魔法少女リリカルなのはNEXUS   作:ノアJAM

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最近、「城下町のダンデライオン」と「仮面ライダークウガ」のクロス小説を始めました。

2作同時進行は、中々難しいものです。


それでは、どうぞ


その力は誰のために

「私は‼私はもう、誰も傷つけたくないから……だから、強くなりたいんです‼」

 

 訓練場で、デバイス「クロスミラージュ」を構えたティアナが俺に言う。

 

 なぜこのような事になっているのかと言えば、事の発端は、ゴルゴレムを倒した後の任務、「ホテル・アグスタ」での任務だった。その時、俺は任務から外れていたから、ヴィータから聞いた話だ。

 

 

 

 「ホテル・アグスタ」に到着した六課の隊長たち、フォワードたちは各配置につき、警備を担当した。

 

 その時、遠くの空から生物の大群が現れた。その生物は、ミッドチルダに存在していない種だった。それもそのはず、これは唯の生物ではなく、「超古代怨霊翼獣・シビトゾイガー」だったのだから。隊長たちはホテル内の警備だったため、ゾイガーの大群の相手は、フォワード4人に加え、シグナム・ヴィータ・ザフィーラがすることになった。

 

 7人の活躍で、確実にゾイガーの数は減っていく。その時、「それ」が起きた。

 

 スバルとティアナがコンビネーション技「クロスシフト」を行った時、ティアナが撃った弾丸の1つがゾイガーを捉えずに、そのままスバルへと向かっていく。

 

 スバルを撃ち抜いてしまうと思われた弾丸は、間一髪の所でヴィータが弾丸をデバイス「グラーフアイゼン」で弾き、ゾイガーを消滅させた。

 

「ティアナ、このバカ‼ミスした上に味方撃ってどうすんのさ‼」

 

「あ、あのヴィータ副隊長、今のもコンビネーションの1つで……」

 

 スバルがティアナのフォローをしようとするが……

 

「そんな訳あるか…直撃コースだよ今のは‼…もういい、後はアタシがやる。2人まとめて、引っ込んでろ‼」

 

 「ホテル・アグスタ」での任務は、ゾイガーを撃破したことで無事に終了したらしい。

 

 

 

 例の任務から数日後、摸擬戦の日が訪れた。

 

「今回の摸擬戦も、一輝が相手になるから、今までの練習の成果を見せてあげてね」

 

「ま、そういう訳だ。よろしくな……今日は、このままの姿で相手してやる。まず、スターズから始めるか」

 

 何で今日が「姫矢一輝」の姿かというと、魔導士相手には基本的に、人間の姿で足りるからだ。

 

「はい‼…行くわよ、スバル‼」

 

「おう‼」

 

 何だ?コイツら、妙に気合い入ってるな。……ちょいと気を付けるか。

 

 

 

 摸擬戦が始まって早々、俺は2人の変化に気づいた。動きだけ見れば、良い方向の変化だが、明らかに今までなのはちゃんが教えてきたフォーメーションと違っていた。

 

 俺はとりあえずスバルの鉄拳、ティアナの銃弾を回避するか弾き返すかで防いでいく。すると、スバルは勝負に出たのか、一直線に向かってくる。

 

「リボルバァァァァァ……シュート‼」

 

 俺は拳をサークルバリアで防ぐ。その間、俺の死角からティアナがクロスミラージュをダガーモードに切り替えて俺に襲いかかる。

 

(……ふざけるなよ)

 

 その瞬間、訓練場に爆音が轟く。音が止むと、皆が自分の目を疑った。

 

 なぜなら、俺がスバルの拳を胸で受け止め、ティアナのダガーを右肩に刺して2人を止めたからだ。……まあ、傍から見れば、防御せずに直撃受けたようなもんだが。

 

「何やってんだよ、2人とも」

 

 何でだか分からないが、自然に2人に対して言葉が浮かんでくる。

 

「戦いは、喧嘩じゃねぇんだ。訓練の時だけ指示通りに動いて、摸擬戦でこんな無意味な事するんなら、練習の意味なんてねぇよ。……なぁ、俺の言ってる事…なのはちゃんの訓練、何か間違ってるか?」

 

 すると、ダガーを解除したティアナがスバルの出していた「ウイングロード」に立って、銃を俺に向ける。

 

「私は‼私はもう、誰も傷つけたくないから……だから、強くなりたいんです‼」

 

「頭冷やせ……このバカが」

 

