緋弾に迫りしは緋色のメス   作:青二蒼

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新章、開幕。

とは言え……あんまり長くない話になるでしょうけど。

もうすぐ仕事始め。

働きたくないでござる……と言うのは、半分冗談。


第7章:裏側の役者達(アクター・オブ・ロンドン)
63:数学者のチェス盤へ


 

 さて、イ・ウーが崩壊しても世界は変わりなく日常を迎えている。

 だけどその裏では色々と慌ただしい事になってるだろうね、おそらく。

 今は7月の終わり。

 まず最初に帰って来たキンジは肋骨が折れてたため全治約1ヶ月。

 すぐに武偵病院へと搬送された。

 単位の補填のために受けたカジノ警備の依頼は完遂、ではなく……営業を円滑に継続させる事が出来なかった為に評価を半減すると言う教務科(マスターズ)のお達しが私に来た。

 まあ、この依頼を受けたのは私って言う事になってるから依頼に関しての知らせが来るのは分かる。

 別にそれを知らされた所で私は別に単位不足になってる訳じゃないから、どうと言う事もないんだけど……

 キンジは引き続き留年危機って訳だね。

 その本人に私が知らせる必要は……ないね。うん。

 退院しても夏休みは残ってる訳だし、残りの単位ぐらい何とかなるでしょ。

 それにほら、本人が聞いたら治療に専念どころじゃなくなるだろうし。

 何て言い訳がましい屁理屈を自分の中で並べたてる。

 何にしても、私は無事に熱が治ったと言う事にはなっている。

 それより……この夏が終わってやる事は1つ。

「里帰りしよう」

 やっぱりそう言うのは大事だよね。

「唐突だね」

 この部屋の持ち主であるである理子は、ベッドの上で漫画を読みながら呟く。

「理子は乗り気じゃないの?」

「まさか――」

 漫画を閉じて理子はクローゼットの扉へと行き、そして勢いよく開け放つ。

 そこにはキャリーバックとその他諸々の荷物が既に押し込められていた。

「準備バッチリです」

 そう言って妹は舌を出しながらウインクして親指を立てる。相変わらずあざとい。

 気のせいか、目が爛々(らんらん)としてる。

 楽しみだったなら別に良いんだけどね。

 それに、里帰りと同時に別の用件もあるし。

「なら話は早いね。チケットは既に私が取ってあるから」

「おー、さすがお姉ちゃん。で、いつ帰るの?」

「明日」

「わーお、話も唐突だけど予定も唐突に入ってきた……」

 

 

