緋弾に迫りしは緋色のメス   作:青二蒼

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書いていて思ったこと――

ギャグ要素どこいった?



46:Who's Jack?

 

 さて、私の仕事は順調。

 リリヤの調査と以前の盗聴器での話で以織の父は公安0課であるのは分かってる事だ。

 彼女の父親は割と凄腕……まあ公安0課なんて言ってしまえばイギリスの00(ダブルオー)エージェントみたいなものだから当たり前の話なんだけど。

 その中でも彼は刀一本で色々とやってきたらしい。

 逃走中の車のタイヤを正面から斬ったとか何とか……それなりの逸話を持ってる見たい。

 だが、そんな人が任務の捜査中に事故死と言うのは素人でも怪しいと分かる。

 おまけに捜査には同僚が付いていた。

 一見すれば、その同僚がさらに怪しいんだけど――どうやら目撃者は他にもいるらしくその目撃報告により事故死だと判断された。

 うん、怪しく思えてたけど……何もないね。他にも目撃者がいるんじゃ、ただの思い違い。

 普通ならそう判断するだろう。

 だけど私はそうは思わないんだよね~。

 なんで分かるかって? もう色々と知ったからに決まってる。

「やあ、こんばんわ。外はいい夜だ。こう言う日は、家に帰って夜の紅茶を飲むに限る」

 と、少し低い男の声で私は小粋なトークを挟みながら切り出す。

 今の私はイギリス人の中年。顎髭(あごひげ)を蓄えたダンディーな容姿だ。

「なので貴方もそう言った有意義な時間が過ごしたいなら正直に話すことだ」

 私は背もたれ付きの古びたイスに両手足を縛られた中年男性に振り向き、そう言う。

 胸には公安0課のバッジ。

 服は防弾製のスーツ姿だ。

 中年はさっき私が話し掛けた時に気が付いた様子で周りを見渡す。

「お前は一体何だ?」

 さすがは厳しい試験に受かったエリート様だ。

 どうやら状況把握に努めようとしている。この程度では動揺も何もない。

 ここはなんて事はない、よくある数階建てでコンクリート造りの廃墟ビルだ。そのビルの中心に近くの一室。(ほこり)が舞うほどに古い。

 しかし、電気はまだ通ってるらしく薄汚れた電灯が明滅する。

 私は質問に答える。

「ホワイトチャペルから出てきた鬼だよ。これだけ言えばお分かりだろう?」

「貴様、切り裂きジャックか……」

 私はそれに答えずに話の続きをする。

「少しばかり聞きたいことがあってね、手荒な真似をしてすまない。少しばかり名前が売れすぎたようでな、名乗るだけでファンが押し掛けて来るもので困っているんだが……まあ、それは致し方のない事だ。おっと……話が逸れたが、用件はある事についての確認だ」

「黙れ、貴様のようなヤツに何も話す事はない」

「おや、貴方は同僚を殺したも同然だと言うのに私を責めるつもりか?」

「何の話だ……」

「岡田 以臣(さねおみ)、お名前に聞き覚えは当然にあるだろう? つい1ヶ月ほど前に貴方達に事故死と言う事で片付けられた、な」

「………………」

 名前を出しても中年は反応をあまり示さない。

 やはり場数を踏んでる人間は違うね。

 だけど、少なくとも心当たりはあるはず。

 少しばかり揺さぶってみるか……

「ふむ、ではゲストをお呼びしよう」

 私は(きびす)を返して、中年の正面にある古ぼけた木の扉をゆっくり開ける。

 軋む音を響かせ開かれた先には、中年の女性と10代中頃の女の子。

 こちらも古びたイスに同じように縛られてはいるけどどちらもグッスリと眠ってる。

「――ッ! 妻と娘を……!!」

 額に青筋を浮かべて飛び掛ろうとするけど、ちっとも動いてない。

 いや、それどころか立ち上がることさえ叶わないだろうね。

 だって今の彼には夾竹桃特製の筋弛緩剤を盛ってるんだから当たり前の話だよ。

 公安0課と言えど、バッジを持ったただの人間に過ぎない。

 やり方は(いく)らでもある。

「なに、彼女たちが目を覚ますことはない。少しばかり強力な睡眠薬でね……麻酔効果もある。つまり――」

 若い娘の腕に緋色のメスを当てる。

 そして、少しだけ切る。

 血が垂れて行き指先から少量滴るだけで、彼女は起きない。

「このように何をしても薬が切れるまでは何も気付かない。例え腕をもごうが、中身を引きずり出そうがね……死んだことにすら気付かぬまま、眠ることも出来る」

「頭のイカれた殺人者が……ッ!!」

「まあ、妥当な評価ではあるが……単純な話として貴方が全てを正直に話して私の事を口外しなければ、それだけで終わる話だ。家族円満でいられる」

 私は顎髭を触って話しながら中年に向かって歩き、顔を近付ける。

「どうだ? 悪くない話だろう? なに、一度は同僚を金で売ったんだ、今度は家族のために売ったことにすればいい。金で売るよりかは幾分かマシな言い訳だろう」

「………………」

「大丈夫だ。貴方の直接的な関係者に手を出したりはしないと約束しよう。私は約束を守る男でね。貴方が口外しなければ今宵は悪い夢で終わるんだ」

「……もし私が貴様のことを話せば、どうなる……?」

「悪い夢が続くだけだ。まあ、それでも私はいいんだがね」

 私は正面のまま少し後ろに下がり、1つの言葉を彼に突きつける。

 

