シビトゾイガーが取り除かれたことで、アートデッセイ号の機能は全て回復した。
「クロノ、メインシステム全機能回復。いつでもイケるよ」
「ふぅ……ウルトラマンに感謝だな。さて、ここからが本番だ。デラック砲スタンバイ‼……ゾイガーの出口に向かって、デラック砲、発射‼」
アートデッセイ号の最高火力武装「デラック砲」が放たれ、ゾイガーの出現は塞き止められた。
(ありがとう一輝くん。……ヴィヴィオ、今行くからね)
なのはは心の中で決意を固めた。
ダーラムを倒したティガトルネードは、海底から地上に出た。
だが、そこにはヒュドラとカミーラの姿はない。すると、ティガの背後からヒュドラが襲い掛かる。
ヒュドラはティガを捕らえ、そのまま自身が作り出した夢幻空間「ルマージョン」へと引きずり込んだ。
ルマージョンはまるで小惑星群のような空間が広がっており、ティガとヒュドラはその中を進んでいく。
スピード自慢のヒュドラには、この空間が最も力を発揮できる。
スピードと力に圧倒されるティガは徐々に追い詰められていく。
ティガは小惑星上でハンドスラッシュを放つが、ヒュドラに軽々と回避されてしまう。それに対してヒュドラは青白い破壊光弾「バルテスター」を放つ。
ティガは回避したが、小惑星は爆散し、その衝撃でティガは別の小惑星に不時着する。
「この裏切り者がぁ…死ねぇ‼」
そこに降り立ったヒュドラは、必殺光線「ヒューガスト」を放とうとするが、遺跡外から放たれたデラック砲の爆風がルマージョンにも影響を与え、空間が崩壊、二人の巨人は爆風で投げ出された。
立ち上がったヒュドラは、再度ティガに「ヒューガスト」を放つ。
「今度こそ、その命……もらったぁ‼」
対するティガは自身の身体で光線を受け止め続ける。その時、ティガの身体が輝きだす。
その輝きにヒュドラは、ティガから目を背ける。
ヒュドラが再度ティガを見た時、ティガの姿は赤と紫のラインに黒の頭部とプロテクター。それは、ヒュドラの闇の力を吸収した姿「ティガブラスト」だった。
ティガのさらなる進化を目の当たりにしたヒュドラは、最大出力でもう一度ヒューガストを放とうとする。
しかし、ティガはそれよりも早くヒュドラにエネルギー弾「ランバルト光弾」を放ち、ヒュドラは爆散した。
デラック砲でゾイガーをの出口を塞ぐことに成功したアートデッセイ号では……
「クロノ君、このまま艦をお任せしてもええ?」
「ああ、船乗りの本領発揮だ。任せてくれ」
「うん……フェイトちゃん、シグナム、ヴィータ、うちらで中に突入するよ」
はやてたちが出撃しようとした時、なのはが立ち上がって言った。
「待って‼私も行く」
こうして、各隊の隊長・副隊長で遺跡内へ突入した。
俺が目を覚ますと、「姫矢一輝」の姿に戻っていた。
すぐそばに倒れていたザギも「リョウガ」の姿になっていた。俺はリョウガの顔を見て驚いた。
俺とリョウガは、全く同じ顔をしていたからだ。
(初めてザギと戦った時も、俺と同じ顔をしていた……でも、あの時は俺に変身しているだけだと思ってたけど、マジモンの素顔だったって訳か)
「無様なものだな……」
リョウガが口を開いた。
「貴様と同じ力を得ても、勝つことが出来なかった。愛した女一人守れなかった。俺にはもう、貴様と戦う理由も、失うものもない。……さあ、俺を殺せ」
俺はブラストショットを構え、光弾を発射した。
しかし、光弾はリョウガを貫くことはなく、すぐ横の岩を砕いただけだった。
「……何のつもりだ?俺は殺せと言ったんだ」
「それは……出来ない。言っただろ、お前もウルトラマンだって。たとえ生まれ方が違くても、愛するもの、守りたいものを持っているのなら、それはウルトラマンなんだよ。俺は、ウルトラマンを殺すことは出来ない」
「甘すぎる……その甘さがいつか自分も、他のものも失うことになる」
「だとしても……それでも絆は消えない。誰かが生きている限り、人の想いや絆が消えることなんてないのさ。……なぁ、リョウガ。俺、思うんだけどさ、俺とお前、ノアとザギとの間に、もう絆は生まれてるんじゃないかって。お前はもう、闇の巨人じゃない。だから俺は、お前を殺さない。これからの道は、お前自身が正しいと思う道を進め。……じゃあな」
俺はリョウガをその場に残して仲間の元に向かった。
その場に一人座り込んでいるリョウガは、少し優しい顔をして呟いた。
「絆……か」
次回、第20話「愛-マルチ-」
登場ウルトラマン ウルトラマンティガ
登場怪獣 愛憎戦士カミーラ シビトゾイガー