咲-Saki- 鳳凰の雀姫   作:古葉鍵

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お待たせしました。


第一話 入部

最近、兄様がいつも楽しそうにしている。

おかげで二人きりで暮らしているマンションの空気も明るくなったように感じられ、なんだか私も幸せを分けてもらったような気持ちになる。

機嫌のいい理由を質問したら、麻雀部に入部して日々充実した学生生活を送れているから、という答えが返って来た。

その回答に私は驚いた。なぜなら、兄様が中学1年生のときに所属していた麻雀部を退部して以来、今後学生という立場で麻雀に関わるつもりがない、ということを明言していたし、私や友人の説得でも翻意させられなかったからだ。

それだけ大きな理由があり、決意も強かった兄様が高校に入って心変わりをした。その原因はわからないが、きっと良い出会いや出来事があったのだと思う。

生まれつき私は体が弱く、療養を名目とした入退院を繰り返して両親や兄様に多大な負担や心労を背負わせてきた。

兄様が学生で麻雀をやらなくなった理由に私の面倒を見なければならない、という話があったことを兄様の友人から教えられたことがある。

決して私を責めるような論調ではなかったが、妹である私から兄様の退部を翻意させるための説得を遠まわしに頼むような含みがあった。

事実、私の入退院や定期健診の付き添い、自宅における面倒を見てもらったりして、兄様には負担を強いていた。

そうした申し訳なさがあり、学生生活限定とはいえ私のために好きな麻雀を止めるなんてどうかしないで欲しい、と兄様を説得したのだけど。

「すまん、お前の事を退部理由に挙げたのは方便のつもりだった。本当の理由は別にあるのさ。だからお前は何も気にしなくていい。つか誰だ、お前にそのことチクった奴は……」

なんて、私の頭を優しく撫でつつ苦笑しながら言ったのだ。

その態度があまりにも自然で、嘘や気を使ってる様子を全く感じさせない兄様の言葉に、当時の私は愚直に納得し安心してしまった。そのことを今でも悔いている。

兄様の言うとおり、私のあずかり知らぬ確たる退部理由がそこにあったのだろうと思う。だけど、私が兄様の時間を奪い、負担を強いていたのもまた確かなのだ。

理由の全てではなくとも、有限の時間を麻雀より私に割り振るため、という意図も少なからず含んでいたのではないかと、あの頃より思慮や分別のついた今でなら察することができる。

当時にそうした判断が出来ていれば兄様の説得にもっと熱意と努力を払っただろうし、その結果退部を撤回してくれたかもしれない。

中学生麻雀界王者という華々しい栄光と活躍の場を奪ってしまったのは私。そういう負い目が少なからずあった。

だからこそ、兄様が高校で麻雀活動を再開してくれたのは、私にとって胸の閊えが取れるような出来事だった。

私も中学への入学を機にいずれ麻雀部に入部しようと考えていて、兄様にそれとなく話してもいた。

兄様の時間と機会を奪った元凶たる私が、のほほんと学生麻雀を始めることについてどう思うか気になったからだ。

私は後ろめたかった。

だけど、昔に較べて健常体となり、日常生活上の支障もほぼなくなった私が人並みの学生活動を送ることで、兄様に「もう私のことは心配いらない」と知って欲しかったから。

そうすればきっと、兄様は安心してやりたい事(麻雀)に打ち込める。そう思った。

麻雀部を選んだのは、自宅療養が常であった私に兄様が麻雀を教えてくれ、家族でよく打っていたおかげでそれなりに自信があれば興味もあったからだ。

麻雀部以外では、吹奏楽部やお料理研究会にも少し心を惹かれたけれど。

前者については、ピアノが弾けたらいいな、くらいの動機。

私は自宅療養中に一時期、講師からレッスンを受けていたので多少ピアノを弾くことができる。もっとも、胸を張って特技だと言えるレベルではないし、何よりピアノが弾きたいだけなら自宅でもできるので、部活動に固執する理由にはならなかった。

後者については、兄様と二人暮らしを始めてから料理をする機会が増えたので、その一助になればと考えたから。しかしこちらも、突き詰めれば自宅で研鑽できるので候補から外した。

決して合理性だけで決めたわけではないけれど、麻雀は四人いないと出来ないので部活に入る意義は大きい。

ちなみに激しい運動はドクターストップがかかっているので運動部は元より選択肢にない。

結局、学生生活に慣れるまではと思い、麻雀部への入部を躊躇っていたら兄様に先を越されてしまった。

嬉しいけど、ちょっぴり悔しい。

中学生になってはや2ヶ月近い時間が経過している。

学生生活の要領は大体掴んできたし、そろそろ入部に踏み切ってもいいかな。

校舎3階にある1年生の教室、窓際の席から外の景色を眺めつつそんなことを考えていたら、

 

「はい、発中さん。この問題を解いてみてください」

 