選択は貴方次第だ(Make your choice)

 

 ◆       ◆       ◆

 

 さて、『大泥棒大作戦』開始まで刻々と日が近づいてる訳だが……

 会っちまったな――狼に。

 それも絶滅危惧種の筈のコーカサスハクギンオオカミの成獣だ。

 体重は100キロはありそうな巨体に針のような白い毛並み。

 あんなものが学園島に迷い込んだなんて事は考えにくい。

 おまけにかなりの知性もあるようで足跡を囮にして俺とレキを誘導したくらいだしな。

 とまあ、既に終わった事に俺は思案を巡らせていた。

 結論から言うと、事件は無事に解決。銀狼はレキの貫禄によって立派な忠犬へと代わった……狼なのに犬って言う表現はおかしいが……

 それよりも問題は潜入(スリップ)だ。

 メイドと執事と言う事で潜入する事に結局は決定してしまった訳だ。

 ――理子によって。

 それでアリアはアリアでメイドの練習。そして、俺は執事の練習。

 前者は上手く言ってるとは当然に言い難い。

 貴族の娘が使用人になるんだ、それもプライドの高いアリア様だったら立場がどうのこうのと抵抗するに決まってる。

 かなえさんの事があるからか少なくとも割り切ってるようだが……それでもすんなりとは行かない。

 そんな中で理子は茶々を入れるものだから、収拾がつかなくなる事態に陥るのも想像に難くない。

 俺の気苦労が増えるばかりだ。

 すぐに霧を呼びたい心境だ。

 アイツがいれば少なくとも色々と間が取り持てるんだがな……理子と仲がいいし、アイツが注意すれば理子は取り敢えず落ち着く。

 アリアに関しては舌先三寸で言いくるめられるだろう。

 だが、どうやら向こうも忙しいらしく最近は色々と後輩と一緒に任務(クエスト)に行ってるようだ。

 ほんと、面倒見の良いヤツだよ。

 なんて考えてる内に俺は探偵科(インケスタ)棟の外に出た。

 空から水が落ちている。

 ――雨だ。

 …………マジかよ。

 だがまあ、まだ本降りじゃない。

 多少濡れるのはやむなしだ。

 そう思ってバス停まで強行突破を試みたが、

 

 ザアアアアアアアアッ!!

 

 無理でした。

 地面に水が跳ねるほどに降ってきてしまった。

(今日の運勢、下から2番目だったな)

 そんな事を考える。

 この運の悪さは当たってるとしか言いようがないだろう。

 選択教科棟の1階の(ひさし)で雨宿りすることにする。

 …………。

 ………………。

 しばらく待ったが、一向にマシになる気配がない。

 どうしたものだろうかと不意に空を見ると、ちらりとこの季節には似つかわしくないものが目に映る。

 見間違いかと思って、目を少し凝らしているとまたしてもちらりと映った。

 ――氷の結晶だ。

 そんなに冷えてたか? と思っていたら、今度は背後の窓の向こうからピアノの伴奏が聞こえてくる。

 この曲は……劇的オラトリオをピアノ曲にアレンジしたものだったはず。

 確か音楽の授業で聞いたことがあるぞ。

 しかし、どうでもいい事はよく覚えてるよな……俺。

 曲名は確か――火刑台のジャンヌ・ダルク。

 うん? なんだろうな、イヤな予感がするぞ。

 思わず振り向いて、窓越しに弾いてるヤツの姿を確認してしまった。

 以前に相対した魔剣(デュランダル)――フランスの聖女の子孫、ジャンヌ・ダルクだ。

 そして、向こうはどうやら俺が気付くのを待っていたかのように聖女に相応(ふさわ)しく美しい顔を向けてくる。

 それから顔を少し音楽室の扉へと向け、視線を向けるよう促してくる。

 入ってこいと言う事らしい。

 

 

