ソードアート・オンライン外伝 ―One man's side―   作:北川みゅー

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第2話 初めての狩り

“金髪ロンゲの両手剣使い”グリフォー、“黒髪短髪の片手剣+盾”のナオト、“ピンクポニーで巨乳の両手長槍使い”サヤナの3人とパーティを組んで、『始まりの町』から20分程歩いたところで森の入口に着いた。

 

 

(15分と言ってたけど、まあ喋りながら来たし、大体合ってるなぁ)

 

 

私はA型で、人にも良く「細かいねぇ」と言われたりもする…。それでも『もしはぐれたらどの方向に向かって何分で帰れるか』は以前やったMMORPGでも常に考えていた。“退路の確保”さえ出来ていれば生き延びられると思って。

 

グリフォーは言った。

 

 

「よーし、到着だ!

 この森には<リトルネペント>という植物系モンスターがたくさんいるんだ。

 そいつのレベルは3だから1匹なら倒せるだろう。

 けど、君達はまだソードスキルに慣れていないし、

 一旦ここでみんなには待機してもらって、

 目視できる距離に来たリトルネペントを俺がここまで引きつけてくるから、

 そしたら一斉に攻撃だ!」

 

 

(まだ戦闘はした事ないって言ってたけど、β出身なのかな?

 β出身なのにレベル上げに急がずに面倒見がいいし、

 こういう人がいずれギルドを作ったりして、

 いいリーダーになるんだろうなぁ。

 入るかどうかはまだわからないけど、いい知り合いができたかも?)

 

 

等と考えてはいたものの、それは口には出さず、森の外で植物系モンスターを倒すという意見には特に反対する理由が無かったので首を縦に振っておく。他の2人も同意しているようだ。

仮に死んでもこの町からリスタートするだけで大したデメリットは無い。

 

 

「じゃあもう少し森に近い所から敵を釣ってくるから、ここに待機しててくれ。

 もしフレンジーボアが来ても3人で勝てると思うから、

 ソードスキルの練習をしておいたらいいと思うよ。」

 

 

そう言ってさっそく森に向かった金髪ロンゲの後ろ姿を見送り、3人が外に残った。

"敵を釣る"って言い方からしても、間違いなくMMORPG経験者だな(笑)

そこで黒髪短髪のナオトが話かけてきた。見た目はさわやかイケメンなのに言葉遣いはちょっとチャラい。

 

 

「コウメちゃんはさぁ、武器スキルは片手剣に決めたわけ?

 俺みたいに盾とか使ったりする?」

 

『まだ考えてなくって、生産もやってみたいし…』

 

「へぇ~、生産やるなら鍛冶スキル取って剣作ってよ!」

 

 

そこに巨乳のお姉さんが割って入る。

 

 

「ナオト、スキルを強制するんじゃないよ。

 コウメが困った顔してるのがわからないの?」

「コウメ、スキルスロットは今2だと思うけど、

 それはレベルが上がれば増えるから心配しなくていいわ。

 今は自分でやってみたいスキルを取ればいいのよ?」

「あと、ほとんどのスキルは300くらいまでは簡単に上げられるから、

 いろんなスキルをやってみて、

 合わないと思ったらスキルはどんどん消しても大丈夫よ。」

 

 

(なるほど。序盤が成長しやすいのは前にやったスキル制MMOと似てる感じかな。

 レベルが上がってスキルスロットが増えるまでは2つしか取れないけど。)

 

『わかりました!アドバイスありがとうございます、サヤナさん。』

 

 

今度は黒髪イケメンが巨乳のお姉さんにスキルについてアドバイスを受けている。

その脇で自分も将来のスキル構成について考えていた。

 

 

(まずタンクとか、大盾や重金属装備はキャラに似合わないから無しかな。

 小柄なのを生かして、忍者みたいに敵を倒したらかっこいいかも!?