などと先生に当てられてしまった。

そうだ、今は授業中なのだ。余所事はいけない。

物思いを中断し、席を立って黒板へ向かう。今は数学の授業で、黒板に書いてあるのは方程式の問題だ。

自宅療養で家に篭りきりだった私は、退屈凌ぎを兼ねた将来の準備として少なくない時間を自習に充てていた。

もちろん自習だけでは限界があったけれど、兄様が家庭教師をしてくれたおかげで何とかなった。

ちなみに、兄様は学校を頻繁に休んでまで家庭教師の時間を作ってくれたのだけど、兄様いわく「退屈な授業をサボる口実だ」らしい。そんなに学校を休んで大丈夫なのかな、と子供ながらに心配したのだけど、成績優秀な事と両親の理解があったので問題なかったそう。

そんなわけで、多少偏りはあるものの既に中学1年生レベルの学力は身に付けていた。

反面、運動は体力不足もあってからっきしだ。

キキキッ、とやや耳障りなチョークを滑らせる音を我慢して回答を板書する。

 

「……できました」

 

私の声に、先生は黒板を確認した後、うんうん、と2度ほど頷くと、「よくできました、正解です」と満足そうな表情で私を褒めてくれた。

それが面映いと同時に、教室中の視線が私に集まっていることを感じて恥ずかしくもある。

私は先生に小さく会釈して逃げるように窓際の一番後ろにある自分の席へ戻った。

数多の視線を逃れてようやくひと心地ついた私は、見苦しくない程度に小さくほぅ、とため息をつく。

優等生を気取るつもりはないけれど、授業は真面目に受けるべきだと考えてる。

しかしながら既に授業分の知識を修めた身としては、退屈を感じて集中できないのは仕方ないと思う。

板書しながら朗々と方程式の解き方を説明する先生の声を右から左に聞き流していると、少しずつ眠気が襲ってくる。

睡魔との抗戦に腐心しているうちに、ほどなくして本日最後の授業終了のチャイムが鳴った。

「今日はここまで」と簡潔に告げて教室を出て行く数学の先生。その背中を目で追いながら、内心で放課後の行動を考える。

今日麻雀部へ入部届を提出する予定だが、その前に済ませないといけない用事があったのを思い出す。

 

「ね、発中さんはこれから帰り?」

 

ふと、隣の席に座っている女子クラスメート、赤弓さんが話しかけてきた。

本名、赤弓妙歌《あかゆみみょうか》。この学校で初めてできたお友達。

快活で気立てが良く、中学1年生にしては発育が良く、高身長スタイル抜群の小顔美人。長いポニーテールの髪型がその凛々しさを際立たせている。

その上運動神経も良くて、天から二物三物を与えられた見本のような子だ。

そんな赤弓さんだからこそ男女問わず人気があり、クラスの中心的人物である。

実際その人気を裏付けるように、思春期真っ最中の男子からすでに何度か告白されているらしい。

彼女はそれを全て断っているようだが、その理由というか恋愛観がなかなかシビアだ。

「お子ちゃまはちょっと、ね。それなりに理想も高いし」だそうだ。

精神的に成熟していて、隣に並んでも彼女に見劣りしない男性など同世代ではそうそういないだろう。兄様なら彼女の理想を満たせるかもしれないが、紹介したいとは思わない。

なぜなら、私が重度のブラコンだから。

他の女性が兄様に近づくのを想像しただけで、途端に胸が苦しくなる。その女性が私にとって親しい人であっても、苦しさはきっと変わらない気がする。

兄様が中学生のとき、大星淡さんという同級生の女性ととても親しくしていた。

淡さんは表面上は無愛想だけど本当はとても優しい人で、実家に遊びに来たときは私とも親しくしてくれた。

私は淡さんを大切なお友達だと思ってるけれど、いつか兄様を取られるんじゃないかって心のどこかで警戒心も抱いていた。

長野に引っ越すことになって、兄様も一緒に来てくれることが決まったとき。真っ先に抱いた感情は罪悪感ではなく、私が選ばれたという優越感、そして淡さんがいなくなるという安心感だった。

自分でも嫌な人間だと思う。醜い心をひた隠し、弱々しいフリをして兄様の、家族の、他人の寵愛を得ようとする浅ましい女の子。

そうやって心の中だけで卑下したところで、それはただの自己憐憫かもしれなかった。

自己嫌悪に陥りかけたところで不毛さに気付き、思考を停止させる。

 

「ううん、ちょっと用事があるから……」

 

正直気の進まない用事だけど、放置するわけにもいかない。

 

「もしかしてまた?」

 

精彩に欠ける私の声と口調から、赤弓さんは”用事”の内容に心当たった様子だった。

 

「うん、朝登校したら靴箱に入ってたの」

「まったく、ついこないだまで小学生だったうちらに何求めてるんだか。男子どもはちょっと顔がいい子を見るとこれだから呆れるわ。で、今度はどこに呼び出されたの?」

「……屋上かな」

 

ここまでの話を聞けば誰しも想像がつくと思うけれど、簡単に言うと私が置き手紙を貰い、そこに放課後屋上に来て欲しいと記載があった。

それにしても手紙を出した当日の放課後指定とか、私がたまたま体調不良等で登校して来なかったら必然的に待ちぼうけになると思うけど、そういう可能性は考えないのだろうか?