 俺が音楽室に入ると、ジャンヌはピアノ鍵盤あたりに腰掛け、堂々とした様子で待っていた。

 身に着けているのは甲冑ではなく武偵高のセーラー服。

 つまりは、だ。

「もう既に司法取引は済んでるのか?」

「そう言う事だ。だから銃を仕舞え」

 どうやらジャンヌは見抜いてるようだ。警戒するなとばかりに彼女は言ってくる。

 用心のためにと一応は身構えていたが、その必要はないらしい。

 俺は銃を仕舞いながら、

「随分と似合ってるじゃねえか」

 一応本音を交えながら嫌味半分で言う。

「む……それは、お世辞か?」

「いや、一応は本音だが?」

「……そうか。しかし、いくら何でもスカートが短すぎるだろう……未婚の乙女がこんなに脚をみだりに晒すものではないぞ……!」

 ちょっと嬉しそうな顔をした気がするが、彼女は窓に映る自分の姿を見て葛藤している。

 憤慨しながらも結局は着てんじゃねーか。

 などと、思いながらも俺はジャンヌを見る。

 普通に会話してるが、ジャンヌに思うところがない訳ではない。

 霧に関しても白雪に関しても色々と世話になったからな。

 だがまあ、過ぎた話な上に相手は司法取引済み。つまりは捕虜も同然だ。

「それで? どういう設定だ?」

「今の私はパリの武偵高から来た留学生、情報科(インフォルマ)2年のジャンヌ・ダルク……そう言う話になっている」

 同い年だったのかよ……

 てっきり仕草とか喋り方からして少し年上だと思っていたんだがな。

 女子の割には身長も結構あるし。

「なるほどな。だけど制服にケチ付けるなよ。イ・ウーには制服とかそう言うのなかったのか?」

 探るような感じで俺は話を切り出す。

 イ・ウーについて、俺は少なくとも知らなきゃならない。

 それが兄さんに繋がるのならなおさらだ。

 危ない橋かもしれないが、それでも知っておきたい。

 制服から切り出したのは以前に理子がイ・ウーを『退学』になったと言う発言からの推察だ。

「ふん、イ・ウーについて気になるのなら回りくどい聞き方はするな」

 ジャンヌの鋭い視線と言葉が俺を射抜く。

 どうやら見抜かれてるようだ。

「分かったよ。イ・ウーについて、色々と知りたいことがある。聞かせてくれるか?」

「……アリアや理子からは聞いていないのか?」

「誰も教えてくれないんでな」

 俺はジャンヌの疑問に答えつつも肩を(すく)める。

 それからしばしジャンヌは片手を顎に当て、黙って考える。

「まあ、いいだろう。だが、イ・ウーについては知るだけで危険が及ぶ。その中でもとりわけ危険な情報をお前に渡して、地獄の逃走劇に身を落として貰いたいところだが――」

「おい……」

 なんつー、腹黒い事を考えてやがる。

「それをすれば私は初代ジャンヌと同じ死に方をさせられるかもしれん。なので、あれこれと全てを話す訳にはいかない」

「上に消されるのか?」

「いいや、違う。もっと別のヤツにだ」

「別のヤツ? お前以上の実力者でもいるのか?」

 ジャンヌは俺に静かに目を向け、

「お前は私を過大評価しているようだが、私はイ・ウーの中で強さの序列としては最も低い位置だ。私以上の実力者など、山ほどいる」

 淡々ととんでもない事を打ち明けた。

 おいおい……冗談だろ。

 4人掛かりでも翻弄されて苦戦したって言うのに、そんなのが下っ端のポジションだっていうのかよ……

「少し場所を移そう」

 俺が突然の事実に呆然としている中で、ジャンヌはそう提案してくる。

 俺の視線の端に中等部の女子らしい子が扉から顔を出しているのが見えた。

 そう言う事か……さすがにこんな場所で2人で話すのは目立つし、ここは音楽室。

 他の生徒も使うのは当たり前だ。

 不意に窓を見ればどうやら雨は少し弱まったらしい。

 小降りになっている。

 外に出るなら今のウチだ。

 これからイ・ウーについて俺はようやく知ることが出来る。

 ただ、知った後で鬼が出るか蛇が出るか、だ。

 特に鬼は勘弁願いたいところだ。

 

 

 どうやらジャンヌも傘を持っていなかったらしく、あの音楽室で天気が良くなるのを待っていたらしい。

 その音楽室も他の生徒が使用するから出て行かざるを得なかったが……小降りなおかげで俺とジャンヌはファミレスの『ロキシー』に辿り着く事は出来た。

 だがまあ、俺の隣の聖女さんは物珍しそうに周りを見ている。

 と言うかコイツと2人でいると霧の時より目立つ。

 聖女の子孫と言う事だけあって、西洋美人だからな。

 シャープな顔にシュッとしたモデルみたいなスタイル。

 とにかく目立つ。

 あまり目立ちたくない俺は人数を言って、隅っこにあるテーブルに案内するよう店員さんに素早く頼む。

 そしてフリードリンクを頼んだんだが……

「おい、何やってる?」

 ジャンヌはコップを持って見つめたままドリンクバーの前で立っている。

 様子がおかしいので俺は声を掛けた。

「これはどういう装置なんだ?」

 知らねえのかよ……

 予想外過ぎる。

「コップを置く場所があるだろ? そこに置いて写真の下のボタンを押せば、その写真の飲み物が出てくるんだよ。ドリンクバー知らないのか?」

「知らん。私の故郷やイ・ウーには少なくともなかった」

 キッパリとジャンヌは言い切った。

 日本のドリンクバーみたいな感じは海外には少ないのか?