 俺はティアナに向かって「ボードレイ・フェザー」を放った。

 

「ティア‼……バインド?」

 

「そこを動くな。よく見てろ……これが敗北、実戦での敗北は……死だ」

 

 俺はもう一度、ティアナに「ボードレイ・フェザー」を放ち、ティアナは墜落する。

 

「摸擬戦は終了。2人とも、撃墜されて敗北。これが摸擬戦でよかったな。もし実践だったら、俺はお前らを殺していた」

 

 俺は訓練場を後にして、自室に戻った。

 

 

 

 自室に戻った俺は、ベッドに腰かけ……

 

「これでよかったんだよな?……俺には、こんな教え方しか出来ない。俺だって、もう誰も傷つけたくない、失いたくないんだよ」

 

 そのまま倒れこみ、眠ってしまった。

 

 

 

 その夜、俺は隊舎に鳴り響く警報音で目覚めた。

 

 すぐに管制室(ロングアーチ)に向かう。俺が到着すると、既に隊長たちが到着していた。

 

「悪い、遅くなった……んで、状況は?」

 

「最悪や。街中にいきなり現れて、しかも地底を泳いどる。避難させたくても、外に出れば、パクリっと喰われてまう」

 

「それで、どうする?……フォワード出すのか?」

 

 俺が問うと、なのはちゃんが否定する。

 

「今回出たのが巨大生物、怪獣なら市街地への被害を最小限に留めるために、一輝隊長に頑張ってもらう…かな」

 

「あの、俺に拒否権は……なんて言ってる場合じゃないか。分かった、俺が1人で行くさ」

 

「さすがウルティメイト隊隊長。頼りになるわぁ」

 

 わざと俺に行かせるようにしたんだろ?……このチビタヌ…部隊長は。

 

 などと思いつつ、俺はすぐに移動のため、ヘリポートに向かった。

 

 

 

ヘリポートには俺とフォワードの4人、それとシグナム姐さんがいた。

 

「今回の敵は巨大生物。しかも地底を泳いでるときた。だから、今回は俺1人で行く。フォワードは万一のために備えて出動待機。指揮はシグナム姐さんに。いいな?」

 

「「「はい‼」」」

 

「…はい」

 

「あぁ……それとティアナ。……お前は今回の待機から外れろ。今日は体調も魔力も全快じゃないだろう?」

 

「言う事を聞かない奴は、使えないって事ですか?」

 

「……分かってんじゃん、だったら」

 

「毎日の訓練や、任務の命令は聞いてます。…私は凡人だから、スバルやエリオみたいな才能も、キャロみたいなレアスキルもない。ましてや、一輝さんみたいな力もない」

 

 コイツ……何も分かってねぇよ。

 

「少しくらい無茶したって、死ぬ気でやらなきゃ、強くなんてなれないじゃないですか‼」

 

 俺は気づくと、ティアナを殴り飛ばしていた。加減はしたから大丈夫だとは思うが。

 

「何で殴れたか分かるか?……分からねぇんなら、分かるまで部屋にいろ」

 

「一輝‼お前は…」

 

「姐さんも思ったでしょ?コイツは一発やんなきゃだめだって。姐さんの代わりにやっただけです」

 

 俺はヴァイスさんのヘリに乗り、怪獣退治に向かった。

 

 残されたシグナムは、ティアナとフォワードに……

 

「お前たち、ロビーに来い。隊長たちが待っている。……教えてやるそうだ。アイツの、一輝の戦う理由を」

 

 

 

 現場に向かうヘリの中……

 

『なぁ、一輝さんよ』

 

「?…なんすか、ヴァイスさん」

 

『あ…いや…俺ら2人だけってのも珍しいと思って』

 

「そういや、そうですね」

 

『よかったら、教えてほしいだけどよ……その、アンタ何でそんなに命張って戦うんだ?』

 

「……もう何年いあや、何万年も前の昔話です」

 

 同じ頃、ロビーに集められたフォワード4人は、なのはの口からウルトラマン=姫矢一輝の過去が語られた。

 

「昔、ううん。昔と言っても、5万年も前の事。そこに、1人の高校生がいたの。その人はちょっと変わった学校に通っていたけど、それ以外は普通の高校生だった。でも、突然現れた怪獣スペースビースト。それを追ってその世界に来た光。特別な才能も、超能力を持っていた訳でもない。ただ人よりちょっとだけ積極性があっただけの16歳の高校生」

 