 

「またありがちね。ま、告白スポットなんて限られてるから仕方ないかもしんないけど。ちなみに今回で何回目?」

「えっと……手紙で呼び出されたのが6回、直接告白されたのが3回、人伝で呼び出されたのが4回。差出人の名前がない手紙は10通近く貰ってるよ。それ、私にどうして欲しいのかな……」

 

呼び出されて告白されるのはまだまし。一方的に好意だけを綴った差出人名のない手紙は正直気味が悪いとしか言いようがない。

 

「あー、そーゆーの私も貰ったことあるけど、キモイよねー。何かストーカーっぽくてさ。どーせ直接告白する勇気はないけど、気持ちは伝えておきたいっていうジコマン君の仕業でしょソレ」

 

赤弓さんの辛辣な物言いを持て余した私は、苦笑しつつ控えめに同意する。

 

「あはは……ストーカーは嫌だよね。怖いし」

「発中さんは男子に凄く人気があるから、割と冗談じゃすまないかも。帰り道では物陰に気を付けた方がいいわよ?」

 

そう言う赤弓さんの表情は、脅かしてからかうという感じではなく、真剣に心配してくれているものだった。

 

「うん、気を付けます。でも、私は東京育ちだから珍しがられてるだけで、そのうち私みたいな退屈な人間のことなんて誰も見向きしなくなると思う」

 

私なりの見解を述べると、赤弓さんは頭痛を堪えるような仕草で顔に手を当てた。どうやら呆れているようだった。

 

「まったく、謙遜も度が過ぎると嫌味よ。それが本心であってもね。東京育ちだからってのは否定しないけど、それだけで誰彼からモテるわけないじゃないし。……周り、見てみなさい」

 

赤弓さんらしい歯に衣着せぬ率直な発言には、私に心得違いを納得させるだけの説得力があった。

台詞の最後、私にだけ聞こえるように声を潜めた指示通りに周囲へ視線を巡らせる。極力何気ない仕草を装ったのに、視線を意識されたのか、数人の男子が私の方からさっと顔を背けた。

果たしてこれは偶然……なのだろうか?

 

「わかった? こっちを見てた男子が何人もいたでしょ。それだけじゃない、放課後になっても教室に居残ってる男子がやたら多いと思わない?」

 

そう言われて初めて教室内の状況が不自然だと気付く。

女子なんて私たち以外にはお喋りしてる子が2人いるだけなのに、男子は10人以上も教室に残っている。

しかも男子たちは誰かと会話をしてるわけではなく、机の上に教科書やノートを広げてたりもせず、手持ち無沙汰で無為に滞在してるように見える。あからさまに不自然だ。

さらに言えば、新入生とはいえ時期的にはもう大半が部活に加入済のはず。言い方は悪いが教室でダラダラ過ごす理由はないと思うのだ。

私の表情に納得の色が浮かんだことを確認し、赤弓さんが「どう、わかった?」と言いたげな顔で肩を竦めた。

 

「発中さんが教室を出るまで毎日こうなの。呆れるでしょ?」

「う、うん……。流石にこれはちょっと……」

 

教室の半分以上の異性が私を強く意識して行動してるなんてこと、はっきり言って怖いし、生理的な嫌悪感で肌が粟立つ。

とはいえ勘違いの可能性がないわけじゃないし、自意識過剰と思われるのも好ましくない。

 

「入学式以降しばらく、発中さん男子に群がられて迷惑そうにしてたでしょ? 表面上はそこそこ愛想よく振舞ってたけど、内心嫌がってるの見て解ったし。だから私、『発中さんが男子に付き纏われて迷惑だってぼやいてた』って噂を女子に流したんだよねー。そしたら男子ども、直接のアプローチ諦めて今みたく遠巻きになったワケ」

「そ、そうなんだ……」

 

私のあずかり知らぬところでそんな裏事情があったなんて……。

赤弓さんのカミングアウトにどう反応すべきか迷い、私は声に困惑を滲ませつつも一応の理解を示した。

私を思っての行為に感謝の気持ちを抱く反面、噂を捏造されたことにため息をつきたくなるのは私の心が狭いからだろうか。

そんな私の胸中を読み取ったのか、赤弓さんは片目を瞑りながら右手を立てて謝罪を口にする。

 

「や、ごめん! ほら、私ってお節介だからさ。親切の押し売りかな、とも思ったけど、発中さんが困ってるの見てられなくて」

「あ、ううん、そんなことないよ。ありがとう」

 

