魔法少女リリカルなのはNEXUS   作:ノアJAM

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3000万年の復讐

 翌朝、俺はこの間に見た夢が頭から離れずにいた。

 

(やっぱりあれは……アイツの……いかんいかん‼今は任務に集中だ)

 

「一輝くん、どうしたの?」

 

「あ……何でもない。…一応、何が起きても対応できるようにしておくか」

 

 俺となのはちゃんは、地上本部内の警備。ヴィータとスバル、ティアナの三人は屋外の警備を担当すことになったため、念話で連絡する事にした。

 

(三人とも聞こえるか?何が起きても対応できるようにしといてくれ)

 

(了解。でも一輝、今日のお前、様子が変だぞ。大丈夫か?)

 

(ああ、大丈夫だ。とにかく、何かあったら、すぐに俺に連絡してくれ)

 

 その後、程なくしてフェイトちゃんたち当日組と合流し、屋内警備は俺と隊長二人、屋外は副隊長二人とフォワード四人という編成になった。

 

 因みに、はやてちゃんは万一に備えて、ロングアーチで待機することになった。

 

 

 

 ミッドチルダ郊外に異常反応が検知されたのは、陳述会が始まって間もなくだった。

 

 その反応は、地上本部のみならず本局や各観測所、無論、機動六課の観測システムにも検知された。

 

「何が起こったん⁉」

 

「現在確認中……映像、出ます」

 

 その映像を観たはやては…

 

「何や……コレ、……巨人が、怪獣を連れとる」

 

 

 

 同じ頃、俺も異常な力を感じ取り、全体通信をかけた。

 

「こちらウルティメイト1、全員デバイスを展開しろ‼来るぞ…闇の使者が‼」

 

 すると、ティアナから通信が入る。

 

「一輝さん、空から鳥の大群が接近中です‼」

 

「ティアナ、そいつの画像か映像をすぐ送ってくれ。出来るだけアップで頼む」

 

 そして、すぐに画像が届き、俺はそれを確認した。

 

「やっぱりか……ザギ、コレがお前のやるべきことなのか?」

 

 俺は再度、全体通信をかけた。

 

「全員気を付けろ‼あの鳥は、シビトゾイガー。人間喰っちまうからな…死にたくなかったら、全力で叩き落せ‼」

 

(あのゾイガーなら、魔導士でもなんとかなるが……一応)

 

「なのはちゃん、フェイトちゃん。二人は外のゾイガーを叩いてきてほしい」

 

 二人は俺の指示を聞いてはいたが、地上本部のシステムダウンで屋外に出られない状況にあった。それに、今いるのは地上30階。

 

「エレベーターを使わなきゃ出られないし、地上本部内でのデバイス展開は禁止。どうしようもないよ」

 

 なのはちゃんがここまで落ち込むなんてな。

 

「諦めるな。……一人いるだろ?デバイスを使わなくても、この状況を打破できる奴が」

 

 まあ……俺だ。

 

「こんな扉、蹴り破ればいいだろうが……下がってな」

 

 俺は少し下がり、助走を付けて扉に向かって飛び蹴りをする。その威力は、並の怪獣なら一撃で撃破出来る程だった。モーションは完全に「レオキック」だが。

 

「エイヤァァァァァ‼」

 

 扉は見事に粉々になった。同時に、六課以外の局員の自身も粉々になった。

 

「行くぞ」

 

「行くぞって……ここ30階だよ‼どうやって降りるの⁉」

 

「こうやって……よっと」

 

 俺は右肩になのはちゃん、左肩にフェイトちゃんを抱き上げる。

 

「「え⁉……一輝(くん)⁉」」

 

「しっかり捕まってろよ。衝撃注意‼」

 

 俺は女の子二人を抱えて飛び降りた。

 

 俺たち三人が外に出ると、そこは既に戦場だった。魔導士たちが次々とゾイガーを打ち落としていくが、ゾイガーは無限に現れているので、こちらが追いつめられる一方だった。

 

「コイツは……」

 

「こんなのって……」

 

「酷い……」

 

 その時、俺に個別通信が入ってきた。

 

「一輝クン、大丈夫?」

 

 アコースさんだった。

 

「アコースさん‼無事でしたか」

 

「本局は無事だよ。…それと、悪いニュースがあるんだ。本局は、今回の襲撃の対応を地上本部に一任するそうだよ。……つまり、本局からの応援は来ない」

 

「そうですか……分かりました。こっちでなんとかやってみますよ」

 

「本当は僕もそこに行ってあげたいんだけど、この間の事で監視がついてしまっていてね」

 

