[ミッションログ 95日目]
今日はレーションの棚卸し作業をしていた。
レーションはおよそ100日分は消費した。自給自足体制が思いのほか整いそうなので、食い伸ばす心配は無さそうだが、不安なので食料調達が上手くいくようになったら週に食べる数を減らす事にしよう。それから、思いのほか、調味料不足が深刻化してきている。
確かにレーションは美味いものの、レーションはおよそ1箱につき30個入り、メニューの数はその半分の15、ローテーションで食べていっても飽きがくる。そのために加熱調理や付属のアクセサリーパケットの調味料が出番になるわけだが、その調味料が尽きると私は塩しか選択肢が無くなってしまう。残念ながらこれは回避できない問題である。諦めるしかないだろう。
農園の開墾作業は順調だ。
農地確保のため、開墾予定を大幅に拡張する事にしたので作業日数はまた伸びてしまった。これも自給自足生活確立のためなら仕方ないだろう。
腰も疲れる足も疲れる腕も疲れると全身疲れてばかりなので、ここ数日はドラム缶風呂に頼りっぱなしである。労働後にフロに入り、メシを食べて寝るのくり返しだが、充実した生活を得られている。
通信が繋がってから、毎日の定時報告や仲間との通話が非常に楽しくて仕方ない。
ここずっと孤独に悩まされていたから、こうした人との繋がりがあるのは非常に嬉しくもある。とはいえ、中継設備がどれくらい持つかの不安があるし、反抗作戦の成否如何では人類側が敗北し、私はここに一生置き去りという可能性もある。
繋がれるうちに会話をして、情報をえて、すべてを日々の生活に生かしていかねばな。
そうだ、退屈で困るだろうからと長門が音楽をメールの添付ファイルで送ってきてくれたぞ。
またアニソンだ。長門よ、根に持ったな……
[ミッションログ 98日目]
那智農園はどんどん進んでいく。
開墾は完了し、およそ10メートル四方の農地を作った。なぜ時間がかかったかと言うと、この間に私は木を切り倒し、切り株を根ごとほじくり返して農地確保に当たったからだ。屯田兵重巡洋艦那智、ここに誕生だ。
肥料作りも着々と成果を上げているので、本格的な自活プランに希望が持てるようになってきた。それから、倉庫から持ってきたゴミ袋と、ダクトテープ、資材のパイプを使ってビニールハウスを作ってみる計画も進めているが、まあ、あくまで今の所は計画のみだ。
また、いずれ調味料が不足するため、今後は塩作りに関しても手を付けよう。
塩の作り方に関しては簡単だ。まず、海水を取ってきて、ビニールシートで作った桶となる部分にかける、天日で干して蒸発し、さらに乾いたらまた海水を継ぎ足して塩分濃度を濃くしていく。そうするうちに塩水が乾いて、最終的に塩の結晶が残る。
手間はかかるが、晴れの日が多いこちらでは好都合だ。食堂さえ吹き飛ばされてなければこんな事をしなくて済んだのだが……
もっとも、高速建造材という奥の手があるので、多少味は落ちるが濃度を濃くした海水を煮て塩の結晶を作るという方法もある。
それから今日は悪いニュースがある。
深海棲艦の爆撃が昼ごろにあった。ちょうど、昼飯を食べている最中に基地の方から轟音が立て続けに鳴り響いた。撤退日以来の爆撃である。深海棲艦がこの島にまだ興味を持っているという最低最悪の事実が今回露見してしまった。
爆撃は本当に勘弁してほしい。
爆撃後に基地施設の損害を確認してみた。まず司令棟が損壊、次に基地の地面に数発分のクレーター発生、それだけだ。海に何発か落ちたようで、死んでる魚が随分と浮いていた。これは貰ってしまおう。サンキュー深海棲艦。今晩は魚の干物作りだな。燻製もいいな。
今回の爆撃に関しては色々と理由がわからないが、おそらく私を狙った物ではないという可能性はある。連中なら真っ先に兵舎を狙うはずだろうし、爆弾の命中があった建物が司令棟で、なおかつ狙いが反れて壁を一部吹っ飛ばした程度だ。あとはすべて、何も無い地面にぶつけられている。深海棲艦の爆撃訓練、それも実弾使用のものが行われたと見ていいかもしれない。
そうであって欲しいがな。
メランコリックな気分になるのはもう嫌なので、気分転換に今まで手をつけてなかった謎のDVDを見るとしよう。黒潮の持ってきたDVDの中には、普通の市販DVDじゃない、録画用の無地ラベルのDVDも混ざっているのだ。これが何なのか気になっているし、見るにはちょうどいいか。
[ミッションログ 98日目(2)]
おい黒潮……ウソだろ……本当?えー……うわあ……すごいな
諸事情でちょっと不定期更新になりそうです、ご了承ください。