 最初は片手直剣と隠蔽を取って、スロットが増えたら投剣かな。)

 

 

厨二的発想ではあるが、他のゲームでも大体似たようなビルドをしてきたため、それをヴァーチャルとは言え自分の体として動かす事が出来ると言うのは非常に楽しみであった。

さっそくその場で2つのスキルを選択して、初期装備の剣をぐっと握った。

その時、森の方からグリフォーがリトルネペントを1匹だけ連れて私達3人がいる方へ戻ってきた。“リトル”と名が付くわりに自分の身長も超える大きさの植物で、見た目にもグロテスクだった。

もしリアルでも145cmしかない少女であったら、こんな敵と戦うどころか姿を見ただけでも逃げ出してしまう事だろう。

 

 

「さあ、一斉に攻撃だ!」

 

 

グリフォーがそう言った後、ナオトとサヤナが武器を構えてグロテスクな巨大植物に向かっていった。

 

「スラント!」

 

ナオトがそう言ったかと思ったら彼の右手に握られた剣が水色に発光をし、システムにアシストされた目にも止まらない速さでリトルネペントの左手にあたる部分を切り裂き、HPバーを1/5程減らした。

 

「ツインスラスト!」

 

今度はサヤナだ。ナオトの剣と同じように刃の部分が発光し、あっという間の2連続突き攻撃が敵右側に突き刺さる。リトルネペントのHPバーは50%近くまで減った。

そして私も自分の剣を握って攻撃をしかけた。まだソードスキルは使い方がわからないが、思うままに剣を振り上げて右から水平に振り回した。

いや、振り回そうとしたその時に、リトルネペントの触手が鞭の様に私を襲った。

 

 

「きゃぁぁぁぁ!」

 

 

普段は出せない高さの声なのに、こういう時にはちゃんと悲鳴が出るものだ。直接的な痛みは大した事が無いものの、大きく弾かれた様な衝撃感には驚いた。

この1撃だけで私のHPバーは50%を下回って黄色く色を変えている。つまり同じ攻撃をもう1回食らったら私は死んでしまう。死んでも大したデメリットは無いと思ったが、もしも死んでしまったら、はじまりの町にある<黒鉄宮>の<蘇生者の間>に戻されてしまう。またここに1人で帰ってきて合流するのは非常に骨が折れる。

だがその追い込まれた状況に気付いたグリフォーがリトルネペントの背後に向かって突進してきていた。

 

 

「アバランシュ!でぇぇりゃぁぁぁ!」

 

 

両手剣の単発重突進攻撃がヒットし、背後攻撃のボーナスがついたのだろうか、リトルネペントは残りHPを無くして一瞬うめき声が上がったかと思ったら、すぐさま青く輝くポリゴンへとその姿を変え、そして爆散した。目の前に取得経験値のウインドウが表示された。

 

「さすが隊長!強えーな!」

 

とナオトが驚きと羨望の目で見る中、サヤナから回復用のポーションを渡されて、言われるがままにそれを飲み干した。味はなかなかおいしい。

 

 

「危なかったな。でももう大丈夫だ。

 敵の動きをよく観察して、敵が攻撃を出した後の隙を突けばいい。

 敵の攻撃は俺かナオトが受け流す事にしよう。」

 

『わ、わかりましたっ!

 ありがとうございます、グリフォーさんサヤナさんm(__)m』

 

 

それからは安定して<リトルネペントの1匹ずつ狩り>は上手く進んだ。付近ではポップしないフレンジーボアもたまに流れてくるが、これは――ノーダメージとはいかないが――1人でも倒す事が出来る様になった。

 

空がオレンジ色に染まりつつある中で何度目かの休憩を取っていた。ふと時計を見たらまもなく午後5時半になろうとしていた。

 




コウメ Koume Lv.3
片手用直剣 166
隠蔽 30

グリフォー Griffo Lv.5
両手用剣 238
軽金属装備 165
武器防御 93

ナオト Naoto Lv.3
片手用直剣 220
盾 192

サヤナ Sayana Lv.4
両手用重槍 241
片手用曲剣 87

※数値は適当ですが、この様なイメージで進めています。
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