!」

そして、近くにはいつの間にかレイナーレがいた。

俺は飛び出そうとするがそれは木場によって止められる。

「何で止めるんだよ木場!!」

「堪えて兵藤君!囲まれてる!!」

その木場の声に合わせてうじゃうじゃとエクソシストが現れる。

「まぁ、今更きたところで無駄だけどね」

そう言うとレイナーレがアーシアに向かって手を伸ばす。

すると緑色の光がアーシアから出てきて

「まずい!!彼女の神器を抜き取る気だ!」

神器を抜き取るって!

「そんなことさせるか!!」

俺は神器を出す。

「あらその弱い神器で何ができるのかしら?」

くそっ、舐めやがって!!

「行って!!兵藤君!!」

「……ここは私たちがやるのであの人を」

「木場、子猫ちゃん。ありがとな!!」

木場と子猫ちゃんにエクソシストを任せてアーシアのもとに行く。

「アーシアー!!」

 

side弥羽

何回目か分からないがルガーランスをルガーランスで弾きかえす。

「やめてくれ!!オレはお前とたたかいたくなんて!!」

「現に今戦っているだろ!!攻撃しないなんて戦う気がないのか!!」

「っ!だからオレは!お前と!」

ルガーランスを遠くへ弾き飛ばす。

「戦いたくない!!」

マークアインの装甲にルガーランスを突き刺そうとして、腕が止まった。

くそ、やっぱりオレには、無理だ!!

その時、マークアインから何かが漏れ出した。

「蒼士!!」

マークアインとマークエルフを黒い何かが包む。

何だ?これ?

すると、オレ(マークエルフ)はそこから吹き飛ばされた。

蒼士は!!

蒼士のところを見ると、同時に恐怖した。

マークアイン……じゃない!!何だあのファフナーは!!

肩には円形のユニットが現れファフナーの色もシルバーグレーから黒色に変わり円形のユニットから翡翠色の結晶が翼のように生え砕けると同時に何か分からないようなものが現れる。

「蒼士!!蒼士ー!!」

「……これが、憎しみだ!!弥羽」

その声は蒼士の声をしているけど違う!!

「お前は誰だ!!蒼士じゃないな!!」

「……我が名はイドゥン。私は我々により憎しみを理解した」

「……蒼士は、蒼士は何処だ」

「依り代ならば何年か前に我々と同化ー」

「あぁぁぁー!!」

あいつが何かを言う前に奴に突っ込む!!

「返せ!!蒼士を返せ!!」

「無駄だ、Alvis(アルヴィス)の子よ」

その瞬間、マークエルフ(オレ)を黒い何かが包んだ。

「がぁぁぁぁぁ!!」

身体が潰れる、捻れる。

何だ、これは!!

黒い何かが無くなると目の前のファフナーは驚いたような感じがした。

「!?分からん!!何故生きている!!」

すると、下から誰かが上がってくる音が聞こえる。

それと同時にオレのいた床が崩れる。

「さらばだ、アルヴィスの子よ。再び何処かで会おう」

「蒼士!!蒼士!!蒼士ー!!!!」

「弥羽くん!!」

遠見がオレの手を掴む。

だけど、オレの目には遠見の姿は映っておらずその奥にある黒いファフナーしか映っていない。

「行くぞ、ニヒト」

すると、ニヒトと言われたファフナーは黒い何かに包まれ消える。

それを見届けると同時にオレは痛みで意識が無くなる。

「……待ってくれ……蒼……士……」

「弥羽くん!!」

 

side一誠

光の槍が身体に刺さる。

スゲェ痛え。

でも、アーシアの痛みはこれよりも、痛かったはずだ!!

「何で、何でまだ立ち上がるのよ!!」

「……痛え、痛えけど、こんなのアーシアが受けた痛みに比べりゃ屁でもねぇ!!」

レイナーレが何かを言ってるけど意識が朦朧として何を言ってるのか聞こえねぇ。

でも、まだ殴れてねぇんだ。

気合を出せよ!!