「本当、すみません。でも、ありがとうございます」

 

「一輝クン、絶対に無茶だけは……」

 

「やりませんよ。俺は自分にできる無理をするだけですから」

 

 アコースさんとの通信を終えた俺に、今度はロングアーチのはやてちゃんから通信が入る。

 

「一輝君、今すぐ六課に戻って‼」

 

「何があった⁉」

 

「こっちに巨人が現れたんよ。恐らく目的は、ヴィヴィオとレキや」

 

「巨人……アイツの差し金か‼わかった、すぐ戻る‼」

 

 俺はエボルトラスターを取り出し、変身しようとするが……

 

(そうはさせないよ、ネクサス)

 

(……‼お前か…ザギ‼)

 

(悪いが、君を行かせるわけにはいかない。君には、彼らの相手をしてもらうからね)

 

 破壊された瓦礫の中から、サイボーグ化した恐竜「ウェポナイザー1号・2号」が出現した。

 

(テメェ……この星を丸ごと吹っ飛ばすきか‼)

 

(とんでもない。私は君を信じているんだ。君ならば、ウェポナイザーを倒せるはずだとね)

 

(つまりは、足止めってことか。俺に巨人たちの相手をさせるわけにはいかないってところか?)

 

(フフフ……ダーラムとヒュドラはただの前座さ。本当に欲しいのは)

 

(ティガ……だな)

 

(正解…流石だよ……さあ、ショータイムだ‼)

 

 俺は………………

 

「ロングアーチ、もう少し耐えてくれ。ザギ……俺は絶対にもう世界に絶望なんかしねぇ‼守ってみせるさ……俺は俺だ……ウルトラマンノアだ‼…行くぜ……ネクサァァァス‼」

 

 ネクサスに変身した俺は、速き青の戦士・ジュネッスブルーにスタイルチェンジした。

 

「邪魔だ……どけぇぇぇぇぇ‼」

 

 俺は、迫るウェポナイザー1号・2号に、最も貫通力のあるオーバーアローレイ・シュトロームを撃ち込み、二体のウェポナイザーは内部の中性子爆弾ごと原子分解して消滅した。

 

 俺はすぐに六課隊舎に向かって飛び立った。

 

(レキ、ヴィヴィオ……無事でいろよ)

 

 

 

 機動六課隊舎

 

「一輝君……早う戻ってきて」

 

 二体巨人・「剛力戦士ダーラム」、「俊敏戦士ヒュドラ」がシビトゾイガーを率いて迫る。

 

 はやては、リインとユニゾンし、ゾイガーを撃破していくが、ウルトラマンと同等の力を持つ闇の巨人には敵わなかった。

 

「リイン、一輝君が戻るまでもうちょいがんばろうな」

 

「はいです‼」

 

 現状、六課隊舎に残った魔導士ははやてのみ。とても二巨人と大量のゾイガーを退ける事は絶望的だった。

 

 その頃、レキはヴィヴィオとともにシャマルに連れられ避難していた。

 

「二人とも、大丈夫?もう少しだからがんばろうね」

 

「なのはママ……フェイトママ」

 

(このままじゃダメだ。いくらはやてさんでも、あの巨人を倒すことは出来ない。……だったら‼)

 

「シャマル先生、ヴィヴィオをお願いします。……僕は、戦います‼」

 

「ダメよレキ君‼もうすぐ一輝君が来てくれるわ」

 

「一輝さんが来る頃には、ここは全滅します‼僕が戦えば、時間稼ぎくらいはできます‼……ヴィヴィオ、お兄ちゃんはちょっと行ってくるけど、大人しく待ってるんだよ」

 

「お兄ちゃん……」

 

 レキはスパークレンスを取り出した。

 

「一輝さん、僕は信じています。……だから、僕も戦えるんです。……僕に力を…守りの力を……ティガァァァァァ‼」

 

 その瞬間、レキは光に包まれた。

 

 

 

 「クククク……ハハハハハハハ‼遂に…遂に‼さあ、ダーラム‼ヒュドラ‼……ティガを、君たちの裏切り者を倒すのだ‼そして、失われた仲間を取り戻せ‼」

 

 ザギは、ダーラムとヒュドラにティガを倒せと命じたその目には、涙が浮かんでいた。

 

(私は……俺は復活しなければ……そうすれば俺は…お前と……)

 

 

 

「アイツ…ティガになったのか……クソッ‼もっと……もっと速く飛べ‼手遅れになる前に‼」

 