赤弓さんの洞察は実に鋭い。図星を突かれた思いで、私は慌てて礼を言った。

すると赤弓さんは破顔し、手を後頭部に回し照れた様子だった。そして晴れ晴れとした口調で言う。

 

「そう? 良かった! 今だから言えるけどさ、私が流した噂のせいで、女子たちは発中さんのこと”猫被ってる”とか”実はキツイ性格”とか誤解しちゃってるのよねー。まああんまり清楚然、お嬢様って感じだと距離取られちゃうから、多少人間味ってか、卑近さ見せといた方が親しみもてていいかな? なんて思わなくもないんだけど。でもやっぱり誤解されちゃったのは確かだから、ほんと申し訳なくって! いやー、胸のつかえが取れてほっとしたわ~」

 

…………。

ここは怒るべきところなのだろうか。

今後の学生生活に差し障りを招きそうな事実を、今さらっと告白された気がする。

 

「それは……よ、良かったね、赤弓さん」

 

きっと赤弓さんに悪気はない。むしろ善意でしてくれたことに憤りを感じるのは筋違いで恩知らずだ。

私はそう自分を納得させ、ひくつきそうになる頬を宥めながら相槌を打った。舌がやや空回っているのは、怒りのせいじゃないと思いたい。

 

「でもね。自分を正当化したくて言うわけじゃないけど、男子にちやほやされて迷惑、って態度を見せるのは必要なことなんだから」

 

急に表情を真顔に改めた赤弓さんが真摯な口調で言った。

私に何か大事な事を教えようとしているのが伝わってきて、私は傾聴する。

 

「有象無象の男子から余計なちょっかいを受けないためってのもあるけど、女子からのやっかみを軽くするためにも、ね。私はそうでもないけど、女って結構陰湿なとこ、あるじゃない? 下手にちやほやされて、『アイツ調子乗ってる』なんて大多数の女子に思われたら最後、色々きっつい目に遭うから。発中さんは容姿で目立つ分、嫌われないための予防線をしっかり張らないとだめよ」

「……うん、わかった。その通りだって、私も思う。大切な事を教えてくれてありがとう」

 

私は頷き、赤弓さんに忌憚のない感謝を述べた。

同性同世代の集団の中で過ごした経験のない私にとって、本当に必要で貴重なアドバイスだったと思う。

赤弓さんが照れたようにはにかんだ。

 

「なんか、柄にもないこと言っちゃった。余計なお世話だったら、ごめんね。言い訳かもしれないけど、発中さんってそういうの気にしてなさそうだったから、つい言っちゃった」

 

正しいことをした上で、一歩引いてへりくだってみせる。そういう大人の心遣いが、赤弓さんが人に囲まれる理由なんだなって思えた。

私はふるふると首を横に振った。

 

「余計なお世話だなんてこと、ない。私は赤弓さんに感謝してるよ」

「そっか、良かった~。実のところ、もし発中さんに『迷惑だ』なんて言われてたら、すっごく凹むところだったわ」

 

鷹揚に打ち明けてから、赤弓さんは小さく肩をすくめて見せた。

その剽軽な仕草が可笑しくて、私はクスリと含み笑う。

 

「ところで、屋上にはまだ行かなくていいの? 話に付き合わせてる私が言うのも何だけど」

 

話題がひと区切りついたところで、赤弓さんが気遣わしげな口調で尋ねてきた。

 

「うん。手紙には『放課後に』としか書いてなかったから、少しくらい大丈夫」

「わお。発中さんって案外悪女だねー」

「悪女はひどいよ、もう」

 

けらけらと笑ってからかう赤弓さんに、私は怒ったフリをして抗議した。

 

「ね。私もついていっていい?」

 

ひとしきり笑った後で、赤弓さんが屋上への同行を申し出た。

私は構わないけど、相手方は多分、他の人に見られたくないよね。赤弓さんは見聞したことを軽々しく吹聴したりしないと思うけど、うーん……。

私は僅かに逡巡してから、遠回しに難色を示す。

 

「……気まずいお話になると思うから、見てても楽しくないよ、きっと」

「あ、誤解しないで。興味本位のつもりはなくてね。ただ発中さんが心配なの。人気のないトコで男子と二人っきり、しかも相手は発中さんに一方的な好意を抱いてる。これって案外危険なシチュエーションだと思わない? ほら、発中さんって華奢だし、力ずくで迫られたら抵抗できなさそうだし。ボディガードが必要かなって」

「それは……」

 

やや軽薄だった雰囲気を消し、真面目な口調で理由を語る赤弓さんの顔には、偽りなく私を案じる表情が浮かんでいた。

赤弓さんの心遣いを嬉しく思うと同時、その言い分に心当たる。

これまで何度か呼び出されて告白を受けたが、概ね人気のない場所でだったし、期待や不安といった強い感情を帯びた男子の視線を怖いと感じたこともある。

告白してきた男子は全員上級生だったし、小柄で体力もない私では、もし直接的な暴力に訴えられたら何の抵抗もできないだろう。

 