 と、入れたメロンソーダを少し飲みながら何となく考える。

「お、おお……!」

 そして俺の隣のジャンヌ・ダルクさんはなんか知らんがレモンティーが出てる事に感動してる。

 これも文化の違いってヤツなんだろう。

 そう言う事にしておこう。

 

 

 2人用のテーブルに向かい合う形で腰掛けた俺とジャンヌは、お互いに少し飲む。

 それからジャンヌは、コップを置いて切り出した。

「さて、イ・ウーについて知りたいのだったな。まず、イ・ウーに制服などは存在しない」

 そこから始まるのか……別に真剣に聞いてた訳じゃなくて、話の取っ掛かりで聞いただけなんだけどな……

「そうか。じゃあ次に――お前達の組織は、一体どう言うものなんだ?」

 一応は納得しておいて、それから俺は深く切り込む。

「イ・ウーと言うのは天賦の才を持った者が集う場所だ。お互いの才を教え合い、吸収し、研磨し、遥か高みへと昇華していく。いずれは――神の領域まで。そう言う概念を持った組織だ」

 これで合点がいった。

 白雪の狙われた理由はそう言う、天賦の才を持っているからと言うことだろう。

 (つづり)も伸び代があるって言ってたしな。

「理子がお前から作戦立案を学んだって言ってたが……」

「ああ、教えたのは間違いなく私だ。代わりに理子から変装術を私は学んだ」

 どうやら、以前の大泥棒大作戦会議の時に理子が言ってたことは事実らしい。

「1ついいか? 最近の理子の様子はどうなんだ? 会ってるのだろう?」

 ジャンヌは少し心配そうな感じでいきなり聞いてくる。

 その表情に俺は面食らった。

 敵対してた時からは想像も出来ない、優しげな雰囲気があったからだ。

「ああ……あいつはいつも通りだよ。アホみたいなテンションで俺とアリアの調子をかき回してるよ」

「そうか。なら、いいが……」

「理子について聞くって事は、仲がいいのか?」

「同じフランス生まれだ。仲が良くなくてどうする」

 ジャンヌは当然だとばかりに返した。

 だが、今にして思えば奇妙な関係だな。

 片方は大泥棒の子孫、もう片方は聖女の子孫。そして2人は友人だって言うんだからな。

「それに、私は彼女が好きだ。努力家なところが特に気に入ってる」

「努力家……? あの理子がか?」

「普段は明るく振舞っている理子だが、影では貪欲に力を求めていた。何よりも自分を有能な存在に変えたがっていた……」

 そこでジャンヌは言葉を途切れさせる。

 どうやら、メイド喫茶で見た理子の並々ならぬ雰囲気にはそう言う背景があるらしい。

 だが――、

「何のために力を欲してたんだ?」

 そこが分からない。

 力を求めるには何か理由があるはずだ。

 兄さんは言っていた。強くなるのは手段だと。

 俺の兄さんの場合は、弱き者を守ると言う目的のために強くなり武偵となった。

 きっと理子にも同じように理由があるはずだ。

「――彼女は、自由のために戦っていた」

 ジャンヌは目を伏して、そう一言答えた。

「自由?」

「そう、自由だ。理子はその昔、監禁されていた……長い間な」

 衝撃の事実だ。

 いつもの振る舞いからして、理子にそんな過去があるなんて誰も思わないだろう。

 俺も、

「冗談だろ?」

 思わずそう聞いた。

「逆に嘘を言ってどうする? 何のメリットもないだろう。バカか貴様は」

「ちげーよ。嘘を言ってるわけじゃないんだろうが、信じ(がた)いって意味で言ったんだよ」

 俺はジャンヌに反論しつつ答える。

 いきなりバカ呼ばわりとは……まあ、言われ慣れてるから何とも思わんけどな。

「だけど、リュパンは泥棒とは言え高名な一族の筈だ。そのお嬢様である理子が何で監禁なんか……」

「リュパンは没落したのだ。理子の両親が死んだと同時に衰退の一途を辿った」

「両親――理子が8つの時に亡くなった……」

「知っているのか?」

「本人がそう言ってたんだよ」

 俺がジャンヌの疑問に答えると、彼女は「そうか」と短く答えて続きを話し出す。

「なるほど。では続きだが、両親の死と同時に没落したリュパン家は……仕えていた使用人によって多くの財宝が盗まれた。天涯孤独となった理子は親戚を名乗る1人の男に『養子に取る』と言い寄られ、フランスからルーマニアへと渡った。そして、監禁された」

 淡々と語るジャンヌ。

「理子を監禁した人物はの名は――ブラド。お前達が盗みに入ろうとしてる紅鳴館の持ち主だ」

 どうやら、俺達が何をするか知ってるらしいな。

 理子から聞いたのだろうか?

