アリアサイド
にのまえとかいう奴が超能力であの壁を作ったって聞いて一瞬安心しちゃったけど…
やっぱりあの能力はおかしいわ‼
なにもないところから物を作り出すなんて!!もっと話題になってなきゃおかしい。
それにそれにもう一人の遠山ってやつ!!
なんなの、あの技!!
あんなのができるくせにEランクだなんて馬鹿げてる!!
とにかく二人とも要チェック人物だってことは確かね
もしかしたら探してるパートナーだってことも…
まあ、いまはそんなことはどうでもいいわ!!問題は…
「そこのあんた!さっきのこと、うやむやにはさせないわよ!!あれは強制猥褻!!
れっきとした犯罪よ!!」
絶対とっちめてやるんだから!!
キンジサイド
「お嬢さん、それは悲しい誤解だ。あれは不可抗力ってやつだよ。理解して欲しい。」
顔を真っ赤にしながら叫ぶお嬢さんに優しく話しかける。
ああ、やめてくれ、気持ち悪いんだよこの口調。にのまえだって見てるってのに…
「あ、あれが不可抗力ですって⁉ ハ、ハッキリと・・・・・・・・
あんた・・・・・・・・!!」
お嬢さんはいいながら睨み目になり、真っ赤になっている。
「あ、あたしが気絶してる隙に・・・・ふ、服をぬ、ぬぬ、脱がそうとしてたじゃないっ!!」
そんなに恥ずかしいなら言わなきゃいいのに、、、、
「そ、そそ、それに、む、むむ、むむむ・・・・・」
ババァン!!
わー!うつな!
「胸、見てたぁぁああああ!!これは事実!強猥の現行犯!!」
ぼふっと頭から噴火しそうな勢いで、お嬢さんはさらに赤くなった。耳まで真っ赤だ。
「あんた!いったい!なにする!つもりだったのよ!せ、せ、責任とりなさいよ!!」
…このお嬢さんは何か勘違いをしているようだ
「よし、お嬢さん、冷静に考えよう。いいか?俺は高校生、それも今日から2年だ。中学生を脱がしたりするわけないだろう?歳が離れすぎだ。だから、、、、安心していい」
噛んで含めるように優しく言うと、お嬢さんはわぁあー!と言う口になって両手を振り上げた。声が出てないのは絶句しているということらしい。
そして、ギギン!と涙目になって俺を睨みつける
「あたしは中学生じゃない!!
それにあたしはお嬢さんじゃなくてア!リ!ア!」
まずいな。 説得しようとしたが歳のことでさらに怒らせてしまったらしい。女というやつは実際より年上にみられると怒る習性がある。しかもこの子は凶暴だ。このままだとまた撃たれかねない。フォローしておいた方がいいだろう。
「……悪かったよ。インターンで入ってきた小学生だったんだな。助けられた時からそうかもなとは思っていたんだ。しかしすごいよアリアちゃんはーーーー」
勇敢な子だね、と続けようとした時・・・・今度は、がばっ。アリアが顔を伏せた。顔の上半分が影になって見えなくなる。そしてバシッと、両太ももに左右の手をついた。今度はなんだ?忙しい子だな。
「こんなやつ…こんなやつ…助けようとするんじゃ…なかった!」
バギュンバギュン!!
「うおっ!」
またも撃ち込まれた弾丸におれは青ざめた。いや、マジでやばいって…
「あ!た!し!は!高!2!だ!!!」
一難去ってまた一難だ。
「ま、まてっ!!」
さらに至近距離から銃を向けてきたアリアに、おれはむしろ飛びかかり、その両腕を両脇に抱え込んで後ろに突き出させた。
バリバリバリっ! がきんがきんっ!
「うわぁ!あぶねぇ!!」
なんかあせっているにのまえの声が聞こえたが今はそれどころじゃない。こっちをまずどうにかしないとっ…俺たちはそのまま取っ組み合うような姿勢になった。
「んっ、やぁっ!」
くるっ
体をひねったかと思うと、アリアは柔道で言う跳ね腰みたいな技で、体格差を物ともせず俺をなげとばした。
この子、徒手格闘もできるのか?しかもやたら巧い。
かろうじて受け身を取るとおれはその勢いを殺さず、校舎へと走り出した。
「逃げられないわよ!あたしは逃走する犯人を逃がしたことは一度もない!ーーーあ、あれ?あれれ、あれ?」
叫びながら、アリアはスカートの内側をわしゃわしゃと両手でまさぐった。
弾切れになった拳銃に再装填する弾倉
マガジン
を探しているのだろう。
「ごめんよ」
おれはさっき投げられた時にスっておいた予備弾倉を見せてみせる。
それを見てアリアは無用の長物となってしまった拳銃を上下にブンブンと振り回した。
やったな!やったな!という怒り動作らしい。
「もう!許さない!跪いて泣いて謝っても許さない!」
アリアは拳銃をホルスターにぶち込むとセーラー服の背中に手を突っ込み、ジャキジャキ!