「……お節介、かな?」

 

私が考え込み、黙り込んだのを消極的な拒絶と受け止めたのか、赤弓さんは困ったような笑顔で聞いてくる。

私はふるふる、と首を横に振った。

 

「ううん。そんなことないよ。赤弓さんが一緒なら安心できるもの」

 

だから、お願いします――と言って、私は赤弓さんに微笑みかける。

その途端、赤弓さんは顔を赤らめ、「ほわー……」と妙な声を漏らしながら口をぽかんと開けて固まった。

 

「……赤弓さん?」

 

訝しんだ私が名前を呼ぶと、赤弓さんはハッと正気づいた。

何故か慌てた様子で右手をひらひらと振り、愛想笑う。

 

「えっ、うん、大丈夫。私がいれば不届きな男子の一人や二人、一撃必殺するから安心して!」

「あ、あはは……ほどほどにお願いします」

 

赤弓さんの物騒な意気込みに、私はやや引き気味に乾いた笑いで応じた。

早まったかな……と内心でちょっぴり後悔したのは秘密にしておこう。

 

 

 

 

☆★☆★

 

 

 

 

「ごめんなさい。私はまだ誰ともお付き合いするつもりはないんです。ですから、お断りさせてください」

 

両手を腰の前で組み、ぺこりと頭を下げる。

もうすぐ初夏を迎えるとはいえ、吹きさらしの屋上では風が冷たい。

私を呼び出した上級生の男子生徒は「わかった。こちらこそ突然呼び出したりしてごめんね」と、気まずそうな表情ではあったがあっさり納得してくれた。

私は踵を返して屋上出入り口をくぐり、そこで待機していた赤弓さんと合流する。

何も言わず私の横に並んだ赤弓さんと連れ立って、緩いペースで階段を降りる。

内履きの靴底がリノリウムの床を噛むぎゅっ、ぎゅっという音だけが人気のない階段に響いた。

階下へと降りるにつれ、遠くから聞こえる喧騒が強まってくる。部活をしている生徒のものだろうか。

 

「……お疲れさま。しっかし、発中さんって案外はっきり言うってか、物怖じしないんだね」

 

ぽつりと、赤弓さんが感心した口調で言った。

 

「そう……かな? 私はただ、大事なことはきちんと伝えないとダメかなって」

「その通りだけど、普通は結構、雰囲気に流されたり、罪悪感から曖昧な言い方してしまったりするしねー。だから一刀両断できたのは素直に凄いと思うわ」

 

そう口にした赤弓さんの言葉には実感が篭っていた。もしかしたら経験者は語るって事なのかな。

私だって最初から今回のような対応ができたわけじゃない。

他人の顔色から内心を察するのは苦手じゃないけれど、対人経験もコミュニケーション能力もない私が、異性のアプローチをいきなり上手に捌けるはずもなく。

初めて告白されたときなんて、狼狽して「ごっ、ごめんなさい!」とだけ言って逃げることしかできなかった。

入学直後から何度かそういうことが続いて、対処に困った私は兄様に相談したのだ。

そしたら兄様が「告白を断る場合は、できるだけ蔑んだ表情で相手を見つめながら『鏡を見てから出直せ』とか『身の程知らずは嫌い』と罵ってやるのがマナーだ。そうすれば二度と近寄ってこなくなる」とアドバイスしてくれたので、早速実践を兼ねて侮蔑の眼差しを兄様に試したら「嘘ですごめんなさい」と土下座された。

兄様はもうちょっと真面目に生きるべきだと思う。

一応その後、「その気がなければきっぱり断るのが思いやりだ」と教えてもらったので、それからは開き直ってきちんと断るようにしていた。

 

「赤弓さんには私が気弱な性格だと思ってたの?」

 

私の問いに、赤弓さんは「んー……」と可愛く唸りながら考え込む。

 

「気弱って言うか、お嬢様っぽくて世間慣れしてなさそう、というのが発中さんの第一印象かな」

 

赤弓さんらしい明け透けな発言に、私は苦笑した。

 

「うん、大体合ってる。お嬢様かどうかはともかく、世間知らずなのは確かだから」

「やっぱり?」

「うん」

「それじゃあ、これからは私が発中さんを世間の荒波から守ってあげる」

「ふふ、ありがとう。赤弓さんは私のナイト様だね」

 

茶目っ気たっぷりに言う赤弓さんに、私も軽口で応える。

こうして友達と何気ない会話をできることが、すごく幸せに感じる。

赤弓さんとの友情はずっと大切にしていこう。

 

「それじゃお姫様、これからいかがなさいます?」

「えっと、生徒会室に部活の入部届け用紙を貰いにいこうかなって」

「お、ついに部活に入る気になったの?」

「うん。麻雀部に入ろうと思ってるの」

「あらま……発中さん、麻雀なんてするんだ?」

 