 と言う訳で翌日。

 あの後、荷物を纏めてすぐさま空港へと送り、私と理子は交通機関を利用して羽田空港へと向かう。

 そして、羽田空港の第2ターミナルへ到着。

 夏休みと言う事もあって、観光客や旅行者がそれこそ掃いて捨てる程にいる。

「ねえ、お姉ちゃん?」

「うん?」

「チケットの飛行機が出発するまで1時間ぐらいあるけど……」

 つまり着くのが早すぎないかと、理子は言いたそうにして言葉をそこで区切る。

「実は待ち人がいてね」

「待ち人って……リリヤ?」

「ふっふっふ、違うんだよねーこれが」

 理子に対して私はしたり顔で答える。

 とは言え、問題は2人が仲良くしてくれるかって言うのが少しばかり心配なんだけどね……

 ちょっとした凸凹コンビになりそうな予感だよ。

 何て言う予感していると、人の波間に見えた待ち人の姿。

 服装は武偵高の制服ではなく、私服。

 この暑い季節らしい、デニムショートパンツにコーデと言うシンプルな感じで来た。

 こうして見ると……結構モデル体型なんだねあの子。

 そして、ライカと同じで女性にしては長身だし。

 向こうもこちらに気が付いたのか、私は手を軽く振って存在を主張する。すると、彼女はどことなく嬉しそうに口元を上げた。

 その私の様子を見てか、理子も同じように私と同じ方向に視線を向ける……が、理子は低身長だからね。見えにくいのか背伸びをして探そうとする。

「どの子?」

「あー、あの黒髪で女性の割には長身でメカクレしてる子。こっちに真っ直ぐ歩いてきてる」

「ふーん、でお姉ちゃんとの関係は?」

「前にも話したと思うけどね。新しい妹の事について、チラッとだけど」

「なるほど、お姉ちゃんの毒牙に掛かってしまった子か」

「そうだねー。でも、理子よりも素直なところが気に入ってるよ」

「うぐ……手痛いカウンター……。もしかして、ブラドの時の事を結構気にしてる?」

「さてね」

 気にしてない筈なんだけど、私は何故かはぐらかした答え方をする。

 変な違和感を覚えて思い返す前に、新しい妹――以織が目の前へと来てしまった。

「お久しぶりです、姉上」

「そうだね。元気そうでなにより」

「ええ、姉上のおかげである程度は……そちらの方は?」

 私の隣にいる理子を見て、以織はもっともな疑問を口に出す。

「どうもー、お姉ちゃんの妹の峰 理子ことりっこりんです♪ よろしく!」

 いつもの調子で挨拶する理子に以織は目を細めてたじろぎ、少し後ろに引き気味。

 性格的にほぼ真逆だから……理子のこのノリは、真面目キャラにはキツいんだよね。

「あ、その……よろしくお願い、します」

 と以織は、きちんと挨拶をする。

 かなり腰が引けてるけど。

「さあ、ちょっと早いけど行こう。色々と話しておく事もあるからね」

 言いながら私が第2ターミナルへと入るのに続いて、妹2人も後ろから付いてくる。

 

 

 チケットを見せて出国の手続きを済ませて、無事飛行機に乗り日本を出発。

 最初に目指す場所はニューカッスル国際空港。

 それから14時間ほどの空の旅と洒落込んだ。

 以織は起きてる時、ほとんど飛行機の窓を見ていた。後悔はなさそうだけど、未練は多少ありそう。

 そんな面持ちだね。

 対して理子は毛布かぶって幸せそうな顔して爆睡してたけど。

 何にしても、ほぼ半日を掛けてようやくたどり着いた。

「やっと着いたー!」

 空港から出ての理子の伸び伸びとした第一声。

 実際にはまだ目的地には着いてないんだけどね。

 時差の関係上、日本を出発したのがお昼頃で……14時間だから、まあ……普通なら朝方。

 だけど時差で日本時間から9時間戻してだから、正直出発したお昼前後からあまり変わってない。

「まだ目的の場所には着いてないけどね。以織は大丈夫?」

 明らかに顔色が悪くて、吐き気ありそうな感じだけど。

「もちろん、です」

「いおりん、時差ボケっぽいね」

 本人は大丈夫って言っても理子の言う通りで完全に時差ボケしてるね。

 まあ、若くて体力のある子ならそんなに症状が長引く事はないでしょう。

「移動してる間に休んでればちょっとはマシになるよ」

「すみ、ません……」

 喋るのが辛いなら喋らなければいいのに。

 私の気遣いに律儀に以織は答える。

 

 

