本局に着いた俺となのはちゃんがまず向かったのは、俺の古巣でもある「本局査察部」だった。
「こんばんはー」
「アレ?一輝クン?久しぶりだね。どうかした?」
俺たちを出迎えたのは、アコースさんだった。
「お久しぶりです。ちょっと頼みたい事があって」
「唐突だねぇ、君が僕に頼み事をするときは、大抵無理な頼み事なんだよね」
「だから頼んでるんですよ」
俺は先程の事をアコースさんに話した。
「なるほどね……押収したカプセルを見たいから、査察の名目で堂々と探したいと…」
「どうですかねぇ、やってもらえますか?」
「やってやれないことないけど……難しいかもしれないよ」
「え、何で⁉」
「管理部って言えば、本局だけじゃなく時空管理局の中で最も警備が厳しいんだ。いくら臨時査察って言っても、少し無茶かな」
「アコースさん、前に俺が無茶な頼みをしたとき、何て言ったか覚えてます?」
「…何だっけ?」
「無茶かもしれないけど、無理じゃない。ですよ」
「またそうやって君は……分かった。ただし、どうなっても知らないよ」
「大丈夫ですよ。もし邪魔者が現れたら、全力で排除するだけです」
「「それはダメ‼」」
アコースさんとなのはちゃんに全否定された。
アコースさんを筆頭に、管理部の臨時査察という名目での潜入に成功した俺たちは、早速例のカプセルを探し始めた。
……カプセルは、思いのほか早く見つかった。
(俺が思った通りだ。となると、この中は……)
すると、カプセルから映像が映し出された。
「いらっしゃると思っていましたよ、姫矢一輝。いいえ、ウルトラマンノア」
「ああ、来てやった。久しぶりだな、ユザレ。って言っても、俺が会ったアンタは別の世界のアンタだがな。その別世界の記憶を持っているとなると」
「はい、私は黒の残渣に触れ、平行世界の自分の記憶を共有しています」
「その、黒の残渣ってのはなんだ?」
「それは、世界を創造し、また破滅へ導くものの力の残骸。あなたならば、そのものが何者であるか分かるはずです」
多分……奴の事だな。
「そうか、分かった。…所で、このカプセルを持っていたレキとヴィヴィオについて、何か知らないか?」
「レキは、光の巨人。ウルトラマンティガそのもの。しかし、彼の中には、強大な闇を秘めています。何としてもアレを、彼らを甦らせてはならない。このままでは…世界は……」
突然カプセルが破裂した。自然になったものではない……これは、魔力弾⁉
暗闇から次の魔力弾が狙ったのは……
「なのはちゃん‼」
俺は魔力弾からなのはちゃんを守るために、彼女に覆いかぶさったが、俺は左肩に弾を受けてしまった。
「一輝くん、大丈夫⁉」
「こんなの、大したことねぇよ…」
「一輝クン、君人気者だねぇ」
俺たち三人は物陰に身を潜めて、脱出の機会を覗っていた。すると……
「姫矢一輝一等空尉、騒乱準備罪で、あなたを逮捕します‼」
……………は?
「なぜ俺が捕まらなきゃならねぇんだよ‼」
俺は物陰から言う。
「あなたは許可なくウルトラマンの力を使った。ウルトラマンも立派な質量兵器です‼」
そんなの、ただのこじつけじゃねぇかよ……
「違う‼ウルトラマンは兵器じゃない‼……お前らはウルトラマンの力が欲しいだけだろ。本当は、ウルトラマンの力が欲しくてたまらない…結局、力に溺れて堕落していくのが目に見えてる」
そう、こいつらは魔法に頼りたくない奴らの集まり……地上本部の奴らだ。
「隠れてないで出てきたらどうだ?地上本部局長、レジアス・ゲイズ中将‼」
局員の後ろから一人の男が歩み出た。
「なぜ分かった?それと、君も隠れていないで出てきたらどうだね、姫矢一輝」
俺はウルトラマンの力でなのはちゃんとアコースさんに念話で話し始める。
(なのはちゃん、アコースさん、俺が時間を作る。その間に逃げるんだ)
(ダメだよ一輝くん。一緒に帰るの……私は、一輝くん一人置いていくなんて出来ない)
(僕も同感。僕は君に巻き込まれたんだから、巻き込んだ責任は取ってもらうよ)
(はぁ……いいか悪いか分からないよ…)
(六課はそういう人しかいないからね)
(そっか、じゃあその仲間のとこに帰るために、少し本気出すかな)
俺は物陰から飛び出て次々と局員を倒していく。その時、俺は倒した局員の感覚に違和感を覚えた。
局員たちは全員、あの時と同じ「ビーストヒューマン」だった。
俺はレジアスの元にたどり着き、胸ぐらを掴む。
「おい、何でコイツら全員にビースト細胞を植え付けやがった……答えろレジアス‼……なぜだ‼」
「ワシは…死なん……ワシは…………貴様を…殺す‼」
レジアスの身体が徐々に変化していく。やがて、レジアスの変わり果てた姿がそこにあった。
「ダーク……ファウストだと⁉」
次回「人形-マリオネット-」