THE NIGHT PRINCESS TAKE"2"   作:(´Д` )

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日本神話、邂逅

 

おぎゃあ!おぎゃあ!

 

 

....。

 

 

 

おぎゃあ!!

 

 

 

 

........。

 

 

 

 

おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!

 

 

 

 

 

 

 

「.....だああああああッッ!!UッSEEEEEEEEE!!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーー時は神代。場所は日向の橋の阿波岐原。

黄泉の帰りのイザナギは愛する我がイザナミの変わり果てた姿を見、追い出され、心身共疲労の極みであった。

 

とりあえずひとっ風呂浴びようと、身につけた物を脱ぎ捨て、体を清めた。

穢れを祓い、体を洗うイザナギ。

ーーーそこで唐突に、不思議な事が起こるのである。

なんと、体からボロボロと赤ん坊が産まれて行くではないか。

イザナギ、脳裏に浮かぶ混乱の極み。神徳万能説。かみさまぱぅわー。

 

よく見ると脱ぎ捨てた着物、帯、杖などからもボロボロ赤ん坊が産まれているではないか。

意味がわからない。これも神徳が成せる業なのか?小神者のイザナギにはとんと解らぬ。

 

 

 

 

それはともかく、ふんどしからも赤ん坊が産まれるのはどうなのか。

ふんどし太郎(仮称)の将来、他の神々からいじめをうけて挫けたり、道を外れたりしないかという、それっぽい親心や無償の愛を出してみたりはしたがとりあえず。

 

 

 

おぎゃあ!おぎゃあ!

 

 

 

おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ・か・ら!!!UッSEEEEEEEEEEEEE!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬱蒼と生い茂る木々、果てのない荒野、波打ち、さざめく海。

私ことレミリア=スカーレットは新たな意思と共に世界に戻ってきた.....戻ってきたハズなのだ。

しかし、どういう事か目の前に広がるのは屠られ、征服し、蹂躙の限りを尽くされた世界では無く、平和で、共するとさっきまでの懺劇を「全て夢だったんだ」と勘違いしてしまいそうだ。

 

多くの変化、混沌の消滅。

 

先程までの違いを挙げていけばキリがないが、自身に起きた一番の変化といえばーーー

 

 

 

「.....太陽が....拝める、か」

 

 

 

そう、ある種吸血鬼とは切っても切り離せない代名詞的弱点。

 

"太陽の光"

 

レミリアは広い青空の下、ある程度活動できる自由を手に入れていた。

ふと彼女は出発前、見知らぬ魔法使いから見知らぬ能力を与えられた事を思い出す。

 

「...あれ、本当だったんだ」

 

人差し指を唇にあて、むむん!と、熟考するがなんともかんとも、わけが解らぬ。

 

「カッコつけないで、もう少しお話しを聴いといた方が良かったかな?」

 

しかし、時既に遅し.....と、いうか正直ここ数時間の出来事全ての出来事が理解し難い経験ばかりだった。

まぁ、今更迷っても仕方が無い。何せ見栄まで張ってしまったのだ。

ぐるぐる廻る頭の中に一つ刺激でも与えようと、始めての経験、いつか聴いたハズのあの歌を真似てみようと思う。

 

 

「て〜のひらを〜たいよーに〜」

 

 

正直、始めての太陽というのはなんとも気怠さを伴うものであったがこれが存外、悪くない。

 

 

「てのーひらーにーたいよー」

 

 

掌越しの太陽は自身の血液と合わさりぼんやりと暖かい光で、そして綺麗だった。

 

"レミィ"

 

こんなに綺麗ならこの気怠さも悪くないかな、いい経験だなと更にぼんやりと考え、

 

"お嬢様"

 

どうせこんな経験をするなら「"みんな"と一緒がよかったな」と、独り言ち、

 

"お姉様っ!"

 

 

ならば仲間を助けてやらないとなしょうがない奴らだな。などとのんびり考え、柔らかな微睡みに身を任せるのだった。

 

 

 

ーーー天から下がり、地から上がる影。最後に見た太陽は暖かさ以上に、何故かじんわり、酷くぼやけて見えた気がしたのだった。

 

 

 

 

 

ぱちり、と目を開ける。どうやら少し、私は疲れていたらしい。ぐらぐらと重い頭の中、錆びついたかのように頭が回らない。

寝ぼけ眼で半開きな瞼を、ぐりぐりと上へ押しやる。

もう、夜だ。妖たる私は病気(肉体に関する)などとは無縁ではあるが、温室育ちの私には野宿はちとキツイ。

そこも、まぁしょうがないかと再度、大地と背中合わせになる。

 

 

 

 

ーーー星が、綺麗だ。星など見飽きているが、今日の星は格別綺麗だ。

何時も見る星とはなんというか、新鮮さが違う。

 

