ソードアート・オンライン外伝 ―One man's side―   作:北川みゅー

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第15話 ギルド<MTD>②

「では、私の右手の方から順にご紹介と役の説明をさせて頂きます。」

 

 

という事は、シンカー氏に向かって正方形の左の辺の右端に座っている俺は3番目に紹介される事になる。何か挨拶が必要だろうかと緊張する。順番の遅い右側の人達は、顔と名前と役職を、自分を除く8人分一気に覚えられはしないから、とメモをを取り出す人もいる。キャスティとユリエールが2人で数枚綴りの紙を配った。

 

 

「ではお手元に資料が届きましたね?

 ではさっそく、まずコービーさん、リュウノスケさん、コウメイさんの3名は主に迷宮区の攻略等、戦闘に関連する事を担当して頂きます。

 もちろん無理な攻略はしない様にお願いします。」

 

 

手元の資料とやらを見ながら話を聞く。

コービーは元ベータテスターで、ベータ時代は迷宮区の攻略をしていたそうだ。ギルドでは攻略の第1チームの隊長を任された。SAOがスタンドアロン型のコンシューマゲーム機向けRPGだったら主人公になったであろうオーラが出ている。

リュウノスケは社会人の剣道大会でも入賞実績がある、本物の剣士だ。攻略の第2チームの隊長となる。どれだけの人数が戦闘要員として参加できるかは不透明な部分があるが、攻略チームの休息を考えれば2チーム用意する事はいい判断だと思う。

そして俺は低レベル者向けの基礎戦闘訓練や、攻略チームのパーティ編成・戦闘連携等に関する攻略会議にも出席し、必要であれば第3チームを指揮する事となった。ボス・迷宮区・フィールドMOBの情報収集も職務内容として書かれているため、比較的自由行動はしやすいだろう。

 

 

「続いて生産活動に関する役に就かれる方々を紹介します。

 私から見て右から、物資管理のヨフィさん、料理担当のペリルさん、武器防具等担当のウォルコフさんです。」

 

 

…資料が無ければ名前はもう覚えられないな。右隣りの長テーブルは生産部門の担当か。

ヨフィは必要物資のまとめを担当、か。戦闘部門からの武器防具作成の依頼や、配給用の料理等の必要数をまとめる係…命の危険は無いだろうが大変そうだな。某大手通販サイトでそういった在庫管理業務をしていたらしいが。

そしてペリルは女性で、資料によればレシピの研究が趣味だったらしい。料理のレシピや日々のメニューを考えたりを担当する様だが、実に適材適所。

3人目のウォルコフは鍛冶・木工・裁縫を担当するという事になっている。しかしSAOは“ソード”と名の付く通りに武器の豊富さもウリにしているだけあって、鍛冶は剣や斧を作る<斬撃武器作成>、細剣や槍を作る<刺突武器作成>、メイスやハンマーを作る<打撃武器作成>等の様に細かく分類されている。とても1人ですべてまかなうのは不可能だろう。しかし彼1人で製作しなければならないわけではなく、自分に作れない物はチーム内の他の誰かに作るように指示をするのが彼の仕事になるだろう。

 

 

「続く3名は民生部門とでも言いましょうか、ギルドメンバー全員に向けての業務をお願い致します。

配給作業を統括するチエさん、メンバーの名簿管理をするジャプスンさん、そしてサカツキさんにはギルド内外への広報活動をお願いします。」

 

 

チエも女性だ。ペリルよりは若いが、ボランティア経験が豊富で海外でも活動した事があるらしい。仕事の内容は、チームの中で<誰が誰に渡すか>を取り仕切る役らしい。物資担当のヨフィやペリル、そしてジャプスンとの連携が重要そうだな。

そのジャプスンはこの場にいる12人の中で明らかに一番の年長者だ。どう見ても40代以上。会社では人事部にいたらしい。実際の年齢がどうであれ、SAOの中ではステータス次第で動いたり戦ったり出来るわけだが、それでも現実世界の仕事や能力を生かせる事をする方がいいだろう。

最後、9人目のサカツキは広報活動を担当との事だが、<メンバーや第一層住民の生活レベル向上を目的とした広報誌の作成>と、俺が提案した内容と似ているな。しかし彼は俺と違ってアマチュアライターだそうだ。他にもMMORPGをやってそれを元にしたブログを書き――MMOトゥデイにもリンクがあるらしいが知らなかった――、それがPVが累計200万を超える人気ページなんだと説明があった。まあ、適材適所と言うやつよ。

 

 

「以上で皆さん方9名の役割についてですが、何か質問はありますか?」

 

「では2点。

 各チームというのは運営係として全部で何名くらいになる予定でしょうか?

