Яeverse   作:柊ナタ

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第一話

目の前のものはなんだ?

 

『やめろ』

 

紅い血の海

 

『やめろ』

 

両親だった何か

 

『やめろ』

 

お前がその手に抱くものはなんだ?

 

『やめてくれ』

もう動かなくなった肉の塊

『やめて』

 

お前が守れなかった妹の成れの果て

 

『お願いだから』

 

お前が目を背けるのはなんだ?

 

『嫌だ』

 

逃げるな現実を見ろ

 

『見たくない』

 

目を向けた先にいるのは

 

『それ以上は』

 

 

 

純白の翼を血で紅く染めた....まるで天使(あくま)のような....

 

++++++++++

 

ピピピピピピ!!

 

「....っ!!........また、あの夢か....」

 

目覚ましの音が鳴ると同時に少年は目が覚めた。少年の顔には大量の汗が浮かんでいた。

 

「やっぱりあの夢だけは何度見ても慣れないな....。時間は...まだ大丈夫か」

 

少年はベットから降り台所に向かった。朝食でも作るのだろう。

 

「あーあ、朝飯作る前にシャワー浴びた方がいいかもな...。服が汗でベタベタだ」

 

少年はそう言って着替えとタオルを持ち風呂場へ向かった。

 

++++++++++

 

「ふー。さっぱりしたー。...時間は、ちょっとやばいな。普段は朝からシャワーなんて浴びないからな...。遅刻したくないし朝飯は作って持っていくか」

 

遅刻云々をいうところから少年は恐らく学生なのだろう。少し急ぎ気味で戸締りをする。その時間でパンを焼くのも忘れない。

 

「よし、行くか。

 

 

行ってきます」

 

少年は玄関でそう言い扉を閉めた。返事は返ってこない

 

++++++++++

 

21xx年4月1日

恐らく大体の学校が入学式を迎えるこの季節。本州から少し離れたこの人工島、通称《学園島》の《国立天ノ刃学園》も例に漏れず入学式を迎えようとしていた。

 

学園島

その字が表す通り学園のために人工的に作られた島である。しかし、島には学園だけでなく飲食店からショッピングモール、ゲームセンターやカラオケなどの娯楽施設となんでもござれの島である。

 

国立天ノ刃学園

学園島に設立された学園。設立五年目である。この学園は受験する学生が多く倍率は2桁に登る。

 

++++++++++

4月1日午前7時半

先程家を出た少年…いい加減少年と記すのも面倒になってきたので紹介しよう。この少年の名は朧 柊(おぼろ しゅう)。この春に天ノ刃学園に入学する少年だ。以降は柊と記すことにしよう。

 

さて、話が逸れたので戻すとしよう。

先程家を出た柊は文明の利器であるスマホでニュースを見ながら学園へと向かっていた。

 

「また行方不明者が出たのか...。最近の世の中は物騒だな」

 

画面に表示されていたのは行方不明者に関するニュース。そこには行方不明者に関する情報が書いてある。柊が言ったことからわかるようにこれが初めてではない。

 

(行方不明者なんて世界単位で見れば毎日のように出てるのかもしれないがここ最近の頻度は異常だ)

 

柊が思う通り日本全土で起きている行方不明の件数は異常だ。なにせ、ほぼ毎週起きているのだから治安の良い日本からしたら驚愕ものなのだ。たとえそれが起きる周期が一定だとしても場所の規則性がないものだから警察も大変であろう。

 

「未だに原因不明...か。...ん?やべ、このまま歩いてったら時間ギリギリだ。遅刻は嫌だから少し走るか」

 

柊は後に後悔することになる。

 

もう少し早く登校しておけばよかったと。

 

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