ゆらぎ荘の蹴る人と殴る人   作:フリードg

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第12話 ハダカのツキアイ

□□ ゆらぎ荘 温泉 □□

 

 

 

 何はともあれ、ゆらぎ荘の危機? はとりあえずは去った。

 

 

 此処にいる皆は、色々と変わり者だと言われているが、それ以上に力ある者達が揃ってるから、それこそ、ここを襲おう者達がいるならば。

 

 

ゆらぎ荘(ウチ)と一戦したいなら、軍艦でも~~』

 

 

 と言っちゃっても良いくらいだ。……まぁ、本当に軍隊が来たら、ちょ~っと無茶だと思うけど。幾ら彼女達でも。

 

「ふぅー………、何だかアホな事、延々と考えてた気がするなぁ……」

 

 空を仰ぎながら、温泉にゆっくりと浸かるのはホムラ。

 色々とあって、大変だった。坊さん連中たちを追い払った? のは彼女達だから、疲労の類は無かったのだが……、色んな意味でゆらぎ荘では、色んな意味で心労が重なる。そして、温泉とは格好の癒しの場。

 

「ん~…… 朝風呂……、いや 朝温泉も良いものだ……。疲れを取るのはやっぱり温泉に限る……♪」

 

 ぐーーっ と腕を伸ばすホムラ。

 

 今日も一日……何事も無い様に、と 思うホムラだったのだが このゆらぎ荘ではそうはいきません。

 

 

 

「――――らーっ!」

「…………っっっ!!!」

 

 

 

 それは突然だった。

 

 本当に突然――、お空から声が聞こえてきた。

 

 

 

―――いったい誰の声……? 

 

 

 

 と聞くまでも無く、ぴょんっ! とジャンプして、乱入者が温泉場に着地していた。

 

 だが、ホムラは、けーっして それは誰なのか、誰が来たのか、それを確認したりはしない。前を一点。視線を完全に固定していた。

 

「ホムラっ! 今日こそ 背中、夜々が背中流してあげるの」

 

 尻尾をふりふり~と左右に振っている、つまりは喜んでいる様子の乱入者(夜々)

 ホムラにとっては……、最悪な展開である。勿論、夜々だから と言う理由ではない。そして何よりも……その身体はバスタオル一枚羽織っただけで、殆ど裸。ホムラは見て確認した訳ではないが、温泉に来る以上、衣類の類は脱いでいる、と認識していた。

 

 

「っっ~~//// や、夜々っっ!?!? な、なんで?? お、オレ、ちゃんと入ってるって……っ///」

 

 

 もう判ってると思うが一応。

 

 

 ホムラは、こう言う所謂ラッキースケベぇ、えっちなとらぶる♪ それらに対して、耐性は皆無なのである。コガラシも、赤面したりしていて、初心なのは同じだが、その倍以上は上だったりする。平常心など保てない。あまり 刺激が強すぎると、意識をフェードアウトしてしまう程。

 

 別に ホムラは、ムッツリスケベぇ! と言う訳でなく……、極端なまで、異性に対して照れ屋さんなのです。普段、普通に話したり、交流したりする程度であれば、まるで問題ないのだけど……。ああ、一応言うなら、水着等まではまだ何とか大丈夫なのだが……、これはもうアウトです。

 

「んー? 夜々、上から見たらホムラが入ってるの気付いたからっ」

 

 そう つまり、入口から入ってきた訳では無い。

 夜々は猫の様にゆらぎ荘の屋根で朝の太陽の光を浴びながら、眠っていた所、猫神にちょいちょい、と起こしてもらい、眼下にある温泉にホムラが入っている事に気付いて……今に至ってる。

 

「だだだ、だからってっっ/// い、いつも言ってるだろ……っ、ご、ご飯ならちゃんと作ってあげるから、だ、だからっ///」

 

 出てってくれ、とストレートには言いにくい様子のホムラ。

 以前、思わずストレートに言ったら、夜々は悲しそうな顔をして、涙目にもなって

 

 

『ホムラ、夜々の事……嫌い?』

 

 