赤弓さんはやや驚いた様子で、意外そうに言った。

まあ無理もないかな、と思う。

麻雀は少しずつ若い世代の競技人口が増えてきているとはいえ、中学生レベルではまだまだマイナー競技といえる。

都市圏ならまだしも、人口過疎地域の中学校では麻雀部がないところの方が多いかもしれない。

私が入学した高遠原中学に麻雀部があることは、入学前に調べた情報でわかっていたけれど。

 

「麻雀は兄様に教えて貰って、よく家族と打ってたの」

「なるほどねー。てか、発中さんってお兄さんいたんだ。しかも兄様て……でも発中さんが言うとあんまり違和感ないわね」

「何か変?」

「んーん、別に」

 

そんな会話を続けながら、校舎1階にある生徒会室前まで辿りつく。

入室のノックをしようとしたところで、生徒会室の中から言い争うような声が聞こえてくる。

隣に立つ赤弓さんにもそれは聞こえたようで、こちらに顔を向け、「どうしよう?」と小声で訊ねてくる。

生徒会室内で何かトラブルが起きているのは間違いなさそうだし、入室するのは様子を窺ってからの方がいいかもしれない。

「少し待ちましょう」と小声で赤弓さんに伝え、生徒会室前廊下で待つことにした。

およそ人気のない廊下で無言で佇んでいると、生徒会室内の声がはっきり聞こえてくる。

 

「だから! あと少しだけ待って欲しいんです!」

「それはできないと何度も言ってるだろう! 本来の報告期限は先週迄だったんだぞ! これ以上の遅れは予算案編成にも悪影響が出る! 物理的にタイムリミットなんだ!」

「そこをなんとか! せめて3日の猶予を!」

「ダメだ! 大体、この時期に部活に入ろうとする人間がどれだけいると思うんだ! 部活をやりたい生徒は既にどこかに入部してるはずだ! そんな状況下で加入希望者を二人も見つけられるはずないだろう! 諦めろ!」

「そんなことはやってみなければわからないでしょう!」

「馬鹿を言うな! もう1月以上勧誘活動やってダメだったんだろうが! 結果はすでに出てる! 麻雀部の同好会格下げはもう確定事項だ!」

「そんな!?」

 

盗み聞きするのは本意ではないので、生徒会室内から漏れてくる声を右から左へ聞き流していたところ。

”麻雀部”という、自身と関わりのある単語が聞こえたため、興味を引かれた。

聞き流していたつもりなのに私の記憶力はしっかり仕事していたようで、今ほどの会話の内容が頭の中で反芻される。

「加入希望者二人」「麻雀部の同好会格下げ」……その二つのキーワードで、大体の状況が読めた。

どうやらこれから入ろうとしている麻雀部は、人員不足による同好会格下げの瀬戸際らしい。

私に関連のある事態だと、赤弓さんも理解したようだ。隣から肘で軽くつついてくる。彼女の目は「放っておくの?」と訊ねていた。

もちろん、このまま放置するわけにはいかない。

私は赤弓さんに目配せしてから、生徒会室のドアをコンコン、とノックした。

 

「はいどうぞ! 入ってください!」

 

許可は出た。しかし、扉越しに苛立ちが伝わってくるような刺々しく張りつめた声に気圧されて、入室を一瞬躊躇う。

不毛な押し問答を続けていたせいか、生徒会室の住人は著しく機嫌を損ねているようだった。

気後れを飲み込み、「失礼します」と告げて暗雲漂う生徒会室にお邪魔する。背後にいてくれる赤弓さんの存在がとても頼もしく感じられた。

生徒会室内にいたのは、奥の長テーブル中央でパイプ椅子に腰掛けている男子生徒と、こちらへ半身振り返っている女子生徒が二人。

察するに、座っている男子生徒が生徒会役員、女子生徒二人が先客の麻雀部員だろうと当たりをつける。

男子生徒は中肉中背、やや神経質そうな容貌に眼鏡をかけている。

女子生徒の一人は、背の高い痩せ型で短めに切り揃えたおかっぱの髪型が特徴の人だ。

もう一人はかなり小柄で、私とほぼ同じくらいの体格。右側頭部で髪を結う、所謂ワンサイドアップの髪型をしている。

学年を示すスカーフの色などから、3人とも上級生だと知れた。

生徒会役員は入室してきた私と赤弓さんを観察するようにしばし見やってから、視線を麻雀部員の二人へ移す。

 

「別の客も来たことだし、議論は終わりだ。先の件は確定事項として処理しておくから、諦めて出て行ってくれ」

「……はい、わかりました……。マホ、行くよ」

「はいです……」

 

生徒会役員の最後通牒を諦観の表情で受け入れ、麻雀部員の二人が踵を返してトボトボと生徒会室を出ていこうとする。

 

「ちょっと待ってください」

 