 そこら辺はどうか分からないが、ブラドの名前が出てきたことには驚かない。

 以前の作戦会議で聞いたからな。

「ちなみに理子の監禁の話はブラド本人から少し聞いただけだ。私は、詳しい事を何も知らない。しかし、ブラド本人については色々と知っている。一応、万一に備えて色々と教えておいてやろう」

「随分と親切だな……」

「あいつは危険だからな。それに、お前とアリアの2人はどうでもいいが……理子に何かあって欲しくはない」

 さすがは氷を操る魔女……冷たい対応だ。

 取り敢えずそこはスルーしておこう。

「危険なら、アリアにも言っておいた方がいいんじゃないか?」

「アリアはダメだ。母親が絡むと短絡的になる。ブラドの姿を見たら飛び掛りかねん上に返り討ちにされて、教えた私まで反撃の手が伸びる可能性がある。すごく……すごく気に入らないが、教えるなら白野にしておいた方がいい」

 どうやら、ジャンヌは霧がお嫌いらしい。

 そんな2回も念を押して言わなくてもいいだろう。

 だがまあ、ジャンヌからしてみれば霧のせいで自分の作戦を滅茶苦茶にされたようなものだからな。

 しかもかなり挑発されたし……根に持ってるんだろうな。

 それと、ジャンヌには悪いが霧に教える機会はなさそうなんだよな。

 特にその事を言う必要はないし変に話を広げる必要もない。なのでここは返事だけをしておこう。

「分かった」

「ここからの話は非常時のみ、アリアに話せ」

 とジャンヌは前置きしてから腕を組み、話し始める。

「まず、先日に現れたコーカサスハクギンオオカミについてだ。情報科(インフォルマ)では目下調査中だが……私の見立てではブラドの下僕(しもべ)だと見て間違いないだろう」

「しもべ? あの動物が……?」

「そうだ。かなり利口で、知性もある。色々と訓練されているから油断はしない方がいい」

 それは身を持って既に知った。

 武藤のコルト・パイソンの銃声に怯みもしなかったからな。

 今の忠告はもう少し早めに知っておきたかったよ。

「かなり活動範囲も広い上に、数も多い。特にヨーロッパのルーマニア周辺は密度も濃くなる。おそらく本拠地があるんだろう」

「ジャックと繋がってるって話なんだが、そこら辺はどうなんだ?」

「……なぜお前がジャックとブラドの関係を知っている?」

 ジャンヌは訝しむような表情をする。

 それにどこか不機嫌そうな表情だ。

「アリアから聞いたんだ。ジャックとブラドが繋がっているって言う話をブカレストで耳にしたって」

「先に教えておいてやろう。ジャックに関してはあまり調べるな」

 俺が理由を話すと、ブラドの話をそっちのけにしてジャンヌは警告してくる。

「いいか? おそらく聞いているだろうが、ジャックもイ・ウーの一員だ。ある程度の諜報組織や裏社会でその事は既に周知の事実。だが、あまり知ろうとするな。ブラドに比べればヤツの方が危険だ」

 あのジャンヌが少し焦るような言い方をする。

「危険って、どういう意味だよ?」

「イ・ウーでのあいつは処刑人――パニッシャーだ。組織の規律をあまりにも乱し過ぎたり秘密を喋ったりし過ぎるとヤツに殺される。イ・ウーのリーダーの右腕的存在だ。私が音楽室でもっと別のヤツと言ったのはそのジャックに、と言う意味だ」

 無法者を束ねる秩序ってヤツか?

 毒に対して毒を盛るように、無法者を制するのも飛び切りの無法者と言う事か。

「ヤツの恐ろしさを簡単に説明するならば……そうだな、例えばあそこに居るウェイトレス」

 ジャンヌが少し目を向け、示すように言う。

 俺も目を向けるとさっき俺達を案内したウェイトレスがいる。

 彼女が何だって言うんだ?

「彼女がジャックかもしれない」

「――おい、何言ってんだよいきなり……!」

「例えばの話だ」

 ジャンヌは落ち着いた感じで返してくるが、こっちは冷や汗ものだぞ。

「私の後ろの席にいる男性もそうだ。ジャックかもしれない」

「……どういう意味だよ?」

 要領を得ない話に俺は思わず尋ねる。

 そして、衝撃の事実を彼女は打ち明けた。

 

「ヤツは"誰にでもなれる"」

 

「誰にでもって、そんなSFみたいな話があるか」

「事実そうだ。少し語弊があるかもしれないが時間を掛ければ70億人近い人間の誰にでもなれる可能性がある」

 あっけらかんと言ってくれるが、最悪だぞそれ。

 ジャンヌの言う事が本当ならそんなの捕まえられる訳がない。

 どうやって特定しろって言うんだ。

「私の変装術、もとい理子の変装技術も元を辿ればジャックから教わった技術だ。その完成度は比にならない。変装と言うよりは変身だ」

「どんだけだよ……」

「肌の質感、指紋、声調、方言、癖、性格、性別、年齢、どれも一致したことはない。身長の制限はあるだろうが、靴の厚さを変えれば多少は問題ない。同じ姿を好んでしばらくはそのままでいる事はあっても、それが本当の姿とは言い難い」

