緋弾に迫りしは緋色のメス   作:青二蒼

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大体、1週間に一度くらいの速度で出来るだけ投稿して行こうと思います。


2:奇妙な関係の始まり

 白野 霧と言う少女がここ、神奈川武偵付属中学の俺のいる教室に来てから翌日の朝の教室。

 別段、日常的に大きく変わったところは特にない。

 しいて言うなら、割とカワイイ女の子が入ってきて男子が少し浮かれてる程度だろう。

 そして、なぜかは知らないが初対面の俺に堂々と気になると言ってきた。それも、HR(ホームルーム)の自己紹介に……

 おかげでまたいらん敵を作ってしまった様な気がする。

 ただでさえ、女子どもにヒステリアモードを利用されてあちこちに迷惑かけて敵を作ってるって言うのに、勘弁してほしい。

 ……なんで俺は朝からこんな頭を抱えてるんだろうか。 

 などと、思っていると――

「おっはよ~!」

 噂をすればなんとやら、白野が元気よく挨拶しながら入って来た。

 元気な奴だなホントに。

 なんとなくぼーっ、と見ていると女子の何人かが彼女に近づき質問をしているようだった。

 なんか、早速馴染んでるっぽいな、あれ。

 まあ、雰囲気的に話しそうな奴ではある。

 俺としてもなぜあのとき俺の後ろに立ったのか聞きたいところだが、正直、あんまり女子に関わりたくない。

 これは俺が勝手に忌避してるだけなんだろうが、それでも何と言うかあんな利用される思いは勘弁だ。

 それに、さわらぬ神に祟りなしって言うしな。

 こっちが、関わらなくても向こうが勝手に関わってくるけど……

 なんて、色々考えているといつの間にかHR(ホームルーム)の時間になっていた。

 矢貫もいつの間にか教卓にいる。

 「あ~、今日は、二人一組(ツーマンセル)による徒手格闘戦をする」

 矢貫の言葉に俺は肩を落とす。

 春先に早々か……

 しかも、ペアを組まなきゃならない。

 ある意味、クラスで孤立してる俺としては組んだ相手と上手く連携がとれるか微妙なところだ。

 女子の場合、さらに面倒なことになる。

「そいじゃ、連絡事項は以上だ。演習場に行け~」

 矢貫がそう言った後にクラスのみんなが体育館に似た外装をする演習場へと移動する。 

 

 

 さて、演習場に移動したは良いが。

 ペア、どうするかな……

 クラスの中にも俺を利用する奴がいるから、そいつに見つかる前にペアを組んでしまいたいんだが……厳しそうだ。

 ほとんどの男子はもう組んじまってるし、適当な奴に声を掛けたところで快く組んでくれるとも限らないしな。

 などと、考えていると――

「……ねえ、ねえ」 

 後ろから突然声を掛けられた。

 最近と言うか、ついさっき聞いた声だぞ。

 なんとなく予想が出来つつも後ろを振り返ると――

「私とペアを組んでくれないかな?」 

 案の定、白野 霧がニコニコと笑顔で立っていた。

 他意は無いんだろうが、正直に言うとすごく怪しい。

 なにせ、編入早々になぜか俺の背後に立ってたんだからな。

 それに何を考えてるのかもよく分からん。

 だが、この際に贅沢は言ってられない。

 幸いにもコイツは昨日、編入したばかりだから俺のヒステリアモードについては知らないだろう。

「ああ、別に構わない。ちょうど組む奴がいなくて困ってたからな」

「うん。よろしく」

 と、白野が右手を差し出してきた。

 多分……握手なんだろう。

 取りあえず、その差し出された手に応じるように俺も右手を出して白野の手を握った。

 ……柔らかいな。

 今思えば、女性の手を握ったの白雪以来じゃないか?

 って、何考えてんだ俺は……

「え~っと、名前は?」

「……遠山 キンジだ」

「キンジね。昨日、自己紹介したけど私は白野 霧ね。で、早速お願いがあるんだけど、いいかな?」

「なんだ?」

「できれば前衛を任せて欲しいんだ~」

 いきなりだな。

 編入早々に前衛で戦いたいなんて。

 と言うか、一般中学からの編入とかじゃないのか?