 さらに移動して、空港から1時間ほどバスや電車を利用して1時間程でダラム駅に到着した。

 中世の石造りの家のようなホーム。

 まさしく外国の田舎って感じだろうね。

 渡航経験があまりなさそうな以織としては、珍しいものを見るような感じだろう。辺りを少しばかり見渡している。

 あと、当たり前だけど日本人がいない事に少しばかり心細そうな感じ。

 だけども態度は毅然(きぜん)としてるから大したものだよ。

 何かに気づいたのか、理子は「お?」と声を上げてキャリーバッグを持ってホームの外へと駆け出す。

 私達もそれに続いて理子の後を追うとそこには、

「……お帰りなさい」

 メイド服姿のリリヤが待っていた。

 イギリスの由緒正しいメイド服だから別に不自然ではない。

 多少メイド服に理子のアレンジが混じってるけども、それでもあからさまに変ではない。むしろ似合ってる。

 珍しい光景ではあるだろうけどね。

 そんなリリヤに理子はハグしている。

「ただいま! こうして会うのも久しぶりだね。それよりも理子達が帰ってくるのがよく分かったね」

「……ソフィーに言われて」

「なるほど、納得。それじゃ、さっさと荷物積み込んじゃおう♪」

 そう言って理子はリリヤから離れて足取り軽く、リリヤの後ろにある黒塗りの車のトランクを開けてキャリーバッグを放り込む。

 それから私達も手荷物を載せて、車へと乗車。

 リリヤがドライバーで、ダラム駅を後にする。

 ……。

 …………。

 ………………。

 それから十数分してようやく辿り着いた我が家。

 いやはや、相変わらず時間の掛かる里帰りだよ。

 鉄柵が開き、車は屋敷の敷地内へと入る。

 絵に書いたようなイギリスの貴族屋敷に以織は少しばかり驚いている。

 て言っても、表は庭園も噴水も何もない芝生だけどね。

 手入れが楽でいいけど。

 地下の駐車場へと向かわず、そのまま玄関先へと到着。

 車を降り、トランクからそれぞれの荷物を取り出して玄関へと続く数段の階段を上がろうとした瞬間――

「……待って」

 リリヤから足を止めるように言われ、3人とも足を止める。

「どうしたの?」

 理子が不思議そうに尋ねると、

「……そっちの人、もてなしてない」

「そっちの人って、いおりん?」

「え、私……ですか?」

 リリヤと理子に目を向けられてキョロキョロする以織。

 もてなしってどう言う事やら……

 私が何か嫌な予感がしてると――

「……そう、もてなし」

 蜂の羽音にも似たような音を響かせて何かが近付く。

 そこには数機の蜂のように機体の下部に銃が取り付けられた小型ドローン。

 SF映画か最近のゲームで出てくるような兵器が目の前にある。

 いつの間にこんな物を……と言うか、研究所から連れ出した時にはこんな兵器は無かったはずなんだけどね。

 さては、私がいない間に色々と新装備でも作ったのかな?

「あー、リリヤ? 物騒なもてなしだけど誰から教わったの?」

 理子が引き攣りながら聞いてリリヤの口から出てきた名前は、

「……ジェームズ」

「James!!」

 理子はいるであろう人物に向かって、英語で屋敷に吠える。

Chill(うるさいぞ)!!」

 すぐに目的の人物は窓を開け放ち、理子に向かって叫ぶ。

 それから2人は英語で「リリヤに何教えてるの!?」「そこのチェシャ猫が、得体の知れないのをよく連れてくるからだ!」と言うやり取りをする。

 ジェームズの言うチェシャ猫って、私に対する皮肉?

 いつもにこやかな笑み浮かべてるし、自由に姿を消してるようなものだけど。

 隣の以織はどうしていいか分からないって言う感じで、困った表情をしている。何となく歓迎されてないのは分かってるような感じではある。

 まあ……リリヤは日本語で話してたけど、今怒鳴り合ってる2人は英語で喋ってるからね。

 言葉が分からないのも、困惑してるちょっとした原因にはなってるだろう。

 幸いにも……この屋敷にいる面子は全員日本語は分かるし話せる。

 ウィリアムはちょっと変なイントネーション入るけど。

 と、それは置いといて――

「リリヤ……悪いけど、下げてもらえる? 新しい家族だから、ね? ソフィーお姉ちゃんから何か聞いてない?」

 と、私が聞くと、

「……そんな事、言ってた」

 一拍おいてリリヤは無表情で答えた。

 やっぱりね。

「そう言う訳だから、よろしく。以織、行くよ」

 それから以織は入っていいのか迷いながらも私についてくる。

 未だに理子とジェームズは何か言い合ってるけど放置しておこう。

 久々に思えるこのどことなく落ち着いた雰囲気のホールへと入り、私は以織へ振り返らずに語り掛ける。

「靴は脱がなくていいからね」

「え? あ、そうでした」

 気付いて、慌てるような口調。

 日本には靴を履いたまま家に上がる習慣がないからね。

 まあ、しばらくは文化の違いで困惑するだろう。

「さて、それじゃあ……まずは挨拶だね」

「ここの家主、ですか?」

「そうそう。私の姉にあたる人だね」

 言いながらも、私はカーブを描く階段を上がって行く。

 これからどんな事が待ち受けるのかを楽しみにしながら。

 