「お前……いいのか? そんなに喋って」

 そんな事を知って、俺まで狙われたらシャレにならん。

 だがジャンヌは「大丈夫だ」、と答えた。

「イ・ウーで誰でも知っていることを少し広めても、誰が広めたかまでは分からないだろう」

 なるほど。

 情報を共有してる人が多くいるという事は、ジャンヌの言う通り誰が広めたか分からない。

 さすがのジャックもそこまで地獄耳じゃないだろう。

 じゃなかったら困る。

「だが、問題はジャックと言うのはグループ名であって本当は複数人いるんじゃないかと言う話もあるが――問題ないだろう」

「大アリだろ!?」

「……遠山、ここは他の客もいるのだぞ。静かにしたらどうだ」

 さっきまでドリンクバーの存在を知らなかったヤツに常識を説かれた。

 いや、まあそれは俺が悪いが――

「待て、待て待て……ジャックが複数人?」

 1人ですら捕まってないって言うのに、同じレベルのヤツが複数人もいるかもしれないなんて……どんな悪夢だよ。

「これはあくまでも推察だ。でなければ、人物の不一致に説明がつかないからな」

 やめて欲しい推察だ。

 武偵憲章にある悲観論で備えろとあるが、いくら何でも悲観論過ぎる。

 ジャンヌはそこで話を切り上げに掛かる。

「あと、理子にジャックについて詳しく聞くのはやめておけ」

「何でだ?」

「さっき言っただろう……理子の変装技術は元を辿ればジャックのモノだと、だったら理子がジャックを師事していたと普通に考えれば分かるだろう? あまり聞き過ぎると、理子からジャックの耳に入るかもしれない。理子自身、そういちいち告げ口をしたりはしないだろうが念のためだ」

 とジャンヌは言うが……

 理子、お前の交友関係はどうなってる。

 天下の殺人鬼様が師匠で、お友達はフランスの聖女。

 ビックリ人物相関図ができそうだな……

「あとの問題は、ブラドが帰ってきて理子に手を出したらジャックが出てくる可能性があるかもしれないと言う事だな」

「どうしてだ?」

「どうやらジャックは理子を気に入ってるらしい。そして理子も……ヤツを慕っている」

 (うれ)うような表情。

 銀氷の魔女とは言え、こいつにも友達を思う心はあるらしい。

 敵対してた時からは想像できない全く違う一面だ。

「もし、ジャックが出てきても絶対に敵対だけはするな。殺人鬼とは言え理性的で話せば分かるヤツだ。いきなり中身を引き()り出されるなんて事はないから安心しろ」

 殺されるとかじゃなくて、なんだよその引き摺りだすって。

 何を出されるんだよ。

 それに殺人鬼なのに話せば分かるヤツって言うのが軽く矛盾してる気がするが……

「ジャックの事もアリアには言うな。それと……状況に構わず私の時みたいに噛み付くのはやめるように言っておけ」

 そう聖女さんは忠告を発してくれるが。

 残念ながら俺はアリア(いわ)くドレイなんでね……飼い主様には強く言えんのだよ。

 しかも、あの仔ライオンが噛み付くのを止められたら苦労はしないんだがな。

「話を脱線したな。ブラドについての話に戻ろう」

 ここまで話しっぱなしだったからかジャンヌはレモンティーを一口飲もうとするが、既に氷が完全に溶けている。

 と思ったら、氷が浮き出てきた。

 超能力(ステルス)使いやがったな、便利な上にそう言う器用な事も出来るのか……

 そのまま一口飲んで、話を続ける。

「さて、ブラドの実力だが……現時点でイ・ウーでは上から2番目だ。私の先祖で双子だった3代前のジャンヌ・ダルク、27世と初代アルセーヌ・リュパンが共闘してブラドに立ち向かったが倒すには至らなかった」

「3代前って事は、ブラドの先祖か?」

「いや違う。ブラド本人だ」

 そう言う系の話ですか……

 もう今更、何を聞いても驚かねえよ。

「人じゃないと言うオチか……」

「お前にしては随分と察しがいいな」

 嫌味っぽく言うな。

 どうやらさっきまで理子を心配してたジャンヌはどこかに行ってしまったようだ。

 またしても氷の魔女に逆戻りだ。

「そうだ、ヤツは人じゃない。日本語では何と言えばいいのか分からないが形容するなら、オニ……だな」

 少し言葉に思い悩むように眉を寄せて、ジャンヌは言ってくる。

 俺は言葉を頭の中で反芻(はんすう)する。

 オニ……?