 と言われた事があった為、中々言えないのだ。それでも何とか、ホムラは『恥ずかしいから』、と言うニュアンスを言ったのだけど。

 

 

『夜々、気にしないっ!』

 

 

 との事。今度は、『こちらが気にするから』 と夜々にホムラが言っても、首を傾げるばかりで一向に理解してもらえなかったりする。

 

 

「ホムラ~~っ」

「や、やや、た、タイムっ/// ひ、一先ずタイムっっ! た、頼むからっ」

「ダメなのっ、夜々が背中流すのっ!! 絶対流すのっっ!」

「わ、判った! 判った、だから ちょっとまって///」

 

 

ホムラに暴走する夜々(裸)を止める術は無く、ホムラは、兎も角 夜々の要望に応える事にした様子。背中を洗うだけだったら……、夜々の姿を見ないで済むからだ。此処から脱出するにしても、入口付近を抑えられてる? し。……何より、強く拒めば 夜々が泣いてしまいそうだから。

 

 

 と、言う訳で 観念して背中を預けたホムラ。

 

 夜々は恐る恐ると言った様子で、温泉の湯を確保させつつ、背中をゆっくり流す。

 慣れてない様で、ぎこちないが懸命に背中を流してくれる夜々。

 

「や、夜々。その、今日はどうしたんだ……///? い、何時になく強引過ぎる気がするけど……」

 

 それでもやっぱり背中越しには、夜々のあられもない姿があるであろう事。如何に見なくても連想してしまう事もあって、赤面は止められなかったのは当然。夜々は、ホムラの背中を洗いながら答える。

 

「んしょ、んしょ、んー? だって 《ハダカの付き合い》が大事なんでしょー? しんこーふかめる、とか? いろいろ訊いて!」

「……それ、呑子さんから?」

「そー」

「はぁ……///」

 

 混浴の状態で一体ナニを深めると言うのだろうか。

 健全な男の子だったら……、色々と暴走してしまうだろう。ホムラの場合は、こんな感じ。目も合わせられない。姿を見る事は無い。夜々が覗き込もうとしても、懸命に回避を続けている。或いは目を瞑っている。こういう暴走である。

 

「夜々、ホムラ好きだからー。しんこーふかめるのっ! ほら、猫神様もお世話になってるしっ」

「ぅにゃーんっ!」

 

 何処からともなく、現れるのは猫神。

 すっごく大きいから大分窮屈になる。でもそのおかげで遮蔽物?になってくれて、ホムラ的には好都合。

 

「………あのくらいで良かったら、幾らでも良いよ。オレだって 夜々や皆には大分世話になってるんだから」

「にゃむにゃむ~~♪」

「あははっ」

 

 現れた猫神の鼻先をゆっくりと撫でてやるホムラ。

 猫神も気持ち良さそうに 口元を緩めていた。猫神の感情は夜々にも伝わるのだろう、同じ様に笑っていた。

 

「だが、その……夜々?」

「んー?」

「その、裸の付き合いは…… 今後は、その…………」

「んー?? 毎日する??」

「み、身が持たないから、頼むから、ちょっと加減をして……///」

「んー」

 

 顔どころではなく、身体そのものが真っ赤っ赤になってしまってるホムラを見た夜々。厳密には、表情は前を向きっぱなしだから、見えてないけれど、それでも赤い事は判る。

 だから、夜々はホムラの身体を触りながら。

 

「ホムラー、のぼせちゃった?」

「っっっ~~///」

 

 ぴとっ、と密着する夜々。そんな事をされて仕舞えば益々動転してしまうホムラ。

 

 そんな時、救世主? が空から現れるのだった。

 

 

 

 

「ナニをやっておるかーーーーっっ!!!」

 

 

 

 

 空から、無数のくないが飛び、そのくないは、正確にホムラにのみ命中する。夜々や猫神には当たらないのは流石の命中率。

 

 因みに あのくない、突き刺さる~ではなく、吹き飛ばされる~ らしく、防ぐ様な事が出来なかったホムラは、ぶっ飛ばされてしまい、強引にエスケープする事が出来たのだった。

 

 

――救世主(狭霧)には、ある意味感謝。

 

 

 である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□ ゆらぎ荘 外 □□

 