 それとギルドへの勧誘活動はどうするんでしょうか?」

 

 

質問をしたのはジャプスンだ。もし自分がトップの立場なら年上は使い辛いと思うんだがな。その辺を気にしないのはシンカーの器の大きさなのか。

 

 

「えー、それぞれの部門によって適正人数に…

 詳しくはユリエール、お願いします。」

 

「はい、私が回答させて頂きます。

 先日応募して頂いた方はここにお集りの皆さんを除いて45名います。

 それぞれ得意分野が違いますので、すべてのチームに均等には割り振っていませんが、ジャプスンさんのチームにはあと3名が配属される予定になっています。

 勧誘活動については、初期の時点では後程来られる45名も含めた全員に招待権を付与する事になります。

 その後一定の期間が過ぎた後はここにいる12名プラス、ジャプスンさんのチームメンバーを除いて招待権は解除する事にしようと考えています。」

 

「回答どうもありがとう。

 それなら了解です。」

 

 

他にも何件か質問があったが、その間に俺はグリフォーにメッセージを打っておいた。

 

 

≪Koume:さっきギルドの方から連絡が来て、年長の数名だけ先に役職が発表されたよ≫

≪Koume:たぶん1時に行った時に発表があると思うけど、先に言っておこうと思って≫

 

≪Griffo:え!すごいですね!おめでとうございます、でいいのかな?≫

≪Griffo:コウメさんはどんな役になるんですか?≫

 

≪Koume:レベルの低い人の、レベル上げのお手伝い担当だよ≫

 

 

多少どころか全然違う事を言ってはいるが、まあいいだろう。戦術と戦略との言葉の違いから説明しなければならなくなるのはめんどくさい。

 

 

≪Griffo:じゃああんまり危険は無いんですよね?よかったです≫

 

≪Koume:とりあえず、12時50分に広場で≫

 

 

その後ギルド設立に伴う会議の様なものは休憩を挟んで12時近くまで続けられた。その休憩の際にコービーやリュウノスケと挨拶を交わし、ペリルが実は主婦である事を聞いた。

各自の仕事内容に対する質疑応答の他、ユリエールがシンカーの秘書・マネージャー的な仕事をし、キャスティが総務や会計を担当する事、週に1回の定例戦略会議が開かれる事を確認した。

今一番重要なのは、ギルドを立ち上げた直後に加入希望をしてくる人達をどう捌くか、そして食糧支給の方法を定める事は急務であった。しかしそれは主にキャスティ・チエ・ジャプスン・ヨフィ・ペリルの5人だけで話が進められていたので、シンカーとユリエールを除く5人は一足先に退出して食事に出る事にした。先程挨拶を済ませた戦闘部門のコービー・リュウノスケの他は、生産部門で鍛冶担当のウォルコフと、民生部門広報担当のサカツキの両名だ。

 

しかし、こうも急に一度に人と知り合うと、顔と名前を覚えるのに苦労するな…。

 

 




ここまで登場した名前一覧

01.コウメイ
02.グリフォー
03.ナオト
04.サヤナ
05.ジネン
06.シンカー
07.ユリエール
08.キャスティ (NEW)
09.コービー (NEW)
10.リュウノスケ (NEW)
11.ヨフィ (NEW)
12.ペリル (NEW)
13.ウォルコフ (NEW)
14.チエ (NEW)
15.ジャプスン (NEW)
16.サカツキ (NEW)

筆者がまず覚えれきれていない罠(苦笑)
でも実際MMORPGで大規模ギルドに加入した時とか、誰が誰だかわからなくなりますよね。特にサブキャラクターまで加入させてるともうわけわからない…。
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