そこに隠していた刀を二刀流で抜いて、なおも逃げ続ける俺に向かって走ってきた。
その直後
「っわぉきゃっ⁉」
勢いよく走ってきたアリアは、新種の山猫みたいな声をあげ、見えない相手にバックドロップをくらったように、真後ろにぶっ倒れた。
その足元にはアリアの弾倉から抜いて置いた弾丸がいくつも転がっている。
さっき弾倉を見せた時、ばらまいて置いたのだ。
「こ、このっ、、、、みきゃおっ!」
立ち上がろうとして弾を踏み、また両足が真上を向くぐらい勢いよくこけている。マンがみたいだな。
このすきにおれは、とにかく一目散に逃げることにした。
アリアは常人離れした戦闘力を持っている。だがいまは、怒りと羞恥心で冷静さを欠いている状態だ。
対する俺は『ヒステリアモード』
たとえ、100人のFBI捜査官からだって逃げ切れるさ。
そう思いながらおれは、背中で彼女の捨て台詞を聞き流すのだった。
「この卑怯者!でっかい風穴開けてやるんだから!!」
それが俺、遠山キンジと、後に『緋弾のアリア』として世界中の犯罪者を震え上がらせる鬼武偵、神崎・H・アリアとの……………
硝煙の匂いにまみれた、最低最悪の出会いだった。
アリアサイド
「もー、最悪!!」
セクハラはされるし!
小学生には間違えられるし!!
犯罪者には逃げられるし!!!
ほんとに最悪だわ!
でもまあ、あの遠山ってやつ、いくら気が高ぶっていたとはいえ
あたしから無傷で、しかもあんなに簡単に逃げるなんて、、、、
やっぱりただものじゃないわね…
でも!!
今度あったらこてんぱんにしてやるんだから!
そう思い、とりあえず校舎に向かおうと、立ち上がり、振り返ると……………
そこには地面にへたり込んだ、にのまえがいた。
ハジメサイド
僕は自分が出した未元物質を観察していた。
「へ~、外に出したらこんな風なんだなー」
翼の状態しか見ていなかったし、じっくり観察もしてなかったので、2人の話が終わるまで、ひまを潰そうとしていたわけだ。
だが…
「あ!た!し!は!高!2!だ!」
という叫び声と、キンジの
「ま、まて!!」
という焦ったような声が聞こえた次の瞬間
バリバリバリッ!ガキンガキンッ!!
銃声が響き、一発の銃弾が、ハジメの頬を、、、かすめた。
「うわぁ!あぶねぇ!!」
思わず叫ぶ。
驚いた拍子に、その場に尻餅をついてしまう。
自分の頬が大丈夫か、何度もさすって確かめる。
なんとか大怪我にはなっていないようだ。あぁ、良かった。
その間に、キンジはアリアをうまく撒いて逃げてしまった。
アリアは、キンジの背中に、なにか叫んでいた。
僕はというと、、、、、、、
腰を抜かしていた。
いや、だってね⁉考えて見てよ!
今までほとんど引きこもりのように過ごしていた僕が、頬を銃弾がかするなんていうことが起こって、平気でいられるわけないじゃないか!!
まあウージーのときは、弾がくるのがわかっていたし、自分の能力で自分を守れる自信があったからね、大丈夫だったけど…
ちょっとちびっちゃったかも…
まあなんにしろ、僕はいま自分で立つことができない。
神様~、ちょっと助けて~
(・・・・・・・・ぐぅ.zzzZZ)
寝てやがる…
ダメだこりゃ
するとアリアがこっちに歩み寄ってきた。
あー、まずい
アリアサイド
「あいつ、なにしてんのよ…」
あんなにレベルの高そうな超偵が、あんなことぐらいで動揺するとは思えない。
むしろ、あの弾をよけたんじゃないかと思ったほどなのに…
罠
自分はそこそこ名のある武偵だ。
これは自慢でもなんでもなく、事実である。今まで多くの犯罪者を捕まえて来た。その報復も、今までなかったといえば嘘になる。まあ全部撃退してきたけど…もしかしてこいつも…
そんな考えが頭にチラリと浮かんだが、その考えを振り払う。
それなら最初から助けなければいい話だ。あんなに危ない目をして飛び出して、あたしたちの盾になる理由がない。
そう思いアリアは、ハジメの元に歩み寄った。
ハジメサイド
どうする…
ふつうに腰が抜けたなんて言ったら、絶対疑われるだろう。
こんな力を持った超偵が、そんなに弱い訳がない、きっとそう思われてるはずだ。
ハジメは考える。
どうすれば言及されなくてすむのか、どうすれば怪しまれなくてすむのか、どうすればこの場から出ることができるのか、、、
元の世界ではほとんど使うことのなかった思考をこらし考える。
考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える
だが…
「ちょっとあんた、なにしてんの?」
アリアが、来た。
目の前で訝しげな視線を一
ハジメ
に向けている。
だが、ハジメはしゃべらない、否、しゃべれない。
下手にしゃべってボロを出す。
それが怖い。
元の世界での記憶が蘇る。
口下手だった僕を、面白がってからかうクラスメート、それを見る視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線
視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線
ただ、怖かった。
見せ物にされている。
自分より上の方に他の人がいる感覚。
動物園の動物になったような…
あんな思いはもうたくさんだ。
僕はこの世界で生まれ変わろうと思った。
だからこそ、さっきもしゃべるとき気をつけたし、自分でもうまくいったと思った。
でも、こういう場面になると、悪いくせが出る。
言葉が出てこない、表情が固まる、視線が泳ぐ、挙げ始めたらキリがない。
ハジメはまた考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考えた考えた考えた考えた考えた考えた考えた。
そして…
ハジメは、飛び上がった。
今日はここまで