 

 

「ぅう~……む、朝っぱらから酷い目にあった」

 

 首をくきっ、こきっ、と鳴らしつつ、ゆらぎ荘の外で朝日を身体に浴びて、落ち着かせているのはホムラ。

 

「ふ、ふんっ! だから言っただろ!? お、婦女子のあられもない姿を視姦すればどうなるかっ!!」

「狭霧にも言っただろっ! オレは無実だっっ!! だから、誰も来ないであろう時間に、仲居さんに無理言って、温泉開放してもらったんだからなっ!」

「だぁぁ! そー言う言い訳はいらんっっっ!!」

「言い訳違うわっ! 歴とした事実だ! いつもオレは、事実しか言ってないっ!」

 

 朝、ゆらぎ荘の外で――、随分と賑やかになっているのは言うまでも無い。

 

 早朝トレーニングを欠かす事の無い狭霧は、風呂場の異常事態? にいち早く気付き行動をした、との事。夜々は、最後まで何がいけないのか、と理解する事は無かったが、一先ず 遠慮する様に、と狭霧が納得をさせていた。……効果があるか判らないけど。

 

「う~……、コガラシが来てから、大分風当りが弱くなったと思ったのに……」

 

 コガラシが来て、大分彼に集中していたと思いきや、の出来事だったから、少々肩を落とすホムラ。

 うん、邪な考えをしていたから、罰が当たったのだろう。……世の男にとっては、非常にうらやまけしからん、罰。

 

「ふ、ふんっ。夜々の身体を見た罰だと思え!」

「オレは見てないっっ!! さ、最後まで、見ない様にした/// がんばったっ///」

 

 顔を真っ赤にさせて、そう絶叫するホムラ。

 ……その表情は嘘を言っているとは思えない。だから、狭霧は少し嬉しかった? のか。

 

「次からは気を付ける事だ」

「……どー、気を付けたらいいんだよ。露天だし、空からの侵入なんて、防ぎようが無いじゃないか……」

 

 と言う感じで、温泉場での話題は終了となった。

 

 話題終了となった理由は……。

 

 

『いやああああああああっ!!!』

『どわあああああああっ!!』

 

 

 と言う大絶叫が周囲に響いてきたからだ。あ、後遅れて、どっぽぉぉぉんっ………と、大きな何かが着水した様な音が響いていた。

 

 

「…………」

 

 何が起きたのか、瞬時に理解する事が出来る。

 幽奈を見る事が出来る者が、幽奈と相部屋になったら、必然だと言えるだろう。えっちなとらぶる発生、と言う事。

 

「おのれ、冬空コガラシ。あの男、また何か……」

 

 狭霧は、ギロり、と視線を鋭くさせていた。

 

 コガラシにとっても、完全な不可抗力、と言うか、無罪、と言うか……、悪くない事はホムラにも判るのだけど、先ほどの自分への当たりを考えたら、何言っても無駄であろう、と早々に結論を出して、軽くため息をするだけに留めていた。

 

「うぅん……、まぁ コガラシも………ドンマイ」

 

 前言撤回。軽く同情もしていた。

 

「まぁまぁ。制裁と言えば あれで十分だろう? 狭霧。……204号室から川に叩き落された、と考えれば十分。まだ 少々肌寒いし」

「む? それもそうだが、まだまだ手緩いと思うぞ」

「んーー」

 

 フォローを入れるホムラだったが、効果はいまひとつの様だった。

 

「それは兎も角、そろそろ戻ろう。朝食の時間だ」

「……そうだな。この件はまだ様子を見る事にする」

 

 大説教する気満々な狭霧。最悪退寮させようとでも思っているのだろうか?

 

 まさか、そこまでは~ と思っていたホムラだったが、そのまさかが的中する事になるのは、直ぐ後の話だった。

 




Q:「夜々ちゃんは、ホムラ君に夜這いはしないの?」

A: 夜は苦手っぽいから。夜々が先に寝る。



Q:「さぎっちゃんの混浴は~~??」

A: まだ先。



Q:「次は卓球(多分)だと思うけど、参戦する?」

A: …………多分。

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