レキがティガダークに変身したことで、ルルイエに封印されていた闇が解放された。
自身の姿を見たレキは驚愕した。
すると、目の前に巨人化したダーラムとヒュドラ、そして人間態のまま浮遊しているヴィヴィオ=カミーラが現れた。
「レキ、あなたのおかげで闇が解き放たれた。さあ、私たちと一緒にこの世界に恐怖と絶望を」
「僕は……お前たちとは違う。僕はお前たちを…倒す‼」
「たった一人きりで何が出来るというの?」
ヒュドラが前進しようとしたが、ダーラムが制止する。
「待て、俺が行く……マイ…フレンド‼」
ダーラムはティガへ突進し、強烈なタックルを浴びせようとするが、ティガは回避する。すぐに反撃するティガ。しかしダーラムはティガの攻撃を軽々と防ぎ、キックでティガを転倒させ、自慢の怪力でティガを持ち上げ、元は海だったのだろうか、ティガを持ち上げたまま地面を液状化させて海中へと沈んでいった。
ルルイエに向かう「アートデッセイ号」には、これまでの次元航行艦にはない武装、「デラック砲」が装備されている。その力は、従来最強武装と言われる「アルカンシェル」を軽々と超える。
そんな切り札とも言える船に、はやてを始めとする機動六課の魔導師、サポートのロングアーチ、艦長として本局提督「クロノ・ハラオウン」。そしてこの船を六課に回した査察官「ヴェロッサ・アコース」が乗り込み、ルルイエに向かっていた。
その気配を察知したカミーラは……
「愚かしい人間共、お前らに用はない‼」
カミーラは、ルルイエに生息している怪鳥・シビトゾイガーを向かわせた。
「ルルイエ内の遺跡からゾイガーの大群が出現、向かってきます‼」
「大丈夫や、皆慌てずに。ほな、クロノ君、頼むで」
「ああ……各砲座スタンバイ、ゾイガーの大群に一斉砲撃‼」
クロノの声と共に、搭載された魔力砲が一斉に放たれ、迫り来るゾイガーを次々に撃ち落としていくが、免れたゾイガーが群れを成してアートデッセイの後部に張り付く。
すると、アートデッセイのシステムが次々とダウンしていく。ゾイガーは船のエンジンを狙っていたのだ。
「エンジンを狙うなんて、相当頭がイイみたいだね」
「感心してる場合ちゃうでロッサ‼」
「はやて‼私たちが外に出て撃ち落としてくる‼エリオ、キャロ、サポートをお願い」
「「はい‼」」
フェイトたちは外へ出ようとするが、シグナムが却下する。
「無理だ‼メインシステムがダウンしている。ウイングゲートが作動しない‼」
ゲートが開かなければ、外に出てゾイガーを倒すことは出来ない。
「……一輝さん……」
「……?ティア?」
「私、諦めない。絶対に……一輝さんなら、絶対に諦めない‼」
「全システム、機能停止。アートデッセイ号、墜落します‼」
ゾイガーの大群に成す術なく機能停止したアートデッセイ号は、徐々に高度を下げていく。
アートデッセイ号は……
一方、闇の力によって「ザギ・イージス」を得た暗黒破壊神ダークザギは、俺=ウルトラマンノアと同等の力を得た事でより強力になっていた。
「ノア・サンダーボルト‼」「ザギ・サンダーボルト‼」
「グラビティ・ノア‼」「グラビティ・ザギ‼」
「ノア・インフェルノ‼」「ザギ・インフェルノ‼」
力も技も全くの互角、このままじゃルルイエが崩壊しちまう‼とりあえず、場所変えないとな…
互いの技を相殺し合っていた俺とザギ。俺は時空を超える大技「ディメンション・ノア」で戦いの場を変えようとした。だが、発動しかけた瞬間、ザギは動きの止まった俺に「ザギ・シュート」を撃ち込んだ。回避しきれなかった俺は、空へ飛ばされた。
飛ばされた先には、なのはちゃんたちが乗る「アートデッセイ号」がゾイガーの大群に襲われ、墜落寸前だった。
(やっぱり来たのか。まあ、そういうやつらだもんな)
すると、追撃に来たザギがアートデッセイ号を見つけると……
「お前の仲間か……なら、お前が大事にしている絆とやらをここで断ち切ってやる‼」
ザギは、アートデッセイ号に低出力の「ライトニング・ザギ」を発射した。墜落寸前のアートデッセイ号に、ザギの攻撃を防ぐことは出来ない。