背の高い女子生徒がドアに手をかけたところで、私は二人の背中に声をかけた。

「「えっ?」」とほぼ同時に声を出して、こちらへ振り返る二人。その表情には微かな困惑と、隠しようもない失意がありありと浮かんでいた。

私にとっても麻雀部の趨勢に関わることであれば、他人事ではない。この話を看過するわけにはいかなかった。

嘘偽り、冷やかしなどと誤解されぬよう、真剣な面持ちで二人を見据え、はっきりと宣言する。

 

「私が麻雀部に入部します」

「「な……」」

「ホントですかっ!?」

 

絶句する生徒会役員と背の高い女子生徒。

しかし小柄な女子生徒は根が素直なのか、驚くことなく事態を受け止めて、きらきらと瞳を輝かせて私に聞き返した。

 

「はい。実は麻雀部に入部しようと思い、申請用紙をいただく為にここへきたんです。生憎取り込み中でしたので、お話が終わるまで外で待ってたんですが……麻雀部に関わることのようでしたので、失礼を承知で割り込ませていただきました」

 

生徒会役員は予想外の展開に戸惑っていたが、私が説明を終えると落ち着きを取り戻し、こちらを醒めた眼差しで見つめている。

事情は理解したが完全に納得したわけではない。そんな心境が彼の表情から読み取れた。

 

「……話はわかった。君の申し出は決して嘘や冗談ではない、ということだね?」

「はい」

 

ふむ……と考え込む生徒会役員。

それとは対照的にテンションを高める麻雀部員の二人。

これからお世話になる人たちだし、先輩と呼ぶべきだろうか。

 

「やりました! 土壇場で部員ゲットなのです!」

「ありがとう! すごく助かる!」

 

小柄な先輩は微笑ましくはしゃぎ、背の高い先輩は感激した面持ちで私の手を取り、礼を述べた。

二人の気安い態度が嬉しくて、私は控えめな笑顔で「はい」と頷いたが、内心の憂いは晴れてなかった。

喜ぶ先輩たちには申し訳ないが、私が入部しても問題解決には至らないのだ。部として存続させるには――あと一人、入部者が必要だった。

それを告げるべきか迷っているうちに、生徒会役員がその部分を冷静に指摘する。

 

「――だが、それでもまだ4人。部として存続が認められる必要定員の5人に満たないことに変わりはない。よって、麻雀部の同好会格下げは変えられない」

 

ぐうの音も出ない正論を突きつけられ、手を取り合って喜んでいた先輩たちは表情を一転させ、愕然とした。

 

「ええっ、そんなの酷いです……!」

「あと一人なんだ。せめて数日待ってください」

「だめだ。規則は規則だ」

 

取り付く島もない生徒会役員の態度には、これ以上の交渉はもたないという強い意志が感じられた。

私としても残念だが、説得の余地はないと諦めるべきだろう。過度にごねて無理を通すようなやり方は好ましくない。

そう思い、先輩方を制止する言葉を考えていると、

 

「私も麻雀部に入部しますから、それで5人ですよね?」

 

これまで傍観者の態度で沈黙していた赤弓さんが、助け舟を出すようにそう申し出た。

 

「ほっ、ほんとですか!?」

「はい。元々そのつもりでしたから」

 

小柄な先輩の確認に、赤弓さんは飄々とした表情で答えた。

 

「……赤弓さん。本当に、いいの?」

「もちろん。私はね、最初から発中さんと同じ部活に入るつもりだったのよ。だから全然、問題ないわ」

 

私と違い、人当たりが良く学業運動共に優秀な赤弓さんが部活に入ろうとしないことを、以前から不思議に思ってはいた。

高遠原中学では部活に所属する義務はないが、それでも8割以上の生徒が部活動に勤しんでいる。

赤弓さんには部活に所属しない事情があるのだろうと思っていたが、まさか私に理由があろうとは考えもしなかった。

 

「ありがとう……赤弓さんが同じ部に入ってくれるなら、本当に嬉しいし、心強いよ」

 

――感謝の気持ちが、赤弓さんに伝わりますように。

そう願いながら、私は赤弓さんに微笑みを向け、礼を言った。

するとなぜか赤弓さんは僅かに瞠目し、それから目元を緩めて私の顔を食い入るように注視する。同性相手とはいえ、こうも近距離で見つめ合うのは少々気恥ずかしい。

ほのかな羞恥心が視線によって伝播したのか、ハッと正気付いた赤弓さんも恥ずかしげに頬を赤らめた。

 

「も、もう……そこまで喜ばれると流石に照れるわね。というか、その笑顔は反則すぎっ」

 

言って、こめかみを指先で掻きながら面映そうにはにかむ赤弓さん。なんだか男の子みたいな仕草だな、なんて失礼な感想を抱く。

 

「わぁ、落ち着いて見るとすっごく可愛い子なのです!」

 

驚くような声で、小柄な先輩が言った。彼女の眼差しは私の顔に注がれている。ということは……「可愛い子」って私?

