「今のこの時代、人間は食物連鎖の頂点に位置している。だが、不思議に思ったことはないかな?何故人間が食物連鎖の頂点に立つことが出来たのか、と。そこでボクは皆に問いたい。人間を頂点足らしめているものは何か、と。
獅子のように鋭い牙と爪、優れた筋力を持つわけでもなく、鮫のように鋭い歯を持ち水中で自由に動き回れるわけでもない。他の生物たちより少しだけ頭脳が文明が優れているだけの一人では何も出来ない脆弱な人間を、何が頂点足らしめているのか。
答えは一人ひとり違うだろう。今の優れた文明こそがそれだと言うもの、優れた頭脳こそがと言うものも居るだろう。他にも答えはあると思うけど大多数の人はこの二つに近いことを言うんじゃないかな。
けど、ボクはそのどちらでもないと思う。人間を頂点足らしめているもの、それは....諦めない心だとボクは思う。確かに今人間が頂点に立てているのは頭脳や文明のお陰だろう。しかし、それらも諦めない心があってこそだろう。失敗しても、敗北しても、再び挑戦する、立ち向かっていく。何処かの国では『失敗は成功のもと』なんていう言葉がある。失敗や敗北したから後に成功に繋がるという意味らしい。だからと言って、成功したいなら失敗しろという事ではない。失敗や敗北から学べるのは同じ失敗、敗北をしないやり方だ。必ずしも成功に繋がるとは限らない。努力は裏切らない、努力は報われる、なんて言葉もそれと同じような感じなのだろう。そんなのは嘘だ、努力したって報われない人はいる。裏切られた人だっている。世の中はそんな理不尽だらけで出来ている。それでも、人間は諦めない。
大袈裟な言い方かもしれないけれど、自分が成功しなくても、勝利できなくても、その次の人がそれがダメならその次の人が。今は成功しなくていい、今は勝てなくていい。それでも、挑み続ける。自分が遺した何かが、次の世代の勝利に繋がるならば、と。そう、人間は挑み続ける。理不尽の塊であるこの世界に。自分が勝てずとも、いつかきっと誰かが勝ってくれると信じて。
さて、此処までボクの戯言に付き合ってくれてありがとう。けど、もう少しだけ付き合ってくれないかな?
もう一度皆に問いたい、今、人間は食物連鎖の頂点に位置している。けど、その人間を遥かに越える存在が現れたら?理解の及ばない存在がいたら?その存在が凶暴だったら?きっと人間は負けてしまうんだろうね。
それでもきっと人間は諦めないだろう。
それでもきっと挑み続けるだろう。
自分でなくてもいい、いつかきっと勝てるその時まで....」