 いや、待てよ。

 そう言えば、確か昨日の質問の時に確かAランクとか言ってたな。

 何の経験もない一般人でいきなりAランクってのはさすがに考えられにくい。

 てことは、一般中学から来たって言うのは考えられないか……

「別にいいぞ」

「ありがと。ちょっと試したい戦い方もあるんだよね~」

 試したい戦い方?

 なんか、言動から察するに霧は結構実戦を積んでるのか?

 と、疑問が残るがその前に矢貫に報告しよう。

 さすがにペアが決まってしまえば他の奴も余計な手出しが出来なくなるからな。

 それから矢貫にペアの報告をした後、再び霧の元へと戻ったんだが……

「あの人なかなか気になるな~……でも、お父さんとの約束だしダメなんだよね……」

 と、なんかよく分からんことを呟いていた。

 が、こっちに気づいたと思ったらこちらに歩み寄ってくる。

「もう報告はいいの?」

「ああ、さっき先生に言ってきた」

「そっか。じゃあね~大雑把に立ち回りでも決めちゃおっか」

 割と真面目だな。

 失礼な話、第一印象からしてもっと適当な奴だと思ってた。

「取りあえず、私が敵を引き付ける」

 なるほど、囮か。

 Aランクって言うのはまあSランクには劣るものの厄介な存在に変わりはないだろう。

 なら、優先的に二人がかりでそちらを潰そうとする筈だ。

 と言うか、中学でSランクなんてやつは俺の知る限りにはいない。

 それはともかくとして、今の俺は通常の身体能力しかない。

 だが、男子の中には女子に利用されヒステリアモードになった俺にボコられた奴もいるので、俺を優先的に潰しにくるかもしれない。

 しかし、今回はペアでの格闘戦だ。

 一方に気を取られていれば、反対側から襲われることは充分にあり得ることだ。

 もし仮に白野の思惑通りに向かわなくても俺が逆に囮になればいいだけだしな。

 ここらへんの臨機応変さも試されるだろう。

 そう考えてる間にも白野は話を続ける。

「で、私がその敵を全員倒す。うん。良い作戦だね」

「……おい」

 囮作戦じゃねえのかよ……

 まあ、Aランクなら可能なんだろうが……

 例えそうだとしても、出来れば俺も多少は活躍しないと成績に関わる。

「頼むから、俺にも出番を残してくれ」

「ええー……」

 ええーって、何だよ。

「じゃあ、二人とも前衛でいいか」

 極端すぎるだろ……

 さっきの立ち回り決める話はどうなったんだ。

『あ~、マイクテスト~。それじゃあ、ペアも決まったところで対戦相手を決める』

 矢貫が拡声器を持って呼びかける。

『今から名前を言ってくから、呼ばれたペアは私が言った番号のフィールドに入れ』

 それから矢貫が名前を順番に読み上げていきどんどんフィールドに入っていく。

『次、遠山・白野のペアと古川・石野ペア、9番フィールドに入れ』

 俺達の番か。

 名前を呼ばれたので、矢貫の言う9番のフィールドに入る。

 このフィールドはきれいな円状に線が引かれていて、その直径が15m程ある。

 他のフィールドも形は違うが大体は端から端まで15mほどある。

 で、そんな大きさのフィールドが1~10番まであるから演習場の広さは推して知るべしだな。

 初めて見た時はその広さに驚いたもんだ。

 線の中に入り、相手と対峙する。

 向こうは男子二人のペアだが別の意味で顔に見覚えがある

 ……あいつら俺がヒステリアモードになった時に相手した奴らだ。

 なるべく視線を合わしたくないのだが……既に殺気がガンガンぶつけられてるのが分かる。