ふむ、と顎に手を当て暫し熟考する。

幾らなんでもおかしい、違いすぎる。

綺麗な星もそうだが、空に輝く巨星、月もおかしい。

.....なんだか、嫌に大きい.....月。

ともかく、寝転がっていてもしょうがない。

よっこらせと力を入れ、地面に手をつける。

 

 

"がさり"

 

 

?何かを掴んだ。

どうやら一枚の羊皮紙のようだ。

 

「"ゴメンなさいね"?」

 

書いている内容はコレだけ。なんだろう。誰に謝っている?大自然の中に人工物。

そんなものが私のすぐ側に落ちているというのはこれ即ち私宛の文書だろうか?筆跡がかなり新しい。

思考を巡らせ、暫し考える。とりあえず私がすべき事はーーー

 

 

 

"ぐー"

 

 

 

 

ーーーこの空腹を癒す事だろう...。

 

 

.....空腹とは、何とも現金なもので、こういうシリアル(誤字にあらず)な空気というやつを根こそぎ変えてしまう。それも、ぶっちぎりで。

こういう時、かの魑魅魍魎達はそこら辺を這いずる小動物を食べ、露を啜り、飢餓感を癒すのだろう。しかしこのレミリア、妖の前に貴族であった。

食わねば動けぬ事ぐらいわかっている、だが、自ら畜生に堕ちる事は他ならぬレミリア自身が許さなかった。

 

ーーーと、いう訳でレミリア、放浪。

 

当ても無く歩く。それも傍から見たら夢遊病患者のようにふらふらと。物音一つない常闇、やたらとクリアな視界の中、ただひたすら全力前進。

徐々に顕著になって行く飢餓感、喉が渇く。

 

"血"

 

あぁ、そうだ。血が欲しい。それも、とびっきりのヤツが良い。

血、といえばかつて私が戯れに起こした異変の後、すぐ口に含んだ血液。あれは美味かった。鼻腔まで透き通る残り香。全身に染み入る芳醇な味わい。

アレは世に存在するどの極上の美酒にも勝るとも劣らない....。

と、そこまで考え、クスリと笑う。

 

「私は、直ぐ昔のコトを思い返してしまうな」

 

"昔"そんな言葉に違和感を覚える。

 

「私は、過去に縛られているのか?」

 

そこまで考え、振り払う。陰鬱な時はどうしても悪い方に考えがちだ。今はとりあえず、腹を満たそう。

生きるって、そういう事だ。

 

 

 

 

おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!

 

 

「クソ!子育ての仕方なんて解らんぞ!」

 

同日。

神日神所、以下略。

このイザナギ。産まれてきて今の今まで好き勝手に生きたきたのだ。そんな彼に子育てなどできるわけも無く。

子育てに関して何もかも半人前の彼はただひたすら右往左往するしかなかったのだ。

なんか一部の赤子とか、自然と一体化してるし。

なんやかんやで残った赤子は僅か三人。

この赤子達こそ後の三貴子。

多くの神々を産んだ大禊最後の神。

漫画、小説など数々の創作物における日本神話のわかりやすいある種、"絶対的主神"ーーー

 

天照大御神

アマテラスオオミカミ

 

 

月読命

ツクヨミノミコト

 

 

建速須佐之男命

タケハヤスサノオノミコト

 

 

 

ーーーの誕生である。

 

 

「か、」

 

自身から文字通り身を削って産んだ元気な三柱の子供達。

ただひたすら右往左往するだけのダメ親に呆れず最後まで残ってくれた。

そんな献身的な態度に私は何を持って応える?

 

 

「かわいいよおおおおおおおお!!」

 

真心、愛しい、相手を思う。そして、守りたい。

まさに今、日本最古の家族愛が誕生したのだった。

三柱の家族を抱きしめ、晴れやかに笑うイザナギ。家族愛を知ったこの男はまた一つ成長出来たと確信する。

しかし、確信だけでは意味は無く、子育てを知らない愛だけは一人前の彼はやっぱり泣く我が子の前で右往左往するしかなかったのだった。

 

 

 

....そんな彼の後ろで蠢く影。何時もなら反応出来るであろう気配に気づかない。

決して清くない邪な雰囲気を放つイレギュラー。

 

正史なら絶対に出会うわけがない二人。

 

 

 

創造神と悪魔。"魔"と"神"の邂逅。二人のファーストコンタクトは如何に。

 

"がさがさ"

 

おぎゃあ!おぎゃあ!

 

「うおおおお!うるさいけど可愛いよおおおお!!」

 

"ぐー"

 

おぎゃあ!おぎゃあ!

 

「うおおおお!」

 

"ん?"

 

「泣きヤメエエエ!!」

 

"....いただきます"

 

「うおおおおおお!!」

 

"がぶり"

 

「うおおおお!?」

 

 

 

 

 ーーこれが、後に長い付き合いとなる二人の、ファーストコンタクトであった。

 

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