 えっと、鬼……ですか……

 白雪の占いでは『狼と鬼と幽霊に出会う』と言う話だったんだが……2つ目のキーワードが殺人鬼と鬼と2回も出てきてる。

 嫌な予感が滅茶苦茶しまくりだ。

「おい、遠山。冷や汗が出てるが、どうかしたのか?」

「……いや、何でもねえよ」

 何でもなくはないが、今一瞬だけ嫌なパターンを思い浮かべてしまった。

 白雪さん、鬼が2匹とは聞いてないんですが……もし出会うなら1匹だけだよな?

 ブラドとジャックのどちらがマシと言う話でもないが、さすがに鬼の間に挟まれる何て事は勘弁して欲しい……切実に。

「ならいいが。正直な話、今回の件は少し不審なところもあってな。ブラドは何故かは知らないが理子に異様に固執している。しかし、ジャックが取引をしてブラドは理子に手を出さないと言う話だったはずなのだが……どうして、今ブラドの別荘に潜入しようと思ったのかが疑問だ」

 途端に彼女は策士の顔になる。

「さてな、でもブラドの別荘に取り戻したいモノがあるらしい」

「取り戻したいモノ?」

「その取り戻したいモノが何かはまだ分からん。一応、作戦当日に伝える事になってる」

「ふむ……まあ、ともかく。ブラドが帰ってきたら逃げるための戦いをしろ。双子のジャンヌ・ダルクがヤツに銀の銃弾を撃ち込みデュランダルで突いても死ななかったぐらいだ。あと容姿については絵で説明してやろう」

 至れり尽くせりだな。

 それほどまでにブラドが危険だと言う証拠だろう。

 兄さんの情報のために協力する覚悟があるとは言え、気が進まない。

 ジャンヌはメガネを取り出して、学校指定の黒いカバンからノートと油性のペンを取り出した。

「これはイ・ウーで耳にした話だが、どうやらブラドには4つの弱点があるらしい。そこを同時に攻撃しなければ倒せないと聞いた」

 ノートを開き、ジャガイモみたいな縦長の(いびつ)な楕円を描き始める。

「調べたところによると、ヴァチカンから送り込まれた聖騎士(パラディン)に術を掛けられて、自分の弱点に何をしても落ちない目の紋様(もんよう)を付けられたようだ。4つの弱点とはその目の紋様の事だろう」

 話ながらジャンヌはそのジャガイモに手足を生やした。それもかなり太い。

 さらに褌みたいなものを両足の間に描き加えて、頭には子供が描く草みたいなギザギザを生やす。

 波線みたいな口には牙のつもりなんだろう、さっきの草を逆さにしたようなギザギザを付け足す。

 最後にUの字みたいな太い鼻と黒く塗りつぶした点――目なんだろう――を描いて彼女は、ノートを自分の前に掲げる。

「うむ、大分出来たぞ。我ながら良い出来だ」

 自分のスケッチにご満悦してるところ悪いが、

「幼稚園のお絵かきかよ!」

 それぐらいに下手だった。

 おい、素人の俺にも分かるほどに美的センスの欠片もないぞ。

 ルーブル美術館で少しは絵と言うヤツを学んだほうがいいんじゃないか……そう言いたいほどの酷さだ。

「な、何を言う! 人の絵を見るなりお絵かきとは、失礼なやつめっ!」

 いや、どう考えても10人が見たら10人ともそう評価するだろう。

 だがジャンヌにとってはかなりの完成度らしい。

 そのまま反論してくる。

「ともかく、これは似ている。弱点は左右の肩と右脇腹あたりだ。4ヶ所目もある筈だが私には分からなかった。一応、取っておけ」

 そう言ってジャンヌはペンで両肩っぽい所と右脇腹っぽ所に黒い点を描いて俺に渡してくる。

 なんか、これ持ってるの恥ずかしいな。

 おまけに不気味すぎる。

 だがまあ、せっかくの好意だ……無碍(むげ)にはできないし、もしかしたら参考になるかもしれない。

 念の為に貰っておこう。

「分かったよ、それじゃあ俺はこれでな」

 そう言って俺はジャンヌに別れを告げる。

 なんかこの絵、持ってるだけで呪われそうな感じだな~

 そう思いつつも、俺はファミレスを出た。

 

 ◆       ◆       ◆

 

 レストランを出る遠山を見送りつつも私はレモンティーを飲む。

 全く、本当に失礼な。

 私の絵をお絵かきなどと、これでも夾竹桃には「斬新なセンスね」と褒められたのだぞ。

 まあ、それはいい。

 それよりも……問題は理子だ。

 何を盗られたかは分からないが大体は想像できる。

 おそらくは母の形見の十字架(ロザリオ)だろう。

 いつも肌身離さずに身に着けている筈だが、以前に会った時にはなかった。

 一度もその事について聞きはしなかったが、今回ブラドの別荘に潜入すると言う事で盗られた線は濃厚だろう。

 だが何のために取り戻す?

 母の形見だけと言う理由だけではないだろう。

 それに、ジャックに頼めば事足りる話だ。わざわざリスクを負うような方法じゃなくても取り戻せる筈だ。

 ジャックに頼らないと言う事は、やはり理子が個人的にブラドと取引した事が関係しているのか?