 これはもしかしなくても、かなり根に持ってるだろうな。

「ふ~ん、成程ね……」

 と、俺の隣にいる白野が相変わらずニコニコとした笑顔で納得したような声を上げた。

 ただ、何となくだがその目は表情に反している気がする。

 ……俺自身それをなんて言ったらいいのか分からないし、そもそもコイツは昨日ここに来たばかりだから俺は白野のことを何も知らないのは当たり前だけどな。

『いいか!! 制限時間は10分間で、武器の使用は一切なしだ!! 破った者は厳粛に処罰するつもりだからそのつもりでな。……いいか、10分間だぞ』

 今の矢貫の言葉と繰り返した10分間と言うワードからして、多分だが……10分間戦い続けろってことなんだろうな。

 つまり、ペアを片方倒せば勝ちとかではない。

 いきなりハードで面倒くさい話だ。

 こういうルールの説明の中から屁理屈が通りそうな事を拾うのも一つの技術らしいからな。

「いいのかな? 10分も戦って」

「多分な……10分間真面目に戦わないと居残りとかさせられそうだ」

「じゃあ、どっちも倒しちゃえば早めに終わるってことだよね」

 二人を戦闘不能にする事を何でもないように白野は(のたま)った。

 その自信を俺に少し分けて欲しい。

『それじゃあ……始めっ!!』

 矢貫の大きな一声で演習が始まった。

 ヒステリアモードじゃない俺はまずは、相手の出方を伺うのが先決だ。

 そう思って少し下がろうとしたと同時に、白野が勢いよく前に飛び出す。

 ――あいつ!?

 いくらAランクだからって2対1じゃ分が悪いだろ!

 相手が素人ならまだしも俺と同じ武偵の生徒だ。

 戦闘に関しては全くの素人と言う訳じゃない。

 対して相手は、前衛とすぐ援護が出来る後衛に分かれている。

 前衛が攻撃を受け流して、後衛がその隙を突くと言う単純なものだが効果は充分にある。

 内心、舌打ちしながら俺も前に出る。

 いつでも援護に回れるように。

 前衛の男子(多分、古川)が真正面から来る白野に対して攻撃を迎え撃つではなく、受け流す形の構えを取った。

 やっぱり、最初からそのつもりだったのだろう。

 白野は真正面から殴りかかる構えを取ったかと思いきや、すぐに拳を引っ込めた。

 そして、そこから素早い動作で跳躍し古川の肩を持って空中で側転するように背後に回り込んだ。

 その動きに俺も驚いたが、相手である二人もかなりの驚きの表情を浮かべている。

 戦闘中って言うのを忘れるくらいに鮮やかな動きだったな。

「うおっ!?」

 古川が突然、声を上げながら前のめりに俺の方へと倒れてきた。

 多分、白野は俺が向かってくるのをさっきの側転で見て背後から蹴り飛ばしたんだろう。

 なら俺のやる事は一つ。

 俺は倒れて来る古川にすれ違うようにして側面につく。

 そして、素早く襟首と腰のベルトを持ち、足を引っ掛けて投げ飛ばす。

「がはっ!」

 背中からモロに床に突っ込んだ古川は肺から空気が押し出されたようにして呻く。

 あれで、しばらくは立ち上がれないだろう。上手く受け身も取れなかったようだし。

 白野の方に援護に回ろうと視線を向けると。

「くっ」

「ほい、これでしゅーりょ~」

 と間の抜けた声で石野の(ふところ)に潜り込み、(てのひら)に顎を乗せる形で打ち抜いた。

 それから石野はピクリとも動かなくなった。脳震盪でも起こしたんだろう。

 どうやら決着はついたみたいだな。

 ……そう言えば、10分どころか1分も経ってない気がするんだが。

 両者が戦闘不能になった場合はどうすればいいんだ?

