ログ 221日目
[ミッションログ 221日目]
いつもの海上監視中に新たな動きがあった。
輸送ワ級の大船団を目撃した。中部海域へ向けて航行をしているようで、合計12隻のワ級が複縦陣を組んで猛スピードで抜けて行った。
また、ここ1週間で深海棲艦の艦載機も活発化しており、爆撃訓練のためなのか、また基地に向けて何発かの爆弾を投下して去っていった。倉庫も被害を受けたが、損害は軽微。何よりも必須物資はすべて、島の監視所へ分配したので心配は無用だ。今のところ、基地設備を全て吹き飛ばされても私は困らない。畑は困るが……
それから、今日の夕方には忌々しい空母ヲ級の姿も南南西に確認した。艦載機を飛ばしては、自らの艤装に着艦させてを繰り返して、中部海域の方面へと去っていった。発着艦訓練でもやっているのだろう。同じような事を仲間の空母艦娘が演習で何度もやっていたのを覚えている。
深海棲艦の思考も、案外我々と似たりよったりなのかもしれない。
今日はこの件を詳しく報告書へ纏めて横須賀に送信した。アイオワにも簡単だが伝えておこう。
[ミッションログ 225日目]
那智農園拡張のプランを考えていた。
まず、ジャガイモ農園とその他野菜の農園と2つの畑を作っていたのだが、今度は拡張してもう1つ農園を作る事にしたい。連作をしたいというのもあるが、前回の救出作戦失敗を考えて、農園をさらに拡張し、もっと長期の生存に繋げるという方法を取りたいからだ。
また、レーションがすでに100日分を切っている。
保存食料なので賞味期限がまだあるとは言え、もし農園が何らかの理由でダメになってしまった場合は、貴重な明日を食いつなぐ食料となる。この生活において長期保存できる食い物がどれだけありがたいかは身にしみて実感している。だからこそ、農園を拡張してレーションに頼らない自活生活をしたいのだ。
候補地は少し遠めにして、監視所から15分ほど歩いた場所にした。
多少開けている場所で、大きさは15メートル四方ほどか。すでに一航戦の種は殆どまいてしまったので、ここでは既に実っているジャガイモの生産と、トウモロコシ、そしてトマトから作った種を中心に栽培する事にする。
調べた所によると、市販の種から出来た野菜から種を作るとなると、多少ややこしかったり難しい事があったりするそうだが、救出までの時間を予想しても数年にわたる長期の時間はかからないと推測する。長くても救出までにあと1年という期間を見積もっているので、その程度であれば種にしても問題はないだろう。すでにトマトは頑張って苗にしてあるし、ジャガイモの種芋は準備が整っている。
という訳で今日は畑作りだ。
いつもの手順で草を除去、そして土を耕し枝や石などの不純物を取り除く。作業ペースも上がってきているので、今日は3分の1ほどは畑つくりに成功した。
しかし重労働である。中腰でクワを振っていると「もういっそ爆弾を仕掛けて地面を耕した方が効率的なのでは」等と思ってしまう。うむ……20.3センチ砲が修復できたらやってみる価値はあるな。冷戦時代に核兵器を土木工事に使うというプランもあった事だし、臼砲を使ってクレーターにしたって話もあるくらいだ。
とりあえず畑仕事は適度に切り上げて、仲間たちと通信をして、それから周辺海域の監視情報を伝えて今日の仕事は終了だ。
アイオワが今日送ってくれた曲はローリングストーンズで「悪魔を憐れむ歌」だ。相変わらずお前の音楽センスは70年代で止まってるなあ……
[ミッションログ 228日目]
畑作りも重労働なので、今日は休みにして釣りを満喫していた。
島の反対側、浄水施設の近くに程よい入り江を発見したので、最近はそこで毎回釣りをしている。廃材で作ったビーチパラソルとビーチチェアのようなもの、飲み物と食べ物(と言っても焼いたイモとか焼いたトウモロコシとか、そんなのしか無いが)を用意し、読書しながら釣りを楽しむ。最近は心の余裕が出てきたのか南方の島暮らしをだいぶエンジョイしている感じすらある。史上最長の有給休暇だな。
釣った魚は大体、写真に撮ってメールで本土の仲間たちに送り、食べれるものかどうか判断してもらっている。南方はやたらカラフルな魚や珍奇な形の魚が多く、見ていて楽しい半面、食えるのかどうかもわからないような奴ばかりなので正直不安だ。
万が一毒のある魚を食べたら、一か八かで高速修復材の原液を飲んでみる手もあるな!
たぶん「ザ・ロック」でVXガス噛んじゃったオッサンみたいになりそうだが。
今日の釣果はまずまずだったので帰宅。監視任務の報告、それから風呂のあとに魚とイモで夕飯を作ろう。
今日は仲間から南方海域奪還作戦についての詳しい報告を聞かせてもらった。何か情報量が凄かったので「また今度で」と言ったら、ご丁寧に大淀がメール添付で大量の作戦概要書を送って来てくれた。大淀は添付して送ってきた上で「どうせひとりぼっちで暇だと思うので今読んで下さい」と言ってきた。
また今度だと言ってるだろう。おやすみ。