オレの予想を超えてくる。
だから、こうなることを予想しておくべきだった。
でも、まさか。
あの先輩でも、
こういう時は真面目だと
期待はしていた。
side弥羽
レーディングゲーム当日。
オレと音無は生徒会室にいた。
その理由は
「久しぶりだね」
この
そして他にはグレイフィアさんと生徒会長と副生徒会長。
「……お久しぶりです」
音無がシスコン魔王を怖がってオレの後ろから出てこない。
何時もの事だしなこれ。
そう思いながら空中に浮いている画面を見る。
そこでは作戦会議をしている部長たちとー。
「何でこうなったんだ?」
ー頭を抱えているライザー・フェニックスがいた。
まず、先を見据えてから行動しような。
ライザー・フェニックス。
会ったのは十年以上前だったっけ?
音無と一緒に列車に忍び込んだ二日前に会った男で無駄にプライドを張りたがる男だ。
実際はもの凄く後先を考えないただのアホ。
実際ハーレムになった理由が父親たちに騙されたからだしな。
いや、何だよ貴族ならハーレムを作ってみせろって。
しかも本当に作ったらお前バカか?と怒られたそうだ。
だけど、眷属想いのいいやつだ。
見栄さえ張らなければ。
あとライザーは現在進行形で好きな人がいたはず。
確か使用人の一人って双子ちゃんが言ってたな。
まぁ、ライザーは事実、強い。
正確に難はあるが魔力制御と状況把握能力はかなり高い。
そして、ゲームが始まる。
やった。やってしまった。
何やってんの?あの先輩。
イッセー先輩が体育館で新技『
「………………」
生徒会室を静寂が包む。
それもそうだ。
こんな技、前代未聞だ。
「ねぇ、これって君がー」
「ー教えてません!!」
何を言いだすんだこのシスコンは!!
オレは生徒会室を出ようとする。
「最後まで見ていかないのかい?」
「……もう、結果は分かってますから」
「ヘェ〜、君はどっちが勝つと思う?」
「……部長の勝ちですね」
そう言ってオレは生徒会室を後にした。
家に帰ると音無が甘えてきた。
ここ最近、音無は遠見たちがいたからか甘えることは……っ!?
音無がオレに覆いかぶさってくる。
これは……暴走!?
「……音無」
「はぁはぁはぁはぁ」
「……音無!」
「ごめんね。ちょっと無理みたい」
そう言うと音無はオレの首を噛んでくる。
先に言っておくが音無は吸血鬼ではない。
音無の能力の反作用。
音無の中のものが強くなりすぎるのだ。
それを抑えるために今まで一緒に寝たりしているが、ここ最近は遠見たちの所為でしにくかったらしい。
なら何故音無がオレの首を噛んでいるかというと血を吸うためじゃない。
音無曰く首を噛んで性的興奮を抑えるのだそうだ。
「……ごめんね。暴走しちゃって」
「……もう、慣れたさ」
そう言ってオレは音無の頭を撫でる。
オレと音無はそれぞれが居ないといけないのだ。
オレは同化現象の抑制のため、音無は暴走を未然に防ぐため。
だから、オレたちの内、どちらかが居なくなればそれは暴走や同化現象の促進につながると……思う。
「先に……寝るね」
「……ああ」
そう言って音無は二階に上がっていく。
それをオレは見送る。
それと同時にオレの腕から結晶が現れる。
「……もう、時間がないのか」
パリィンと結晶が砕ける音が聞こえた。
それと同時にオレの体がふらつく。
それを何とかしながら二階のオレの部屋に移動する。
この現象が起こった後高確率でオレは気怠くなる。
布団を見るともう音無が眠っていた。
音無の横の空いてる場所に入る。
何となく音無の頭を撫でる。
するとくすぐったそうに動く。
「……オレは、後どれぐらい、いれるんだろうな」
その言葉と共にオレは眠っていく。
眠るのが怖いとは思わない。
元々、オレは居なくなるために戦ってきたんだ。
それが、今か後かの違いだ。
またここに来た。
そう思った。
でも、オレが思っていた場所じゃない。
ここは……何だ?
オレの目の前を二人の男性が通る。
「真壁!!本当にお前は良いのか!!」
「仕方ないだろ!!一騎が消えてしまったんだ!!ファフナーのデータを取るにはこうするしかないんだ!!」
「だからと言って!一騎くんが残してくれた希望をこんな風に!!」
「大丈夫だ!!必ず成功する!!」
二人の男性が喧嘩をし始める。
一騎という名前を聞いてオレの頭に何かが走る。
ザザザザザとノイズと共にまたあの映像が流れる。
満月の夜。
どこか分からないけど自然が綺麗な場所だ。
「ねぇねぇ、一騎は卒業したらどうするの?」
長い黒髪の少女が聞く。
「そうだな。僕も気になる」
そう蒼士に似た誰かが言う。
「オレは、オレは遠いところにいくよ。誰もオレのことを知らない場所に」
そう、
ザザザザザというノイズと共に映像が切れる。
それと同時に仮想世界に来た。
だが、その場所ももう変わっている。
遺跡のような場所でマークエルフが有った場所には結晶の木が。
そしてオレの後ろには白いファフナーが。
ーこいつがオレのファフナー?
何となくそんな気がした。
あの少女を探すために下に降りる。
すると、結晶の木のところにいた。
結晶の中にあの少女がいた。
前まではあの白いファフナーが入っていたとされる卵の前にいた少女が。
オレの記憶の中で語りかけてくれていたあの少女が。
「……君は、誰なんだ?」
そう聞いても彼女は眠ったまま目を覚まさない。
「……オレは一体誰なんだ!?」
その声は闇に消えていく。
オレは白いファフナーの方を向く。
あの蒼士を同化したファフナーと瓜二つだ。
違うのは色だけ。
それが少し辛かった。
「……蒼士。お前は何を知っていたんだよ」
誰かを殺す為だけが戦いなのだろうか?
何かを壊すことが戦いなのだろうか?
復讐に囚われることが本当に正しいのだろうか?
存在を否定するのは駄目なのだろうか?
存在を肯定するのことは駄目なのだろうか?
何が良くて何が悪いかは分からない。
でも、
例えそれが世界を壊すとしても
オレは
蒼士ともう一度会いたい。
もう一度蒼士と会って
それで、謝りたい。
次回予告
「……生徒会長が悪魔なのは知ってましけど?」
「この件に介入しないでいただきたい」
「君は、奴の仲間なのか?」
「何たって俺は正義の味方になる男だからな!!」
次回『邂逅〜ふくしゅう〜』