 などと、俺は場違いにも考えていた。

 矢貫がなんか感心するようにこっちを見てるし、変な意味で目立っちまったな。

『遠山・白野ペアはそのままフィールドにいろ。もし、10分以内に相手が立ち上がれば戦闘再開だ』

「と言う事らしい。やっぱり、10分間戦えってことなんだろうな」

「ふ~ん。まあ、脳震盪起こしてるから一人はあと1時間くらいは気絶してると思うけどね。キンジが倒した方も、背中から強打したからそう簡単に起き上がれないだろうし。……所詮こんなもんか」

 なんか最後あたりの呟きが聞こえなかったが……とにかく、こいつは実戦慣れしてるらしい。

 ペアになっている俺としては、頼もしい存在だな。

 女子という点を除けばだが……

 そうこうしている内に10分が経ち、1回目の試合が終了する。

 ちなみにあれから古川と石野が起き上がる事はなかった。

 古川の方は諦めて適度に呻いてわざと立ち上がらなかったっぽいが。

 まあ勝てない相手、しかも2対1で立ち向かうのはさすがに無謀だからな。

 それなら、時間を稼いで体力を温存した方が良いだろうし俺だってそうするだろう。

 ここらへんは授業でやった通りだから、別に減点される事はないだろう。

「1回戦は無事に何とか勝てたな」

「……そうだね」

 つまらなさそうだな白野……

 出来れば、俺にももうちょっと実力があればいいんだがな。

 ……ヒステリアモードなしで。

 

 ◆       ◆       ◆

 

 学校が終わって、帰り道。

 取りあえず、全ての試合が終わった訳だけど……

 快勝だったね。

 正直に言うと、戦い甲斐がないし……楽しくない。

 白野 霧としてこんなつまんないところで過ごすのは正直気が進まないけど……お父さんの頼みだし、遠山 キンジの事は会ってみてなかなか気に入ったから別にまだここに留まってもいいかな?

 そう思える。

「お~い、白野!」

 噂をすれば、か……まあ、あの声はキンジだろうな~。

 と思って振り返ってみれば案の定ってね。

「ん~? どうしたの?」

「いや、今日の演習での事でお礼にな」

「別に、お礼なんていいよ」

 相手は皆、ジャンヌにも及ばない連中がほとんどだったし、倒すのにそんなにも苦労しなかった。

 もっと言えば、上半身と下半身を瞬きする間に分かれさせる事も出来たけど、それやっちゃうと潜入した意味がなくなるんだよね~。

 そもそもな話、武器も無かったから出来ないけどね。

「だけど、お前。俺に倒しやすいように動いてくれてただろ? おかげで、評価が下がらずに済んだんだ。ありがとな」

 そう言うキンジだけど、なんでヒステリア・サヴァン・シンドロームを使わないんだろ?

 アレを使えば、手を抜いてる私に余裕でついて来れるはずなんだけどね。

 取りあえず、昨日他の女子から聞いた話でそれとなく聞いてみるかな?

「でも確か、キンジって女の子に迫られると強くなるって話を聞いたけどなんで使わなかったの?」

 βエンドルフィンを作用させるなら性的興奮が手っ取り早い方法だし、薬を使うよりも速攻性はあるから別に問題はないず何だけどな~。

 それに薬を使用しない分、副作用に悩まされなくてもいいし。

「っ……」

 驚きに目を見開くキンジに少し、顔を覗き込むように迫ってみると、心拍数の上昇と僅かながらの発汗、視線の不規則な移ろいが観察できた。

 私の五感もHSS、つまりはヒステリア・サヴァン・シンドローム並に鋭敏だからこの距離なら心拍数ぐらいは聞こえる。

 明らかに動揺してるよね~。 

 つまり、知られたくなかったって事なのかな?