その推測を肯定するように、背の高い先輩もまた私の顔をまじまじと見つめながら、聞き捨てならない事を口にする。

 

「言われてみれば確かに。今年の新入生に凄い美少女がいるって噂聞いたけど、もしかしてこの子のことかな?」

「そうですよきっと!」

 

……噂? 凄い美少女って、私が?

自分の容姿に自信がないわけじゃないけれど、人の口に上るほどだろうか。

私自身に関することへ唐突に変わった話題に付いていけず、私が目を白黒させていると、

 

「実はそうなんですよ先輩方。何を隠そうこの子こそが今年高遠原中学に降臨した清純派美少女アイドル、雀姫ちゃんです!」

 

にんまりとした笑みを浮かべた赤弓さんが背後から私の両肩を掴み、先輩方二人にやや押し出すようにして楽しげに言った。

冗談だとは思うけど、アイドルって何……。

ノリが良いというかなんというか、赤弓さんは兄様と波長が合いそうな人だなって思う。

兄様のおかげと言うべきか、突拍子のない発言に慣れている私は、はあ、と小さくため息をついて疲労感を紛らわせた。

友人に弄られる私の様子を見て、背の高い先輩が苦笑しつつ目で「大変だね」と同情を示してくれる。良い人だな、と思った。

 

「はは、君たち二人ともアイドル並に可愛いよ。それはともかく、二人とも麻雀部に加入してくれるんだね? 今更嘘でした、とか言わないよね?」

 

苦笑めいたお世辞で冗談をさばいた背の高い先輩は、真顔へと表情を一転させ、切実な口調で私たちに確認した。

サッカーで言うと時間切れロスタイムで2点を入れて逆転しました、みたいなご都合展開に疑いを抱いているだろう。

 

「はい。よろしければこの場で入部届けを書いて提出したいと思います」

「あ、私も同じくです」

 

私と赤弓さんが答えると、背の高い先輩は心底安心したとばかりにほっと息をついた。

 

「そっか……二人ともありがとう。麻雀部を代表して礼を言う」

「マホも感謝感激雨嵐です!」

 

小柄な方の……マホ先輩であってるかな?

それは感謝感激雨あられの誤用だと思う。

 

話が纏まったところで、女の子4人の姦しい会話に迷惑顔だった生徒会役員に麻雀部存続を了承させ、入部届けの用紙をもらって必要事項を記入し提出、晴れて私と赤弓さんは麻雀部に所属することとなった。

「失礼しました」と断って生徒会室を辞した私たちは、麻雀部の部室に案内するという先輩二人に先導されて廊下を連れ立って歩く。

ときどき後ろを振り返って私と赤弓さんに話しかけてくる先輩たちの表情は実に洋々としたものだった。

入部は元から決めていたことだし、感謝されるほどのものではない。それでも自分の選択が誰かを喜ばせる糧となったのであれば、素直に嬉しいと思った。

階毎に各学年の教室が横並びする北校舎から、部室棟や特別教室が主体の南校舎へと移動してきた私たちは、「麻雀部」というルームプレートのあるドアの前で立ち止まった。

 

「そういえばさっきの入部届け、興奮してたせいでうっかり名前も見ずに出しちゃったから、二人の名前まだ知らないんだ。申し訳ないけど、自己紹介してもらっていいかな」

 

背の高い方の先輩――3年生で麻雀部部長の室橋裕子(むろはしひろこ)とさっき自己紹介をしていただいた――が、私と赤弓さんに顔を向けて思い出したように言った。

私と赤弓さんは顔を見合わせ、アイコンタクトで発言の順番を決める。先行は赤弓さんだ。

 

「1年の赤弓妙歌です。麻雀はルールだけ知ってます。といっても、ゲームで覚えた知識なので正しいかどうかは正直自信ないです」

 

赤弓さんはいかにもアウトドア系っぽいというか、あまりインドア趣味には興味がなさそうなタイプだと思っていたので、初めて知る彼女の一面が少々意外だった。

もっとも、携帯のアプリで手軽にゲームで遊べる昨今、全く無縁である方がむしろ珍しいかもしれない。

割とどうでも良いことをつらつら考えながら、妙歌に続いて自己紹介を行う。

 

「同じく1年の発中雀姫(はつなかすずき)です。麻雀は家族とよく打ってました。今後ともよろしくお願いいたします」

 

言って、ぺこりと頭を下げる。

「こちらこそよろしく」と頷きを返す室橋先輩に促され、私と赤弓さんは麻雀部部室に足を踏み入れたのだった。

 




かなりの割合書き直したので、結構難産でした(´・ω・`)
くどい表現&不要な文章等片っ端から削除修正し、その分新規文章で穴埋めしました。
そのため会話の流れなどの整合性を取るのがめんどくs……大変になり、丸ごと書き換えました。
よって改定前(にじふぁん掲載時)とは内容がほぼ別物になってます。

外連味溢れる会話センスが欲しいなーと思う今日この頃。
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