「……こういう時は、神様にでも頼むのかな?いや、駄目だ女の子一人救えない神様に頼んでも無駄だ。なら、魔王様にでも頼もうか」

「あら?壊れちゃったのかしら」

「お願いします。オレがこいつを殴るまで手出ししないでくれませんかねぇ」

「何言ってるの?貴方ごときがこの高貴な堕天使をー」

Explosion(エクスプロージョン)!!』

その時だけ、機械音が力強く鳴り響いた。

すると、レイナーレはこちらを恐ろしいものを見るような目で見てくる。

だけどな!!それでも俺は!!

「容赦はしない!!」

レイナーレに向かって走る。

さっきまでの比じゃないスピードでレイナーレに突っ込む。

「わっ、私は高貴な堕天使なのよ?それなのにこんな、こんな下級な悪魔なんかに!!」

「違う!!その力はアーシアのだ!!」

レイナーレは逃げようとするけど、逃がすかよ!!

レイナーレの足を掴み引っ張る。

「これで終わりだ!!レイナーレ!!」

俺の拳がレイナーレの顔を捉える。

そして、そのまま吹っ飛ばされる様子を見て俺は倒れた。

 

side弥羽

目が覚めたらイッセー先輩が堕天使を殴り飛ばしていた。

「……なるほど、イッセー先輩の神器は龍の手じゃなくて」

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)だったんだね」

オレは遠見の方を借りてイッセー先輩のところに向かう。

ファフナーのダメージが身体に残っているため一人ではまともに歩けなかった。

だからこうして遠見の肩を借りてるんだけどそれでもフラフラとする。

すると、部長とイッセー先輩が何かを話し部長がチェスの駒を制服から出した。

「……何、するんですか?」

そう言うとみんなが此方を見て何があった!!と問い詰めてきた。

「……いえ、此方よりも何をするか聞きたいんですけど」

部長にそう言うと引きつった顔をしながら悪魔の駒について説明されアーシアさんを悪魔として転生させることを聞いた。

「……そうですか」

アーシアさんなら多分喜ぶんだろうな。

そんなことを考えながらオレは自分の意識を落とした。

 

「ハァハァハァ」

冷たく暗い海をいつも必死に泳ぐ。

大きく光る建物に向かって。

何度も何度も必死に泳ぐ。

目の前にある明かりにすがる思いで……。

ーけど、無理だー……。

あの窓の、どこにも、自分の居場所なんてない……。

ー違う……明かりに背を向けるのは……当然のコトなんだー……。

 

のそっと布団を退けて起きる。

「……また、あの夢か……」

時計を見て午前三時に起きたことを確認する。

「……今日は、早く行かないといけないんだったな」

昨日の残りとごはんを弁当箱に入れていく。

しばらくすると朝に弱い音無も搭城たちと共に降りてくる。

全員オレの姿を見て詰め寄ってくる。

動いて大丈夫?とか安静にしといてくださいとか散々言われた。

 

四人で部室に行く。

まだアーシアさんたちは居ないな。

オレは朝急いで作ったものを机の上に置いていく。

しばらくすると部長たちやイッセー先輩がやってきた。

そして、イッセー先輩が入ってきてしばらくするとイッセー先輩の後ろに誰かがって、アーシアさん?

そのあと、アーシアさんが部長に嫉妬したりしているのを見て何時もなら何かを思うんだろうけど、今のオレにはそんなのは無い。

この光景が夢と被ってしまう。

部長たちがいる場所があの灯。

そして、オレのいる場所が冷たく暗い海。

夢だとオレはその灯に背を向けた。

そうだ。

オレはあの灯に夢と同じように背を向けた。




次回予告
「……イッセー先輩、元気ですね」
「私は貴方とは結婚しないわ!!」
「下等な人間が……何ですか?」
次回『婚約〜いかり〜』
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