俺は光線が到達する前に「ノア・ギャラクシー」で呼び出した隕石群を盾にしてアートデッセイ号を守る。更に周辺のゾイガー群を「シャイニング・ノア」で消滅させた。
「中々やる。それでこそ俺の宿敵だ」
「ザギ、お前は本当にこんな事をしてまでレイナちゃんを救いたいのか?」
「姫矢一輝……貴様には分かるまい。誰からも好かれ、求められ、ノアの力を手に入れただけでなく、守るもののある貴様に、俺のことを理解できるわけがない‼」
俺は、アートデッセイ号が遺跡内へ突入したのを見届けると、ザギに向き直る。
「ザギ……いやリョウガ。俺は考えていた。実際、俺とお前に違いなんかないんだよ。もし、あの時に俺が闇に心を支配されていたとしたら、俺がダークザギになっていたかもしれない。……それは、今の俺とお前の立場が逆になるだけだって」
「なぜ……そんなことがお前に分かる?」
「俺とお前は、同じ存在だから。……5万年前、お前が言った言葉だ。お前がレイナちゃんを愛したように、俺にも愛する人がいる。お前は造られた命でも、皆と同じ心を持った人間なんだよ」
「そんな訳がない‼……俺は戦うためだけに造られたウルティノイド。自己進化プログラムを組み込まれているだけの人造ウルトラマンだ‼」
「なら何で、何でお前は今泣いているんだよ‼」
「何?」
ザギの目から、光の滴が流れているのを、ザギ自身気づいていなかった。
「ただのプログラムなら、心も感情の変化も無いはずだよな?でも今、お前は怒り、悲しみ、愛する人を失って暴走している。この現象はどう説明するんだ?今のお前にはちゃんと心がある。人造ウルトラマンのウルティノイド・ザギじゃない、お前はリョウガ……人間のリョウガなんだよ‼」
ザギは動揺を隠せないまま、拳を握り俺に迫る。
「黙れ‼……俺は貴様に…ウルトラマンになりたかった‼だから、貴様の光で俺がウルトラマンノアになる。そしてレイナを救い、いつまでもアイツの傍に……その邪魔をするというのなら…‼」
ザギは最大出力の「ザギ・スパーク」を発生させながら俺(ノア)に迫る。
「死ねぇぇぇ‼ウルトラマァァァァァァァァン‼」
「お前だって……ウルトラマンだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
俺は「ノア・スパーク」を纏わせた拳で哀しきウルトラマンに殴りかかった。
そして二人の神は、地上へと落下していった。
海底では、ティガダークとダーラムが戦い、ダーラムが優勢に立っていた。
光の心のまま闇の巨人に変身したことで、本来の力を発揮できないことに気づいたダーラムは、ティガに悪態をつく。
「闇の力を半端にしか使えない……哀れな奴だな」
「言ったはずだ。僕はお前たちとは違う……僕は、絶対に負けられないんだ‼」
ティガはダーラムへ突進していった。しかし、海底ということもあったのか、ティガの足が地面にめり込み、抜け出せなくなってしまった。
ダーラムはティガに跳び蹴りを浴びせるが、ティガは受け身を取りダメージはなかった。だが、身体は更に沈んでいった。
攻撃を次々に受け流していたティガだったが、遂に首以外沈んでしまった。
「グッバイ……ディア・マイ……フレェェェンド‼」
ダーラムは身動きできないティガに必殺技「ファイア・マグナム」を撃ち込んだ。その爆発に包まれたティガを見て、ダーラムは自身の勝利を確信した。
やがて、視界が開けていく。そこにはティガが立っていた。だが、ティガダークとは細部が異なっている。全体的に黒を基調としているが、そこに赤くラインが入っている。
それは、ダーラムの闇の力を光に変換して吸収した姿「ティガトルネード」だった。
自分の力を吸収され、逆上したダーラムはティガへ突進する。
ティガは両手に間に光の球を作り、ダーラムへ放った。
ティガトルネードの「デラシウム光流」を受けたダーラムは爆散・消滅した。
次回、第19話「俊敏-ブラスト-」
登場ウルトラマン ティガトルネード
登場怪獣 俊敏戦士ヒュドラ