[ミッションログ 200日目]
ハッピバースデートゥーミー♪
ハッピバースデートゥーミー♪
ハッピバースデーディア私ー♪
ハッピバースデートゥーミー♪
南方海域のど真ん中で、絶賛ぼっちの最中だが、私は1つ歳を取った。さよなら十代!こんにちわ二十代!こんな形で誕生日を迎えたくなかったけど。
でも記念日なので今日は良しとする。レーションの好きなメニューだけを食べて、ケーキ代わりの一航戦の持っていたフルーツ缶詰、皐月が残してくれたスコッチと自家製のつまみで誕生日を祝う。ローソクが無いので景気づけに外で歳の数だけ銃を乱射してきた。フゥーハハアーッ!戦場で誕生日だぜ。
横須賀にいる皆も私の誕生日ぐらいは祝ってくれるかな、と思って連絡をしてみたが、なぜか昨日から応答がない。ノイズも無く、単純に通信機の前に誰もいないと考えるのが妥当だろうか。横須賀やアイオワにもメールは送れたので通信機は死んだわけでは無さそうだし。とりあえずいつもの定時連絡をメールで済ませて監視の仕事を続けている。
しかし、メールの返信が来ない。
もしかして、私嫌われてる?
いや、そんな事は考えないでおこう。多分、みんなサプライズパーティーを考えてワクワクしているし、長門は嫌がらせにまたアニソンを送ってくる腹積もりなんだろう、那智知ってるよ。
さて、誕生日のあれこれはひとまず置いて、近況の整理だ。私の救出作戦中止の件がマスコミにリークされたらしく、妙高姉さんと望月がこの件でマスコミに色々と情報を流したらしい。
私を助けるためだ、と1週間前に望月が話してくれたが、率直に言うと私としては「そんな事してくれなくていい」と伝えておきたい。艤装が直れば私1人でトンズラするつもりだったし、アメリカとEUが私を救出してくれるかもしれない流れになったのだから、余計な事をして自分の身を危険にさらす事はしなくていいと私は叱ったが、当人たちは聞く耳を持たないようだった。
そして、2人は国防省の上層部に出頭した。
おい那智てめえ呑気に誕生日を祝ってる場合じゃないだろうという状況だが、この件に関してはアイオワが私に安心できるメールを数日前に送ってきてくれた。
アイオワ曰く、今回のリークは国防省上層部自らが後押ししたらしく、妙高と望月はこの一件が片付くまで、海軍のよからぬ勢力から国防省が保護をしてくれるそうだ。作戦指令部長が信用ならないのは、現場どころか政府内部でも同じだったようで、今回の私の件がちょうどいい契機になったのか、発言力が増して迂闊に手出し出来なくなった作戦指令部長を罷免するための本格的な動きが始まったそうだ。
そりゃそうだ。戦争の立役者とは言え、元は広報あがりで実戦も知らない、艦娘を見つけ出した事以外はてんで評価されてない男だったからな。誰かがケツを蹴っ飛ばしてやらなければいけない頃合だ。
何にせよ仲間は無事だと思う。アイオワがそう保障するのだから大丈夫だろう。
あと、今回の件は退役した教官も大きく絡んでいるそうで、退役艦娘協会の伝手を総動員してリークを手伝ってくれたそうだ。
あの人には本当に頭が上がらないな……。
[ミッションログ 200日目(2)]
興奮している。
丁度寝ようかと思っていた矢先に、アイオワからメールが来た。今日の一曲が楽しみでメールを開いてみた所、アイオワが衝撃の事実を私に教えてくれた。
反乱があった。
作戦指令部長が、反乱を起こしたそうだ。自分の立場が危うくなり、取り巻きに命じて、技術や艦娘を手土産に日本から第三国への脱出を図ろうとしたらしい。日本海側に停泊していた空母「かが」を使って脱出を試みたそうだが、その目論見は阻止されたそうだ。
全鎮守府に非常事態宣言が発令されていて、反乱部隊の鎮圧が進められていたそうで、アイオワ率いる米軍も出動したそうだ。もちろん、横須賀鎮守府の全軍も待機、これに備えていた。
騒ぎはもう落ち着いてきているようで、呉鎮守府とその周辺の戦闘以外、特に目だった戦闘もなく反乱部隊は投降しているらしく、事態の収拾が政府から発表されたようだ。
作戦指令部長の後任は横須賀鎮守府の総司令官である鈴木中将で決まったそうだ。
米軍が独自に入手した情報では、今回のクーデター騒ぎで少なくとも反乱側に100名ほどの死傷者が発生したとの事だ。それから、呉鎮守府周辺では艦娘部隊同士の武力衝突があった。戦死者は出ていないらしく、何とか鎮圧されたらしい。
アイオワはそう伝えてから、ごたごたして遅くなったけど、誕生日おめでとうとメールに付け加えている。
興奮さめやらぬ状態だが、明日は農作業をしなくちゃいけないので寝る事にする。
とりあえず、救出作戦が再開してくれる事を祈るしかないだろう。