 ◆       ◆       ◆ 

 

 楽しそうな足取りで姉上は上階へと上がっていく。

 姉上の姉、か……

 今更ながら変な感じだ。

 この人に付いて行くと決めた。その事に後悔はない。

 独りは嫌だから……

 自分は心の拠り所を剣以外に求めていたのかもしれない。

 それは、無機質な刀ではない……確かな温もりを。

 今、私が見て追っている背中は相当な危険人物ではあるだろう。

 本来なら何かしら疑うべき筈なのに、この人の言葉は何故か真っ直ぐに私の心へと届き、そしてそれが嘘でないと思わせられる。

 変な魅力を持った人だ。

 だが、そんな姉上が付き従う姉とはどんな人物なのか少しばかり興味が湧く。

 そうして歩いている内に、両開きの木製の扉の前で姉上が止まった。

 それから姉上がノックをしようとしたところで、

『開いてるわ』

 扉の向こうから透き通るような声の日本語が聞こえてきた。

 英語ではなく日本語である事に少しばかり驚く。

「全く、お父さんもお姉ちゃんもノックする前に言ってくるんだから」

 つまりはいつもこんな感じなのだろう。

 姉上がそう少しばかり呆れるように言いながらも扉を開ける。

 私もそれに続いて入った先には、アンティーク机でメガネを掛けて本を読む小柄な少女。

 儚げで、白い肌が目に付く。あまり外に出るような感じではない。

 文学少女。

 第一印象としては、まさにそれだ。

「ただいま」

「お帰りなさい」

 本を読みながら、少女はこちらに目を向けずに姉上にそう返す。

 それからメガネをずらして本に向けていた視線を私へと移してきた。

「その子が……」

「そう、新しい家族」

 少女の言葉に続くように姉上は答える。

 自己紹介、した方がいいようだ。

「その、初めまして……岡田 以織です」

「………………」

 少女はなんの反応も示さずに私を真っ直ぐに見てくる。

 その瞳は、何というか……空虚でいて、何もかもを知っているかのような悟りきった目だった。

 引き込まれそうでいて、不気味な視線に思わず喉を鳴らしそうになる。

 それから少女は1つ息を吐いて、本を脇にどける。

「私はソフィー・モリアーティ。初めまして、"人斬りの子孫"さん」

 ドクンと、心臓が高鳴る。

 どうしてその事を……

「疑問に思ってるでしょうけど、少し考えればすぐに答えは出るわよ」

 と言ったところで、私はすぐに単純な答えへとたどり着く。

 私の事は既に調べられていた、と言う事なんだろう。

「情報提供者は言わずもがな、隣のあなたの姉よ」

「いやー、ごめんね。さすがに素性の知れない子をいきなり受け入れてください、何て言う訳にも行かなかったから」

 と言いながら、姉上は悪びれなく答える。

 至極、当然と言えるだろう。

 それに通りですんなりと私の受け入れが上手く行ってると思っていた。

 それから少女は、革張りのデスクチェアを後ろへと引いて立ち上がる。

 ……ち、小さいな。

 本当に少女のような身長だ。

 おそらくだが私の胸の上ぐらいまでの目線の位置。

 今、玄関先でまだ言い争っているかもしれない理子さんと同じくらいだ。

 これで、姉上より年上なのだろうか?

「言っておくけど、私はこんな容姿でも21よ」

 机に手をついて、こちらの疑問を見越したように少女は答える。

 え? 21……?