 ディスプレイに、とある世界で起きた戦いの歴史が映し出される。

 

「その人は、スペースビーストを追ってきた光とぶつかって、命を落としてしまうの。でも、光と1つになることで生き返り、スペースビースト=ザ・ワンと戦った」

 

 映し出されたもの……それは、一輝の変身するウルトラマンネクサスとは細部が異なっていた。そのウルトラマンはザ・ワンを撃破し、人間の姿に戻る。するとそこには、全員がよく知る人物が立っていた。

 

「あの人って……一輝さん⁉」

 

 声を上げたのはエリオだけだったが、フォワード全員が驚きを隠せなかった。

 

 なのはは続ける。

 

「当時の一輝くんは、今ほどいい加減な性格じゃなかったんだって。自分がウルトラマンである事以外は、普通の生活を送っていたんだって。でもある日、事件が起きた」

 

 画面が切り替わると、一輝の仲間たちを次々に倒していく巨人が映し出される。

 

 

 

 俺は、ヴァイスさんに戦う理由を話した。

 

『そっか……一輝さんも色んなもんを背負って戦ってたんだな』

 

「何か、しんみりした空気になっちゃいましたね。……それはそうと、そろそろ現場みたいですね」

 

『お、そうだな。じゃあ、しっかり頼むぜウルトラマン‼』

 

「はい‼もうこれ以上、誰かが傷つくのを見たくありませんから……じゃあ、行ってきます‼」

 

 俺はネクサスに変身し、街を襲う地底の鮫「ゲオザーグ」に立ち向かった。

 

「よう、よくも街をこんなにしてくれたなぁ……フカヒレになる覚悟はできてんだろうな?」

 

 

 

「一輝くん、自分の目の前で1人の女の子さえも守れなかった。その辛さと、人を襲う怪獣への強い憎しみから、闇の力を手に入れてしまった。その姿がこの…ダークメフィスト」

 

「だが一輝は、その前にウルトラマンに変身していた彼の父との絆によって、闇に打ち勝った。それからも、自分の居場所、大切な人々を守るための無茶を続けた」

 

 シグナムは続ける。

 

「自分が死ぬ可能性があるというのに、親友を闇から救うために、一輝は闇との対消滅を行うメフィスト・ファイナル。奇跡的に生還した一輝には、最後の戦いが待っていた」

 

「復活した暗黒破壊神・ダークザギ。一輝くんが変身するウルトラマン、ネクサスの本当の姿、ウルトラマンノア。今まで自分を支えてくれた全ての人々との絆を信じた一輝くんは、ウルトラマンノアに覚醒してダークザギを倒したの。でも、まだ全部終わっていなかった。ダークザギとの戦いで、本当の黒幕がいることを知った一輝くんは、たった1人で世界を旅して、今でもその黒幕をさがし続けてる」

 

 いつもいい加減ではあるものの、心の底に何かを抱えている事は、フォワード4人も理解していた。

 

「命を懸けても譲れぬ戦いというのは、確かにある。だがティアナ、お前がミスショットをしたあの時、自分自身と仲間の安全を考えても、どうしても撃たねばならない状況だったか?」

 

 ティアナは答えられない。そして、なのはが続ける。

 

「一輝くん、本当はすごく辛いんだよ。でも皆の前では、明るくいようって。今までも、これからも、皆や私たちの知らない所で、皆が安心して暮らせる世界を守るために、戦ってるんだよ」

 

 

 

 地底の鮫「ゲオザーグ」を倒した俺は、残骸を回収部隊に任せて、六課隊舎へと戻った。

 

 隊舎へ戻った俺を出迎えたなのはちゃんから最初に言われた事が……

 

「ごめんなさい‼一輝くんの過去…フォワードに喋っちゃった……テヘ」

 

「そっかそっかぁ、俺の過去を喋っちゃったかぁ。そりゃテヘで……済む訳ないだろ‼ダメでしょ、人の……じゃなくて、ウルトラマンの過去を勝手に話しちゃ。口の軽い女は彼氏の1人もできないぜ」

 

「はい……すみません」

 

「うん、分かればいい……そんで、ティアナは今どこにいる?」

 

「あぁ、ティアナなら……」

 

 俺はなのはちゃんからティアナの居場所を教えてもらい、その場所に向かった。




いかがでしたか?

今回は久しぶりに長くなりました。



次回「回想-ティーダ・ランスター-」

それでは、次回もお楽しみに
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