 ――ホームズの末裔を倒し、アルセーヌ・リュパンを超えたことを証明し自由を勝ち取る。

 やはり、分からない。

 自分の力でなくともジャックの庇護下にいる理子は、充分に自由な筈だ。

 その庇護下を抜け出して自分で自由を勝ち取るということは……

 

 ジャックのため?

 

 私がある推察に達したところで電話が掛かる。

 知らない番号だ。

「もしもし?」

『もしもし、おねえちゃん?』

 鈴みたいな少女の声。

 声の幼さからしておそらくは10歳に満たない子供だろう。

 この子供の声に心当たりはない。

 間違い電話か……

「私は君の知ってる姉ではないと思うのだが……」

『え~、ちがわないよ?』

 む、もしかして勘違いしてるのか?

 おそらくは私に似た姉なのだろう。

 

『――ジャンヌおねえちゃんでしょ?』

 

 一言、その一瞬で全身を駆け巡る悪寒。

「……ジャックか」

 相変わらず心臓に悪い。

 こんな幼年の少女みたいな声まで出せたとは……

『ちがうよ、おんなのこだからジルだもん』

 子供の意地っ張りな所もよく再現している。

「それで、今度は何のようだ?」

『んとね、ジャックがね。おねえちゃんがわるいことしないかみててほしいって言ってたの』

「…………ッ」

 まさか、先程の会話を見られていた!?

 しかも誰かに頼まれたような言い方。

 ジャックが複数にいると言う推察が当たっていたと言うのか?

 いや、会話を聞いてたならそれを逆手に取ってと言う事もある。

 今は余計なことを考えるな。

「特に重要な秘密や機嫌を損ねるような事は言ってない筈だ」

『えー、でもジャックについてすごーく考えてるかんじだったよ? どうして?』

 どれもこれもただの推論だが、喋り過ぎたか……ッ!

 これは、マズイぞ。

 今まで以上にマズイ状況だ。

「だが、どれも根も葉もない推論だ」

『いーっぱい考えてるってことは、それってジャックについてしりたいからだよね?』

「別に知りたい訳ではない」

『でも、ジャックと理子おねえちゃんのかんけいをうたがってるんだよね』

「違う、私は理子が心配で――」

『ジャンヌおねえちゃん、うそつきなんだ』

 有無を言わせずに私の言葉を遮る。

 なんだ、この悪寒は。

 子供の声なのに狂気が、見え始める。

『ジャックがキライで、理子おねえちゃんにちかづけたくないんだ。だからイジワルするためにしらべてるんだ』

「――待て」

 

『イジワルする子はけしちゃわないと』

 

 早くなる動悸。

 冷や汗が止まらない。

 誰がジャックかも分からないこの状況。

 どうすればいい……!

『んふふ、ふふふふふ……うっそぴょーん♪ かんたんにひっかかっちゃうんだ』

 途端に携帯の向こうから響く笑い声。

『おねえちゃん、ぜんぜんわかってないもん。ジャックはいつも1人だよー。それにね、あのね……これぐらいならジャックもおこったりしないよ?』

 さっきまでの狂気はどこへ行ったのか。

 子供の声が呆気に取られてる私の脳内に響く。

『あんまりジャックにイジワルするのかんがえちゃだめだよ? それじゃあねー』

 一方的に話を進めて向こうから切った。

 力なく携帯を下ろす。

 

 本当に、心臓に……悪い。

 

 不意に窓の外を見た瞬間、誰かが道路を挟んで向こう側から見ていた気がした。

 だが、車が通り過ぎると……誰が見ていたのかも分からなくなった。

 

 ◆       ◆       ◆

 

 ファミレス『ロキシー』の向かい側にある歩道で、私は鼻歌交じりに傘をさして歩いて行く。

 やっぱりジャンヌは私の事を嗅ぎ回ってたんだ。

 音楽室を出たあたりからキンジと2人で一緒にいるのを見て、何か面白い話が聞けるかな~と思って何となく尾行して正解だったね。

 それと、理子がブラドと取引ねえ。

 別に私は束縛とか嫌いだから、理子に限らずソフィーお姉ちゃんのところの人達は好き勝手にやってるけどさ。

 ちょーっと今回は理子の行動は見過ごせないかもね。

 もしかしたら……ね。

 ま、今の内にココ――もとい藍幇(ランパン)かカツェ先輩あたりに連絡をして仕入れて貰おう。

 それに以織ちゃんの事もあるからね~

 いや~、今回はイベントが目白押しだね。

 実に楽しみだよ。

 




ブラド編は霧ちゃんの本性を表に出す感じなイメージです。

色々とフラグがビンビンに立ってもうてるがな……

そして、ジャック複数人説で思いついたネタ。

ジャック「ジャックです」

ジル「ジルちゃんです♪」

『2人は切り裂き屋(リッパー)!』

このフレーズはないな……
あと双子とか……絶対にやってられない――主人公たちが。
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