 とてもそうには見えない。

 どちらかと言うと、中学生……下手をすれば小学生で通りそうな感じだ。

「病弱なせいでこの身長なの」

「そ、そうなんですか……」

 それから歩み寄りながら私へと言ってくる彼女に、私はそうどぎまぎして答えるしかない。

 こちらへと歩いてくる彼女の足取りは弱々しい。それこそ、軽く力を入れれば折れてしまう枝のよう。

 病弱と言う話も嘘ではない事を感じさせる。

 私の目の前まで来た彼女は、メガネを外して右手を差し伸べてくる。

「まあ、これからよろしくお願いするわ」

 これがどう言う意味なのか、少しばかり悩んでいると。

「以織、握手」

 と姉上から助言される。

 これはいわゆる挨拶の握手なのだろう。

 あまり日本では見ない光景なので、少しばかり悩んでしまった。

 私は彼女の右手を握る。

 その手は、柔らかく……握られた手は今まであまり運動もした事のないような弱々しさだ。

 挨拶を終えて、彼女は顔を姉上へと向ける。

「部屋は用意してあるわ。ジル、あの少し狭い書斎よ」

「あそこね、了解。それと……離れる前にお姉ちゃんに贈り物ね」

「そうでしょうね、あの人の事だから。そうだと思ったわ」

 言ながら姉上は、パイプを彼女に渡す。

 それを見て彼女は静かに受け取り、机へと引き返す。

 すぐに椅子へと座り彼女は、

「もう下がっていいわよ」

 静かに言った。

「それじゃあ、行こっか?」

「は、はい」

 姉上に連れられて私はその彼女の部屋を出る。 

 そのまま案内されたのは小さな木製の扉。

 姉上が扉を開けて中をみれば、そこには小さな書斎の部屋だ。

 縦長の窓ガラスが1つ、その傍にアンティーク調の木製デスク。

 左に本棚、反対に小さなベッドとクローゼット。その間の通路は2人分の広さと言った感じ。

 少しばかり狭い気はするが、広いよりかは落ち着く。

「暮らすには十分だね。広いよりかはいいでしょ?」

「ありがとうございます」

 部屋を見てそう評価する姉上に対して、私は素直にそう感謝を述べる。

「今日はもう休んで、また明日ね」

 そう言って姉上は部屋を出て行った。

 いきなりの環境の変化。私の周りで色々な事が起きている。

 それなのに、私は多少困惑しても落ち着いている。

 その事について疑問に思わない訳ではない。

 でも……今は考えないでおこう。

 私はすぐにベッドへと倒れ込んだ瞬間、そのまま落ちるように眠って……いく。

 

 ◆       ◆       ◆  

 

 私は以織を部屋に案内したあとに、すぐさまお姉ちゃんの部屋へと引き返した。

 そのままノックもなしに両開きの扉を開ける。

「さーて、これからどうするつもりか……方針を聞いてもいい?」

 開口一番、私はワクワクしながら尋ねる。

 って……早速、お姉ちゃんはお父さんから贈られたパイプを使ってるよ。

 吸ってる煙は薬草の類だろうけど。

「そうね。まずは、役者を集める。あなたの弟子とお友達もね」

「それから?」

「動かす時は、私から声を掛けるわ。それまでは……アメリカの(ゴールド)で遊んでなさい」

 何やら意味深な事を。

 仕方ない……困った弟子に会いに行くしかない、か。

 色々と予定を組んでおかないと、聞く事は聞いたし……

 そう思って部屋を出ようとすると、

「それと――」

 呼び止めるように声を掛けられ、私は振り返る。

(ルーク)を仕上げておきなさい」

 了解、の意味を込めて私は軽く敬礼して私は部屋を出る。

 舞台の裏側で役者集めか。

 騒がしい裏側になりそうだね。

 

 




うむ、なんの変哲もないお話ですな。

今回の章は割とオリキャラが出演する予定です。

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