 俺は、ザギがレキを…ティガを欲する理由に検討はついていたが、何としてもザギの思惑通りにさせる訳にはいかない。

 

 

 

 ウルトラマンティガに変身したレキは、ダーラムとヒュドラの前に立った。

 

「ここはやらせない‼僕は、皆を守る‼」

 

 ティガはダーラムに突進していった。しかし、ダーラムはティガの拳を簡単に受け止めた。

 

「……‼そんな‼」

 

「……マイ……フレンド」

 

 ダーラムが呟いたと同時に、ダーラムの強烈な拳がティガに叩き込まれた。

 

 ダーラムの拳が強すぎたのか、ティガのカラータイマーが点滅を始めた。

 

「……ダメだ……僕じゃ…勝てない」

 

 ティガはそのまま倒れ、レキの姿に戻ってしまう。同じくダーラムも人間体になり、レキが握っていたスパークレンスを金色から黒に染め上げた。

 

「そんな……僕は……」

 

 レキは意識を失い、ダーラムはその場を去っていった。

 

 一方、ヒュドラは人間体で六課隊舎を探し回っていた。そして、ヒュドラは見つけた。多くの非戦闘員の中で震えているヴィヴィオの姿を。

 

 ヒュドラは持ち前のスピードで、次々と非戦闘員を倒していく。だが、一人も死者を出すことはなかった。そして、ヴィヴィオへ手を伸ばそうとした時、

 

「そうはさせん‼ディオォォォ‼」

 

 白い光の槍がヒュドラを襲う。それは、盾の守護獣・ザフィーラだった。

 

「邪魔をするなぁぁぁ‼」

 

 ヒュドラの高速な蹴りは、威力は大したものではないが、スピードと確実に急所を狙った正確なものだった。

 

 ザフィーラも倒し、ヴィヴィオの意識も失わせたヒュドラは、ティガを倒し合流したダーラムとともに撤退した。

 

 

 

 俺が六課に戻った時には既に壊滅状態だった。

 

「また……守れなかった……。……‼あれは…」

 

 俺はネクサスから姫矢一輝に戻り、倒れているレキと抱き上げているはやてちゃんの元に駆け寄る。

 

「はやてちゃん‼無事だったか…」

 

「一輝君、来るの遅すぎるよって」

 

「すまない……レキは?」

 

「大丈夫、気絶してるだけみたいや」

 

「そうか、良かった……中を見てくる(皆、生きてろよ)」

 

 俺は隊舎内を探し回り、六課スタッフ・シャマル先生・ザフィーラを救出したが、ヴィヴィオの姿を見つける事は出来なかった。

 

 

 

 その夜、管理局全方面に向けて、スカリエッティの犯行声明が送られてきた。

 

『時空管理局の諸君、私はジェイル・スカリエッティ。私の送ったプレゼントは気に行ってくれたかな?……いやはや、恨みというのは恐ろしい。死を迎えても、封印されてからも3000万年も経つというのに。私は君たちには何の恨みもないんだ。今回の事は、彼らが勝手にやった事。彼らが言うには、今回は復讐のほんの幕開けに過ぎないようだよ。私は、彼らの復活と復讐に手を貸す代わりに、新しい研究材料が欲しいと頼んだ。彼らはしっかり私の頼み事を果たしてくれた。……見たまえ』

 

 そこには、六課から行方不明になっていたヴィヴィオが映し出された。

 

『この子には、超古代戦士カミーラの遺伝子が組み込まれている。それと対となるもう一人の超古代戦士ティガを欲しているんだ。だから、ティガをこちらに渡してくれないかい?……と言っても、君たちは渡してくれないだろうね。だから、個別に頼もうじゃないか。……時空管理局最強の戦士、ウルトラマンネクサスこと姫矢一輝君。君なら分かっているよね?私が言いたい事、私の目的、私の居場所を。なぜなら、私と君は別の存在であり、同じ存在なのだから。……では、楽しみにしているよ』

 

 同じだと?……ふざけるな。

 

 スカリエッティ=ダークザギの声明を、負傷したメンバーが収容されている病院で聞いていた俺は、唇を噛みしめた。

 

(これはアイツからの挑戦状だ。だが、ザギはティガを手に入れて何をしようってんだ?直感的に目的がティガだとは思っていたが、奴はヴィヴィオを連れ去った。……ここで考えてもアレだな。屋上で風に当たって考えるか)

 

 俺は、ベッドで眠っているレキを見てから屋上に向かった。




次回、第16話「決意-ディサイド-」

登場ウルトラマン ウルトラマンネクサス

登場怪獣     なし
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