第一研究所で作られたシステム。
ファフナー同士を統括するシステムだが、バラバラの情報を制御することが出来る人が蒼士しか居らず基本的に蒼士専用のシステムとなっている。
だが、後の研究により第一研究所の一部のファフナー『マークアイン』と『マークアハト』『マークエルフ』に搭載された。
蒼士は本来エーギルモデルの適合者だったが、ジークフリードシステムと共にマークアインの適合者になった。
邂逅〜ふくしゅう〜
side弥羽
「だぁからー、良いだろう?俺たちと良いことしようぜ」
「だから、嫌ですって言ってるじゃないですか!」
「連れは良いみたいだけど?」
「シュメリア!!ちゃんと否定しないとだめだって言ったよね!!」
「ごめんなさい」
イッセー先輩の家に向かっている途中で変な現場に目撃した。
今までのオレならこういうのには関わらない。
そう、だから今回も逃げようとした。
「……!お兄さん。急にいなくなったので心配しました」
シュメリアと呼ばれた少女がオレのところに近づいてきた。
それを見てもう一人の少女も近づいてくる。
「ほら!ちゃんと連れも居るんですから!!」
その言葉にえっ!?となる。
今日初めて会った人に連れと言われさらには腕を組まれている。
イッセー先輩なら喜びそうだよな。と思いながら相手の方を見る。
「ふざけんなよ!!」
そう言って男はオレを殴りかかろうとする。
それに少し遅く二人が反応するけど……。
遅いな。
最近人外の動きしか見てなかったからかかなり遅く感じる。
相手の腕の動きに合わせて力を入れて投げ飛ばす。
おお〜といつの間にかいたギャラリーがこえをあげる。
だけど、オレは今のに違和感を覚えた。
普段より力が入らなかったのだ。
ってそんなこと考えてる場合じゃない!
オレは急いで二人の少女の手を掴み走り出した。
「……ここまで来たら大丈夫……だよな?」
「そんなことより早く手を離してくれるとありがたいです」
「……あっ、悪い忘れてた」
そう言って二人の手を離すときに気づいた。
一人、肩で息をしている少女に。
「大丈夫?香澄?」
「……シュメリア前言ったよね!ボクは君ほど早く走れないって!」
「ごめんなさい。忘れてた」
そうシュメリアと呼ばれた少女が言うと香澄と呼ばれた少女はシュメリアに近づく。
関わりたくないしそろそろ帰るか。
そう思い帰ろうとしたところで足がふらつき、そのまま倒れた。
あの二人が何かを言っているのが聞こえるが何も聞こえない。
目が覚めると知らない天井が目に入った。
「大丈夫でしたか?」
「……シュメリアだっけ?」
「ああ、まだ自己紹介してませんでしたね」
そう言ってシュメリアはスカートの裾を掴んで優雅に一礼する。
「初めましてシュメリア・シュルグです。以後よろしくお願いしますご主人様」
「…………は?」
それを聞こうとして体の違和感に気づく。
拘束されている。
そこまで考えてクロッシングを途絶させる。
こいつらはおそらくオレのファフナーが目的のはずなら、ファフナーのデータを盗られるわけにはいかない。
「あっ、目が覚めた?」
扉が開き香澄と呼ばれていた少女と新しい少女が姿を現した。
「……何が目的だ?」
「別に?ボクらは君と同じ適合者らしいし」
「……何で分かった?」
「あれ?知らないの?ファフナーは奪われるとその痕跡が残るし君の場合家に連れてきてすぐに結晶が出てきたし」
「……っ!?」
今の会話で分かったこいつらはファフナーの適合者だ。
「拘束を外せないけど、まぁ、気にしないでよ」
「……いや、気にするだろ」
「大丈夫です。一応傷はつけないように縛りました」
「……そういう問題じゃないから」
ファフナーのクロッシングを再開する。
それと同時にジークフリードシステムを起動させる。
「……お前たちは……第一研究所の奴なのか?」
「ううん。第二研究所の第三区域の適合者だよ」
それをジークフリードシステムに入力していき目の前の三人のファフナーのデータを出す。
……蒼士なら、もっと早くできるんだけどな。
「……『
その言葉で三人が驚いたような声を上げた。
「えっ!?何で私たちの情報が?」
「……ジークフリードシステムのおかげだよ」
そろそろ帰ろうかな?と思いながら立つ。
「えっ!?いつの間に縄を?」
「……さつきまた結晶が出てきてなそれで切れた」
これは本当だ。
顔に出さないようにするのが大変だった。
「……そろそろ帰っていいか?」
「はぁ。うんもう良いよ」
「……ありがとな」
「そのまえに!」
「……何?」
そう聞くと彼女たちはオレの方を見る。
「名前!まだ私達は君の名前を聞いてない!!」
「……真壁、弥羽」
「じゃあまた今度ね弥羽」
その言葉を聞きながら歩を進める。
「……別に、覚えなくてもいいんだけどな」
オレは多分。もうすぐいなくなる。
そんな予感がする。
球技大会も終わり部室で木場先輩が部長に叩かれたらしい日の次の日部室に久しぶりに来ると生徒会長と先輩がいた。
「……お久しぶりです生徒会長と……先輩」
「おぉぉいぃぃー!真壁!お前オレの名前忘れたのか!?」
「……すみません先輩」
匙元士郎と再び自己紹介してくれる親切な先輩。
匙先輩との付き合いはここ数ヶ月だ。
イッセー先輩たちを捕らえた後は大体生徒会室に連れて行くのだが、その引き渡し人がこの…………匙先輩なのだ。
「……って真壁なんか会長が悪魔って言ってても慌てなかったな」
「……生徒会長が悪魔なのは知ってましけど」
その言葉にイッセー先輩が知らなかったの俺だけ!?と叫んでいたけどそれを無視する。
生徒会長の用件は明日教会の人が会いたいと言っていたからそれを伝えるためらしい。
後ついでに新しい眷属の顔合わせも。
そのことを考えながら商店街を歩いて行く。
あっ、今日は卵ともやしが安い。
帰り道に買い物をしながらふと手を見る。
そこには濃くなってきている指輪のような跡がある。
「……蒼士」
「ふむ。ここで会うことになるとはなアルヴィスの子よ」
その声を聞き今居る場所から飛び退く。
そこには一人の男がいた。
「……お前は?」
「我々に名など不要。ニヒトもそう言っている」
「……蒼士は……何処だ」
「依り代は我々と一つになった」
その言葉に息が詰まる。
いや、蒼士はまだここに居るはずだ!
そのことを聞こうとした時奴はまた消えていた。
「……蒼士、お前はまだそこに居るよな?」
オレの問いかけに答えてくれる奴は……ここにはいない。
教会の人たちが部長たちに会いに来た日、オレは部室にいかなかった。
いや、オレは行けない。
今日、あそこに行けばオレは関わらざるを得なくなる。
そうしたら、オレは蒼士を探せなくなってしまう。
次の日もまたその次の日もオレは走り続けた。
蒼士をずっと、探し続けた。
そんなことを続けていたある日、イッセー先輩から電話がかかってきた。
何でも聖剣の破壊を手伝って欲しいそうだ。
オレは協力するのをやめた。
やめてまでオレはやらなければいけないんだ。
蒼士を取り戻す。
マークニヒトから、蒼士を!!
オレはずっと蒼士を探していた。
たった一つのことを伝えたいから
蒼士に謝りたいから。
次回『誕生〜そんざい〜』
「……蒼士!!」
「……弥……羽……」