 そう言えば、その人たち「キンジを利用すれば、ご飯も奢って貰える」とか何とか色々言ってたっけ。

 と言う事は、知られたくなかった理由は利用されるのを防ぎたいんだろうね。

「その……何のことだろうな?」

「ダメだよ。はぐらかそうとしちゃ」

 あからさまに怪しくなるからね。

 そう言う反応をすると、信憑性が高くなるし。

 そして私が一歩踏み出して行けば、キンジも一歩下がる。

「そう言えば、強くなると同時に女の子に優しくなるんだってね?」

 言いながら一歩踏み込んで行くと、さらにキンジは一歩下がる。

 並木道で今は人がそんなに通ってないから別に後ろは気にする必要もない。

「…………頼むから、やめてくれ」

 やめて欲しいな。そんな怯えた顔をしながら懇願するのは。

 思わず背筋が震えそうになるからね。

 まあ、そう言う反応が見たくてわざと迫ってるんだけどね。

「大丈夫だよ。ちょっと試すだけだから……」

 そう言って、私はシャツのボタンとスカートに手を掛ける。

 色仕掛けのやり方とかよく分かんないけど、理子の持ってたゲームだと多分こう言う感じで良いはず。

 そして逃げる事も忘れて、目を閉じてしまっているキンジに手を掛けようとして――

「な~んちゃって」

 と、私はおどけて見せた。

「……え?」

 すると、キンジは驚きの顔を見せる。

 なかなかに楽しいね、キンジの反応を見るのは。

「まさか、本気にしちゃった? 大丈夫だよ。私はそんなことしないから」

 にこやかに笑顔を作り、警戒心を少しでも下げておくことを忘れず、それでいて優しい声音で話す。

「本当に何もしないのか?」

「もちろん」

 そうは言ってみたけど、ん~……キンジは半信半疑って感じだね。

 おそらくだけど、今まで結構利用されてる感じなんだろうな。

「今まで女子に騙されたりしたから信用できない?」

「…………」

 何も言えないあたり図星ってことだね。

 なかなかに分かりやすい反応で良かった。

 ポーカーフェイスとかしてても、心音が聞こえてるから動揺すれば分かるけどね。

「それじゃあさ。こうしよっか」

「……?」

「私がキンジの事を守るから、私とパートナーになってくれない?」

 転校してきてそんなに日が経ってないし、今日たまたま組んだだけだから言葉の効果は薄いかもしれないけど、お兄さんと同じで押しには弱い感じだと思うからこのまま話しを進めれば多分、乗ってくれる。

「……えっと、どう言う事何だ?」

「分かんないかな? キンジが他の女子たちに利用されそうになったら、私が助けてあげるってことだよ。その代わりに私とコンビを組んで欲しいってこと」

 そう言うと、キンジは訝しげな表情をする。

 私はここに来て日が浅い上に突然こんなこと言われたから、何か裏があるんじゃないかって思ってるんだろうね。

 ほんと、手に取るように考えてる事が分かっちゃうね。

「なんで、俺なんだ?」

「それはね~。単純に今日一緒に組んでキンジが気に入ったから、かな?」

 実際気に入ってるのは本当だし本心だから嘘は言ってない。

 それに、キンジと一緒なら楽しい事が起こりそうなんだよね~。

 同時に私が殺人鬼であることを知ったらどうなるだろうなと思うと、余計に楽しみになってくる。

「……えっと、ダメ?」

「うっ……」

 甘えるようにして言ってみると、キンジは少し呻いた。

 今、心臓が高鳴ったね。

「その……ダメじゃないが……」

「ああ、大丈夫だよ。今すぐ信用してとは言わないから。だから、せめて友達からと言うか知り合いでもいいから……ね?」 

 キンジの意思をくみ取るようにして言うと、少しの沈黙の後に首を小さく縦に振った。

「ふふっ、それじゃ改めて自己紹介するね。白野 霧だよ。よろしくね」

「……遠山 キンジだ。よろしくな白野」

「ああ、ダメだよ。パートナーになるんだったらちゃんと名前で呼んでくれなきゃ」

「……分かったよ、霧」

「うん。それじゃ、明日からよろしくね~」

 そう私は元気に言った後、キンジと少し話をして別れの挨拶をした。

「ホント……楽しみだね、キンジ」

 私は一人、キンジと別れた後に呟く。

 自分でも分かるくらいに凄く楽しみにしてる事に。

  




次の話は少しシリアスな感じになります。
……後書きや前書きで書くことが思いつかん。

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